2015/03/27 11:59

最高のワクワクと感動を――SYNCHRONICITY'15、10周年を最大に盛り上げる3会場6ステージ33組で開催!!

祝・10周年!! 2005年の初開催以降、毎回その豪華なラインナップが話題を呼び、東京を代表する都市型音楽フェスとして定着した〈SYNCHRONICITY〉。10周年目となる今回は、渋さ知らズオーケストラ、SOIL & "PIMP" SESSIONSといったお馴染みのメンツに加え、ZAZEN BOYS、YOUR SONG IS GOOD、水曜日のカンパネラなどが出演。さらに、TSUTAYA O-nestが会場に追加され、less than TV Collaboration STAGEが登場。NATURE DANGER GANGやV/ACATIONなど、これまでとは異色な出演者たちとのコラボレーションが実現する。OTOTOYでは、10周年を迎えるとともに、新たな一歩を踏み出そうとしている〈SYNCHRONICITY'15〉の開催を記念して、主催者である麻生潤、そしてless than TVを主宰する谷ぐち順による対談を敢行。ちゃんと話したのははじめてとは思えない意思が共鳴した対談をお送りする。

最高のワクワクと感動を

〈SYNCHRONICITY'15〉
2015年4月11日(土)@渋谷 TSUTAYA O-EAST、duo MUSIC EXCHANGE、TSUTAYA O-nest
開場 / 開演 : 15:00
前売 : 4,800円 / 当日 : 未定
学割チケット : 4,000円(枚数限定)
出演 :
[LIVE] 渋さ知らズオーケストラ / ZAZEN BOYS / downy / SOIL&"PIMP"SESSIONS / YOUR SONG IS GOOD / 長岡亮介(ペトロールズ) / Analogfish / rega / 水曜日のカンパネラ / the chef cooks me / fox capture plan / toconoma / MOP of HEAD / Yellow Studs
[LIVE(TSUTAYA O-nest less than TV Collaboration STAGE)]Limited Express (has gone?) / GEZAN / COSMIC NEUROSE / V/ACATION / SiNE / VOGOS / ロンリー / Have a Nice Day! / ニーハオ! ドラびでお! / NATURE DANGER GANG / PASTAFASTA / FUCKER / 柴田聡子 / ランタンパレード / KURIWATAHASHI
SARO(-kikyu-)
[DJ] Ko Umehara(-kikyu-)
[VJ] 矢吹和彦(-kikyu-) / eetee
[LIVE PAINTING] Gravityfree
詳細 : http://www.synchronicity.tv/ (オフィシャル・サイト)
【TICKETS】
チケットぴあローソンチケットe+(イープラス)などで発売中。
■TSUTAYA O-EAST、渋谷PLUGでも発売中。

SYNCHRONICITY×KEENのコラボレーション・シューズを2名様にプレゼント!!
【Yogui Arts SYNC WHITE & SYNC BLACK featuring JUN INOUE】
音楽・アート・グリーンエネルギーを融合させたイベント《SYNCHRONICITY》とKEENによるコラボレーションシリーズ。第4弾となる今回は、アーティストJUN INOUEの描き下ろしによるアブストラクト・ペインティングをベースに2タイプのYOGUIが生まれました。貴重な限定シューズを、抽選で2名様にプレゼントします。

【応募方法】
メールの件名に「SYNCHRONICITYプレゼント希望」と記載し、本文に住所、氏名、電話番号を明記のうえ、info(at)ototoy.jpまでお送りください。

※応募〆切は、4月10日(金)の24時となっております。
※当選のお知らせは、商品の発送をもって代えさせていただきます。
※カラーの指定はできませんので、ご注意ください。

■KEEN
http://www.keenfootwear.com/jp/ja/

対談 : 麻生潤 × 谷ぐち順

SYNCHRONICITY主催の麻生潤、Less Than TV主催の谷ぐち順。どちらも、今や東京音楽シーンになくてはならない存在。とは言え、全く違う特性の2人が、10周年を迎えたSYNCHRONICITYで邂逅する。この邂逅は、モッシュを生むのか、感動を生むのか、歪みを生むのか? 4月11日(土)の本番前に、2人に集まってもらった。この対談がスタートになるように。

インタヴュー&文 : 飯田仁一郎(BOROFESTA主催、Limited Express (has gone?))

