2010年より東京都交響楽団のプリンシパル・ゲスト・コンダクターに就任したヤクブ・フルシャ。登場の度に評価も高まり、今や最も存在感のある若きマエストロとしてその活躍に注目が集まります。この音源は、フルシャが都響と真正面から対峙し、触発し合い、会心の演奏が生み出された2012年12月20日に東京文化会館で行われた定期演奏会の模様を収めたものです。各セクション、各フレーズが明瞭にアーティキュレーションを奏することで旋律が立体的に浮かび上がり、加えて都響の見事なアンサンブルとフルシャのテンポ・コントロールによって極めて新鮮に、そして精彩鮮やかにオーケストラを響かせます。2楽章に於いてはオブリガード・コルネット入りの版を用い、演奏効果をより一層高めています。曲中の登場人物がリアルに迫ってくるような白熱した音楽展開が楽しめると同時に、常に明瞭なリズムやアーティキュレーションを最後まで貫き奏し、スコアと真正面から対峙したフルシャと、都響の驚異的な集中力が感じられる見事な「幻想交響曲」です。