直枝政広が光を当てる退屈な「郊外」のおもしろさ──カーネーション17thアルバムをハイレゾ配信

来年結成35年目を迎えるカーネーションが、アニバーサリーを目前に快作を完成させた。今作『Suburban Baroque』の魅力は…… いみじくも下記の文章で岡村詩野が書き表しているのでそちらを読んでいただきたい。ただ、今回注目すべきところは何と言ってもハイレゾ24bit/96kHz用にマスタリングをした"High Resolution Unlimited Version”で配信をするということだろう。制作段階からハイレゾを意識してレコーディングをしていることで、彼らの奏でるグルーヴをより感じることができる。OTOTOYでももちろんハイレゾ配信を実施中。そんな今作には、2009年にカーネーションを脱退した矢部浩志をはじめ、張替智広(HALIFANIE、キンモクセイ)や、岡本啓佑(黒猫チェルシー)、浦朋恵、佐藤優介(カメラ=万年筆)、田村玄一(KIRINJI)、 徳澤青弦、張替智広、藤井学(TheMiceteeth)、松江潤、矢部浩志、吉澤嘉代子などアルバムを彩る多くのゲストが参加。多彩なゲスト・ミュージシャンを迎え、前作からわずか1年2ヶ月後にリリースされた今作『Suburban Baroque』の制作について訊いた、岡村詩野による直枝政広へのロング・インタヴューを掲載。ぜひアルバムとともにおたのしみください。

生々しいグルーヴをぜひハイレゾで!


カーネーション / Suburban Baroque

【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV(24bit/96kHz) / AAC
>>>ハイレゾとは?

【配信価格】
単曲 540円(税込) / アルバム 3,300円(税込)

【収録曲】
1. Shooting Star
2. Peanut Butter & Jelly
3. ハンマーロック
4. Little Jetty
5. 夜の森
6. Younger Than Today
7. 金魚と浮雲
8. Girl
9. Suspicious Mind
10. Please Please Please
11. VIVRE


カーネーション/Peanut Butter & Jelly


INTERVIEW : 直枝政広(カーネーション)

ニュー・アルバム『Suburban Baroque』のジャケットは、夜の郊外のゲームセンターか何かを模した写真があしらわれている。ブックレットの中には、巨大な看板が虚しいくらいに派手なネオンを輝かせているパチスロの前で撮影された直枝政広と大田譲、つまりカーネーションのふたりがいるわけで…… なるほど、このアルバムは、かつて『EDO RIVER』(1994年)のタイトル曲で歌われていた“東京から少し離れたところ”で、『ガール・フレンド・アーミー』の「Garden City Life」で歌われていたような生活そのものを描き、昨年届けられた前作『Multimodal Sentiment』の「いつかここで会いましょう」と願ったまさに“ここ”に改めてフォーカスさせた作品なのだろう、と気がついた。

という伏線に気づいても気づかなくても、わずか1年2ヶ月でリリースとなった新作『Suburban Baroque』は現在の直枝の創作欲求が再びピークにあることを伝えてくれる大傑作として楽しむことができるだろう。コロムビア時代の作品を思わせる軽やかでウィットに富んだ演奏は、曲によって全く異なる表情をみせるが、総じてコンパクトなポップスとしてのカジュアルさをまとっているのがいい。佐藤優介(カメラ=万年筆、スカート他)、浦朋恵、徳澤青弦、岡本啓佑(黒猫チェルシー)らが参加するゲストの中には、かつての仲間だった矢部浩志の名前もある。矢部が7曲で叩いていることでよりいっそうコロムビア時代を思い出す人も少なくないだろうが、彼のしなやかでバウンシーなドラミングひとつとっても、それは20年前とは明らかに違う、一定の苦味を従えた邪気のなさがそこにあるのが感じられるだろう。そう、20年の月日はあらゆるものを変える。変わらないものもあるが、変わっていくことの残酷さ、安堵さをただただ受け入れて、そこから発信していくことを選ぶ直枝政広… カーネーションの音楽は、だからこそ人間味豊かだ。それこそノーベル賞を受賞しても飄々とライヴを行う現在のボブ・ディランがそうであるように。

ハイレゾで聴くことを意識しながら徹底的に音作りの現場と格闘した末に、こうした作品に、それも前作から僅かなスパンで到達してしまったという直枝に制作背景を徹底して訊ねてみた。

