fuzzy

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「ラッパーにビートを提供してみたいんですよね」と駱駝法師。「やったことがないようなビートでやってみたいです」とfuzzy。東京のボカロP、新潟のラッパーと住んでいる場所も活動するフィールドも全く異なる二人は、新潟の音楽ライターのアボかどにその思いを口にしたことをきっかけに異色のコラボを果たすこととなった。 両者を繋いだアボかども交えた三人でリモート会議を重ねて作り上げた本作は、それぞれが持ち寄ったアイデアを詰め込んだ情報量の多い一枚だ。camelotsこと駱駝法師のビートはどれも一つの形に留まり続けることを拒み、fuzzyは歌とラップの中間を泳ぎながら声に込めた感情を瑞々しくビートに落とし込む。両者のこれまでの作品にはなかった要素が混ざり合い、野心的でいてポップな作品に仕上がっている。 本作に収録された三曲は、全て方向性の異なるものだ。オープニングの「RESPAWN!」では、デフォルメされたギターの音を使ったフューチャリスティック・スワッグがシンゲリと交差。駱駝法師もマイクを握る「DON’T MIND!!」ではスロウダウンしたハウスのドラムを改変し、フューチャーベース的なシンセを加えて高揚感を演出している。ラストを飾る「FREE!!!」では、感傷的なギターを焼けるシンセに合わせたエモーショナルなレイジビートが終盤にドラムンベース化。fuzzyの一人称のリリックのエモーションを多様な形で引き出している。 ミックスとマスタリングはcamelotsが担当。アートワークは新潟のイラストレーターのあんなすが制作した。東京と新潟を縁とインターネットが繋いで生まれた、再出発して自由へと向かう三曲。ボカロとヒップホップの両シーンに新たな刺激を持ち込む、解放感のある一枚だ。

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