ソニック・ユースのサーストン・ムーアが新バンドを結成、音源をリリース!!
アメリカのオルタナティヴ・ロックの黄金期を築き、世代を超えてロック・シーンに大きな影響を与えいる伝説のバンド、ソニック・ユース。同バンドのフロント・マンであるサーストン・ムーアが、ソロ活動を経て新バンド”チェルシー・ライト・ムーヴィング”を結成。オルタナの歴史の奥深さを感じつつ、攻撃的な音に身を任せてみませんか?
Chelsea Light Moving / Chelsea Light Moving
【配信価格】
mp3 単曲 200円 / アルバム 1,500円
wav 単曲 200円 / アルバム 1,500円
USオルタナ黄金時代を代表するソニック・ユースのフロント・マン、サーストン・ムーアが新たなバンド“チェルシー・ライト・ムーヴィング”を結成! サーストンの第二次初期衝動が詰まった、爆音オルタナ・ノイズ全開のデビュー・アルバム!
歪み続ける世界を拡大させる、ストレートなロックンロール
正直意外だった。あるいは意表を突かれたといってもいい。サーストン・ムーアがこんなに軽やかに、歪んだノイズを鳴らしているのを感じるのは初めてかもしれない。しかも楽しそうにだ。だが、シンメトリックな整合性からフッと抜けられるような、普通とは違ったやり方でやり続けていることには変わりはない。すなわち、反抗的なスピリットも未だに持ち続けているのだ。キム・ゴードンとの離婚、そしてそれに伴うソニック・ユースの活動休止後に結成した新バンド、チェルシー・ライト・ムーヴィングのデビュー・アルバムからそんなことを想起するとは思ってもいなかった。
サーストンが主宰するレーベルEcstatic Peace! から作品をリリースしている4人のアーティスト達と結成したバンドとあって、気の置けないメンバーでリラックスできたのだろう。このアルバムはかつてのソニック・ユースの作品にどこか付きまとっていた重苦しさを、さらりと粉砕しているように思えてならない。そう、そこにいるのは制約から解放された、無邪気でラジカルなサーストン・ムーアなのである。4曲目の「エンパイアズ・オブ・タイム」のゆったりとシンプルなギター・フレーズから、突如として現れるヘヴィーなリフと背後で楽しげに荒れ狂うホワイト・ノイズに包まれる瞬間には思わず鳥肌が立つ。そして、曲の冒頭から叩きつけるように硬質なギターが襲いかかる「バロウズ」。執拗なまでに反復するリフと、地鳴りのようなドラムとの交錯で生み出される独特のリズムが次第に加速していき、それと重なり合うように鳴らされる自由奔放なフィードバック・ギターの音塊に圧倒される。ともすると、それらの曲は初期のソニック・ユースを思わせるかもしれない。だが、もう彼は過去の音に酔ってはいないのだ。このナルチシズムに陥らない知性は、アメリカのオリジナル・オルタナティヴを表象するスーサイドから受け継がれたものに違いない。
軽やかさと反抗。一見すると背反するようにみえるが、それらを交配させ、できる限り大きな音で鳴らすことでも我々の理性的思考は木っ端微塵に破壊される。このチェルシー・ライト・ムーヴィングのアルバムはその実践であり証明でもある。サーストンは、グランジの兄貴分という宿命 / 重圧を自らの手で切断し、さらに歪み続ける世界を拡大させるために、ストレートなロックンロールを天衣無縫に掻き鳴らしているのだ。(text by 坂本哲哉)
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PROFILE
Chelsea Light Moving
ニルヴァーナやダイナソー・ジュニアと並び、USオルタナ黄金時代を代表するバンド、ソニック・ユースのフロント・マン、サーストン・ムーアによる新バンド、チェルシー・ライト・ムーヴィング。ソニック・ユースとして現在までに通算16枚、ソロで3枚の公式スタジオ・アルバムを発表。12年、サーストン・ムーア（Vo,G）、サマラ・ルベルスキー（B）、キース・ウッド（G）、ジョン・モノリー（Dr）でチェルシー・ライト・ムーヴィングを結成。同年11月、Hostess Club Weekenderのヘッドライナーとしてサーストン名義で来日、チェルシーの新曲を披露し話題となった。