インタヴュー&文 : 岡村詩野
写真 : 大橋祐希

夜中のコンビニの駐車場でずっとコーヒー飲みながら討論したりしてた(笑)

──今回のアルバムはハイレゾで聴かれることを最初からかなり意識的になって制作したと伺いました。

直枝政広(以下、直枝) : いわゆるCDクオリティのものをそのままグレードを上げて出すということじゃなくて、はじめから96kHz/24bitでやってるので、それはもうエンジニアと話しして最初から「ハイレゾで出すよ」というところからはじまってます。それでハイレゾのマスタリングのときにいわゆるトータルコンプみたいなものはかけてない。レベルも無理やり上げてなくて、揃えているくらいで。音の伸びを楽しめるようにはなってます。いままでは、こういうことに僕もスタッフも意識がいってなかった。せっかくアナログでレコーディングしてるのに、その良さを損なったままでCDになってるということが続いてたんですよ。アナログで録音したあとにデジタルに入れるときに、それなりの大きなサイズで入れていこうと。

──ベーシック録音はおなじみのGOK SOUND。アナログ機材で録音することで知られるスタジオです。

直枝 : うん、細かいダビングからデジタルに移植するわけですけど、前作に関してはあまり大きなレートでできなかった。それがちょっともったいなかったなと思って。

──普段から実際にハイレゾで音楽を聴くようになっているのですか?

直枝 : ハイレゾのファイルはPro Toolsに取り込んでDTM作業用のモニターで聴いてるだけです。僕はアナログ好きなので、昔のターンテーブルを買ったり、アンプのことをずっと考えてたり、真空管のこと考えてたり、そっちのほうが本来好きなんです(笑)。でもハイレゾが出てきた以上は、認めざるをえないというか。だからアナログの音に対抗するのなら、出来る限り最高の数値でいければと思うようになったんです。サウンドの音詰まり感が1番嫌なので、意識的に限界まで音量をぶっこんで、ぶっ潰すというやり方をハイレゾではやりたくない。

──具体的に参考にした作品はありましたか?

直枝 : マスタリングの方に「音量を揃えるだけでいいです。あとは聴き手が自分の好きなように音量上げてくれれば音に自然な伸びが出るから」って説明したんですけど、その際に参考にしたのがポール・マッカートニー&ウィングスの『バンド・オン・ザ・ラン』のスーパー・デラックス版。その付録としてリミッターありとなしのハイレゾ・ファイルが付いていたんですけど、リミッターなしの方が圧倒的に良かったんです。もし音が小さいと感じたら手元で上げればいいわけで。しかも、アナログ・レコーディングが1番良い時期の作品ですからね。あとはSACDのスティーリー・ダン『ガウチョ』のリバーブの綺麗さっていうのはすごく影響を受けてる。あの作品のリバーブの伸びは本当に綺麗! もちろん、楽曲に対する愛情はどんな音楽家もスタッフもエンジニアも同じだと思うんですよ。

ただ、ハイレゾっていう基準が出てきた以上は責任を持った処理をしないと。そのためにはアナログの音の良さをエンジニアもわかってなきゃいけない。とくに今回エンジニアの原(真人)くんがすごい頑張ってくれて、とくに1曲目からそうなんですけど、レンジをすごく広く録ってるんですよ。それがすごく上手くいった。原くんとは前作からずっと一緒にやってて、スタジオの帰り、夜中のコンビニの駐車場でずっとコーヒーを飲みながら討論したりしてた(笑)。リミッターとコンプのあり方っていうのはそもそもロック・バンドにとって必要なのかどうなのかってところで結構ぶつかったりしましたね。たとえば、ノンサッチ(レーベル)のレコードを聴くと限りなく原音に近いように聴こえるんだけど、それなりにコンプは通しているわけですよ。大人数の音を持つロック・バンドの生音をリアルに伝えるときに果たしてコンプが本当に必要なのかどうなのかってことは、しつこく繰り返し話し合いました。

──ただ、そういう意味ではリファレンスにされた『バンド・オン・ザ・ラン』も『ガウチョ』も70〜80年代の作品ですよね。現行の録音技術で作られた2010年代以降の作品でバンド・サウンドにおいて参考になった作品はありましたか?

