日本最高峰ジャズ・ピアノ・トリオ、H ZETTRIOが、ハイレゾ録音に挑戦! 鍵は、なんとDigiLinkケーブルだった!?

H ZETTRIO

侍ジャズ・バンド、PE’Z(ペズ)の超絶ピアニスト“ヒイズミマサユ機”、はたまた椎名林檎率いる東京事変の第一期メンバー“H是都M”、その彼と同一人物か? と以前から噂の絶えなかった“H ZETT M”(エイチ・ゼット・エム)。2015年末、PE’Z(ペズ)の解散が発表され、その動向が気になっていた人たちも多いはずだが、そんな彼が、銀鼻ドラマー / H ZETT KOU(エイチ・ゼット・コウ)と赤鼻ウッド・ベーシスト / H ZETT NIRE(エイチ・ゼット・ニレ)を引き連れて本格的に活動する方向性が明らかになった。それがジャズ・ピアノ・トリオ・グループ、“H ZETTRIO”(エイチ・ゼットリオ)だ。

今回、H ZETTRIOが、グループ初となるハイレゾ・レコーディングに挑んだ。このレコーディングは、レコーディング・エンジニアの三浦瑞生氏に加え、海外公演のバックアップ等で彼らとの親交が深いオーディオ・アクセサリー・ブランドのACOUSTIC REVIVE(アコースティック・リバイブ)の共同プロジェクトとして実施。レコーディング方法は、H ZETTRIOの生演奏のエネルギーをそのままの鮮度で記録しようというコンセプトのもと、初日にはまず、「NAKED DIGI CABLE」の音質検証(DigiLinkケーブルの比較試聴)を行い、2日目は、電源ケーブルやラインケーブルなどもACOUSTIC REVIVE製品に変えて、ハイレゾ配信用のレコーディングを行った。NAKED DIGI CABLEは、ACOUSTIC REVIVEからレコーディグや楽器演奏に特化した新ブランドとして誕生した「NAKED BY ACOUSTIC REVIVE」の新製品である。

出来上がった曲は、「Trio,Trio,Trio!!!」「Beautiful Flight」「Smile」の3曲。さぁ、彼らの溢れんばかりの生演奏のエネルギーを、ケーブルを変えることで、詳細に記録することはできたのか? 音楽評論家 / オーディオ評論家の高橋健太郎が、その軌跡を詳細にレポートする。

最高の環境でレコーディングされた3曲をハイレゾ配信!!




【配信タイトル】
[左] H ZETTRIO / Trio,Trio,Trio!!!
[中] H ZETTRIO / Beautiful Flight
[右] H ZETTRIO / Smile

【配信フォーマット】
ALAC/FLAC/WAV/AAC (24bit/88.2kHz)

【価格】
各432円(税込)


H ZETTRIO レコーディング・レポート (text by 高橋健太郎)

H ZETTRIOは2013年にデビュー・アルバムを発表。2014年からライヴ活動を本格化させたピアノ・トリオだ。メンバーはピアニストのH ZETT M、ベーシストのH ZETT NIRE、ドラマーのH ZETT KOU。2014年にはモントルー・ジャズ・フェスティヴァルやフジ・ロック・フェスティヴァルにも出演。2015年はさらに加速した活動が期待できそうだが、そんな折、オーディオ・アクセサリー・ブランドのACOUSTIC REVIVEとのコラボレーションによる興味深いレコーディングが行われるというので、スタジオを取材してきた。

レコーディングが行われたのは西麻布にあるラボレコーダーズ。スタジオの代表でもある㈱ミキサーズラボの三浦氏によって、24bit/88.2kHzのハイレゾ・マスターを作ることを前提に、2日間のセッションが行われた。セッションにはACOUSTIC REVIVEの代表である石黒謙、氏も加わり、同社のオーディオ・ケーブルが大量に持ち込まれた。

レコーディング方法はアコースティック・ピアノ、ウッドベース、ドラムスからなるトリオの一発録りで、H ZETTRIOの生演奏のエネルギーをそのままの鮮度で記録しようというコンセプトだ。ただし、初日と2日目のメニューは面白い形で組まれていた。初日にまずNAKED DIGI CABLEの音質検証を行い、その後電源ケーブルやマイクケーブル、ラインケーブルなど全てのケーブルをACOUSTIC REVIVE製品に変えて、ハイレゾ配信用の3曲の本番のレコーディングに挑む、という形だったのだ。