俺を含め、異常なバカばっかなんですよ

ーーシンクロニシティとレスザンTVのコラボレーション発表後、どんな反応がありましたか?

麻生潤(以下、麻生) : 異色だから、どう捉えたらいいんだろう? ってお客さんも多いと思ってます。僕自身知らないバンドも結構いてそれが面白い。SiNEとかV/ACATIONとか面白いバンドもたくさんいたし、逆にNATURE DANGER GANGとかHave a Nice Day!とかはシンクロニシティにもハマるなと思っていたんだけど、レスザンTVのシーンのほうにもクロスオーバーしていく存在なんだってわかって。そのバランス感覚が面白いなって思ってますね。

麻生潤(SYNCHRONICITY主催、株式会社アーストーン代表、-kikyu-代表)

ーー麻生さんからみたレスザンTVはどんなレーベルですか?

麻生 : 僕が詳しくないだけなんですけど、わかりやすいパンク・シーンというより、もっとコアなパンクとかハードコアを突っ込んでリリースしてるレーベルなのかなと。正直な話、どうやって運営しているんだろうと思いましたね。

ーーどうですか?

谷ぐち順(以下、谷ぐち) : 想像通りですよ。自己紹介で「売れないCDをひたすら作り続けています」って挨拶する位ですからね。

麻生 : でも何でやるんですか?

谷ぐち : それは自分にも訊きたいところですね。

麻生 : 何年問いかけてるんですか(笑)。

谷ぐち : 今麻生さんに言われてそうだなってハッと気付いた感じですね。そうだなー、別に売れないものを作ろうと思ってやってるわけではないんですけど…。

麻生 : 好きだからってことですね。シンクロニシティをやっているのと同じようなもんだ。

ーーそんな中で今回のコラボは思いきった感じがしますが。

麻生 : うん、思い切ったところあると思う。だけど、異質なものを取り込んで、一緒にジョイントしてやるってすごく刺激的だし、そういうジョイントだからこそできることってあると思うんだよね。僕のブッキングだとやっぱりシンクロニシティっぽい感じに寄っちゃうから、コラボによって刺激が生まれてくるだろうなって思ってます。興味本位でも足を運ぶことがすごく大事だと思うので、往来したくなるような仕掛けも考えたいなと。

ーー谷さん的にはどんなイメージで今回のブッキングを組んだのでしょう。

谷ぐち : シンクロニシティの中で罠が仕掛けてあるというか、異質なイメージ。今回、折角やらせていただけるって話になったので、レスザンTVでステージをどうするかっていうより、イベント全体で考えたときに少しでも「何コレ?」っていう刺激を残せたらなと思って。だからレーベルのカラーをというより、もう少し幅広くやろうと。興味はあるけど観る機会がなかった人が流れてきたらいいなと思いますね。あとは俺を含め、異常なバカばっかなんですよ。

谷ぐち順(レスザンTV、FUCKER、Limited Express (has gone?))

麻生 : (笑)。

谷ぐち : だから、足を踏み入れたら「こいつぁひでえな」って面白がってもらえると思うんですよね。

麻生 : それはイメージできますね。出演バンドのライヴ映像を観てこれはひどいと思った人とかいたし、お客さんの暴れっぷりもすごかった。

異質な出会いが今回だと思うんですよね

ーー今回、どんなイベントになったら成功ですか?

麻生 : 一緒にやることで新しい発見があるといいですよね。音楽の良し悪しは個々人の好き嫌いに寄ると思うんですけど、まずは出会ったり体感してほしい。知ってるアーティストは観に行くじゃないですか。フジロックとかでもタイムテーブルを見て誰を観に行くかスケジュールを組んで。でもせっかくシンクロニシティなんだからそういうんじゃなくて、新しいアーティストや音楽を知るきっかけを今まで以上に作りたいし、その柱としてシンクロニシティができたらいいなと。

谷ぐち : 今話しててちょっと違和感を感じたんだけど、レスザンTVとシンクロニシティのお客さんってそんなに違うかな?