直枝 : やはりウィルコ。ウィルコはだいたいおもしろい。ただ最近、曲がヨレヨレなんで。そこらへんは違ってきてるんだけど。あとは、ブレイク・ミルズ。ああいう革新的な空間性とかは可能性あるよねって。

──アラバマ・シェイクスですか。

直枝 : でもアラバマ・シェイクス本体のアルバムは音を潰し過ぎなところがあるでしょ。コンプかけすぎ。原くんには「あれでは僕は困るからね」ってしつこく言った(笑)。あとは、METAFIVEの新作の音はいいよねと原くんといつも盛り上がっていました。


METAFIVE/Musical Chairs

──そうした音の良さへの気づきが楽曲や作品の方向性を決定づけることもあるのでしょうか?

直枝 : いやもう、そこは同じで最初は何も設定してないの。曲ができたらそれをレコーディングするだけ。今回もそうです。とにかく最高のものにしたいという意識だけで頑張るわけです。たとえば、65年のアメリカのコロムビア・スタジオの音にしたいとか、ぼくはそういうことを平気で言うんですよ。するとそれはこっちにしたほうが良いという合理的な意見が絶対エンジニア側から出てくる。でもぼくは「違うんだ。ドラムスはモノラルのままでいい」とか粘るわけ。そんなこんなでエンジニアとは最後の最後まで闘う。

その代わりミュージシャンに対してはフラットで、出てくる音に対してすごく素直に向き合うんです。そこの責任感のあり方が最近変わってきたかもしれないですね。あらかじめ、アレンジのイメージを高めたぼくのホーム・デモも聴いてもらってるし。出てくる音に対して素直にジャッジしていく。どれだけ気持ち良く弾いてもらうか。あとは責任をもってまとめるのはこっちですという役割に徹してる感じですかね。

──1歩引いたところで、プロデューサー的な目線で接してるからこそ、そうなると。

直枝 : 完全にそれですね。

〈カーネーション〉というプロデューサーでいいじゃないかと

──でも、もともと直枝さんはプレイヤビリティが高くて作家性の強い作り手ですよね。それが今のように自分に対しても客観的に接するような目線にシフトしていったのはいつ頃からなのでしょうか?

直枝 : ずっとバンドってものに対してやっぱりこだわってたんですよね。2人になったときもすごい考えてたんだけど。もうメンバーというよりも、プロデューサーでいいじゃないかと。そういう意識でやってます。〈カーネーション〉というプロデューサーであるということですよね。例えば、4曲目で大田(譲)くんに歌ってもらおうと思って、どんな歌を歌いたいか聞いたんです。「この前(のアルバム)は、つくれなくてごめんね。今回は大田くんが歌える曲を僕がつくるから。だから大田くんどんな曲歌いたい?」って。「スティーリー・ダンの「ブルックリン」みたいな曲がいいなぁ」とか言われて、よっしゃとピアノに向かうわけです。だって、大田くんが歌うとライヴが楽じゃないですか(笑)。大田くんのコーナーがあったら休めるじゃないですか(笑)。でも、そうやってつくる曲が自分にとって作家的なピークを示すものだったりするわけ。ああ、良いのできたなと。でもあくまでもぼくがそれを歌わずに大田くんに歌わせるわけです。

ただ得体の知れない生き物としてのカーネーションとして、ある意味、怪物のような存在であれば良いわけですよ、1つの。バンドのダイナミズムは欲しいし、生っぽさは失っちゃいけないと思ってますし、でも放っておけばなんとかなるんです。やはり、最後までこれはどういうアルバムになるかわからなかった。6月の後半に10日間だけ曲づくり期間もらったんですよ。あと何曲か足らなかったので。そこで全体の流れがようやく見えてきたのかな。

──それまではどういう作品になるかは…。

直枝 : 何もわからなかった。

──目指しているところも?

直枝 : 何もなかった。こういうのにしたい、ていう気持ちはまるでなかったですね。

──最後に加わったのはどの曲ですか?

直枝 : 「Little Jetty」「Younger Than Today」「Please Please Pease」ですかね。あと、ぼくにとっては今回11曲目の「VIVRE」って曲がすごく重要で、つまりその時に「VIVRE」までの道筋、地図のようなものがようやく見えたって感じがしたんです。どういう風に寄り道をしていくのかっていうのが楽しみでもあったんですけど。「VIVRE」はさっきいったような65年のコロムビア・スタジオの音で普遍的なポップスの鳴りというものを録ってみたかった。なんでかわからないけど、普遍的なポップスに対しての憧れが僕には昔からすごいあるんですよ。