このNAKED DIGI CABLEという新製品は、Pro Tools HD〜HDX用のDigiLinkケーブルである。といっても、多くの方には馴染みがないものだろうから、もう少し説明しておくと、レコーディング・スタジオの定番であるAvid社のPro Tools HDあるいはHDXは、コンピューターとAD/DAコンバーターの間をDigiLinkと呼ばれるケーブルで繋ぐ。このDigiLinkケーブルはAvidの純正のものが用意されているのだが、そのグレードアップ版として開発されたのが、NAKED DIGI CABLEということになる。ということで、完全なるプロ・オーディオ用のケーブルであり、かつデジタル・データのやりとりをするケーブルである。アナログのオーディオ信号が流れる領域ではないが、しかし、そのケーブルを換えることによって、驚くほどの音質改善が得られるという。筆者もプライヴェート・スタジオでPro Tools HDを使用しているので、その検証実験には強い興味を惹かれた。

NAKED DIGI CABLE

DigiLinkケーブルを比較試聴してみる

まずは楽器にマイクを立てて、音決めしていくというプロセスは通常のレコーディングと変わらない。初日はそこからH ZETT M編曲による「ハンガリー舞曲第5番」をミキサーズ・ラボのPro Tools HDXの普段のセッティングで、レコーディングすることになった。I/O(AD/DAコンバータ)(※註1)に使われたのは、Avid社のHD I/Oだ。ミックスはPro Tools HDXの内部で行われ、マスターはその2ミックスを一度、アナログ出力し、マスター・コンプレッサーのNEVE 33609(※註2)を通して、Pro Tools HDXに再録音される形だ。

註1 I/O(AD/DAコンバータ)
I/Oは入出力のこと。AD/DAコンバータは、アナログからデジタルへ、デジタルからアナログへ音声を変換し、両者のインターフェイスとなる機材。

註2 NEVE 33609
イギリスの音響機器メーカー「Neve Electronics」によって1970年に発売された、2チャンネル仕様のリミッター/コンプレッサー。

初日の夕方には、このミックスが完成したので、コントロール・ルームで聴かせてもらうことになった。ミックス・データは2種類あり、ミックス時のPro Tools HDXのセッティングや動作自体はまったく同じものだが、1つはAvid純正のDigiLinkケーブルを使って、上記のアナログ出力〜マスター・コンプレッション〜再録音が行われている。もう1つはNAEKD Digi Cableを使って、同じことが行われている。この2種類のミックスを、純正DigiLinkケーブルによるミックスは純正DigiLinkケーブルを使ったセットアップで再生、NAKED DIGI CABLEによるミックスも再生は、純正DigiLinkケーブルを使ったセットアップで再生、という形で聴き比べた。

石黒氏とともに聴き比べさせてもらうと、確かにその違いは驚くべきものだった。まずは質感が違う。NAKED DIGI CABLEを使ったミックスの方がぐっと滑らかだ。純正のケーブルよりもハイもローも伸びているのに、ピアノのアタックやシンバルなどの金物類のサウンドが耳に痛くない。かつ、空間表現がきれいで、音楽が立体的に展開する。

使用されたAvidのHD I/Oは、筆者の印象では音がソリッドで前に出てくる迫力があるコンバーターである。ロックのレコーディングには非常に向いていると思うが、その分、金物類のサウンドがじゃりっとしがちだったりもする。NAKED DIGI CABLEを使ったミックスでは、そのあたりが少し中和されたようにも思えた。一方で、ベースにはごりっとした手応えがあり、聴くにつれて、低音の気持ち良さが身体に染みてくる。

さらに、演奏がヒートアップして、レベル・ピークに達するような箇所でも、NAKED DIGI CABLEを使ったミックスの方が柔らかく飽和してくれる。このあたりは、エンジニアの三浦氏も同意見のようで、「そうなんですよ、不思議にアナログっぽくなるんです」と言っていた。デジタル・ケーブルを変更すると、サウンドがアナログ・テープっぽくなるというのも何とも不思議な話だが、確かにそういう肌合いがPro Toolsでの録音に加わるのだから面白い。

