インタビュ―

日本初のノイズ・バンド非常階段と初音ミクのコラボ盤『初音階段』がリリース。もう一曲目から静か... 期待は大きく裏切られて、4曲目の「hatsune-kaidan」で、俺たちが騙されていたことに気づく。「なんという...」これが、本作を聴いて最初に出た一言。2011年の東京ボアダム@東京大学のおしっこ事件も、2012年の四ッ谷のBiS階段も、非常階段を初めて見た80年代の大阪難波ベアーズでお客さんが逃げ回っている映像から、何も変わっていない。いつでもどこでも、最狂である。今回は、リリースを記念し、そのリーダーであり、発起人でもあるJOJO広重と、『初音階段』の仕掛人である高橋司(株式会社ユース社長)にインタビューを試みた。年間何本も様々なアーティストに取材しているが、正直、JOJO広重は、インタビューまで最狂である。いやはや、この記録を是非読んでみてください。

インタビュ―&文 : 飯田仁一郎


非常階段 starring 初音ミク / 初音階段

1. やさしいにっぽん人 / 2. タンゴ / 3. 不完全な絵画 / 4. hatsune-kaidan

販売形式 : mp3 / wav
販売価格 : mp3 600円 / wav 800円

はっきり言えば、「お前らはこの程度にしとけ」って言われてる訳です(JOJO広重)

――元々初音階段は、高橋さん(高橋司 株式会社ユース社長)が仕掛けたんですか?

高橋司 : そうです。ボーカロイド系のレーベルを僕は結構前からやっていたんですけど、ボーカロイドとミュージシャンと、音楽シーンにものすごい格差があるなって思ってたんですよね。

――格差というのは?

高橋 : 特にインディーズのライブ・ハウス・シーンにいるような人達って、ボーカロイドとか初音ミクってイメージだけで”アキバ”みたいな印象があって、毛嫌いしている。楽器だって位置づけにして、もっと自分たちで売り出してくれればいいのにって思うんですよね。売れないって悩んでいるバンドも多いんですけど、話題になったりしますし、面白いと思います。

――JOJOさんは最初から初音ミクという存在は知っていたんですか?

JOJO広重 : うん。でも、機械を使って歌わせてるっていうのは何となくわかってたけど、どんなものか詳しくは知らなかった。ただ、インパクトとしては最上級の爆弾かなと。起爆剤として一番向いていると思うんですよね。非常階段と初音ミクって、やっぱり普通に考えたら考えられない組み合わせじゃないですか。でもノイズだと、例えばメルツバウみたいにものすごくストイックにやるとか、灰野さん(灰野敬二)みたいにすごく難解であるとか、ちょっと難しくてアンダーグラウンドな人にしかできないものもあるけれど、非常階段は割と雑食的で、例えば坂田明さんやBiSとやったりとか、いろんな人とのコラボが出来るノイズって形になっているので、もうちょっと俗な感じでしょ? 加えて僕自身、昔から少女漫画とかTVのアニメみたいなオタク文化、ゲームも含めて好きだった訳で、組み合わせとしても違和感がそんなになくて。おもしろいし、やるしかないでしょうとすぐ決まったんです。
高橋 : これが成立すれば勝手に話題になるだろうって想像も出来てたんですけど、初音ミクの権利が問題でした。”featuring 初音ミク”って名前を使って、初音ミクのキャラクターの絵を非常階段の曲に貼付けるのはOKが出るのかと思って、権利元のクリプトンに行ったんです。そうしたらクリプトンの人達も音楽好きな人が多くて、 「非常階段と本当にできるんですか? 」って言われました。初音ミクが世の中に出てもコンピレーションが多かったから是非やってってほしいと言われたので、これを皮切りに他の人にもやってもらいたいなと思うんです。

