ルパンこそ大野雄二の歴史である——Yuji Ohno & Lupintic Five初ベスト配信&ロング・インタヴュー

アニメ『ルパン三世』の新TVシリーズが30年ぶりに始動した2015年。まさに"ルパン・イヤー"ならぬ"大野雄二イヤー"であった。今年は、大野雄二率いるYuji Ohno & Lupintic Five結成10周年にあたり、新作を続々と発表している。夏には、ジャズの楽しさと奥深さをわかりやすく世の中に広める大役を果たしてきた人気シリーズ、LUPIN THE THIRD 「JAZZ」のベスト・アルバム『LUPIN THE BEST "JAZZ"』をリリース。新TVシリーズがはじまった秋には、アニメの舞台である"イタリア"の要素を詰め込んだサウンドトラック『ルパン三世 PART IV オリジナル・サウンドトラック~ITALIANO』と、そのサントラからインスパイアされ制作されたYuji Ohno & Lupintic Fiveによる『BUONO!! BUONO!!』がリリースされた。

そしてこの度、Yuji Ohno & Lupintic Five初のベスト・アルバムがリリースされた。さらに、12月20日仙台サンプラザ、12月24日中野サンプラザにて、ルパン音楽とアニメーションの初のコラボコンサートが開催される。"大野雄二イヤー"の締めくくりである今回、特集では大野雄二と「ルパン三世」の密接な歴史を紐解いた。

Yuji Ohno & Lupintic Five / Yuji Ohno & Lupintic BEST

【Track List】
[DISC 1]
01. FLYING MAGNUM / 02. HOLY BUT EASY / 03. あの日の絵画 feat. 中納良恵 (from EGO-WRAPPIN') / 04. Night Sailing / 05. OPUS#3 / 06. HOT SAMBA / 07. Treasures of Time feat. Predawn / 08. Lonesome City Breeze / 09. Summer Samba (So Nice) / 10. ハーレム・ノクターン / 11. Cute / 12. サンバ・テンペラード / 13. LIFE'S A FLAME ~ Pf solo

[DISC 2]
01. LUPIN AU GO GO / 02. MOVE ON UP / 03. LOVE SQUALL / 04. Moon River feat. 今井美樹 / 05. But Not Really / 06. トルネード / 07. LOVE THEME -ルパン三世 愛のテーマ- / 08. ミシェル feat. 加藤ミリヤ / 09. Jeannine / 10. 銭形マーチ / 11. THEME FROM LUPIN THE THIRD '89 (Lupintic Five Version) / 12. FAIRLY NIGHT ~ Pf solo

【配信形態】
WAV / ALAC / FLAC / AAC / MP3

【価格】
単曲 257円(税込) / アルバム 2,700円(税込)

「ルパン三世」新TVシリーズ放送×大野雄二&ルパンティックファイブ結成10周年記念
「ルパン三世コンサート~LUPIN! LUPIN!! LUPIN!!! 2015~」




ルパン三世コンサートでハイレゾを体感しよう!!
「ルパン三世コンサート~LUPIN! LUPIN!! LUPIN!!! 2015~」の中野サンプラザホール公演で、大野雄二が手がけた「ルパン三世」関連作をハイレゾにて試聴できるブースをRolandとOTOTOYが設置することが決定!

ハイレゾ試聴機器にはRolandより高音質対応のUSBオーディオ・インターフェース「Mobile UA」が提供。さらに世界に1つしかない大野雄二のサイン入り「Mobile UA」も展示されます。




ブース前では今回の公演のために書き下ろされた、ルパンキャラクター&大野雄二のイラストのステッカーも配布いたしますのでぜひお立ち寄りください!

日程 : 2015年12月24日(木) 開場 18:00 / 開演 19:00
時間 : 開場後~終演後
場所 : 中野サンプラザホール 2階ロビー
協賛 : ローランド株式会社
協力 : OTOTOY

INTERVIEW : 大野雄二

滅多にない機会である。新作や旧作の怒濤のハイレゾ化に合わせて、なかなかメディアには登場しない大野雄二がインタヴューに応えるという。半世紀にも及ぶキャリアを貫く大野雄二の音楽観とは? それが『ルパン三世』の新TVシリーズのサウンドトラックとどのように繫がっているのか? ジャズ〜ブラジル音楽〜ソウル・ミュージックへの深い敬愛と洞察が滲むロング・インタヴューが得られた。

インタヴュー&文 : 高橋健太郎
写真 : 丸山光太

ブラジルの現地のアレンジャーってね、アメリカ人と比較にならないくらいセンスが凄い

——大野さんは慶応大学のライト・ミュージック・ソサエティーでジャズをやっていらして、その後、ジャズの世界から作曲編曲の仕事に転じられますよね。当時のお話から訊きたいんですが、作曲編曲の仕事に進むにあたっては一大決心があったんですか?

はい、ジャズは完璧やめて、2度と戻ってくるつもりはなかった。

——そうだったんですか? でも、ジャズの世界にもアレンジャーの音楽というのはありますよね。ギル・エヴァンスであったり、あるいは70年代になると、CTIレーベルでドン・セベスキーやデオダートといったアレンジャーがポピュラーになったり。時代的に、そういうものは当然、横目で見られてたんですよね?

もちろん。ピアノ・トリオをやめただけでジャズを嫌いになったわけではなかったので。

——作曲編曲で、最初に仕事になり出したのは、CMの音楽だったんでしょうか?

