太く短く時代を駆け抜けた天才モーツァルトの様々な器楽曲を集めた作品 活動期間は長くないながら日本でも熱狂的な支持者を持ち、伝説のレーベルとしてカルトな人気を誇るアメリカのレコード・レーベル「Everest Records」の数あるライブラリーの中から、ハイドン、ベートーヴェンと並ぶウィーン古典派三大巨匠の一人、モーツァルトの器楽曲を集めた作品が登場! Everest Recordsは'58年にニューヨークにて設立されたクラシックをメインにリリースしていたレーベル。ステレオ創世記であった当時に「35mmの磁気テープ(映画で使われる35mmテープと同じ幅のテープ)を使用した自社開発の高性能録音機器にて制作した高音質のステレオ作品」を売りに話題を呼び、実際その高音質作品は多くのオーディオマニアを驚かせたという。また、マーラーの交響曲第5番・第9番の初のステレオ録音音源や、死の数日前に録音されたヴォーン・ウィリアムズの交響曲第9番、アーロン・コープランドの初指揮となる交響曲第3番等、クラシック界の貴重な音源のリリースや、20世紀初頭の音源の発掘も手掛けていた事から、歴史的資料を多く排出したという点においても大きな功績を残したレーベルとも言えるであろう。 演奏は、ウィーン国立歌劇場、ベルリン市立歌劇場の首席指揮者を務めたレオポルト・ルートヴィヒ指揮によるロンドン交響楽団、作曲家としても活躍したユージン・グーセンス指揮による同じくロンドン交響楽団、エベレスト作品にはよく起用されているニューウェル・ジェンキンズ指揮によるエヴェレスト木管八重奏、メンデルスゾーンの血筋を引くロベルト・アレクサンダー・ボーンケ(P)等。 あらゆるジャンルの曲を残した彼の作品群の中から器楽曲をセレクトし、交響曲、ピアノ二重奏、ヴァイオリン協奏曲、木管八重奏等バランス良く様々なタイプの楽曲を収録した作品。彼の残した多くの作品が長調の作品だったように、軽快で装飾音の多い優雅な曲も多くアルバムから聴こえてくるが、「交響曲第40番」「セレナーデ第12番ハ短調」といった短調の曲も収録されており、哀愁や悲壮感を感じるメロディーもたっぷりと堪能でき、天才音楽家と言われた彼の幅広い音楽性と才能を、一流オケの表現力豊かな演奏と'60年代の録音とは思えないレンジの広い音質でもって、しっかりと感じとれる作品になっている。オススメは、優雅で壮大な世界観が描かれる8~10曲目「ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調」、木管の柔らかさと哀愁のメロディーが意外なマッチを見せる16~19曲目「セレナーデ第12番。 古典派を代表するアーティスト、モーツァルトによる才能溢れた幅広い曲調の楽曲をたっぷりと味わえる充実の一枚! London Symphony Orchestra/Leopold Ludwig, Conductor (M-1~4) Pierre Luboshutz, piano/Genia Nemenoff, piano (M-5~7) London Symphony Orchestra/Sir Eugene Goossens, Conductor (M8~10) Everest Woodwind Octet/Newell Jenkins, Conductor (M-11~19) Robert-Alexander Bohnke, piano (M-20)