ーーというと?

谷ぐち : 俺は異質なものが好きで、ずっとリリースしたりやったりしてるんだけど、今回シンクロニシティのアーカイヴを見てみたら、知ってる人がいっぱい出てて。クボタ(タケシ)君とかNOBUさんとか、ZAZEN BOYSとか。そこらへん観にきてる人って、それぞれ独自のアンテナを立ててやってるから、根本的にそんなに違わないんじゃないかなって思ってて。もっと単純に、「nestで何かやってる、10分あるから行ってみようか」っていう人ばっかりじゃないのかな。そう思いたいし、俺も去年走り回っていろんなところ観に行ったしね。

麻生 : そういう人ももちろんいると思います。ただ、今は情報がめちゃくちゃ多いじゃないですか。YouTube等で誰でも音楽を聴けるようになってて、自分でも処理しきれない。そんな中で、明確なシーンってものはもうほとんどないんじゃないかなって思ってるけど、なんとなくのシーンというか、カラーがあると思うんです。それぞれがそれぞれの中で活動してて、お客さんもそれぞれの中にいる。でもその別々のシーンみたいなものが、カチッと出会うことってなかなかない。その異質な出会いが今回だと思うんですよね。

過去のシンクロニシティの様子

谷ぐち : ああ、なるほど。情報を処理しきれないっていうのはありますよね。俺も去年rega観てすげえ格好良いなと思って、どういうところで活動してるんだろうって調べてみたら、わりと近くて、これ知っててもおかしくなかったのになってなりましたもんね。失礼な話なんですけど。

麻生 : だからこそ、僕はお客さんに対してシンクロニシティはハブみたいな役割になりたいなと思っていますね。

ーー今までシンクロニシティにはモッシュが起こるようなパンク / ハードコアのバンドは出たことないですか?

麻生 : ないですね。基本シンクロニシティのルーツって、ダンス・ミュージックなんですよ。僕が好きな音楽でもあるんですけど、どこかしら黒さを感じるラインナップになってると思うんです。そういうところが根にあって、お客さんもきっと踊るって感じの人が多いんじゃないかな。

一生懸命全精力を注ぎ込んででもやる本気の遊び

ーー2人がオーガナイザーとしてイベントに求めること、もしくはやりたいことは何ですか?

麻生 : 「最高のワクワクと感動」っていうのが僕のテーマなんです。それはイベントに限らず、人生でも人間関係でも。頭が真っ白になる瞬間ってあるじゃないですか。そんな圧倒的な時間を作りたいし、お客さんにも届けたい。だから、そのためにも常に新しいことに挑戦していきたい。

谷ぐち : 去年までやってたメテオナイトは、2DAYSで50バンドくらい呼んで、カオスの状態がずっと続く、普通のライヴハウスで起こってることがそのままでかくなったイベントだったんです。でかくしたいというより、でかくなるとたくさんバンドを呼べていいぞって考えで。その緊張感が長時間にわたって続くことで特別な感じがあるし、もっともっとって、客もバンドもぶつかっていく面白さしか考えてないですね。

ーーこの間レスザンTVは「MOST DANGEROUS MOSH PIT」(※)ってイベントでライヴハウスに大量のバナナの皮を撒いて話題になってましたけど、普通は一度成功したらもっと大きくしたいとか次はこうしたいとか、展開を考えると思うんです。でもレスザンTVはそのときが楽しかったらそれでいい、って考え方ですよね。その感覚はなかなか持てないし、すごいなと。