作曲ってね、急に今日から作曲家になりましたって言っても、どこの馬の骨だかわからない人を急に使ってなんてくれないわけ。最初はアレンジ。誰かのアレンジをするとか、あるいは海外の映画のサウンドトラックね。当時、アメリカやヨーロッパの映画サウンドトラックを日本で録音して、でも、外人の名前を付けたオーケストラで出したアルバムが沢山あったんだ。ちょっと豪華にできててね、写真がいっぱい入ってるんだよ。最初はそういう仕事が多かった。で、アレンジで色々できるようになった頃に、たまたまCMの仕事がくるようになって。CMっていうのは基本的に自分で曲を作って自分でアレンジするっていうのがメインだからね。そういうとこから入っていったって感じ。

大野雄二

——慶応大のジャズ研時代からビッグバンドのアレンジなどはやってらしたんですよね。

やってましたよ。

——それは完全独学ですか?

そうだね。その当時、昭和35年とか6年の話だから、六大学とかのバンドがオリジナルでばんばんやるっていう時代じゃなくて、ほぼコピー・バンドだった。そのなかで人気があったのがカウント・ベイシーとか…そういうものを譜面に起こしてた。あとはたまにこういう曲をオリジナルのアレンジで、といっても、それほど冒険的なことをやるとかっていうんじゃなかったけどね、大学時代は。

——大野さんのアレンジって、ジャズだけでなく、ラテンの要素も強いと思うんですが、それはどこから?

ラテンは嫌いじゃないけど当時流行っていたマンボとかね、そういうものは研究したことはなくて、たまたま耳に入ってくるのを聴いていってという感じ。

——ソニア・ローザさんと作られたアルバムは、僕は昔から大好きなんですけど、ブラジル音楽はいかかでしたか?

ブラジルは大好きだよ。研究したのはむしろブラジルだね。

——それはソングライティングの面とアレンジの面とどちらですか?

やっぱりアレンジだった。

——アレンジャーでいうと、クラウス・オーガーマンあたりでしょうか?

いや、クラウス・オーガーマンになると、あの人はドイツからアメリカに来て、アメリカ人になった人なんで…そういう人じゃないですね。エリス・レジーナの旦那のセーザル・カマリア・マルガーノとかね、もうブラジルの現地のアレンジャーってね、アメリカ人と比較にならないくらいセンスが凄い。そこに惹かれたね。

——和声の考え方が違いますよね。ブラジルのミュージシャンは、バークリー的な、上にテンションを積み上げていくようなコード理解ではなくて、時間とともに内部で動いていて。

ナチュラルだよね。バークリーは功罪両方あるけどね。いち早く、分かりやすく、色んなことを理論的に教えてくれたんだけど、昔は理論がなかったわけで、それで成り立ってたものをバークリーはむりやり理論づけたんだよ。なので、わかりやすい。音楽を知らない人もそこで先生に教えてもらうと、それなりのアレンジができる形を作った。でも、ブラジルの人って学校なんて出てないわけで、なんかこんな音出ちゃったけどかっこいいなってやってるものが、ものすごく深い。そこで鳴らしたいと思ったら鳴らすのが、あとで理論づけたら不思議に合ってるんだけど、理論的なことが頭のどっかにあってっていう形じゃない。それがもう本当びっくりだったね。

——僕も1990年代くらいになって、ブラジル音楽をたくさん聴くようになって、同じようなことに気づきましたが、大野さんがその辺に気づかれたっていうのはいつ頃ですか?

いや、もうその時だね。

——60年代終わりでしょうか。そんな方いないですよね、その頃の日本には。

僕はたまたまソニアと知り合いになった時に、いち早くソニアから新しいブラジル音楽を聞かせてもらったから。あとサンバ・カンソンのストリングスのアレンジとか、もうね、なんか世界が違うんだよ。でね、これは後で気づいたことなんだけどフランスとかイタリアのポップスもやっぱりアメリカとちょっと違うんだよね。ある意味で似ているんだよ、ブラジルと。フレンチポップスは1番そうだけど、アメリカをちょっと軽蔑してる感じがある。すごい影響を受けてるのに、そのままモロにアメリカはやりたくないんだね。これね、アメリカにずっとかぶれてると気がつかなくなるんだけど、やっぱりイギリスはアメリカと、言葉もそうなんだけど人種的に似てる。オーストラリアもそうだね、オーストラリアの人ってのは大体オーストラリアからイギリスに行って、アメリカでメジャーデビューするってのが多いから。でもブラジルの人ってのは一切関係ない。あと、キューバもそう。あんまり自分が世界的にデビューしたいとか思ってなくて、でも、やってることが凄い。

——CMや映画の仕事を沢山されるようになって、その中で音楽的な発展はあったと思うんですが、大野さん自身の作品を作っていこうという考えは持っていたんでしょうか?

あんまりなかったね、忙しくて。来た仕事をやってたって感じ(笑)。

——大野さんはあんまり、先のことを考えない、という話をよく読むのですが、当時から今まで流れのままに?

今度こんなことをしたいとか、今まで我慢してやっていないけど、できればこんなことしたいとかいうのは全然ないね。

——ということは、来た仕事の中ですべて我慢しないで出してきたということですか?

そうだね。

ルパンは四畳半感を出す必要がない。銭形のちょっと外国行って寂しい時ぐらいだよ

——ルパン三世の音楽は、いまや大野さんの代名詞になっていますが、それが最初に来たときっていうのはどんな印象だったんですか?