──直枝さんは特に80年代〜90年代においては普遍的なポップスというのを回避してきたような部分があると思うんです。照れ隠しだったのだろうとは思いますけど、ストレートにいかない、婉曲してたどり着くようなことがありましたよね。

直枝 : ポップに開きすぎちゃうと照れちゃって立ち止まっちゃうんで、ある程度、ひねったサウンド・デザインから入っていかないと最後までもたないんですよ。でもそれを今回はあえて「VIVRE」でやり通したかった。衝動ですね。降ってきたんですよ。これは重要な曲だなと思ったんで。で、原くんと深夜のコンビニの駐車場で闘うわけです(笑)。

まあ、強いて言えば…… ディランの「ライク・ア・ローリング・ストーン」とアレサ・フランクリンの米コロムビア期。そういうことをずっと考えながらぼくはレコード聴いてるんです。ようやくたどり着いた「VIVRE」という曲は自分にとっての「ライク・ア・ローリング・ストーン」。ある意味、フランク・シナトラみたいに歌えたらいいよね、みたいな歌手としてけじめをつけたい気持ちはわずかにあった。


Bob Dylan/Like a Rolling Stone (Audio)

意地張るものも、自慢できるものも何もないからこそその世界はおもしろい

──今作は『EDO RIVER』(94年)に対する23年後の自分に向けてのセルフ・アンサー・アルバムというような位置付けもできると思います。それは、“東京から少し離れたところ"=“Suburban"=“郊外"という作り手の意識が明確に提示されているタイトルにも表れていますけど、『EDO RIVER』はオーセンティックなソウルやファンクへのアプローチが含まれていました。それに対して今作は…… 少なくとも「VIVRE」という曲は普遍的なポップスへの真摯な目線が見える。23年経って、周囲の風景、自分自身…… あれからどうなっただろうか? と自問自答しているような作品かなと感じたんです。

直枝 : タイトルは1発で決まったんです。ポッと降ってきて、即OKになっちゃって(笑)。確かに、前作(『Multimodal Sentiment』)の「いつかここで会いましょう」とかで、僕が見ている歌のなかの原風景があるとしたら…… 何もないだろうなって思わせる近郊の虚しさとかぜんぜん曇りっぱなしの空だったり、そんな退屈な世界なんです。ただそこにも物語があるはずで。それで前作の「いつかここで会いましょう」をつくったときに、やっぱりここに帰ってきちゃったなと。やっぱり続けなきゃと、そこを見てこうと思ったんですよ。それで今回はそれをもう言葉にしちゃった。“Suburban”て。そうした方が、潔いかなと。“Baroque”に関しては、これはもう完全に音楽的な、サージェント・ペパーズ的な発想なのね。

──郊外移住者が増えているいま、郊外の空虚なものを歌にする、伝えていくのこと意味は私は小さくないと思っています。

直枝 : 別に東京って場所が憧れでもなんでもないという開き直りはありますよ。都市に根付いた何かを僕がやる必要がなくて、1番見てて退屈な何もないところを僕が描かないでどうする、というある意味、純文学的なプアな発想なんだけど。何もないところで見つけてやろうじゃないか、という作家性。意地張るものも、自慢できるものも何もないんですよ。でもだからこそその世界はおもしろいんじゃないかなって。何もなさっていうのがね。

過去にぼくがいろんな映画とか文学を振り返っても、好きだなと思ったものはいつも空虚を見つめていて、たとえば、80年代の『遠雷』(ATGの映画)とか、舞台が栃木県のビニールハウスですよ。そのなかのグチャグチャな人間模様とかって歌になりますか? ってことなんですよね。でもそこを見つめていたい。それが人間じゃないですか。あとは、岩井俊二監督の『花とアリス殺人事件』や深沢七郎の後期の『みちのくの人形たち』なども同じような感覚で好きなんです。

──それはでもある種のゴシック感覚ですよね。田舎の風景に潜むなんとも形容しがたいダークネス。

直枝 : まえに岡村さんには『MARQUEE』という雑誌の取材でゴシックの話をしたと思うんです。「次のアルバムでは、そこを狙っていきたい」と。いつか遠回りしてきてまたここに戻ってきてるんだよね。よりその気持ちが強くなってきてる。新しく始まった『ツイン・ピークス』の新シリーズ見てます? あれ、とてつもないんですよ。あれこそアメリカン・ゴシックの果ての果てじゃないですか。ただ、そこをポップスでどうやってくのかっていうと、それはまた違った話になるんだよね。実際、郊外の風景って言っても20年前とではもう全く変わってきてる。明るさが違うんだよね。同じ場所にたったときにそれが残っているかと言われたら残ってないんですよ。


