Mack Avenue SuperBand
Digital Catalog
今や、ジャズにおける最大のインディ・レーベルとなったMack Avenue Records。そのMack Avenueがスポンサーをつとめるデトロイト・ジャズ・フェスティヴァルのために、毎年特別結成するMack Avenue Superbandが繰り広げた演奏を収録した作品。2012年から始まった企画で、本作は3作目。始まった当初は、曲ごとにゲスト・アーティストを迎えていましたが、2013年からはロドニー・ウィテカーがMusic Directorに就任し、その年々選抜されたアーティストによってバンドは固定となりました。メンバーは、見ての通り、世代も様々で、スタイルも多様。ホット・クラブ・デトロイトのメンバーで、新しいマヌーシュ・ミュージックを追究するギタリスト、エヴァン・ペリ、ビヨンセのバックでファンキーなサックスを聴かせるティア・フラー、ヴァイブラフォンの新鋭ウォーレン・ウルフ、かと思えば、ゴスペル/ソウル・サックスの大御所、カーク・ウェイラムも参加。超大物スターが大勢参加するというものではありませんが、正に、今のMack Avenueの幅広さと充実が見えます。ウィテカーはフェスの約一か月前から各メンバーに楽曲を募り、その年のレパートリーを決定。それだけに、演奏にも集まったメンバーの個性が溢れ、興味深いものがあります。特にマヌーシュ・スウィングの要素をベースとしながら、変拍子なども織り交ぜ、ギターとヴァイブラフォンが緊密に絡みあう情熱的なソロを繰り広げていくエヴァンの楽曲(M6)演奏は白眉。新しい作風を示唆しています。レイバー・デー(Labor Day=労働者の日)・ウィークエンドに開催される祭りの一幕がここにあります!
才能あるアーティストと次々に契約を結び、デトロイト・ジャズ・フェスティバルのスポンサー、企画も手掛けるレーベルが、MackAvenueRecords。その活発な活動は現代のジャズ・シーンに目を向けるファンなら知らない人はいない、というほどのものとなってきましたが、本作は、レーベルのスターを集めたスペシャル・アーティストが、フェスで演奏したライブを収めた作品。 企画としては2012年(MAC1076)に続いてこれで2作目。参加メンバーは前回の10名から8名になりましたが、演奏のまとまりは着実にアップ。というのも、各メンバーのショーケース的な傾向が強かった2012年の演奏に対して、今年は、グループとしての結束力ある演奏を目指したのだそうです。 ミュージック・ダイレクターには、前回も全面的に参加したロドニー・ウィテカーを迎え、メンバーの友情、尊敬、というものが生みだされるように、個々が持つ特徴から共通となるものを見出していったのだとか。その特色を生かして楽曲を選び、メンバー編成、および、フィーチャー・アーティストを決定していったようです。 演奏は、カーク・ウェイラムらしいゴスペル・ムードが漂う演奏あり、ホット・クラブ・デトロイトのエヴァンをフィーチャーしたジャンゴのナンバーあり、レーベルが今強力に後押しするトランペッター、ショーン・ジョーンズをフィーチャーしたナンバーあり。しかし、ストレートなハード・バップを基調とすることで、一本筋が通った印象を与えます。 そして、そんな中で白眉な演奏が、M6。巨匠ゲイリー・バートン(ヴァイブラフォン)と、新進のウォーレン・ウルフ(マリンバ)がデュオで演奏。しかも楽曲はチック・コリア&ゲイリーバートンの超名盤『クリスタル・サイレンス』の冒頭を飾る一曲。この曲は、ウルフ自身もMackAvenueでの第一弾作品で挑戦している思い入れ深い曲でもあるわけですが、互いが溢れ出るイマジネーションを交感し、対話するように描き上げた世界は、幻想的な美しさを満面に湛えています。 ディジー・ガレスピーによるバップ・ナンバー“トゥ・ベース・ヒット”のはじける演奏まで全10曲。ジャズの未来を予感させるレーベルから、やはり目が離せません。