すごくいいタイミングでいい仕事が来たなと思った。音楽的に何をやってもオッケーだし、世界中飛び回るから。それと登場人物全員がちょっとわけの分からない人だから、何をあてはめてもオッケーになりやすい。

——実在性がない?

例えば石立鉄男のホームドラマでも、僕は結構自由なことをやってたけど、やっぱりどっかで制約はある。舞台は日本の部屋だから。あの頃のホームドラマにしてはモダンな外国風の音にはしてるけど、どっかで四畳半な感じも出さなきゃいけないってのはあった。でも、ルパンは四畳半感を出す必要がない。銭形のちょっと外国行って寂しい時ぐらいだよ、その音が必要なのは、あとは必要ない。

——一方で、エキゾチックな要素はいくらでもいれられると…。

いれられるね。来た時期もちょうど良かったと思う。僕がルパンをやり始めたのは、77年なんだけどね、ピアニストから完璧に脱却というか、ピアニストを辞めて5年くらいだったと思う。70年に完璧に引退…辞めるって言ってるけど、そのまま辞めるわけにもいかず、2年間くらいはフェードアウトする感じで。その後の5年間くらいはまったくピアノは弾かないで作曲ばっかりやってて、CMでありとあらゆるジャンルの音楽を死ぬほどやって。CMってのはできませんっていう世界がないんで、頼まれたら必ずやる。クラシック書いてくれって言われたらクラシックっぽく書く、演歌書いてくれって言ったら演歌っぽく書く。そのために、ありとあらゆるジャンルの音楽を聴いていた。ブラジル音楽に限らず、フレンチポップス、イタリアンポップス、スパニッシュ、アメリカは当然だけど。

——ルパンの音楽は大野さん二代目ですよね。

そうだね。

——それまでのルパンの音楽と、大野さんが刷新した要素というのは?

いや、あんまりね、申し訳ないんだけど、当時はそれほどしっかりとは聴いてなかった。ルパン自体は嫌いじゃなかったけど、ものすごいファンでもなかったんだ。

——白紙から考えた?

そうだね。あとはルパンは当初は読売テレビだったんだけど、日テレが作るときにコンセプトをかなり変えてるんだ。ルパンの物語としてはもうちょっとこの人をダーティーじゃなく、かわいい泥棒にしようとか。それからまあ、一種お茶の間の人気者にしようみたいな。だからモンキー・パンチさんが考えている劇画のルパンからはかなり離れたところに行ってると思うんだけど、そういう段階で僕は音楽を頼まれたんで、あんまりハードボイルドな感じをだそうとも思ってない。僕がやりたかったことをルパンにのっかってやっただけって感じだね。

——犬神家の一族であるとか、ルパン以外にも大きなお仕事をたくさんされていますが、他の仕事とルパンの1番の違いは何でしょうか?

仕事がしやすいというか、制約が少なかった。まあ、犬神家の一族にしても、昭和初期の話ですよとか、結構僕はとっぱらって曲を作ってるけど、やっぱりどっかでリミッターはかけている。日本の話でちょっとおどろおどろしい話だけどあんまりそのままそういう風に作ってもつまんないから、おどろおどろしさはなるべく減らそう、とか。でもきれいな曲みたいなのがそのおどろおどろしい時にのっかって怖い感じになるような予測みたいな。おどろおどろしい時にそれを増幅しようとする音ばっか付けてもつまらないなと。僕が日本のテレビや日本の映画を見た時に、あんまり面白くないなと思ってたことはね、音楽が絵や内容に付き過ぎる。外国映画を見ると、見事にくっつぎすぎてもいず、かといって分かれてもいないギリギリだったりする。特にヨーロッパ映画、イタリア、フランスになるとかなり。僕は犬神家に関しては割とヨーロッパ映画的な作りをした。で、『人間の証明』の時はアメリカ的に作ったね。

——1998年くらいから、いまのルパン音楽のブームというのがやってきたと思うんですね。DJ達が作ったリミックス・アルバムをきっかけにして。それは大野さん自身はどんな風に受け止められてたんですか?

なるほど今だとこういう風にやるんだと思った。ありがたいと思いましたよ。

——クラブとかDJみたいなことっていうのは、それ以前から大野さんの中に興味として入ってたんですか?

いや、未だにそうだけど、それほど入ってるわけでもないし、全然入ってないわけでもない。横に置いてある感じ。こういうのもあるなって。僕はそっちに行く気もないし、かといってそれを否定する気もないし。そこに影響を受けるってこともあまりないね。

——あんまり同時代のものには影響を受けないんでしょうか?

例えばジャズのプレイヤーを限定にして言えば、もう今の人は全然好きじゃない。感じないんだよね。昔のドラッグまみれみたいな人は感じるよね。情報量というか、どのくらいそいつが色んなことを知ってるのかは今の人のほうが凄いのかもしれない。でも、僕からみるとあんまり関係ない。演奏した内容が単純でも、凄いっていうのを感じさせることの方が凄いと思うから、やっぱり50年代60年代の人はその凄さが、覚悟があるみたいな感じあるよね。

——今のジャズというのは、学校で勉強する音楽になっていますよね。学校行かない方が面白い?

