「火の国 熊本からこの男が遂にベールを脱ぐ...」
現場叩き上げのライブパフォーマンスと個性的なキャラクターを武器に地元 熊本を中心に活動し、その活動はアンダーグラウンドシーンだけに留まらず、
Bリーグ熊本ヴォルターズのハーフタイムショーや大型ショッピングモールでの地域のイベントにもゲスト出演するなど多岐に渡り活躍している。
これまでに幾つもの作品を発表してきたが、
アルバムとしては意外にもキャリア初となる。
タイトルの「THE CURTAIN」[読み : ザ カーテン]とは、
これまで謎に包まれたさまを表現したジャケットカバーとは異なり、より内面を曝け出した楽曲が並ぶ。
自身に起きた出来事を赤裸々に描写した「愛飢男 Ⅱ」(M1)から幕を明け、
ようやく自分の番が来たとタイトにアプローチする今作のリード曲「BANDERA 」(M2)へと続く。
2016年に立ち上げたレーベル「THE COALMINE RECORDS」の主要メンバーであり盟友の『AG13』を客演に迎えた「金字塔」(M3)は2019年に自身も出演したKEN a.k.a. DEMIGODのワンマンライブを熊本最大のライブハウスDrum B-9 V1で開催し、地元アーティスト初となる成功を成し遂げ、疾走感溢れるトラックにその勢いのままを乗せた楽曲となっており、歌詞の一部にある「揺れても崩れん地元」など、まだ記憶に新しい熊本地震の復興への気持ちも表している。
さらには、今作、県外のアーティストで唯一客演に迎えた鹿児島の雄 『O.T.B』とのコンビネーション「何苦楚」(M4)、HIPHOPシーンに長きに渡り君臨し続ける「まむしMC's」から『Daddy K』をフィーチャーしたお祭りチューン「This is How We Do it !!!」
九州地方の方弁の代名詞である「よか」というワードを使って気ままに表現した「YOKA YOKA」(M7)、地元荒尾市に面していて馴染みのある有明海にインスピレーションを受けた「Sea Side Ariake」(M8)、「海の見えるスタジオ」(M9)やラブソングという位置付けでは今作唯一の「PRADA CANDY」(M11)
何気ない日常を綴った「窓」(M12)
自身もそうであった様に田舎では当たり前な地元から他県へ人が出て行く様子を歌い上げた「COMING HOME」で今作を締めた。
プロデューサー陣は、自身のLIVE DJを務めるDJ KAZZHIを筆頭に数々の有名アーティストを手掛けるPENTAXX.B.FやMONBEE、海外からMantra、SINIMA BEATSなど豪華布陣で固めた。
サディスティックでセルフボースティングする言葉と対極にあるエモーショナルで切なく優しい言葉を使い分け、幅広い音に様々な手法でアプローチし、丁寧に制作したSkitを含む全13曲。
世界規模で大きな変化が起こっている2020年に放たれる今作は〈儚く〉も〈美しく〉
"人間臭さ"の詰まったT.A.C.Tの魅力を表すのに相応わしい作品となっている。
このカーテンの向こうには
一つの小さな世界の物語がある
是非とも開いて体感してもらいたい。