「MOST DANGEROUS MOSH PIT」の様子

麻生 : すげえいいと思う。楽しいだけで終われるって。シンプルで純粋。素敵なことだと思う。

谷ぐち : 金勘定すると汚れてるみたいなこと言いますけど、自分にはできないから逆に尊敬しますけどね。楽しいだけで終われたら楽ですからね。

ーー何かをやるときにその先を考えないのはレスザンTVの魅力ですよね。さっきのバナナの話もそうですけど。

谷ぐち : 考えてないわけじゃないんだけどね。もし次「MOST DANGEROUS MOSH PIT」をやるならリキッドでバナナ5000本って言ってて。もう5000ってギャグでしかないでしょ。あと「前回バナナでTシャツが汚れたので、今回はTシャツ付きでチケットを販売します」とアナウンスして、「おっ気が利くな」と思って会場にきたら赤いTシャツを渡されて、フロアに入ったら牛がいるとか。

一同 : (笑)。

ーーでもレスザンTVは炎上商法じゃないですよね。面白いことでバズって人気があがっていくこともあるじゃないですか。でもそれもない。

谷ぐち : それをさらっと終わらせるのがレスザンTVっぽいかなって。俺らは「アンダーグラウンドで何かよくわからないことをやってる」って美学に基づいてやってるからね。炎上商法の人は「炎上して巻き込む」っていう美学に基づいてる。シンクロニシティは「最高のワクワクと感動」溢れた空間を作るっていう美学がある。美学の違いだけ。だから別に純粋でもないし、汚れてもないし、それぞれの作りたい物がちょっとだけ違うってだけでしょ。だけど良いライヴをみて、オーディエンスとバンドを観てバコーンと盛り上がるっていう、それは一緒だよ。

麻生 : そうですね。谷ぐちさんは、普段どうやって生活しているんですか?

谷ぐち : 障がい者の介助をしてます。一応俺たちは「アフターファイブレーベル」って言ってて、大人数で集まって、それぞれの余暇を合わせて運営しているんです。それでアーティストに返せるんじゃないかと。レーベルってまわしていかなきゃいけないじゃないですか。例えば俺がひとりでやったとしたら、食っていく為に何枚位売らなきゃいけない、リリースしないといけないって縛りが当然出てくる。そういうのやりたくないし出来ないと思って。

麻生 : なるほど。

谷ぐち : あとそういうスタイルでリリースを続けると、俺がやりたいことをできないですよね。「一体何を考えてるんだ」「とんでもないもの出すな」って言われるところを狙っているし、そういうものを世に出して残していきたいんです。何で出すんだって思われてるかもしれないけど、絶対それは世の中になきゃいけないんです。ちゃんとしっかりパンク / ハードコアの歴史、ジャンクでもスカムでもダンスでもオルタナだろうが、アーティストが残している輝かしい音楽を刻んで残していくことを使命だと思ってやってるんですよね。でもまあ時代とともに色々ありましたよ。俺たちのいるようなシーンが注目されて、ビジネスになりかけてうまくいかなかったとか、いろんな経験を経てどんどんシンプルになって今に至っているし、そうやって続けてきてますね。

麻生 : 谷ぐちさんは、音楽で食いたいと思ったことはないんですか?

谷ぐち : ないっす。

麻生 : 悪い意味じゃないですけど、遊びなんでしょうね。一生懸命全精力を注ぎ込んででもやる本気の遊び。

谷ぐち : 遊びっすね。全然仕事じゃないですからね。

「レスザンTVみせてやるぞ」みたいには少しも思ってないんですよ

ーー最大の力を持って遊びをかましにくるレスザンTVに対して、シンクロニシティはどう立ち向かいますか?

麻生 : うーん… 負けねえよって(笑)。シンクロニシティはめちゃくちゃ情熱を注ぎ込んでやっているので、本気と本気のガチンコですね。こういうの最高ですよ。ただそれはケンカじゃなくて、ポジティヴなエネルギーのぶつかり合いっていうか。そういうジョイントの中で、なんじゃこりゃっていう最高の空間をつくりたい。シンクロニシティはかなりストイックにやってるのでビジネスとか思ってないけれど、すごく気を使うバランス感覚なんですよね。儲けなくていいけど絶対赤字にはしちゃいけないっていう。