ジャズで1番革命を起こした… それはビバップだと思うんだよね、チャーリー・パーカーとか。あの辺の人は学校に行ってないからね。


Charlie Parker / The Best of Charlie Parker volume 1

今は自分が弾いている立場でありながら、もう1人、一種のクリード・テイラーである自分がいる

——DJリミックスにはそれほどの興味はなかった、ということでしたが、でも、それをきっかけに、大野さんの活動ももう1度、ルパンに引き寄せられていったように思えました。

あのね、一言で言えば77、8年にルパンを聴いて僕のサウンドの特徴に気がついてかっこいいと思った人は少ないと思う。理由はよくわからないけれど、サウンドがというより、なんかかっこいいと思ってたんじゃないかな。それが25年くらい経つと、他の人とのサウンドの違いに気がつく人が増えてくる。これは大きいと思うね。今は、中学ぐらいですぐみんなバンドをやったり、どこの地方でもそういうことをする人が増えるでしょう? ロックだろうとなんだろうとコードとかサウンドに関する勉強を始める。その仕方が、何十年前からみると違うんだよね、きっと。コード進行とか、サウンドとか、僕の音がどこか人と違うとして、どこが違うのかということに気がつく人がそういう訳で増えたんだと思う。

——僕もDJをやってたんですけど、ドラムとベースの音が悪いとそれだけで使えないんですね。そういう部分でも大野さんのものっていうのはベースラインなりがちゃんと出てくる作りだったので、日本の他のレコード盤と単純に音が違うというのがあったんですが、当時のレコード作りの現場ではどのようにサウンドを作られていたんでしょうか?

僕はアメリカ音楽のドラムとベースの関係については、フュージョンとかの前のクロスオーバー、あるいはイージーリスニングジャズとかっていう頃から、ドラマーの足の重要性に気がついていた。それまでのジャズのドラマーってのは足はなりゆきで鳴らしてるわけ。で、リズムの心地よさっていうのはわざと出さないわけね。いつもちょっとそこで何が起るかわからない状態にするために足でパターンを作らない。足はおかずのスネアと一緒でスネアの変わりに足がドッと入るってことだったの。それがある時期からね、足が一定に動く。1番簡単な例だと、セルジオ・メンデスなんかのボサロックと言われるやつ。トーントトン、トーントトンでしょ。あれが心地よかった。すると、ベースもとんでもなく変なこともできないので、ベースはベースで1個のメロディを作っていこうっていう世界がちょっとだけど生まれてきて、それがどんどんクロスオーバーとかなかったときにドラムのバスドラとベースがシンクロしたり、あるいはコンビネーションで対をなすみたいな形をつくることにみんなが気がついて、それが1番開花したのがソウルミュージック。

——フィラデルフィアとか?

うん。フィラデルフィアは、ベースと足の関係が最高にかっこいい。そういうドラムがこういうパターンを作ってきて、ベースがどう行くかみたいなことに気がついてからは、ベースとドラムはレコーディングの時に、こいつとこいつを使いたい、じゃなかったら日にち延ばしてってぐらい重要視するようになった。岡沢章くんと市原康くんとか、あるいは村上ポンタくんが絶好調の頃ね、当時はまだ足がそういう風にできる人とできない人がいたんだ。そうすると、リズムを録ってる段階で世界が躍動的にかっこいい。そこはすごい研究したね。フィリーはもう、すごい好きだった。あとはモータウンのちょっとかっこいいやつね。

——ジャズは1回完全に辞められた。でも、10年前にLupintic Fiveを作って、また始められたじゃないですか? それはどうしてだったんですか?

いや、またピアノを弾き始めたのは20年以上前になるよ。それは大昔に一緒にやってたメンバーから突然電話がかかってきて、「最近の人とやってても全くおもしろくないから、年に1回でもいいから一緒にやってくれませんか」って言われて。もうやってないからやだって言ったんだけど、1回やっちゃったんだ、お客さんの前で。そしたら自分は下手くそになっちゃたんだけど、楽しかったんだよね。やっぱりスタートがジャズ・ピアニストだったからさ。スタジオだといつもチェック、チェックという感じなんだけど、ライヴはチェックがいらない。やったもん勝ちですよ、こんな無責任なのも面白いなって。でも月に1回やるのが精一杯でっていうのをやってるうちにだんだん…。

——今はもっとやっていますよね。

結構やってるね。で、やるからには本格的にもう1回練習しないと恥ずかしいなと思って。良いミュージシャンとデカイ面してやりたいじゃない。ただではデカイ面してできないから、もう1回結構練習して、もう1回ジャズも聴き直したんだ。そしたらまたジャズのプレイヤーのいいなと思う人が変わってきたり。いまピアニストで1番好きな人がレッド・ガーランドって人なんだけどね。以前はレッド・ガーランドはそれほど重要な部類に入ってなかった、上手いけどみたいな。僕はどっちかっていうとバド・パウエル直系みたいなトミー・フラナガンだとかソニー・クラークとか、そういう人が好きだったんだ。それが辞めてもう1回聴き直してガーランドをきっちり聴いたときにこの人は他の誰とも違うなと思った。バド・パウエルの影響からほとんどの人は抜け出せない、バド・パウエル・スクールさ。でも、レッド・ガーランドはもっと自由で、バド・パウエルのスクールから抜け出していた。彼はノリ方が超越してるんだよ。スウィングしてるぞ〜! みたいに弾かないんだ。スウィンギーなリズムの上にふわっと乗っかってるの。これは神業だよ。よく日本でジャズ好きの人が、スウィングする代表的な人にウィントン・ケリーって挙げるよね。確かにスウィングしてるんだけど、自分がしたくてしょうがないスウィングの仕方なんだよ。でもレッド・ガーランドはそういう次元じゃないの、そういう風に弾かないでもっとふぁーって弾くんだよね。でも聴いてたらものすごいスウィングしてるんだけど、そのお客さんにどうですかー! みたいなアピールはしない。ちょっと仙人の域の感じ。ただしプレイはそれほどアレンジにしろなんにしろ拘らないんだ。


Red Garland / Groovy(Full Album)

——シンプルですよね。

レッド・ガーランドはイントロなんかが他の曲と同じようなものでも全然平気なんだ。もう逆にそれが一種、最初のうちはなんかイージーなやつだなと思ってたら、この人考え方の比重の置き方っていうか、重要性のあるところがそこじゃないというのがどんどんわかってくる弾き方をする。

——いまスタジオの仕事とライヴの仕事とどっちが好きですか?

