世界中を旅するサイケデリア──Tempalayが詰め込んだ音楽のサラダボウル『from JAPAN 2』

キャリア初となるワンマンライヴから〈FUJI ROCK FESTIVAL’15&17〉の出演まで果たし、勢いが止まらないTempalay。最近ではそのラフでヒッピーのようなビジュアルからGAPともコラボレーションし、ファッション界からも熱視線を浴びている。そんな音楽シーンで異端児的存在ともいえるTempalayが、この度2ndアルバム『from JAPAN 2』をリリース。いままで同様、異国情緒漂うソフト・サイケが軸になっているアルバムではあるが、本作ではいままでよりその軸の太さや幅、種類が豊富になった印象がある。常に海外に目を向けてきた彼らがワールド・ミュージックを独自に焙煎し、サイケデリアとブレンドさせ、ロックとして抽出するのは、当然の経緯だったのだろう。そんな世界中の常夏を濃密な1枚に凝縮させたTempalayの『from JAPAN 2』。OTOTOYではハイレゾ配信のスタートとともにレヴューをお届けする。

異国情緒漂う多国籍なソフト・サイケ・アルバムをハイレゾ配信!


Tempalay / from JAPAN 2

【配信形態】
ALAC、FLAC、WAV(24bit/48kHz) / AAC

【配信価格】
単曲 324円(税込) / アルバム 2,700円(税込)

【収録曲】
01. TIME MACHINE
02. 新世代
03. かいじゅうたちの島
04. 革命前夜
05. 夏の誘惑
06. my name is GREENMAN
07. ZOMBIE-SONG feat. REATMO
08. made in Brazil
09. インスタントハワイ
10. 深海より
11. San Francisco
12. 革命
13. それじゃまた


Tempalay/ 革命前夜


【REVIEW】 Tempalay 『from JAPAN 2』

東京で酩酊し、アビー・ロードを酔歩。カリブ海を漂流し、リオのカーニバル。サンフランシスコからハワイを思い出して、東京で目を覚ます。

Tempalayの『from JAPAN 2』をごくごく簡単に言語化するとこんな感じだろうか。東京のライヴハウスから異国へトリップしたような甘く脱力感のあるソフト・サイケ。これまでもその異国情緒ある音楽性から、他のバンドと括られることが少なかったTempalayだが、本作ではその音楽に、より多国籍性が加わり、さながら音楽のサラダボウルとなっている。


Tempalay / かいじゅうたちの島 (Short Ver.)「from JAPAN 2」CM

以前からTempalayは日本の音楽と海外の音楽を比較し、日本にいる自分たちに葛藤や諦念を抱きながら、皮肉を交えつつ向き合ってきた。前作の2nd EP『5曲』では全5曲ある楽曲のタイトルほぼすべてにアメリカの地名を堂々とネーミング。〈SXSW〉を経て、刺激的なアメリカへの都市の情景をモチーフに創られた前作EPから本作にはM7「ZOMBIE-SONG feat. REATMO」(この楽曲もカリフォルニア州サンタモニカがモチーフ)、M11「San Francisco」の2曲が収録されている。さらに本作のタイトルが『from JAPAN 2』と1stアルバム『from JAPAN』からの地続きとなっていることも、対海外という哲学がまだ続いている表れであるだろう。

そんな海外志向だったTempalayだが、本作ではそのUSソフト・サイケ成分のほかにUKやラテン、そしてトロピカルなハワイアン・クラシックの成分まで配合。それまでの彼らの理想郷だったUnknown Mortal OrchestraをルーツにしたUSサイケデリアに、UKロックからワールド・ミュージック的な成分も加わった。ザ・ビートルズ直系のストレートなUKロックを鳴らすM3「かいじゅうたちの島」、メロウなグルーヴが心地よいM4「革命前夜」。初期から存在しつつもいままで収録されていなかった、スティール・パンとサンバ笛がカーニバルを想起させるM8「made in Brazil」、そしてスティール・ギターがトロピカルなムードを演出するM9「インスタントハワイ」。かと思えば、キューバ革命を思わせるライオット感で切迫したイントロが特徴的なM12「革命」。フロム・ジャパンから、どこへでも行ける多国籍性。Tempalayが抱いていた海外への憧憬は、収まることを知らないどころか、かえって広がりを見せてしまった。

Tempalayの『from JAPAN 2』。たしかに彼らには日本は小さすぎる。(Text by 高橋秀実)

Tempalayの過去作品はこちら

RECOMMEND

TENDOUJI / MAD CITY

8月9日にリリースした彼らの1stフル・アルバム『MAD CITY』。いい具合に気の抜けたパーティー感が魅力として余すことなく炸裂! TENDOUJIは、2015年に中学の同級生であったヨシダタカマサ(Ba)、アサノケンジ(Gt,VO)、モリタナオヒコ(Gt,VO)と、後輩であるオオイナオユキ(Dr)により結成。1回聴いただけで口ずさむことができるようなキラーチューン満載!

