「螺旋」その終わらない二面性と共に描くクリエイティブの真骨頂。
カルマと称される終わり無き因果の存在を俯瞰して見たとき、そのイメージに近い「螺旋」というワードをタイトルへと落とし込んだ1曲。
HIPHOP的イデオロギーを含む幸福論を体現しながら、心ならずも課せられる責務と共存していく姿勢や度量の大きい人間で有り続ける事への志も感じられる。
映像ディレクター Spikey John の主宰するレーベル・NHOJYEKIPSの特色を生かして映像を起点に作り込まれた本作は、そのコンセプトから忠実に擦り合わせたビートを完成させ、画竜点睛としてのボーカルをマックスまで引き立てるというクリエイティブな仕様も特徴的だ。
妥協に流された成熟をアンチテーゼに、高みを目指し続ける足取りや自らの最大限をもって与えたいとする無償の優しさは偉大なオーラとなって、然るべくして輪の中心に存在するKaine dot Coというブランドを確立、多くのリスナーが彼とその音楽に啓蒙される事になるだろう。