いや、これがね、作曲の仕事を始めるときっていうのは、いつも何で引き受けたんだろうとか思うんだよね。もうめんどくせえなぁ〜って(笑)。引き受けなきゃ良かったとか思っちゃったりして。ただ、やりはじめるとおもしろいんだよ、作曲したりスタジオは。ライヴはライヴでやっぱりやると楽しい。だから僕はスタートがピアニストから始まったけど、途中で極端にピアノをやめて作曲の仕事をして、それからまた戻ってきたときにどっちかにはもういけない運命なんだよね。いま両方がないと、きっとバランスが悪いんだと思う。多分、昔みたいなピアノは弾けない。やっぱりプロデュース能力だとかアレンジ能力が働いちゃうんだよね。昔みたいにどうなってもかまわない的なウワーっていっちゃうピアノが今は弾けないの。必ず解決するときになんかかっこがつくように弾かないと自分の中でだめなんだ。

——それはちょっとジャズとは違う世界?

いや、ジャズなんだけど、さっき話に出たクリード・テイラーとかに戻ると、クリード・テイラーとかが凄いのはジャズでガーってやってるけどいまいち売れない人をスターにするのが上手いでしょ? あれはそういうプレイじゃ売れないよってことを言ってるの。で、あんたせっかくジャズが上手いんだからだったらこういう風に弾いたらどう? みたいなことをドン・セベスキーとか、そういう人でメリハリを付けることによって作り上げる。で、僕もそういうクリード・テイラーなんかの影響をずっと受けてきたから、今は自分が弾いている立場でありながら、もう1人、一種のクリード・テイラーである自分がいる。

自分の音がスタンダードに、トータルに出せるのはルパン三世しかないんだよね、やっぱり

——今回、新しい「ルパン三世」新TVシリーズがはじまる、このお話はいつ頃からきたものなんですか?

やっぱりごく普通にオンエアの1年前ぐらいですか。

——約1年前に話が来てから、どのように組み立てられて行ったんですか?

今度きたらこんなことをやってやる! みたいなことは全然なかったね。ルパンの難しいところって、何十年も経ってるから、ある種、曲がスタンダード化している。そうすると、当時、LPとして3枚出した中のレパートリーをやっぱり入れてあげた方がいいだろうし、それからBGMとしてやっぱりこれ印象に残るよねっていう曲も入れてあげた方がいいだろうしって、そのバランスの苦心はあったね。新しい曲を入れないわけにはいかないけど、そういう昔のものも入れてあげた方が喜ぶだろうし、アレンジも聴いた時にあの曲だってわかる方がいいだろうなっていうのは考えてやってるね。

——その辺はオーダーがあったわけではなくて、大野さんが?

各テーマの有名な5人とか6人の曲と、これから出てくるこの人は重要ですよみたいな人のテーマは作ってくれとオーダーはあるけど、あとは全て任されてるから、どの曲をどういう風にいれてほしいといった曲のリクエストはない。

——過去のこの曲をもう1度使おうっていうのは大野さんの判断なんですね。

そうだね。

——Explosion Bandをリユニオンしたのも大野さんの発案?

そう。38年ぶりだから、日テレでやるのはね。やっぱりルパン三世はリズムセクションの岡沢章くんと市原康くんのコンビと、それから松木恒秀くんのギターのリズムの凄さだね。松木くんはちょっと体調が悪かったりして、できなかったんだけど、現役でやっている人にはなるべくやってもらおうと思ったんだ。

——土方(隆行)さんも過去にやっていたんでしょうか?

やってないね。松木くんが出来ない代わりで、僕が気に入ってるのは土方くんだった。

——当時はアナログ・レコーディングですよね? それが今はオールデジタルになって、作り方が大きく変わったと思うんですが。

それはあるね。昔の方が面白かったっちゃ面白かった。今はチャンネルがもう無限にあるから、なんにも考えなくてもレコーディングができるんだけど、昔はアレンジャーはチャンネルの計算も出来る人じゃないといけなかった。だからものすごい研究してやってたね。

——24チャンネルに収められないといけないんですね。

特に歌が入るものなんかは歌にチャンネルを残さなきゃいけないから。リズムセクションに7チャンネルくらいしか使えない。僕は絶対ギターはモノでしか録らなかった。なんかステレオで録るとツボがはっきりしなくなっちゃってね…。

——ちゃんとどこに誰がいるか…。割とジャズ出身の方ってそうですよね、あんまり面できてほしくない。

ようするにエレキギターがふぁ〜って広がってるみたいなの、すごく気持ち悪く感じちゃう。

——Explosion Bandで本編を録って、Lupintic Fiveでもうひとつ作るっていうのは、あれは作りたくなってしまったんですか?