NAKED DIGI CABLEの開発コンセプト

試聴後、石黒氏にNAKED DIGI CABLEの開発についての話を聞いた。ACOUSTIC REVIVEの製品は、筆者も幾つか使用してきているので、親しみは深い。スタジオのスピーカー・スタンドは同ブランドの110センチの高さのあるアルミ合金製のものを使っているし、電源タップなども使っている。しかし、同社はDigiLinkケーブルのようなプロ・オーディオ用の製品はこれまで、あまり手掛けてこなかったように思えた。そのあたりを石黒氏に確認してみると、ACOUSTIC REVIVEの開発思想としては、プロ・オーディオ用、コンシューマー・オーディオ用という区分けは特にないそうだ。

「どちらも基本は同じなのです。ケーブルは伝送ロスや変質が多いので、これらの伝送ロスや変質をなくそう、というだけなので、ケーブルで音を作ることはしない。DigiLinkケーブルについては、Pro Toolsの音が悪いのは、このケーブルのせいじゃないかという声があって。それで純正のケーブルを見てみると、26芯のすごく細いケーブルが入っているんですが、これでは良い訳がないというものだったんですね。なので、それをACOUSTIC REVIVEの作り方で作ってみた」(石黒)

石黒謙、氏

その開発にあたっては、何と「音決め」はしていないのだそうだ。線材や被覆などの選択は、これまでのACOUSTIC REVIVE製品と同じ思想によるもの。線材はPC-TripleCという素材の単線。絶縁材はテフロン系(※註3)のものだが、テフロン系の帯電率(※註4)の悪さを解消するために、さらにシルクを使っているという。この構造はACOUSTIC REVIVEのラインケーブルとも共通するもので、アナログでもデジタルでも効果があるのだという。そして、作り上げた試作品が好評だったので、そのまま市販モデルになった。

註3 テフロン
フライパンの表面加工などに使われる化学物質で、耐熱性、耐薬品性、高絶縁性を持つのが特徴。ポリテトラフルオロエチレン、フッ素樹脂とも呼ばれる。

註4 帯電率
電気を物質内に留めてしまう性質のこと。この値が高いほど静電気を逃がしにくく、ケーブルを通る音に影響を与えてしまうと言われる。

「一発勝負でしたね(笑)。でも、ケーブルで音を作ろうと思ったら、幾らでもできるんですよ。それではある種の音楽には向くけれども、他の音楽には向かないというものになってしまう。そうではなくて、録音によって失われていた出音そのものを戻すという考え方で作っていますから」(石黒)

だから耳で音決めするよりも、同社の信じる理論に沿って、基本重視で作り上げたのが、今回のNAKED DIGI CABLEだということだ。結果、どのくらいの音質差が生まれたのかは、スタジオで試聴したのと同じ「ハンガリー舞曲第5番」の2種類のミックスがOTOTOYからダウンロード可能なので、ぜひ、聴き比べて判断してもらいたい。

※試聴の音質はmp3です。ぜひダウンロードしてお聴き比べください。

3曲のレコーディング・セッション

さて、テスト・レコーディングが終わったところで、残る3曲のセッションのために、セットアップが変更された。「ハンガリー舞曲第5番」のレコーディングはDigiLinkを含め、ミキサーズ・ラボが普段から使っているケーブルを使ったものだったが、次は録りの段階からDigiLinkをNAKED DIGI CABLEに変更。さらに、電源ケーブル、電源ボックス、マイクケーブルや各機器を繋ぐラインケーブルも大量に持ち込まれたACOUSTIC REVIVE製品に変更された。また、Pro Tools HDXのI/OもAVIDのHD I/OからPRISM SOUNDのADA-8XRに換えられた。

ACOUSTIC REVIVE製の電源ボックス、電源ケーブル、マイクケーブル

しかし、楽器へのマイキングなどは基本的に、「ハンガリー舞曲第5番」のそれと変らない。今回、24bit/88.2kHzのハイレゾ・ファイルでOTOTOYから配信される3曲は、そのセットアップでレコーディング〜ミックスされたものだ。

初日の夜に「Trio,Trio,Trio!!!」のレコーディングが終了。2日目の夕方には3曲のミックスが上がったので、前日と同じようにスタジオを訪問して、試聴させてもらう。音が出た瞬間に、これはまた別次元のサウンドだと感じた。一番変ったのはエネルギー感だろうか。前日とはI/Oも違うし、DigiLinkだけでなく、前述の電源周りやラインケーブルも変っているので、総合的なクォリティ・アップの結果としか言えないが、演奏のほとばしるような勢いがよりダイレクトに感じられるようになった。それでいて、倍音がきれいに鳴っていて、耳にはまったく痛くない。立体的で、滑らかなサウンドという印象は昨日もあったが、加えて、スピーカーからの音離れが良い、いわゆるハイスピードな音になったと感じられた。