この作品に関する特集ページはこちら

PAELLAS/YOUR ROMANCE / lute

〈Littleize records〉所属のPAELLASとYOUR ROMANCEという東京インディーシーンを牽引する2組によるスプリットEPが〈2.5D PRODUCTION〉からリリース!更に音楽を中心にカルチャー好き必見の動画を連発するメディアluteにて2組のMVが公開中!

ドミコ / Delivery Songs

Tempalayとも親交の深い、川越発のサイケデリック・ポップ2ピースバンド、ドミコの至極のキラーチューンが詰まった2ndミニ・アルバム! ポストパンク、サイケ、ガレージの日本語で独自のトイポップ・サウンドを形成。サイケでシューゲイズしていく淡い音像、夢見心地なボーカルとボヤけた輪郭の中に垣間見得るドラマチックな美しいアルペジオ、キャッチーなメロディにのった日本語詞の言葉遊びには確かなポップセンスを感じさせる1枚。

LIVE SCHEDULE

EVENT SCHEDULE
〈Tempalay インストアイベント ライヴ&サイン会〉
2017年09月23日(土・祝)@タワーレコード新宿店7Fイベントスペース

タワーレコード新宿店でのイベントの詳細はこちら

TOUR SCHEDULE
〈Tempalay『from JAPAN 2』リリース記念ワンマン公演 〜ウィアーフロムジャパン〜〉
2017年10月13日(金)@東京 渋谷 WWW X
2017年10月20日(金)@大阪 南堀江 SOCORE FACTORY

ワンマン公演の詳細はこちら

PROFILE

結成から僅か1年にして〈FUJI ROCK FESTIVAL ’15〉「ROOKIE A GO-GO」に出演。西海岸やカナダの海外インディーシーンの影響を感じさせる独特のサウンドにどこか懐かしさを感じさせるメロディーと極彩のサイケデリック・ポップに中毒者が続出している東京を中心に活動中の、小原 綾斗(オハラ・リョート/ Gt&Vo)、竹内 祐也(タケウチ・ユウヤ / Ba)、藤本 夏樹(フジモト・ナツキ / Dr)、ライヴのサポート・メンバーのAAAMYYY (エイミー / Cho&Syn)を加えた4人組バンド。最新アルバム『from JAPAN 2』では、レコーディング&ミックスエンジニアにceroやSuchmosの作品等を手掛ける奥田泰次氏、アートワークはニューヨークのCITY MAGAZINEにおいて「世界のファッショングラフィックデザイナー100」のトップに選ばれたアートディレクターYoshirottenが担当。

Tempalayの公式HPはこちら
TempalayのTwitterはこちら

o

 
 

