ふじ
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湯気越しに君は微笑った。 君の足先から膝までは、溺れていたような記憶が微かに残る。 君を探して薮を薙ぎ払い頂上を越えたら 翼を広げ飛び去るようにただ さよなら。
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湯気越しに君は微笑った。 君の足先から膝までは、溺れていたような記憶が微かに残る。 君を探して薮を薙ぎ払い頂上を越えたら 翼を広げ飛び去るようにただ さよなら。
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或る少女の町の駅には急行は停らない。 隣街に住む私が、その駅まで迎えに行くのがいつものお約束だった。 私の住む街は土地開発が進み、駅前には商業施設が立ち並んでいる。ロータリーを一周するには走っても3分はかかる程の広さ、平日の昼間でも彼女の町の週末より賑わっていた。 そして、駅には急行が停る。 その為、彼女の町の最寄り駅へ向かう時だけは各駅停車を利用していた。 時間にして25分程度ゆらゆらと揺られ、お気に入りの曲を5.6曲聴くと彼女の待つ駅に着いていた。 ある日から私は各駅停車を使わなくなった。 だが、隣の市の学校へ行くにも、週末に買い物に行くにも、急行を使っていても彼女の駅を必ず通過する事になる。 何度彼女のことを忘れようとしても、電車が通過する度に思い出してしまうのだ。 誰かが悪戯で、私に彼女の事を忘れさせないためにわざわざその駅を通過している様な気がした。 私はその悪戯にまんまとハマり、彼女の事をずっと忘れられないままでいる。
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片一方なくした靴下、1人になった僕みたいだ。 そんな我あるあるから産まれた、十八歳の吐き溜めの様などっちつかずのラブソングが新譜「もしも夫婦になったなら」だが、例えば縁の土地が会話を追憶させるように音階でさえも再生される体験が、分け合ったイヤホン、今はそっと、片耳だけに忍ばせよう。
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