三浦氏にACOUSTIC REVIVEのケーブルに入れ替えた印象を聞いてみると、「ケーブルを換えて、音出し始めた瞬間にもう全然違うなと驚きましたね。ただ、ケーブルを換えて、情報量が増えた分、ミックスで整理しなきゃいけないかなと最初は思ったんです。でも、ミックスしてみると、そんなに変える必要はなかった。低域も太くなるんですが、締まりがなくなることはなくて、休符は休符でちゃんと出てくる。むしろ、低域の納まりも良くなった」。

三浦瑞生氏

ミックスはプラグインのエフェクトなども控えめで、録った音の鮮度を生かしたという。ただし1曲目の「Trio,Trio,Trio!!!」だけは、ヴォイスがオーヴァー・ダビングされ、ディレイ処理なども加えたミックスが施されている。

ミックスを聴いた石黒氏の印象は「ともかく、彼らの演奏がそのまんまダイレクトに伝わってくる。演奏中にスルーで聴いている音と、プレイバックで聴く音の差が縮まりましたね。H ZETTRIOは好きで何度も見に行っているんですが、彼らはライヴが真骨頂じゃないですか。でも、記録物になると、ちょっとこじんまりしてしまっていた。だから、このライヴ感を音源でも伝えていかないと、という使命感みたいものが生まれたんですよ。過去最高のピアノ・トリオの録音になったんじゃないかという気がする」ということ。確かにアコースティックなピアノ・トリオという編成ながら、ダンサブルでエッジの効いたH ZETTRIOの音楽性を、今回のレコーディングはかつてないクォリティで記録しているように思われる。

H ZETTRIOにも話を聞いてみる

メンバーにも話を聞いた。NAKED BY ACOUSTIC REVIVEのケーブルは実はメンバーも使っていて、ベースのピックアップからアンプへ繋ぐ楽器用シールドは少し前からNAKED製(7月下旬販売予定)なのだという。

「倍音がものすごく出るんですよ。一番良い倍音をどうやって出すか、ばっかりを考えてやってきたので、石黒さんにシールドを製作してもらったら、簡単に再現できて、びっくりました。でも、逆に誤摩化しが効かなくなるところもあって、演奏の考え方まで変ってくる」(H ZETT NIRE)

2日間のセッションの中で、レコーディング用のケーブルを変えることは、演奏中のメンバーには特に影響はなかったようだが、プレイバックを聞いた時には全員が驚いたという。

「こんな細かい音まで聴こえるんだ、と思いましたね。あとは立体感、凄いなと。この作品を是非、次世代に体感してもらい自分たちのLIVEに興味を持ってもらえれば最高ですね。」(H ZETT M)

「ドラムの生音そのまま聴いている感覚がありましたね。高いところから低いところまですべて」(H ZETT KOU)

今回の3曲は簡単なデモを作っただけの状態でスタジオ入り。そこで3人で完成させたものが、フレッシュパックされたものだそう。三浦氏もハイレゾでのリリースの場合は、「CDの場合よりも素材を生かして素直に作りますね」ということだ。

「そのきれいでクリアな音の気持ち良さ、生まれたばかりの楽曲のドキドキ感みたいなものを聴いてくれる人と共有できるのは最高ですよね」(H ZETT NIRE)

H ZETTRIO

完成した3曲をあらためて聞いてみると、H ZETTRIOというバンドの面白さもよく見えてくる。彼らの音楽はスタイル的にはジャズに近いものかもしれないが、そのスピーディーなビート感はジャズ・シーンにはなかなか見当たらないものだ。冒頭の「Trio,Trio,Trio!!!」はラテン・ジャズ的な曲だが、ともかくBPMが速い。はさみこまれるメンバーのMCもやんちゃな雰囲気で、ジャズという言葉にまとわりつくアダルトなイメージを一蹴する。

スティーリー・ダンの「キッド・シャルメーン」を高速化したようなリフに始まる2曲目の「Beautiful Flight」も然り。ブルージーなパートから急に視界が開けるかのように高揚感溢れるコード展開に進むあたりに、彼らの個性や気質が現れているようにも感じられる。