――別世界だからわかんないって、萎縮してしまう人がいるのかなと思いますね。既存のイメージを崩したいっていうのはすごくわかります。

JOJO : ”見えない壁”ですよね。でもBiSと共演した時に、そうでもないのかなと感じたんです。僕の元々のイメージからすると、アイドル・ファンの人たちはアイドル以外は見たくないんじゃないかって思っていたんです。でもBiSが出演する前に非常階段単独の演奏中も特にお客さんは減らないし、BiSのお客さんたちはこのノイズにも何か意味があるに違いないって理解しようとして最前列で聴いてくれた。そういう姿勢が僕らも感じたし、わかったんですね。それで最後にBiS階段として合体した時、一斉に「JOJOさーん! 」とか言ってくれてね(笑)。お前明らかに今日俺の事知っただろって(笑)。でも向こう側から融合しようとしていて、お客さんと非常階段とBiS、観客とノイズとアイドルが一体化した瞬間だったんですよね。もちろん「アイドルなんかと一緒にライヴなんて、非常階段は終わったね」っていうような否定的な意見もちらほらあったんだけど、僕らからすれば「むしろあなた達の方が遅れているんじゃないの? 僕らがやってるのはもっと新しい事なんだよ、ブツブツ言ってないで見においでよ」って正直思いましたね。
高橋 : 実は、ボーカロイドとかアイドルってムーヴメントなんですよね。JOJOさんと非常階段とかがいた80年代のインディー・シーンの勢いも、そのムーヴメントが楽しかった。でも音楽シーンってHi-STANDARD以降ムーヴメントが無いんじゃないかって思うんです。多分JOJOさんの頃とかハイスタの頃とかは、何か起こしてやろうみたいな、自分一人じゃなくて全部動いてる感じがあったと思う。やっぱりそういう事を知ってる人達だから、初音ミクっていうムーヴメントにも素直に入ってこれた。自分の会社としても、ボーカロイドが来たときは波が来たなって思ったわけです。サブカルって捉え方をすれば全部一緒な訳だし、これは一つのシーンだと思いますね。

――そうですね。非常階段の、パッと初音ミクやBiSと一緒に出来る感じっていうのは、すごく今っぽいと思います。

JOJO : はっきり言えば無茶苦茶じゃないですか。でもこれを皆すごく欲しがってるんじゃないかなって。世の中普通で分かりやすい物ばかりで、お前らはこれ見とけ、食っとけ、TVのこんなとこで笑っとけ、っていう時代じゃないですか。政治もそんな風になって、消費税上げますよ、これから生活保護切りますよ、無くなりますよって。はっきり言えば、お前らはこの程度にしとけって言われてる訳ですよね。これが70年代なら学生運動が起こる訳ですけど、今はそんな事出来ないのに、鬱屈した気持ちはその当時よりもある。ソウル・フラワー・ユニオンの中川敬さんや坂本龍一さんみたいに発言力のある立場の人ならいいけど、思ってるけど言えない人ってのもいっぱいいる訳です。そういう人達が、「JOJOさんもっとやって下さいよ」って後押ししてくれる気持ちはすごく感じるんですよね。だからこそ一番自由に、皆が出来ない分もっと過激に、想像を超えるような事をやっていかなきゃいけないなとは思いますね。

人と出会ってそこで何かのコネクションや次のステップが繋がっていく

――非常階段が出てきた時、つまり80年代位ってどんな感じでしたか?

JOJO : 僕らは完全にアウト・サイダーですよ。完全にイっちゃってる人だと思われて、言葉が通じる人とは思えなかったって今でも言われます。ライヴ・ハウス側だってノイズなんて音楽があると思ってないし、無茶苦茶やって大暴れするなんて夢にも思ってないですから、皆ドン引きして壁側に引っ付いて遠目に見ている。汚れるのも嫌だし襲い掛かられるのも嫌だしって感じですよね。今とは全然違う。
高橋 : ディスコとか、お立ち台で踊ってるとかの時代でしたからね。
一同 : (笑)
高橋 : その時と圧倒的に違うのは情報量。今はネット・カルチャーだから、伝説が作りづらいじゃないですか。昔は紙媒体で、オシッコしたとかゲロ吐いたとか、すげえなあってFRIDAYを田舎で見たりするのが関の山じゃないですか。今だったら、さっきのニュースじゃないですけど、「ケータイ無くした」とか(笑)。(12/10 しょうもにゅーす)
JOJO : 想像力の時代というか、全然時代が違うんですよ。今は一瞬でYouTube見て、分かった気持ちになっちゃうんですよね。こんなに普通に話が出来るとは思いませんでしたって、皆僕に言いますから、そういう意味では伝説の人かもしれないですけど、”今は優しいJOJOさん”で売ってる訳でもないので、ファンのスイッチが入れば勿論いつでも本当に恐ろしいライヴは出来ますよ。でも僕らもそれを売り物にしてる訳ではないし、何回も繰り返し生産してもしょうがない。僕らはもっと面白いことを色々やりたいって常に思ってるので、次は何だろうっていつも思っていますね。

