
オトトイ1ヶ月先行配信 & フリー・ダウンロード開始
大久保由希 / 大久保由希
大久保由希(ex.レムスイム)のセカンド・アルバム。切れ味鋭いのにあったかい、ゴキゲンなナンバーの数々。そして、ちょっぴり切ない隠し味が効いています。
All Songs written by 大久保由希
Recorded by 福岡史朗 at GINJIN STUDIO/大久保由希 at 第2スタジオ
Mixed by 河村博司(ソウル・フラワー・モノノケ・サミット/ex.ソウル・フラワー・ユニオン)
Mastered by 庄司広光(皿disc)
>>>「HAPPY」のフリー・ダウンロードはこちらから(6/2~6/9)
清々しいほどに自由奔放な曲調
ソロ・アーティストの作品において、その主役を支えるバックのバンドやサポート・ミュージシャンの演奏がやけに楽しげに聞こえてくることがある。ライヴなどで実際に観た経験がなくても、音源から和気あいあいと演奏している姿がぱあっと目に浮かぶ。大久保由希の2作目『大久保由希』はまさにそんなアルバムだ。藤原マヒト(ワールドスタンダード、DerZibet)、桜井芳樹(Lonesome Strings)、牧野琢磨(NRQ、湯浅湾)ら気の合う仲間たちと録音された本作に漂うアットホームで楽しいムード。それは彼女のアーティスト活動の充実ぶりを示す1つの指標にも思える。
大久保由希は東京と札幌を拠点に活動するシンガー・ソングライター。福岡史朗やシネマなどのサポートをこなすドラマーとしての腕も然ることながら、歌い手としても非凡な才能の持ち主だ。99年にレムスイムのヴォーカル&ギターでキャリアをスタートさせ、その後ソロとなり、2008年にはフル・アルバム『MIRROR & MOUTHPIECE』をリリースしている。

彼女が歌うのは漂泊のブルース。と書くと、少し取っつきにくく聞こえるかもしれないが、楽曲はとてもキャッチーでポップ・ミュージックとほとんど同列で聴ける。前野健太がポップ・フォークなら、大久保由希はポップ・ブルース。ブルースの哀愁や孤高性を根幹に持ちつつ、そこにとどまらない間口の広さでユーモアたっぷりな歌を聴かせてくれる。オープニングの「HAPPY」で気だるくも陽気なブルースを聴かせたかと思えば、クリスマスのワクワク感を歌う「Ring Ring Ring」はニュー・ミュージック的な懐かしさがあったり、「ハローハロー」や「夕焼けの逆光」では美しく切ない情景とともに、ミステリアスな雰囲気を感じさせたりもする。清々しいほどに自由奔放な曲調からは彼女の快活でスッキリとした性格が見えてくるようだ。
アコースティック主体の演奏でありながら、間延びした印象がないのもポイント。それはアコーディオン、パーカッション、ピアノ、マンドリンなどなどさまざまな楽器を駆使した軽妙洒脱なアレンジによるところが大きい。参加ミュージシャンも彼女の世界観や人間性に魅せられているのだろう。音の一粒一粒から共鳴や賛同の思いが伝わってくる。そういった音楽愛も含め、『大久保由希』は何の打算もない本当に素敵な一枚だ。(text by 田山雄士)
過去の関連作品も同時配信
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INFORMATION
〜河村博司Presents〜 「勝手に前祝い☆ギンジン・ナイト」
6月2日(木)@下北沢440(本日! )
LIVE : 河村博司、大久保由希バンド、福岡史朗
open : 19:00 / start : 19:30
前売り : 2,800yen / 当日3,300yen
PROFILE
大久保由希
1999年より「レムスイム」として活動し、2002年ファースト・ミニ・アルバム『Diver's Music』、2005年ギンジンレコードよりファースト・アルバム『アンダースロウ・ブルース』をリリース。同年ソロとなり、2008年『ミラー&マウスピース』をリリース。 ドラマーとしても活動し、1998年〜2004年まで、中林由武(現・ザディコキックス)率いる、ニューオリンズ音楽を基軸にしたバンド「セカンド・セレネイダーズ」に参加。その後も、数多くのライヴ・サポートやセッション、録音に参加。2008~2009年にはシネマ(松尾清憲、一色進、鈴木さえ子など)のライヴ・サポート。現在は、主に福岡史朗バンドのドラマーとして活動中。参加アルバム:福岡史朗『朝のステーキ』(2010年)、tonco『木箱のリボンを』(2010年)、福岡史朗&ハム『Ulalala』(2008年)ほか。