Twin Peaks | It Is Happening Again | SHOWTIME Series (2017)

そこで僕は〈時間〉というものをすごくこだわって歌詞に使うんですけど、「戻れないんだよ」ってことを歌うようになった。そしてそれをてらいなく出すようになった。自分の中の心象に帰っていくところはあるんですけど。実際はもう戻れないよね? やり直しは効かないよね? ってことを考えるようになった。そこが23年前とは違うところなんです。「It's a Beautiful Day」の頃にはまるで考えてなかったですね。

──それでも直枝さんはその郊外に住み続けている。

直枝 : 運命ですよね。そこが自分で選んだ場所じゃないこともあるし。

──運命がそうさせてると。

直枝 : そう決めちゃうと自分の移動距離は変わらないので、ある意味、楽は楽なので。行き来するつまらなさが、都市生活だったりするので。本当にそこにはなにもないのです、その繰り返しのなかには。だからこそ僕は歌をつくるんだと思うんです。

今回は矢部(浩志)くんが今作に7曲も参加している。何と言ってもこれが大きい。矢部くんはここ何年かライヴにたまに参加してくれてたんだけど、無理に「こっちにおいでよ」とは言わないできた。タイミングがあえばやってくれるし、会えるし。今回7曲も一緒にできたんだけど最高でした。彼は音感が鋭いから、チューニングがすごく上手なんです。彼とやればベースの一番いい部分を響かせることができるし、歌のノリもよくなる。つまりリズムで曲全体をチューニングしてくれるんです。その彼の偉大さは今作で改めて感じましたね。

同じように、これまでサポートしてきてくれているドラムの張替智広にも「VIVRE」で1番得意な分野を与えてるんです。彼が60年代のセッション・ミュージシャンのことすごい研究してるから、「当時のチューニングで1つ頼むわ!」っていうと、「こんな感じ」ってやってくれる。音楽をチューニングすることがどれだけ重要かと。呪術じゃないかと思うくらいチューニングが音楽を変えるんだよね。ドラマーってすごいなと。

直枝政広がハイレゾで聴きたいプレイリスト

──ところで、直枝さんは今回の取材のためにOTOTOYで配信されている楽曲の中からプレイリストをつくってくれたのですが、これには何かテーマがあるのでしょうか?

直枝 : いや、ただハイレゾで聴きたかっただけ(笑)。不思議なんだけど、クラシックとかジャズとかには確実にハイレゾが合うだろうなと思ってて。生音の強さですよ。ロックに関しては…… たとえば今回選んだローザ・ルクセンブルグに関しては記録的に楽しみという意味もありますけど古いものは難しいんですよ。音圧が。しかもライヴ音源だし。だからこそ聴きたいなと思ってね。

ベックなんかは音圧とどう闘ってるのか、うるさすぎやしないかとかすごく気になりますね。坂本龍一さんのはそのドライな音響と奥行きに関して興味ある。あとはぼくがご当地アイドルの3776の曲を手がけたので、実際にどんな感じになっているか聴きたかったし、みんなにも聴いてもらえればなと思って。でも、この中にカーネーションの新作ももちろん入ってます(笑)。ぜひいい音で聴いてみてほしいですね。コンビニの駐車場で夜中に格闘した成果が表れていますから(笑)。

直枝政広が選んだ作品はこちら

配信中のカーネーション過去作&関連作もチェック!

過去の特集ページはこちらから

>>『Multimodal Sentiment』ハイレゾ配信記念インタヴュー
>>直枝政広&曽我部恵一『流星』インタビュー
>>カーネーション『Velvet Velvet』 レビュー
>>カーネーション「さみだれ」配信記念インタビュー

RECOMMEND

吉澤嘉代子 / 秘密公園(24bit/48kHz)

今回コーラスとしてもゲスト参加している、妄想系個性派シンガー・ソングライター吉澤嘉代子。2015年にリリースした初のラヴ・ソング集です。

この作品に関する特集ページはこちら


大森靖子 / draw (A) drow

直枝政広もプロデューサーとして参加したこともある大森靖子の最新作『draw (A) drow』。今作は表題曲「draw (A) drow」のプロデューサーに凛として時雨のTKを迎え制作。欅坂46のデビュー作「サイレントマジョリティー」のカバーも収録。


