「日本のトレヴァー・ホーン」こと、本間柑治が、本人名義では33年ぶりとなる新作をDSDでリリース!! 本間柑治本人がミックスを、オノセイゲンがマスタリングを務め、ルロイ・アンダーソンの冬の名曲「Sleigh Ride」をカバー。その時代時代を反映した音源と楽器を使い、シンセサイザー黎明期から多重録音で制作してきた本間が2013年にアップデートした名曲は、他にはないサウンドに。また、オノセイゲンの考えにより、2種類のマスタリングが施されています。全体に明るく楽しい雰囲気の仕上がりのDSD、陰影があり季節感のある仕上がりになっているHQD(24bit/96kHz)とWAV(16bit/44.1kHz)バージョン。それぞれ聴き比べてみてください。本間柑治ソロ3作目『Honma Express3』も製作中とのことで、本間柑治の動きから目が離せそうにありません!!


ルロイ・アンダーソンのカバー「Sleigh Ride」を先行配信!!

Kanji Honma / Sleigh Ride


【配信形式】
DSD+mp3 : 420円 (※mp3は、DSDと別マスタリングの仕様。それぞれのマスタリングをお楽しみいただけます)
HQD(24bit/96kHz) : 315円
WAV(16bit/44.1kHz) : 200円

絶妙なスパイスや仕掛けが、無邪気さ全開に、フックたっぷりに、そしてカラフルに

本間柑治(ほんまかんじ)というアーティストは、電子音楽やエレクトロニカをはじめ、そのテの界隈では、当然のことながら十分に知られている、超を付けてもいいほどの重要人物である。彼の功績は、CM、ゲーム・メディア周りではかなりの評価を受けているし、YMOの坂本龍一や、電気グルーヴのメンバーだった「まりん」こと砂原良徳も、絶賛するほど! 本間は伝説のテクノ・ポップ・ユニット、TPOのプロデューサーでもあるわけだから、当然と言えば当然のことなのだけれど。

しかし、本間柑治の音楽に、いまだ触れたことがないリスナーが存在するというのも、また事実だと思う。そんな方に、ぜひ聴いてもらいたいのが、彼が33年ぶり(!)に個人名義で配信リリースする「Sleigh Ride(邦題 : そりすべり)」だ。言わずと知れたLeroy Anderson(ルロイ・アンダーソン)のカヴァーで、今の季節にぴったりの、温もりにあふれた、華やかな一曲に仕上がっている。

約3分の楽曲とはいえ、そのクオリティは凄まじいものがある。原曲のよさを尊重し、生かした上で、本間ならではの絶妙なスパイスや仕掛けが、無邪気さ全開に、フックたっぷりに、そしてカラフルにちりばめられている。聴いていて、どうにもこうにも、ワクワクさせられてしまう! このあたりは、シンセサイザー黎明期から、多重録音制作に挑み続けてきた音楽家でこそ、為せる業だろう。それでいて、嫌味なベテランらしさはなく、きわめてフレッシュな感動を与えてくれるのだから、本当にすばらしい。シンプルに、聴き手をいい気分にさせてくれる。

この数年、彼は「DS i Love You(任天堂DS-10のみで音楽制作をする実験ユニット)」としての活動がメインだったが、今回はDSからは完全に距離を置いたものとなっている。つまり、DSをまったく使わずに、サンプラーやシンセ主体の打ち込みで制作されているということ。「日本のトレヴァー・ホーン」の愛称を持つ彼の、本来のサウンドが聴けるのがポイントだ。マスタリングはオノセイゲンが担当しており、唯一無比の音像が味わえる。さらに、OTOTOYでは、DSD高音質での配信となるので、その点にも注目してほしい。(text by 田山雄士)

「Sleigh Ride」の制作 by Kanji Honma

DS i Love YouとしてDS1台で制作した2010年の『Christmas Dinner』と2011年の『Christmas Dinner Ⅱ』 、クリスマス曲の楽しさと音楽的に過酷とも言えるDSの機能的限界の苦しみを、一人打ちのテニスのようにたっぷりと味わった。「まだまだできるよ」という声が「もう無理」と思う心に囁きかける。

