
東京という街を凝縮し、そこに溢れる知識や芸術をパッケージしてしまうJOYZのデビュー・アルバムが届いた。今作『Pop-Ups』はまるで一晩のパーティーのように明るく輝いている。参加したアーティスト達も、豪華という言葉では片付けられない音楽の先人達が集まっている。彼らなりのジャパネスク・ポップ・アンセムの答えがここに詰まっています。聞き逃しは許されませんよ!
世代を超えた個性の融合! WAVヴァージョンもお楽しみ下さい!
JOYZ / Pop-Ups
【TRACK】
1. ELECTROPIA / 2. Shall We Pop? / 3. emerald city / 4. E・L・S / 5. イビツワルツ / 6. RAMUNE / 7. HighGate / 8. 2976
Art Work : NORIKO OKAKU(BASEMENT JAXX / Where's Your At TOUR VISUAL)
各曲の参加アーティストをチェック!!
1. ELECTROPIA
共作詞 : 谷中敦(TSPO)、LITTLE(KTC)
参加アーティスト : KENT(Lillies and Remains) 、佐々木亮介(a flood of circle)、豊田ヒロユキ(ROCK'A TRENCH)、Tatsuya Takanashi、POP(STEREO ART)
2. Shall We Pop?
参加アーティスト : POP(STEREO ART)
共作詞 : カジヒデキ
3. emerald city
共作詞 : 鈴木慶一(ムーンライダーズ)
参加アーティスト : 湯川潮音、simoryo
4. E・L・S
サウンドプロデュース : TGMX(FBY/SCAFULL KING)
5. イビツワルツ
共作詞 : 曽我部恵一
参加アーティスト : 鈴木圭介(Flower Companyz)
6. RAMUNE
参加アーティスト : UNPRIVATE PRODUCTIONS
7. HighGate
参加アーティスト : TATSUYA TAKANASHI(ex asphalt frustration)、RYO TAKAHASHI
8. 2976
参加アーティスト : YURI MIYAUCHI
東京の可能性を描写する
日本の首都、東京は世界的にもグローバルな都市として知られる。さまざまなカルチャーが日夜生まれる場所であり、その街並みは華やかでスタイリッシュ。あらゆる魅力的なモノが凝縮されていることから、誰もが一度は憧れを抱く街だ。そんなわけで何かとアートのテーマにもなりがち。「東京」という楽曲も数多く存在するし、ミシェル・ゴンドリー×レオス・カラックス×ポン・ジュノによる『TOKYO!』なんていう映画もあった。
JOYZのデビュー作『Pop-Ups』は、一枚のアルバムを通して東京のワクワク感や無限の可能性を描写する。土曜の夜に行なわれる一夜限りの特別なパーティのようにカラフルな歌とトラックが一堂に会した、とびきりキャッチーなポップ・アルバムだ。曲でたとえるなら、NONA REEVESの「DJ! DJ! ?とどかぬ想い?(feat.YOU THE ROCK☆)」。あの思わず踊り出したくなるラブリーなキラー・チューンの高揚感がここにはある。フレッシュなボーイ・ミーツ・ガールの物語、ハメを外してナンボの青春の甘酸っぱさ、夜明け前のハイウェイを飛ばす爽快さ。そんな“若者のすべて”が、どの曲を聴いても浮かび上がってくる。

JOYZとは、KEYOSSIE(DOMINO88)とGAINEN(STRIKERS)の2人が中心メンバーで、音楽監督に権藤知彦(pupa、anonymass)、助監督としてMEISAKU(STRIKERS)が在籍するいわゆる不定形プロジェクト。ビジュアル・イメージひとつ取っても、パッと見はなかなかにややこしいので、まずは音を聴くのがいい。鈴木慶一(ムーンライダーズ)や曽我部恵一、カジヒデキをはじめ、ゲストもかなりの人数が参加している。つまりは全曲がコラボなわけだが、特筆すべきはその調理のうまさ。ドラムン・ベースやハウスを軸に、シティ・ポップや渋谷系、スウェーディッシュ・ポップを呑み込んだエンタテインメント精神豊かなトラックも、90年代J-POP的なメロディと歌詞の強度も素晴らしい。口口口の歌モノ作『ファンファーレ』ばりの胸キュン度! とにかくトータルで洗練されている。
ところで「DJ! DJ!?」といえば、個人的には2010年の夏を思い出す。HMV渋谷店のクロージング・イベントでこの曲が演奏されたとき、閉店が嘘のように店内はハッピーなムードに包まれた。それはパーティーそのものだった。思えばそこにはカジヒデキも出演していたし、イベントを主催したのは曽我部恵一だ。となると、あの日のキラキラとした感動や一体感が本作とどこかリンクしているような気もしてくる。もうひとつ付け加えると、コラボの面白さという点では、同時期にリリースされるsalyu×salyuの『s(o)un(d)beams』に匹敵する注目作だと思う。(text by 田山雄士)
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待望のニュー・アルバムとなる今作「東京ユウトピア通信」は、EP「八月の詩情」と同時に平行して制作され、丁寧に1年半という時間を掛けて作り上げられた作品。そのサウンドは新生Lampとも言うべき、より強固なリズムアレンジが施され、これまでのLampサウンドを更に昇華させた独自の音楽を作り出している。冬という季節の冷たさと暖かさや誰もが一度は通り過ぎたことがある懐かしい感覚、どこかの街のある場所での男女の心象風景などこれまで同様に物事の瞬間を切り取った美しい歌詞を、新しいサウンドの乗せて編み上げた8曲の最高傑作。
Information
道との遭遇 ヒガシ・トーキョー・ミュージック・フェスティヴァル
2011/04/17@上野公園水上音楽堂
OPEN : 12:00
出演者 : いとうせいこう(□□□)、勝手に観光協会(みうらじゅん&安齋肇)、都築響一、渡辺祐、コトリンゴ、坂本美雨、白根賢一(Great3)×LEO今井、JOYZ×ワタナベイビー(ホフディラン)、鈴木博文(ムーンライダーズ)、高野寛、原田知世、三浦康嗣(□□□)、中島ノブユキ
Profile
JOYZ
JOYZとは、東京を遊ぶ、PARTY、LIVE、ART、etc... の箱、メディア。空想少女「RAMUNE」を、JOYZの象徴としている。2011年現在、KEYOSSIE(DOMINO88)、GAINEN(STRIKERS) の二人が中心メンバー。音楽監督に権藤知彦(pupa/anonymoss)、助監督MEISAKU(STRIKERS) が在籍。パーティーをリリースする集団として活動をスタート。 JOYZに参加した人すべてがJOYZ。