Soggy Cheerios(鈴木惣一朗&直枝政広) / EELS & PEANUTS

鈴木惣一朗(ワールドスタンダード)と直枝政広(カーネーション)という、1959年生まれの二人がタッグを組んだ、Soggy Cheeriosの2ndアルバム。日本語ポップスの系譜に新たな指標を提示する重要作。

LIVE SCHEDULE

〈Live Tour 2017 “Suburban Baroque”〉
※ツアー・メンバー : 直枝政広、大田譲、矢部浩志、松江潤、藤井学(The Miceteeth)

2017年11月18日(土)@名古屋 CLUB UPSET
時間 : OPEN 17:30 / START 18:00

2017年11月19日(日)@大阪 Shangri-La
時間 : OPEN 17:30 / START 18:00
ゲスト : 浦朋恵
DJ : キングジョー

2017年11月24日(金)@東京キネマ倶楽部
時間 : OPEN 18:30 / START:19:30
ゲスト : 田村玄一(KIRINJI)、吉澤嘉代子

2017年12月1日(金)@札幌BESSIE HALL
時間 : OPEN 18:30 / START 19:00

2017年12月9日(土)@福岡LIVEHOUSE CB
時間 : OPEN 18:30 / START 19:00

PROFILE

カーネーション

1983年12月 カーネーション結成。1984年〈ナゴムレコード〉よりシングル「夜の煙突」でレコード・デビュー。以降、数度のメンバー・チェンジを経ながら、 時流に消費されることなく、数多くの傑作アルバムをリリース。練りに練られた楽曲、 人生の哀楽を鋭く綴った歌詞、演奏力抜群のアンサンブル、圧倒的な歌唱、レコード・ジャンキーとしての博覧強記ぶりなど、その存在意義はあまりに大きい。現メンバーは直枝政広(Vo.G)と大田譲(B)の2人。他アーティストからの支持も厚く、2013年には結成30周年を祝うべく14組が参加したトリビュート・アルバム『なんできみはぼくよりぼくのことくわしいの?』が発売された。2017年9月13日に17枚目のオリジナル・アルバム『Suburban Baroque』をリリース。

公式HP : http://www.carnation-web.com/

o

 
 

