和楽
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十干(じっかん)とは、 古代中国において生まれた時間哲学の体系であり、 甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸という 十の概念から成る。 それは単なる暦の記号ではない。 木・火・土・金・水という五行思想を背景に、 自然界の循環と人間の在り方を重ね合わせた 「存在の分類」である。 まっすぐに天へ伸びようとする甲。 柔らかく広がり調和を生む乙。 勢いよく燃え上がり世界を照らす丙。 静かに灯り続け、内面を温める丁。 大地のように包み支える戊。 細やかに整え育む己。 鋭く断ち切り、改革をもたらす庚。 しなやかに磨き上げ、美を極める辛。 大海のごとく包容し流れを生む壬。 雨露のように潤し、新たな芽を育てる癸。 木が伸び、火が燃え、土が支え、金が磨き、水が巡る。 その循環のなかで、人はどのように立つのか。 本作は、十干を運命論としてではなく、 “内面の姿勢”として再解釈した音楽作品である。 十干は未来を決めるものではない。 それは「自分はどう在るのか」という問いである。 時間とは流れ去るものではなく、 私たちの内側で繰り返される循環である。 折れながら、揺れながら、 それでも人は再び立つ。 本作は、十干という東洋思想を、 現代の音楽として静かに響かせる試みである。
立ち止まることを、許してあげたい夜がある。 前に進めない自分を責めるのではなく、 心が静かに整っていく時間として受け取れたなら──。 この楽曲は、 「走れない夜にも意味がある」という気づきを、 月明かりのような静けさで包み込む一曲です。 迷い、揺れ、言葉にならない感情。 そのすべてが、次の一歩へとつながっていることを、 そっと思い出させてくれます。 夜にひとりで過ごす時間や、 心を休ませたいときのお守りのように、 静かに寄り添う楽曲です。


