混沌とした世界の時代説明。
飛びと品格を併せ持つ規格外のラッパーFRGの二枚目
となるアルバム'In Your Mind'。
NYの現行HIPHOPを踏襲したスタイルで、刻まれるリズムの流れ。
中毒性のあるDope Beat、心温まるSoul Sound、高い抜け感が爽快なキラキラチューン。幅広いトラック上で、FRGのポジティブで前向きな言葉が落とし込まれている。
ゲスト陣には、今や押しも押されぬ勢いのAKLO、"Mr.Summer"やアルバム’NEXT’などで話題のISH-ONE(From Ying Yang)、
同じくYing YangからXkhalivas名義のリリースも活発なSAGGA、
さらに新星EGO、和製タリブ・クウェリの呼び声高いTAKUMA the Greatらを迎え、現行の日本のHIPHOPシーンにおいて決して無視できないメンツが集まっている。
特に全国約10000人の国産HIPHOPファンにとっては好奇心をそそる涎垂モノの作品に仕上がっている。
先端を走る都会の時代感覚という意味で、HIPHOPがその一翼を担っていることは揺るぎない事実であり、東京とNewYork、ふたつの異なる文化をHIPHOPというフィルターを通して日本語で落とし込んでいる点において、 ‘In Your Mind’ には真の都会的感覚でとらえる日本の'今'が詰まっている言っていい。
エッジの効いたトガり、その一方で併せ持つ人情の温かみ。
矛盾するとも言える人間の性を、総勢6名のプロデューサー陣を迎え入れ、表情豊かな振り幅を持たせ表現。
XKHALIVASやLucas Valentineらがプロデュースする
⑨"In Your Mind"、⑧"Tokyo Square"などは、中毒性が高く、
DJ JOE IRONやYMGによる⑩“Sweeter Than Your Jeroursy”、⑦“Its My Time”は、思わずドヤ顔で首を振ってしまうし、
FANNY、Sekizawa Beats作の⑤“Hey Girl”、⑪“Powder” ⑫"Dream”などは心温まる思いにさせられる。
またラップにおいて、注聴すべきは声色や発声の抑揚を含めたフローの引き出しの多さだ。かといってフロウ一辺倒に終始することなく、人生を前向きにするような格言とも言えるラインを端々に落としている。このクオリティの高さと内容量が「今」であり、HIPHOPの面白さと刺激が存分に込められてると言っていい。
FRGの‘In Your Mind’。この作品は現代の人々が共通して思うことについて歌っているという点で、聴かずとも既にあなたの意識の中に侵入している。マトリックスな現実がこの中に。 #Must Check