Explosion Bandでやるって決めた時に、これはLupintic Fiveも出した方がおもしろいなと思って。Explosion Bandでやるものに関してはアドリブの部分はなるべく少なくしてるんだ。これは劇伴優先な感じ。だけど僕はいつも言ってることなんだけど、劇伴のアルバムとしてあまりにも劇伴、劇伴したものはお客さんは聴いてるとつまらないんだよね。だから最低3分はある曲にしたいけど、Lupintic Fiveはアドリブが入るからすぐ6分とかになる。サントラでやったものをLupintic Fiveでやったら、もうちょっとジャズっぽくこんな感じになるんだよみたいなことを聴き比べてもらいたい。だから何曲かはダブってるものをいれてるよ。

——1曲目からマンドリンが聴こえたりして、あ〜なるほど、イタリアだと思ったんですけど、イタリアがテーマで苦労されたことってのはありますか?

いや、イタリアっぽくしてねと言われて、どうすればイタリアっぽくなるのかなんて誰も分からないんだよね。で、イタリアとはなんだろうって思ったときに、楽器の発祥はかなりイタリアが多かったんだ。一般的に言うなんかイタリアっぽいとかって言ったらマンドリンとか。それからあとは、ある種アコーディオンもヨーロッパ的な感じだろうし…とかね。イタリア人の作家のイタリア映画とか、イタリアからアメリカ向けに作ってる、例えばマカロニウエスタンとか、そういうことも含まれるなと。ハモンドオルガンとかね。まあ、チェンバロとか。ちょっとそういう強い楽器としてのかたちはいれてみたよ。あとはなんとなくイタリアの人はカンツォーネとかメロディーラインがちょっとこうね、情熱的というか、そういうロマンティックな感じだろうなと思ったんで、そういう感じの歌をちょっと作ろうかなと思った。

——ちょっと歌ものにはそういう要素が入ってると。

そう。アメリカのポップスの感じはなるべく避けた。リズムでいったらツイストとか。

——今まででも70年代から作られてきたもののなかで、特にその時代、時代で、自分のなかのスタンダードみたいなものってありますか?

劇伴みたいな部分でいうと、ルパン三世っていうのは、いつ作っても、ある種同じテイストでできるわけ。でも映画もテレビドラマも1本、1本話も違うし、監督も違う。すると、勝手に自分の色を出せない。歌の人のレコーディングもサウンドは僕のサウンドでも、歌い手のことを考えてつくるからそれもかなり変わるわけだよね。そうすると、1番自分のなかで、自分の音がスタンダードに、トータルに出せるのはルパン三世しかないんだよね、やっぱり。あとは勝手に作るわけにはいかない作業。自分のオリジナルCDを出す以外はそういうサウンドには必ず枷がある。でも自分のアルバムでこんなの出したいっていうのもあんまりないんだよね。ルパンのサウンドをやると自分のアルバムを出したのと同じになっちゃうから(笑)。だから、1つ違うとしたら、僕名義で、ルパン三世の新しいタイトルを作るときが違うテイストになるんだろうけど、それも例えば大野雄二トリオみたいなのになんか足すとか、一種ルパンのサウンドでやってることとかぶってきたりもする。そういう意味ではやっぱりそれほど関係ないんだよね。だから僕が次にやりたい仕事がないのも、やりたいことがそこでできてるせいもあるかもしれない。あんまり変わったことはやりたくないんだよね。こういうことをやると変わったと思われるんだろうなっていうことをやるのが嫌い。ドがつくまともなことしかやりたくないな。

「ルパン三世」関連作品

You & Explosion Band / ルパン三世 PART IV オリジナル・サウンドトラック ~ITALIANO

2015年の10月より放送中の「ルパン三世」新TVシリーズのオリジナル・サウンドトラック。新エンディング・テーマを歌唱するのは、歌謡界の最高峰である石川さゆり。さらにはルパン・ファンにはおなじみの「MEMORY OF SMILE」や「ラブ・スコール」も石川が歌い上げ、胸を打つ仕上がり。

Yuji Ohno & Lupintic Five with Friends / BUONO!! BUONO!!

「ルパン三世」新TVシリーズにインスパイア―された楽曲を、Yuji Ohno & Lupintic Five with Friendsにより新たにレコーディング。加えてLupintic FiveのライヴでおなじみFujikochan'sのTiger・佐々木詩織をヴォーカルに迎えたTVスペシャル・シリーズ第1作&第7作エンディング・テーマを収録。

大野雄二 with フレンズ / LUPIN THE BEST"JAZZ"

ジャズの楽しさと奥深さを、わかりやすく世の中に広める大役を果たしてきた人気シリーズ『LUPIN THE THIRD “JAZZ"』の初となるベスト・アルバム。大野雄二自ら膨大な楽曲の中から厳選、デジタル・リマスタリング。このベスト・アルバムのために大野雄二が「ラブスコール」と「小さな旅」をピアノ・ソロで新録。

>>特集ページはこちら

Yuji Ohno & Lupintic Five / UP↑ with Yuji Ohno & Lupintic Five

ゲスト・ヴォーカルに中納良恵(EGO-WRAPPN')、Tiger・佐々木詩織が参加。さらにライヴのメンバー紹介でもお馴染みTBSの土井敏之アナウンサーがアルバムにも登場し、さながらライブ・アルバムのような熱が込められた一作。

>>特集ページはこちら

ルパン・ジャズ・シリーズ、初のハイレゾ化!!