クリスマス・アルバムは2回制作したので2012年の冬、DS i Love Youはお休みすることになった。ふたつのクリスマス・アルバムの製作過程で、DSの機能制約上、多重録音をしないと製作不可能なのであきらめた曲もあった。中でも Leroy Anderson の Sleigh Rideはクリスマス・アルバム計画で一番取り上げたかった大好きな楽曲だったが、DSではフルコーラスの半分も製作できない上、サウンド的にも十分な効果が期待できない。さらに調べてみると、この楽曲はそもそもクリスマス・ソングではないことが判明しクリスマスとは別の機会にと考えていたのだった。

あらためて Sleigh Rideのスコアを見ていて、この楽曲がそりを引く馬を細かく描写していたんだなあとか感心したり、すごい名曲なのに自分が好きだなと思うような演奏やアレンジのものがあまり無くて残念だなあとか思っているうちに、この曲一度トライしてみたら良いのではないかと気持ちが動いた。あまり制約のない状態でリラックスした制作をするにはDSでない方が良いということで、ソフト・サンプラーやソフト・シンセ等でこだわりなくフランクに制作した。基本的に大好きな曲なので全くオリジナル・スコアのままで良いと思ったが、作っているうちに少しHONMAスパイスが効いてしまった。

今回はDTM環境での制作で、特にソフト・サンプラーの比重が大きいため、MIX DOWNまでのプロセスはコンピュータ制作環境内で全て完結させた。ただし最終的なブラッシュアップには決定的GOD HANDが是非欲しいとも思い、オノ・セイゲン氏の力を借りることとなった。思ったとおりの非常に的確なマスタリングにより私が意図した以上の品位あるサウンドに仕上げていただき感謝、感謝。またDSD高音質での配信予定もあるので乞うご期待。

今回1曲だけの単発リリースではあるものの、Kanji Honmaの世界の現れとして、1980年にリリースした「Honma Express」以来、33年振りの本間柑治名義での発表となる。スキーの人気も復活しつつある? というこのウィンター・シーズン、締めくくりは冬の名曲「Sleigh Ride」をKanji Honma の世界でお楽しみください。

本間柑治が主宰する実験プロジェクト、DS i Love Youの音源はこちら

PROFILE

本間 柑治(Kanji Honma)

13歳よりコントラバス、14歳よりシタールを独学、高校時代に仲間と自主制作盤をリリース。パリ大学音声音響学研究所で言語学 / 音声学の基礎を学ぶ。

1980年にトリオレコードより「Honma Express1」(廃盤)を発表。1981年に「Turkey shot (Honma Express 2)」を、ロサンゼルスにあるチック・ コリアのプライベートスタジオ「マッド・ハター・スタジオ」他にて制作(未発売)。同年、FILMSのレコーディングにアソシエイト・プロデューサーとして参画。1982年頃より「日本にはじめてフェアライトCMIを持ち込んだテクノ・ポップ音楽集団」「日本のアート・オブ・ノイズ」TPOプロジェクトの首謀者として、片柳譲陽(Joyo Katayanagi)名義でプロデューサー役を務める。1984年頃より片柳譲陽名義で丸井、資生堂、メルセデスベンツ、明和地所など多数の CM音楽を作曲、独自の音楽性が高く評価される。1987年、士郎正宗原作「ブラックマジック M-66」の音楽を担当 (片柳譲陽名義)。1990年、コカコーラ・ライトCMでJAM最優秀編曲賞受賞。

2003年よりスタートした「小山田圭吾の中目黒ラジオ」エンディングテーマにTPOのSundogが起用され、TPO再評価の機運が高まる。2009年2月、1983年にリリースした「TPO1(2枚組)」再発、小山田圭吾(コーネリアス)がコメントを寄せる。アマゾン・インディー・チャート2位はじめ、高い評価を得る。2009年8月、TPOメンバーが1981年に制作した「GREEN by PROJECT GREEN」 発売。2009年 KORG DS-10 PLUSのみで音楽制作する実験プロジェクト「DS i Love You」を立ち上げる。その高い音楽性と斬新なサウンド・メイキングが世界的に注目され、デビュー時は坂本龍一もツイッターでコメントを寄せ話題となった。

2013年、33年ぶりに本間柑治名義での新作「Sleigh Ride」を配信リリース。本作品では砂原良徳よりコメントが届いている。現在『Honma Express3』(本間柑治ソロ3作目)を制作中。

公式サイト : http://dsiloveyou.com/

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筆者について
田山 雄士 (田山 雄士)

ライター/編集者です。

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