谷ぐち : そうっすよね。さっきからビジネスか遊びかみたいな話になってるけど、俺だって赤字にはしたくないよ。

ーー本当に赤字になったら続かないですよ。どこかで帳尻を合わせないと破綻してしまう。でもレスザンTVの場合は赤字になっても続いてますよね。

谷ぐち : そういうシステムにしてるからね。皆で働いて皆で出し合ってリリースしてるから、売れないから出さないっていうのは考えたことがない。人を巻き込んでるけど、皆ノリノリで巻き込まれてるってだけで。だけど俺は麻生さんのいい音楽をたくさん浴びてほしいっていうのは、そうだなって思うし、シンクロニシティは今おっしゃったような場であってほしい。というかさ、俺らのほうが分が悪いよ! だってシンクロニシティなんて10年も続けてきてあの雰囲気を作ってきたわけでしょ? そんなところにどこの馬の骨かわからないような奴らがやってきたところでそりゃ分が悪いよ!

ーー(笑)。

谷ぐち : 俺アンチ楽屋で絶対フロアにいるようにしてるんですよ。なんでかっていうと、そこで起こってることをずっと体感して、さあ自分はどんなパフォーマンスをするのかっていうのを、全部吸収してやりたいんです。俺らは俺らのパフォーマンスをやればいい、今日はいいライヴだった、っていうのは嫌なんですよね。だってイベントにわざわざ呼んでもらってるんですよ? 少しでも自分達の音楽がいいと思ってくれて呼んでくれてるし、それに対してそれ以上のものをどうしてもパフォーマンスで返したいと思うんです。

ーーなるほど。

谷ぐち : 今回も大きく考えたらそうで。シンクロニシティの中で俺たちがやることで、ちょっとでもシンクロニシティ自体が盛り上がるようにどうしてもやりたいんですよ。イベント全体としてみたときに、10周年のアニバーサリーで新しい刺激をと思ってくれてるんだったら、それ以上の刺激のある場を作り上げたい。そうじゃなきゃ誘ってもらったのに失礼でしょ。だから実は「レスザンTVみせてやるぞ」みたいには少しも思ってないんですよ。

麻生 : めっちゃ謙虚や(笑)。

谷ぐち : むしろ「一緒にやれてよかったな」って感じです。だから、負けねえぞって思ってやるのは大前提としてあるんですけど、ドキドキなんですよね。俺、もし去年シンクロニシティに出演してなければ、受けてなかったかも。前回出演させてもらって、この中ならできるなと思ったから受けたんですよね。

谷ぐち順が所属するバンド、Limited Express (has gone?) Photo by Yasuyuki Kimura

ーー何でそう感じたんですか?

谷ぐち : 雰囲気。楽しかったなと思って。自分達がやってるイベントとは違うし、自分ではやらないけど、逆に自分では作れない場だし、ラインナップも面白いし、この中だったら面白いなと思って。

ーーシンクロニシティとしてはどうですか? 相乗効果に対して確信はあります?

谷ぐち : あ! そうそう、俺マイナスにならなければいいと思ったんですよね。「レスザンTVのステージ出んの? それだったら行きたくない!」みたいな。

一同 : (笑)。

麻生 : それはないでしょ(笑)。

ーー僕たまに「レスザンTVのイベントは怖くて行けないです」とか言われますよ。

谷ぐち : 別に取って食われるわけじゃないんだからさー。でもそれがシンクロニシティの中のいちステージだったら、怖いもの見たさで覗きにくる可能性のほうが高いよね。

ーーSOIL&"PIMP"SESSIONSを見にきてる女の子とかは、怖くて来ないんじゃないですか?

谷ぐち : そんなに違うと思ったことないのにな。SOIL&"PIMP"SESSIONSとかは特に。それとも俺が勘違いしてるだけなんすかね?

麻生 : それは勘違いしてるかもしれませんね〜(笑)!

谷ぐち : ええー(笑)!

