アルゼンチンの女性シンガー・ソングライター、フアナ・モリーナが前作『Un Dia』以来約5年ぶりとなる通算6枚目のオリジナル・アルバム『Wed 21』をベルギーのレーベル、Crammed Discsからリリースする。山本精一やEYE (ボアダムス)を魅了し、デヴィット・バーンやファイストと共にツアーを周り、2011年にはフジ・ロック・フェスティバルにコンゴトロニクス vs ロッカーズの一員として参加した彼女が本作で鳴らすのは、これまでになく芳醇で、これまでになく生々しいリズムをもったサイケデリック・ミュージックである。11月末に開催されるHostess Club Weekenderでの来日を心待ちにしながら、まずは『Wed 21』に酔いしれようではないか。


Juana Molina / Wed 21

【価格】
mp3・wav 単曲 200円 / まとめ購入 1,500円

【Track List】
1. Eras
2. Wed 21
3. Ferocisimo
4. Lo Decidi Yo
5. Sin Guia, No
6. Ay, No Se Ofendan
7. Bicho Auto
8. El Oso De La Guarda
9. Las Edades
10. La Rata
11. Final Feliz

最もリズムの重心が低く、最も荒々しい手触りをもったアルバム

フアナ・モリーナから約5年ぶりに届けられたアルバム『Wed 21』。本作はアルゼンチン・ブエノスアイレス近郊に位置する彼女のスタジオで、演奏から録音にいたるまですべてフアナ自身の手によっておこなわれたという。そんな本作は、今まで彼女がリリースしてきたアルバムのなかで、おそらく最もリズムの重心が低く、最も荒々しい手触りをもったアルバムである。誤解を恐れずにいうならば、狂騒的にフラストレーションから解放されていくような感触があるのだ。

もちろん、アコースティック・ギターと様々なエレクトロニクスをもちいた多重録音による音作りは以前にも増して精緻になっているし、その音の定位がもたらす空間性にはより幻想的な奥行きを感じさせる。また、彼女のヴォーカルによる表現も、幽玄で繊細なウィスパー・ヴォイスから時には叫び声に、時にはスキャットにと、多彩になってきている。だが、それ以上に本作の表情をより豊かにしているのは、呪術的でトライバルなリズムと、生々しいサウンド・プロダクションにあるように感じられる。表面は万華鏡のような実験的なサイケデリック・フォークであるが、内実は全体がリズム・セクションであるのだ。本作のリード曲である「Eras」での荒々しいカッティング・ギターと艶かしいベース・ラインによって生みだされるグルーヴ。そして、アルバム中盤の「Sin Guia,No」での、生々しく重たいキック・ドラムと硬質なハイ・ハットの交錯で作られるリズムと、調性を無視した鋭いギターの音色とのからみあい。さらに終盤の「La Rata」から「Final Feliz」にかけての自由かつなめらかに伸縮するトライバルなリズムが生みだすうねり。それはどこか、彼女が無意識にもかかえていたいらだちを踊りによって解放しているようでもある。
約5年という長い月日をへようとも、フアナ自らが理想とし、思い描く音像に対する追求はやむことはなかった。それを証明しているのがこの『Wed 21』というアルバムである。このアルバムでフアナは、生々しいリズムの躍動感を加えながら、またしても我々を架空の国 ―― そう、サイケデリアへと連れ去っていくのだ。(txt by 坂本哲哉)

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公式にはフラノフの4thアルバムで2004年作。本作もYusuy同様にメロディアスなフラノフが全開だが、Yusuyと違って全体的に抑制されたトーンでコンパクトにまとまっており、フラノフの最高傑作にあげる人も多い。Opsignoとはシネマ用語で、「潜在的なものを捉えた映像」の意味。初めてプロデューサーにエミリアーノ・ロドリゲスをむかえた作品で、マレット、マリンバ、ビブラフォン奏者であるマルコス・カベザズとの録音が出発点となっており、南米のリズムに挑戦している。

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PROFILE

Juana Molina
アルゼンチン、ブエノス・アイレス出身のシンガー・ソング・ライター。現在までに5枚のアルバムを発表。ワールド・ミュージックの枠を越えた、アルゼンチン音響派の重要アーティストのひとり。一時コメディエンヌとして成功を収めるがのち本格的に音楽活動をスタート。95年にアルバム・デビュー。過去の来日回数も多くエゴラッピン、高橋幸宏、レイ・ハラカミ等と共演。平井堅のアルバム『Ken's Bar』にも参加している。

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