PROFILE

大野雄二

小学校でピアノを始め、高校時代にジャズを独学で学ぶ。慶應大学在学中にライト・ミュージック・ソサエティに在籍。藤家虹二クインテットでJAZZピアニストとして活動を始める。その後、白木秀雄クインテットを経て、自らのトリオを結成。解散後は、作曲家として膨大な数のCM音楽制作の他、「犬神家の一族」「人間の証明」などの映画やテレビの音楽も手がけ、数多くの名曲を生み出している。リリシズムにあふれた、スケールの大きな独特のサウンドは、日本のフュージョン全盛の先駆けとなった。その代表作「ルパン三世」「大追跡」のサウンドトラックは、70年代後半の大きな話題をさらった。近年は毎年放映されている「ルパン三世テレビスペシャル」、現在放送中のNHKテレビ「小さな旅」などの作曲活動のほか、再びプレイヤーとして都内ジャズ・クラブから全国ホール、野外ロック・フェスまで積極的にライヴ活動をしている。2015年10月より日本テレビほかで放送中の「ルパン三世」新TVシリーズの音楽を担当。

>>大野雄二 Official HP

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"Close Up"の最新アーカイヴ

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[CLOSEUP]・2016年09月23日・一時期小説ばっかり書いてたけど、いまは音楽──いとうせいこう『再建設的』をめぐって いとうせいこう & Tinnie Punx『建設的』は1986年にリリースされた最初期の日本語ラップの楽曲を含んだ作品として名高い。そんなクラシック・アルバムのリリース30周年を記念して、このたび、いとうせいこう & リビルダーズ名義でトリビュート盤『再建設的』がリリース。豪華メンツが参加し、当時の楽曲をカヴァーしている。また日本語ラップの金字塔的作品たる「東京ブロンクス」では、いとうせいこう自らがヤン冨田とともにスリリングにカヴァーしており、間違いなくアルバムのクライマックスと言えるだろう。OTOTOYでは本作を配信開始。またオリジナルの『建設的』もリリース30周年記念に再リリース。こちらも配信開始しています。そして本アルバム・リリースとともに9月30日、10月1日、東京体育館にて「いとうせいこうフェス~デビューアルバム『建設的』30周年祝賀会~」が開催。アルバム参加の豪華メンツに加えて、さまざまなアーティスト、DJやお笑い芸人が入り乱れての、まさにいとうせいこうにしか成しえないイベントとなるだろう。 豪華メンバーによる
ハコイリ♡ムスメ、これまでの活動を振り返るインタヴュー掲載!! 会場限定シングル4作品を一挙配信スタート!!
[CLOSEUP]・2016年09月23日・ハコイリ♡ムスメ、会場限定シングル4作品を一挙配信スタート!! これまでの活動を振り返るインタヴュー 80〜90年代のアイドルの名曲をカバーし、見る人に癒しとトキメキを与え「女の子本来の可愛らしさ」を表現することをテーマとした11歳〜17歳の女優志望の女の子9人組、ハコイリ♡ムスメ。本業の「女優」を生かした「劇団ハコムス」という芝居と音楽の融合にも挑戦している彼女たちが、2016年11月に南波一海が主宰するレーベルPENGUIN DISCより初の全国流通音源をリリースする。まさに世の中に広く羽ばたく直前の彼女たちに、これまでの歩みを伺うとともに、会場限定で発売されていた4作のシングルをOTOTOY独占で配信スタート。この機会にハコイリ♡ムスメに触れてみてはいかがだろう。 会場限定の4作品をOTOTOY独占ハイレゾ配信スタート!! ハコイリ♡ムスメ / 微笑みと春のワンピース【配信形態】WAV、ALAC、FLAC(24bit/48kHz) / AAC : 単曲 251円 まとめ購入 500円【Track List】1. 微笑みと春のワンピース2. なかよし ハコイリ♡ムスメ / 夏に急かされて【配信形態】
by 西澤 裕郎
ベイビーレイズJAPAN、メンバーに訊く2ndアルバムとこの2年
[CLOSEUP]・2016年09月09日・改名後の2年間、そして今作に込められた思いとはーーベイビーレイズJAPAN、メンバーに訊く2ndアルバム 2012年に活動を開始した5人組アイドル・グループ、ベイビーレイズJAPAN。9月21日に2年ぶりの2ndアルバム『ニッポンChu! Chu! Chu!』をリリース。数々のライヴやフェスで人気沸騰中の青春エモ・ロック「夜明けBrand New Days」や、ラップを取り入れた「真夏のフィーバー!」、新しいメンバー紹介曲としてライヴで定番となりそうな「Ride On IDOROCK」など、かわいく、暑苦しく、エモい彼女たちのすべてが詰まったアルバムとなった。 待望の2ndアルバム!!!!!ベイビーレイズJAPAN / ニッポンChu! Chu! Chu!'【収録曲】1. Ride On IDOROCK2. 虎虎タイガー!!3. 閃光Believe4. シンデレラじゃいられない5. Pretty Little Baby6. 真夏のフィーバー!7. Baby Kiss8. 栄光サンライズ9. 走れ、走れ10. 少しだけ11. 夜明けBrand New Days12. ニッポンChu! Chu! Chu!【配
Predawn、3年半ぶりのフル・アルバムをハイレゾ配信&インタヴュー