インタヴュー

ニッポンのロックンロールに、新たなモッズの風? ──Layneの1stアルバム『Be The One』に迫る
[CLOSEUP]・2017年11月13日・ニッポンのロックンロールに、新たなモッズの風が吹く? ──Layneの1stアルバム『Be The One』に迫る 湘南在住、ザ・ビートルズ、オアシス、ザ・フーなどの英国音楽をはじめ、ザ・コレクターズなどのモッズ・ミュージックの影響も感じさせる4人組バンド・Layne。9月に先行リリースした7インチをきっかけに早耳リスナーの中で話題を呼んだLayneが、満を持して〈Youth Records〉から1stアルバム『Be The One』をリリース! 狂おしいほどのロックンロール・サウンド満載の10曲が収録されています! andymoriなどを輩出した〈Youth Records〉からの、新たな才能の誕生に、絶対に立ち会うべきです! このインタヴューを読めば、Layneがどんなバンドなのか丸わかり! ぜひアルバムとともにお楽しみください。 ニッポンの音楽をアップデートする、記念すべき1stアルバム! Layne / Be The One'【配信形態】ALAC、FLAC、WAV(16bit/44.1kHz) / AAC【配信価格】単曲 250円(税込) / アルバム 2,488円(税込)【収録曲】''1. ステ
by ?
世界を旅した音楽家・谷澤智文、長編3部作の第2部完成! 第1部とともに独占ハイレゾ配信開始 & 自宅兼スタジオ、農園に潜入!
[FEATURE]・2017年11月11日・音楽と農業のあるライフスタイル──谷澤智文の農園、自宅兼スタジオに潜入! 最新作の独占ハイレゾ配信も! かつてはメジャー・レーベルに所属し、アニメの主題歌なども手がけていた音楽家・谷澤智文。東日本大震災を経たことで彼の価値観は大きく変わり、2012年に彼は今までの活動をなげうって世界放浪の旅に出た。帰国後は生活のサイクルを変え、現在は東京を離れて埼玉県加須市にて新たな生活をしながら音楽活動を続けている。昨年2016年にはアコースティック宇宙奏楽長編3部作「”ぼくらはみんな”シリーズ」と銘打った第1作目『ぼくらはみんなスペーシー(We Are All Spacy)』をリリース。そしてこの度、制作期間1年半の時を経て第2部となる『ぼくらはみんなエイリアン(We Are All Alien)』が遂に完成した。 自身の演奏に加え、これまでの活動や旅で出会った仲間たちのサポートによって産まれた今作は、壮大な世界観と細部までこだわり抜かれた彼の美学が込められた渾身の1作。アートワークは前作に引き続き、気鋭の漫画家・panpanyaが担当、アルバム特設サイトには詩人・谷川俊太郎からのコメントも寄せられているので、
渋谷慶一郎のレーベル、ATAKの過去音源配信開始、第3弾
・2017年11月11日・ATAK過去作配信第3弾、今回は渋谷慶一郎の1stソロ、そして渋谷の原点となったアーティストの作品も 2017年9月11日より、毎月11日に、半年に渡って渋谷慶一郎が主宰レーベルのATAK過去作品を配信リリース。OTOTOYでは各作品に関して、毎回、ライター、八木皓平による渋谷慶一郎本人へのインタヴューを行い解説をお送りします。第3弾は、2004年リリースの渋谷慶一郎の1stソロ・アルバム『ATAK000』にボーナス・トラックが2曲加わった、2011年の『ATAK000+』。そして渋谷慶一郎が音楽の道を志すきっかけとなった、実験音楽の巨星、高橋悠治の関連作2作。『ATAK002』での共演から親交をさらに深め、〈ATAK〉からのリリースとなった、高橋悠治のソロ作で、電子音楽作品によるフル・アルバムとしては12年ぶりとなった『ATAK006』。そして、こうした交流が渋谷慶一郎とmaria、そして高橋悠治との共演ライヴへと結実、凄まじい緊迫感の中繰り広げられたこのライヴのドキュメントとなった『ATAK007』の3作品だ。インタヴュー : 八木皓平 ミニマリズムは結構強力な乗り越える対象としてあって ──いま、パ
by 八木 皓平
大西順子、バラッド集&ピアノ・トリオ新作を先行ハイレゾ配信スタート
・2017年11月10日・大西順子、待望の8年ぶりのレギュラー・トリオと、初のバラッド集をリリース──先行ハイレゾ配信 2度の活動休止(2012年には引退宣言も)からの復活を遂げ、昨年は菊地成孔プロデュースによるニュー・アルバム「Tea Times」をリリース「Tea Times」をリリースするなど、ここにきてまた活動を活発化させているジャズ・ピアニスト、大西順子。そんな活動の勢いを象徴するように2枚のアルバムを同時にリリースする。まずはファン待望、8年ぶりとなる待望のピアノ・トリオ・アルバム『Glamorous Life』、そして彼女が10年以上、そのアイディアを温め続けてきたという初のバラッド集『Very Special』の2枚だ。OTOTOYではこの2作を、11月15日のCDリリースを前に、24bit/96kHzのハイレゾ音源データにて、先行配信開始いたします。さらには本作を巡るインタヴュー敢行。『Jazz The New Chapter』監修のジャズ評論家、柳樂光隆によるインタヴューを掲載いたします。また次週には同インタヴューの後編として、往年の名ジャズ・ピアニストに関して、柳樂が大西に問う特別企画も掲載予定です。そちらもお