レヴュー

ブラック・ミュージックとJ-POPの融合ーーCUBERS『マゼンタ』を読み解くアルバム10作品
[REVIEW]・2017年09月21日・ブラック・ミュージックとJ-POPの融合ーーCUBERS『マゼンタ』を読み解くアルバム10作品 “聴けるボーイズユニット”CUBERSが、2nd EP『マゼンタ』を2017年10月4日にリリースする。ブラック・ミュージックを軸に制作された1stアルバム『PLAY LIST』、そこから一歩踏み出しアイドル・ポップ然とした楽曲からロック調の楽曲まで幅を見せた1st EP『シアン』、本作はそのどちらも取り入れったCUBERSの真骨頂とも言えるEPとなっている。リリースを前に、OTOTOYでは根っからのブラック・ミュージック好きの若者(21歳)に本作を聴いてもらい、ルーツとなる作品を選出してもらった。ここで紹介されている作品を聴いて、『マゼンタ』のリリースへの期待を高めてみてはいかがだろう。 2017年10月4日、2nd EPが発売決定!!CUBERS / マゼンタ'【収録曲】1. 君に願いを2. カラフルにしよう3. PINK4. いつか忘れられるさ5. 今日はどんな日だった?6. ボクラチューン!!BT.TOKYO HERO※OTOTOYでも配信予定!!''' CUBERS『マゼンタ』を聴くための、OTOT
by marvinkei
《12ヶ月連続配信企画、第7弾》──goodtimes、
[CLOSEUP]・2017年09月20日・【REVIEW】《12ヶ月連続配信企画、第7弾》──goodtimes、彼らなりの優しい応援歌配信 突如、アーティスト写真もなく素性も知れない2人組ギター・ロック・バンドが現れた。彼らの名前は「goodtimes(グッドタイムス)」。まだほとんど情報がないにも関わらず、2017年3月より《12ヶ月連続音源配信》をOTOTOYで行うことになった。そんな思い切った企画をスタートさせた彼らによる第7弾音源「確かに」を配信、レヴューを掲載する。 goodtimes12ヶ月連続配信、第7弾goodtimes / 確かに'【配信形態】WAV、ALAC、FLAC(24bit/48kHz) / AAC【配信価格】250円【収録曲】''1. 確かに REVIEW : 紆余曲折を経た私たちのことを、まるっと肯定してくれる音楽 第7弾配信曲「確かに」。この曲は一見楽観、客観的でありながらも親身で、優しいgoodtimesなりの応援歌である。彼らは、人と自分の人生を比べて否定するな、なんてことは言わない。人とぶつかり、劣等感に苛まれながら紆余曲折を経た私たちのことを、まるっと肯定してくれる。朝陽(Vo.)の紡ぐ歌詞は、幸せを手に
【REVIEW】11名の“俯瞰派”たちはどう読み取った?──3776『公開実験《LINK MIX》』ハイレゾ配信!
[REVIEW]・2017年09月15日・11名の“俯瞰派”たちはどう読み取った?──3776『公開実験《LINK MIX》』ハイレゾ配信! 静岡側からだけではなく、山梨側からのアプローチも加わり「リンクアイドル」として活動する富士山ご当地アイドル・3776が『公開実験《LINK MIX》』をリリース。今作は6月にリリースされた『公開実験《山梨版》』、『公開実験《静岡版》』を直枝政広(カーネーション)、掟ポルシェ(ロマンポルシェ。)ら11名がミックスを加えた音源なのですが、そもそも《山梨版》とか《静岡版》とか《LINK MIX》ってなんだ? ってなっている方も大丈夫! こちらのレヴューを読んでいただければこの音源の面白さが伝わるはずです! OTOTOYでは24bit/96kHzのハイレゾ音源、限定ボーナス・トラック付きにて好評配信中ですので、まだの方はこのレヴューを読んですぐ音源のチェックを! 《MONO x MONO》のMIXはOTOTOYのみ!!3776 / 公開実験《LINK MIX》'【配信形態】ALAC、FLAC、WAV(24bit/96kHz) / AAC【配信価格】 単曲 162円(税込) / アルバム 1,890円(税込)【収録曲
by 純三
新体制のSiAM&POPTUNe、2年ぶりのシングルをOTOTOY先行&独占ハイレゾ配信
[POWERPUSH]・2017年09月08日・新体制のSiAM&POPTUNe、2年ぶりとなるシングルをOTOTOY先行&独占ハイレゾ配信開始 7人組アイドル・グループのSiAM&POPTUNeが2年ぶりのシングル『Bring me!!』をリリース、OTOTOYでは9月13日のリリースに先駆けて先行&独占ハイレゾで配信開始。 今春に新メンバー3人が加入した新体制での初リリースでもある今作。表題曲の『Bring me!!』は作詞に児玉雨子、作曲をmiifuuが担当した爽やかポップな1曲に仕上がっている。 メンバーは「リリース期間中(2017年9月17日まで)に10000枚のフライヤーを配布する」という目標を掲げて活動中。各メンバーから今作への思いをコメントしていただきました。 SiAM&POPTUNe / Bring me!!'【配信形態】32bit float/44.1kHz WAV (ALACは32bit整数形式に変換され、AACはbit深度が24bitに変更されます。)【価格】単曲 216円(税込) アルバム 540円(税込)【Track List】''01. Bring me!!02. ル ル ル03. よくばりシンデレラ メンバー全員から
【REVIEW】秘密のミーニーズ初のフル・アルバムを配信開始──昇華という名の“サイケ・フォークな変革”