[CLOSEUP]・2016年09月21日・Predawn、音作りの"文法"、その新境地とはいかに──2ndフル・アルバム『Absence』ハイレゾ配信 溢れ出る才能と音楽への探求を丁寧に綴じ込んだ1stフル・アルバム『A Golden Wheel』から3年半、Predawnが待望の2ndフル・アルバム『Absence』をリリースした。収録楽曲にはライヴでの人気曲 「Universal Mind」を始め、正式な作品としては初めての日本語曲「霞草」など、音源化を待ち望まれていた9曲を収録。初めてアルバム制作にゲスト・ミュージシャンを迎え、より奥行きのある音像を目指したという今作。24bit/44.1kHzのハイレゾ音源は、そのささやかながら匂い立つような歌声と繊細ながら豊かなアレンジ、全編を通して縫い込まれたPredawnの文学を驚くほどダイレクトに、鮮やかに、感じてもらえるだろう。秋の夜長に最適の1枚を、是非。 Predawn、3年半の沈黙を破り待望のフル・アルバム、ハイレゾ配信!Predawn / Absence'【Track List】01. Skipping Ticks02. Black & White03. Universal Mind04
いまっぽい〈黒さ〉で都会を描く――新生bonobosが表現した東京という街
[CLOSEUP]・2016年09月21日・いまっぽい〈黒さ〉で都会を描く――新生bonobosが表現した東京という街 2011年の『Ultra』では管楽器やストリングスを大胆に取り入れ、続く2014年『Hyper Folk』ではさらにエレクトロニックな要素も取り込み壮大な表現を見せたbonobos。7枚目のオリジナル・アルバム『23区』は、それらの表現を引き継いだ… というよりは、過去作を咀嚼した上で新たな方向性をメンバー同士で探り合った結果作られた、バンド感の強い一枚だ。演奏面では、ファンキーでソウルフルな表現がぐっと増え、作品を通して開放的な空気が流れている。〈黒い〉表現が特徴的ではあるが、アーシーというより都会的。風通しがよくて軽やか、これまで以上に洗練されており、かつ折衷的なアルバムと言っていい。本作をOTOTOYでは、それぞれ音源形式に合わせてマスタリングされたというDSD、そしてPCM 24bit/48kHzにてハイレゾ配信を開始する。結成して間もない時期より共に活動してきたドラマーの辻凡人が脱退し、オリジナル・メンバー2人に。さらにその後3人の新メンバーを追加し、5人体制での再スタートという大きなメンバーチェンジは、彼らがアウトプット
イロムク、店舗限定ワンコイン・シングルを独占配信&インタヴュー
[CLOSEUP]・2016年09月21日・“女々しい系ギター・ロック”を脱ぎ捨てて──再スタートを切るイロムク『四枚目はどうなるの』配信 2013年より活動するギターロック・バンド、イロムクが両A面シングル『四枚目はどうなるの』をタワーレコードとヴィレッジヴァンガード下北沢店の店舗限定でのリリースが決定し、配信はOTOTOYでスタートすることとなった。両A面となる今作には、"とあるメジャー・バンド"(こちらはインタヴュー内で触れている)の1枚目のアルバム発売から3枚目のアルバム発売までの期間における、ある男女2人の生活を歌にした「三枚目」と、SNS上であれやこれやと言う人たちに向けて作った攻撃的ながらユニークな「化け者」が収録。前作との間にメンバー・チェンジを経て、一皮向けたいまの4人に話を伺った。 イロムク / 四枚目はどうなるの'【Track List】01. 三枚目02. 化け者【配信形態 / 価格】''16bit/44.1kHz(WAV / ALAC / FLAC) / AAC / MP3単曲 270円(税込) / アルバム 540円(税込) INTERVIEW : イロムク 2015年8月に桂野敬章(Ba&Cho)と河野智央(Dr)がメ
テクノ / ハウスの世界的レーベル〈mule musiq〉の、OTOTOY独占ハイレゾ・コンピ
[CLOSEUP]・2016年09月16日・世界基準のテクノ / ハウスをハイレゾで聴く! 〈mule musiq〉のOTOTOY限定コンピが登場! 国内外を分け隔てることなく旬のアーティストのリリースを続け、ハウス / テクノのシーンでは世界的に高い評価を受ける本邦のレコード・レーベル〈mule musiq〉。これまでOTOTOYでは、ゴンノ(Gonno)やペトレ・インスピレスク(Petre Inspirescu)、マウスオンザキーズ(mouse on the keys)など、〈mule musiq〉もしくはそのサブ・レーベル〈Endless Flight〉の作品をハイレゾで配信し好評を博してきたが、このたびはOTOTOY完全限定のエクスクルーシヴなハイレゾ・コンピレーション・アルバム2枚の配信を開始する。 レーベル・オーナーである河崎俊哉のコンパイルで『romantic standard』と題されたこのコンピレーションは、ダンス・サイドの『Part 1』とチルアウトな『Part 2』の2枚で構成されており、セオ・パリッシュ(Theo Parrish)やトッド・テリエ(Todd Terje)、ドナート・ドジー(Donato Dozzy)、クニユキ
by 河村 祐介
筆者について
BB (Reviewed by Kentaro Takahashi)

本名:高橋健太郎プロデューサー、ジャーナリスト、選曲家など。高橋健太郎 文筆家/音楽制作者 評論集「ポップミュージックのゆくえ〜音楽の未来に蘇るもの」がアルテスパブリッシングから発売中。http://tinyurl.com/2g72u5e twitterアカウントは@kentarotakahash

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