10年前に想像してた10年後よりも楽しく音楽をやれてる──GHEEEの、5thアルバムを独占ハイレゾ配信 & インタヴュー掲載
[CLOSEUP]・2017年11月08日・10年前に想像してた10年後よりも楽しく音楽をやれてる──GHEEEの、5thアルバムを独占ハイレゾ配信 PLAGUES、PEALOUT、ZEPPET STOREといった90年代中盤以降のギター・ロック・シーンを担ってきたメンバーを中心にHisayo(tokyo pinsalocks / a flood of circle)が加わり2007年に結成されたドリーム・バンド、GHEEE(ギー)。個人やその他のバンドでの活動と共に4枚のアルバムを発表しつつ、今年で結成を10周年を迎えた彼らですが、この度5枚目のアルバムとなる『CINQ(サンク)』を完成! OTOTOYでは今作をハイレゾ独占配信すると共に、フロントマンである近藤智洋と深沼元昭へのインタヴューを掲載。10年の歩みを感じる、今までのアーティスト写真やライヴ写真と共にお楽しみください! 結成10年目のアニヴァーサリー作!! ハイレゾ配信はOTOTOYのみ!!GHEEE / CINQ'【配信形態】ALAC、FLAC、WAV(24bit/48kHz) / AAC 【配信価格】単曲 324円(税込) / アルバム 3,780円(税込)【収録曲】''01.
H ZETTRIOから全音楽ファンに送る最高のクリスマス・プレゼント──メンバーへのメール・インタヴュー!
[CLOSEUP]・2017年11月08日・キラキラとワクワクが空から降ってくる!!! H ZETTRIOから全音楽ファンに送る最高のクリスマス・プレゼント ルックスと人柄の良さ、人並み外れた演奏力で子供から大人まで幅広い層から支持を集め、人気沸騰中のピアノ・トリオ、H ZETTRIO(エイチ・ゼットリオ)。着々と年末へのカウントダウンもはじまりつつある11月8日に、聴くとたちまち笑顔が溢れ、踊れる、そんなアレンジをほどこしたクリスマス・アルバム『H ZETTRIOのChristmas Songs』をリリース。誰もが耳にしたことのある定番曲の数々をカヴァー、さらにオリジナル楽曲も2曲収録された贅沢この上ない1枚に仕上がっている。OTOTOYでは今作のハイレゾ配信を実施するとともに、キラキラときめくクリスマスへの思いを馳せる、新定番のアルバムについて訊いた、メンバーへのメール・インタヴューを掲載します! 笑って踊れるウィンター・アルバム!! H ZETTRIOのChristmas Songs / H ZETTRIO'【配信形態】WAV、ALAC、FLAC(24bit/96kHz) / AAC>>>ハイレゾとは?'【価格】単曲 432円(税込) /
by 岡本 貴之
いま聴くべきはこいつらだ!! “合唱系ノスタルジック青春歌謡オーケストラ”を謳うバレーボウイズって?!
[CLOSEUP]・2017年11月08日・いま聴くべきはこいつらだ!! “合唱系ノスタルジック青春歌謡オーケストラ”を謳うバレーボウイズってナニモノ?! “合唱系ノスタルジック青春歌謡オーケストラ”…… というキャッチコピーとともに7人全員がマイクをとって歌い、昭和歌謡もアイドル・サウンドもフォークもロックもパンクも飲み込んだ“ナツカシイサウンズ”を展開する京都のバンド「バレーボウイズ」。もう、これ、あなたの心を鷲掴みにすること間違いなしです! まずはOTOTOY大プッシュということで、とにかく聴いて欲しいのです。なのでフリー音源「真夜中のレコォド」を用意しました、まずは聴いてください! しかも、そんな彼らの1stをハイレゾで配信しているのはOTOTOYだけ。 ということで、興奮してなにがなんだかわからないかもしれませんが、とにかく聴いて欲しい一心でインタヴューも掲載します。「ひとりバレーボウイズ」としてソロ活動もしているネギ(guitar / vo)に登場してもらいました。先日開催された〈ボロフェスタ2017〉で撮影されたライヴ写真とともにぜひ。 まずはこれをダウンロード!!! 収録曲「真夜中のレコォド」期間限定で無料で配信中! バレーボウ
by JJ
東京のハードコア・パンク・バンド、V/ACATIONが新体制初となる音源を先行配信 & インタヴュー掲載!
[CLOSEUP]・2017年10月26日・自分たちだけで完結しない「+何か」──東京のハードコア・バンド“V/ACATION”、新体制初音源をリリース! 東京のハードコア・パンク・バンド、V/ACATIONが2年ぶりとなる音源『Your Name Here』をドロップ。2010年に〈Less Than TV〉より1stアルバム『with vacation』、2015年に自主でカセットテープ『Vacant or Action』をリリースしてきた彼らですが、その間に2度のメンバー・チェンジを経て現在はメロディック・パンク・バンド、Shipyardsでギター / ヴォーカルを務める篠沢がベースで加入し、今作はその体制で初となる音源。リリースは彼らとも古くから親交があり、海外バンドの招聘なども手がける〈imakinn records〉。OTOTOYでは11月に7インチで発売予定の今作を発売に先駆けて配信開始するとともに、メンバー・チェンジなどを経た今のV/ACATIONに話を訊いた。 11月のリリースに先駆け、先行配信開始!!V/ACATION / Your Name Here'【配信形態】ALAC、FLAC、WAV(16bit/44.1kHz) /