3曲目の「Smile」は昨今、あまり耳にすることのない速いシャッフル・ビートで、ブルーズとクラシックがモザイクのようになったストラクチャーだ。これも後半にかけて、どんどん高揚していく。

トリオのサウンドはベースがかなり重要で、ベースが十分に聞こえるオーディオ・システムでないと、ボトムから沸き上がるグルーヴの凄みが伝わらず、スピード感だけが目立って聞こえてしまうかもしれない。そういう意味でも、彼らがケーブルの選択にまでこだわったハイレゾのレコーディングに取り組んでいくことは、自然な成り行きだろう。今後のリリースにも期待したい。

※6月25日(木)には、ミューザ川崎シンフォニーホールにおいて、NAKED BY ACOUSTIC REVIVEの協力のもと、超高音質ライヴ・レコーディングが行われるが、それに向けたクラウドファンディングも始めたそうだ!

■詳細はこちらをご覧ください。
http://camp-fire.jp/projects/view/1839

※レコーディング後記
その後、筆者のスタジオにもNAKED DIGI CABLEを貸して頂くことになった。その試聴結果もとても興味深いものだった。筆者のスタジオではPro Tools HD用のI/O にAPOGEE社のSymphonyを使っている。I/Oが違えば、またDigiLinkケーブルを交換する効果も違ってくるかもしれない。

すでに完成しているミックス・ファイルを幾つか聴いてみると、やはり純正のケーブルとは如実に音が違う。残響がきれいで、音楽が立体的になるところは、ミキサーズ・ラボでのテストの印象と共通する。が、AvidのHD I/Oに比べると、APOGEEのSymphonyは派手な音がしない分、滑らかになったというよりは、ハイ / ローが伸びて、訴えかけが強くなった印象もある。

プロ・オーディオ製品の場合は、ケーブルによって音が変わると、ミックス自体を変えたくなったりもする。例えば、 聴いたミックス・ファイルの中には、NAKED DIGI CABLEに換えたことによって、隠し味的に入れてあった楽器音が意図した以上に聴こえることもあった。例えば、ある曲の途中で鳴るウィンドチャイムが予想以上にきらっとした倍音まで出て、目立って聴こえた。となると、少しレベルを下げようか、EQを少し換えようか、と考えたりもする。そのくらいミックスの印象が変わるということだが、となると、レコーディングの最初からこのケーブルで音作りしたい、という気持ちが強くなる。

残念ながら、今回は録音からNAKED DIGI CABLEを使ってテストするだけの時間はなかったのだが、たぶん、それはI/Oを買い替えたくらいの差があり、音作りの考え方自体が変ってきそうな予感はした。

(text by 高橋健太郎)
(photos by 大橋祐希)

LIVE INFORMATION

H ZETTRIO LIVE LUXURY 〜素晴らしきアンサンブルの夕べ〜
2015年6月25日(木) @ミューザ川崎シンフォニーホール
開場 / 開演 : 18:30 / 19:30
料金 : 3,500円(全席自由)
>>Official Info

H ZETTRIO、H ZETT Mの過去作はこちら!!

PROFILE

左から、H ZETT M(Pf)、H ZETT KOU(Dr)、H ZETT NIRE(Ba)

H ZETTRIO
2013年、H ZETTRIOはデビュー・アルバム「★★★」(三ツ星)を発表! 2014年からライヴ活動を本格化させ、同年7月には世界三大ジェズ・フェスティバルの一つ、モントルー・ジャズ・フェスティバル(スイス)に出演し、この直後にはフジ・ロック・フェスティバルでもオーディエンスを沸かした。また、本年5月23日から開催されるソウル・ジャズ・フェスティバル(韓国)への出演も決定するなど、世界レベルの実力を持つジャズ・ピアノ・トリオだ。

>>H ZETT M Official HP

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筆者について
BB (Reviewed by Kentaro Takahashi)

本名:高橋健太郎プロデューサー、ジャーナリスト、選曲家など。高橋健太郎 文筆家/音楽制作者 評論集「ポップミュージックのゆくえ〜音楽の未来に蘇るもの」がアルテスパブリッシングから発売中。http://tinyurl.com/2g72u5e twitterアカウントは@kentarotakahash

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