[CLOSEUP]・2017年09月06日・秘密のミーニーズがみせた、昇華という名の“サイケ・フォークな変革”──初のフル・アルバムを配信開始 2010年代に突如現れたサイケ・フォーク・ロック・バンド、秘密のミーニーズ。男女混声のコーラス・アンサンブルを軸とし、時にはフォーキーに、時にはサイケデリックに煌めく独自のサウンドは、瞬く間に人々を虜にし、2014年〈FUJI ROCK FESTIVAL〉の新人アーティスト登竜門ともいえる《ROOKIE A GO-GOステージ》 への出演も果たした。それから約3年の月日が流れた2017年9月6日。バンド初のフル・アルバムとなる『イッツ・ノー・シークレット』がリリースされる。ドラムの脱退、新メンバーの加入、ベース兼ヴォーカルを担当していた淡路がヴォーカル専任になるなど、様々な変革を遂げた彼ら。その3年間の結晶となった今作は、情緒溢れる甘く気だるげな楽曲やバンド初のインストゥルメンタル楽曲、ギターによる間奏曲など、前作までの“ザ・西海岸”なサウンドの予想を上回る変化球が詰まった作品となった。OTOTOYでは今作を1週間の先行配信でお届け。さらにOTOTOY限定ボーナストラックをつけて配信します。秘密のミーニーズ
by ai
可憐で生命力にあふれた楽曲の中で出会った感動──(K)NoW_NAME人気アニメOP&ED配信開始
[CLOSEUP]・2017年09月06日・可憐で生命力にあふれた楽曲の中で出会った感動──(K)NoW_NAME人気アニメOP&ED配信開始 『花咲くいろは』『SHIROBAKO』に続く、P.A.WORKSのお仕事シリーズ第3弾として放送前から期待値が高かった『サクラクエスト』。本作の音楽プロデュースを担当したのは、クリエイティヴ・ユニット、(K)NoW_NAMEだった。1クール目の楽曲の人気が冷めやらぬ中、待望の2クール目のOPとEDの配信開始! 彼らの音楽を紐解いてゆくため、OTOTOYでは本作のレヴューを掲載する。 更なる飛躍が期待される、2クールOP(K)NoW_NAME / TVアニメ「サクラクエスト」第2クール オープニング・テーマ「Lupinus」'【配信形態】WAV、ALAC、FLAC(24bit/96kHz) / AAC単曲 400円(税込) / まとめ 1,920円(税込) 【収録曲】''1. Lupinus2. Red Clover3. Alstroemeria_white4. Lupinus(Instrumental)5. Red Clover(Instrumental)6. Alstroemeria(Instrumen
by 宮尾茉実
【REVIEW】時代の移り変わりを表現する『PORTRAITS』──Rie fuが導き出した流行への回答
[CLOSEUP]・2017年09月06日・時代の移り変わりを表現する『PORTRAITS』──Rie fuが導き出した流行への回答 1985年、東京生まれ。7歳から10歳までをアメリカ東海岸メリーランド州で過ごし、イギリスの大学ではファイン・アートを専攻。シンガポールでも暮らした経験があり、海外的視点を欠かさないRie fu。画家としても活動している彼女からコンセプチュアルなニュー・アルバムが到着。1970年代のカーペンターズやカントリー・ミュージックを自然に通過してきた彼女が、音楽とアートを融合させたプログレッシヴなポップ・アルバムを制作。感度の高い彼女ならではの強いメッセージ性は、現代にはびこる“インスタ映え”や、社会全体への1つの回答であると考えられる。海外生活を経て、海外から見た日本、そして言葉の美しさを再認識した彼女のニュー・アルバムをOTOTOYではハイレゾ配信のスタートとともにレヴューをお届けする。 音楽とアート、2つの視点で表現するニュー・アルバムが配信リリース! Rie fu / PORTRAITS'【配信形態】ALAC、FLAC、WAV(24bit/48kHz) / AAC>>>ハイレゾとは?'【配信価格】 単曲 270円(
by 中の人
【REVIEW】TVアニメ「ジョジョの奇妙な冒険」テーマソング・ベスト発売 & 過去のサントラが一挙配信スタート!!
[REVIEW]・2017年08月30日・TVアニメ「ジョジョの奇妙な冒険」テーマソング・ベスト発売 & 過去のサントラが一挙配信スタート!! 連載開始から30年を過ぎた今もなお多くのファンを魅了、そして新たなファン層を増やし続けている漫画「ジョジョの奇妙な冒険」。2012年にはアニメ化もされた同作ですが、この度原作の第1部から第3部のオープニング、エンディング曲を収録したベスト盤の配信がスタート!(CD版とは1部内容が異なります) そ・し・て! 今までのアニメ・シリーズの全サントラがOTOTOYでも解禁! ベスト盤と合わせてこちらも改めてチェックして、あなたも果てしなきジョジョ・ワールドへ! V.A. / TVアニメ ジョジョの奇妙な冒険 Theme Song Best「Generation」 -Opening Collection-'【Track List】01. ジョジョ〜その血の運命 / 富永TOMMY弘明02. BLOODY STREAM / Coda03. STAND PROUD / 橋本仁04. ジョジョ その血の記憶〜end of THE WORLD〜 / JO☆STARS 〜TOMMY,Coda,JIN〜05. アク役◇協奏曲 /
by 純三
筆者について
同じ筆者による他の記事