麻生 : でもそこはお客さんに期待したいですよね。

人となりがわかったからこそ、より踏み込んで面白いことができる

ーーシンクロニシティは10年、レスザンTVは20年、続けているモチベーションはどこにあるのでしょうか。

麻生 : さっきも少し触れたけれど、最高の瞬間ってやっぱりあるじゃん。ホント頭の中が真っ白になるような。人生を通してもそうだし、音楽が与えてくれる最高の瞬間。そういう感動って果てしないもので、僕にとっては生きる喜びの一つ。だから、自分の人生の中でその瞬間にたくさん出会いたい。そして、自分だけじゃなくて誰かの最高の瞬間に自分が関われたら、それはまたかけがえなく素晴らしいことだなって思う。それはその人の人生に間接的に関わってるってことだと思うし、それこそ宇宙みたいなもんだろうって。

谷ぐち : イベント組む人ってそうですよね。なくなったら寂しいし、楽しみにしてる人もたくさんいるだろうし。俺は使命だと思ってるからですね。基本は同じですよ。音楽が最高で、「ウオー!」となるものを感じて、それを色んな人に共有して、その感覚を伝えたいと思ってイベントをやって、来てくれた人が「ウオー!」となって、それを観て自分もまた「ウオー!」となるっていうところ。

麻生 : うん、そうですね。僕はその結果誰が喜ぶかってことを考えるのも大事だなと思っていて。イベントを待ってくれている人がいて、自分でも最高だなと思うことをやっているから、続けようという意思があるうちはしっかり続けていきたい。お客さんやアーティスト、イベントなど全体のバランスもちゃんと考えて、フィードバックしていきたいなと思ってます。

ーーメテオナイトは昨年がファイナルでしたが、なぜ止めることにしたんですか?

谷ぐち : 自分の中でも祭り感が楽しかったし、ないと寂しいんですけど、やっぱり「レスザンTVがフェスみたいなことやってていいの?」って意見もあったんですよ。

麻生 : そうだったんですか。

谷ぐち : さっき言った通り、レスザンTVは皆でやってて、いろんな人の意見を俺の中でまとめさせてもらってやってるんですよ。俺はそれだけの内容のものがあれば、フェスっぽくみえようがなんだろうが「これはメテオナイトっていうレスザンTVでしか作れないオリジナルなものです」って自信があったから気にしてなかったんだけど、「毎年恒例のものやってていいの?」って意見があって。じゃあ思いきって止めようと。逆にシンクロニシティは10年で節目ですけど、今後どうするんですか?

麻生 : まだまだ続けて行きたいって思ってますね。今後は閉じられたものにしたくないっていうのがあるんです。インディペンデントなものを扱ってますけど、よりパブリックなものに。皆が普通に遊びに行けるようなもの、いいものをもっと多くの人に届けたいなって。今年は10周年でもあるので、これを機にシンクロニシティというフェス以外にも色々プランを考えてます。

ーー最後に、今年の一番のポイントを教えてください。

麻生 : 谷ぐちさんとはじめてこんなにゆっくり話しましたけど、超面白い人だなと思いましたね。それってとても大切なことで。結局は人じゃないですか。人となりがわかったからこそ、より踏み込んで面白いことができると思いました。

谷ぐち : このコラボ自体が「どうしちゃったんだシンクロニシティ」だと思うんですよ。

麻生 : それはあると思う(笑)。

谷ぐち : あると思うんですけど、最終的に迷い込んだ人が「ああ、シンクロニシティ新しいことやろうとしてるんだな」って着地できるところに持っていけたらいいなと思ってます。あとはもうダンスでもモッシュでも基本は変わらないから。乱入の準備はいつでもできてますけどね。

出演アーティストの音源を聴いて、予習しておこう

SYNCHRONICITYとは?

〈SYNCHRONICITY〉は、「未来へつなぐ出会いと感動 -CREATION FOR THE FUTURE-」をテーマに、グリーン電力(自然エネルギーから発電された電力)で開催する都市型アート・フェスティヴァル。音楽、ライヴ・ペインティング、映像、ダンス・パフォーマンス、デザインなど、ジャンルを超えたさまざまなアートが交わる空間を通して、未来へ続く前向きなエネルギーを生み出すことを目的に行なわれている。2005年の初開催以降、毎回その豪華なラインナップが話題を呼び、東京の音楽ファンたちが最も注目するイヴェントのひとつとなって久しい。

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