――JOJOさんのそういったアイデアはふっと湧くんですか?

JOJO : それもあるし、あとは人と会う時ですね。部屋の中で1人で考えてる訳じゃないです。高橋さんと会わなければ僕は絶対初音階段なんてやってないし、人と出会ってそこで何かのコネクションや次のステップが繋がっていく訳ですよね。その先に今まで思ってもみなかったような事があるっていう事で、それが面白いんですよね。

左から高橋司 / JOJO広重

――強い言葉ですね。

JOJO : だから去年JOJO広重がやった事って、その年の頭には1つも決まってなかったんです。メジャーのテイチクで非常階段のアルバムを出そうとか、もんじゅ君と一緒にもんじゅ階段やろうとか、BiS階段やろうとか初音階段やろうとか、早川義夫さんと一緒にツアーやろうとか、坂田明さんと新宿ピット・インでやろうとか、夢にも思ってなかった訳ですよ。でもこれって全部人の繋がりでしょう?
高橋 : しかも、割とすごく良いタイミングでパンパンと決まっていってますね。
JOJO : そういう意味では、僕は許容される社会の中でちょっと面白いねって思われる事をやり続けているんだろうな、っていうのはありますね。3年前ならこれは出来てなかったかもしれません。やっぱり現場の最前線にいるっていうのはすごく強いですよね。

――楽曲についてですが、「さあ、ノイズが来るぞ」と思いながら聴いてみたら、鳴った瞬間の静けさに正直びっくりしました。緑魔子さんのカヴァーも含めて、なぜこのような形になっていったのかを教えて下さい。

JOJO : 非常階段のノイズをバックにして、JUNKOさんの代わりに初音ミクがヴォーカルとして入るんだろうなとは想像出来る。ただそれを全編やってしまうと、ああやっぱりってなる。僕らは期待を裏切らないといけないし想像を絶するものをしなきゃいけないので、2曲くらいは楽曲を持ってこようと思ったんですよ。今の人だったら戸川純とか椎名林檎とかは知ってるけど、もう一歩僕らの本当のルーツである緑魔子を持って来ればいいんじゃないかと。もう1曲は、男性楽曲で何がやりたいかなって思ったんです。JAGATARAの「タンゴ」はすごく好きな楽曲で、これを初音ミクが歌うっていうのは今まで例が無かっただろうし、インパクトもあるんじゃないかなって思って、この2曲にしたんです。

――「やさしいにっぽん人」でギターのアルペジオが入ってドラムが静かに… というアレンジは、歌を聴かせたかったからですか?

JOJO : 僕の中でノイズと音楽の合体ものをやる時のやり方が二つあって、一つは1994年に演った"スラップ・ハッピー・ハンフリー"なんです。あの時は森田童子のカヴァーをやって、それにノイズを被せるっていうやり方でした。もう一つは原爆階段。これはバンドがロックの楽曲を演奏してそこにノイズが被さるやり方。リスナーの事を考えると、非常階段をずっと聴いてる人達はノイズと初音ミクの合体だけでも全然構わないんだけど、初音ミクの流れでちょっと聴いてみようって思った方には全編ノイズだと2回聴く気にならない可能性があるので、音楽を聴かせながら徐々に混沌とした世界に持っていきたいと。

――スラップ・ハッピ・ハンフリーの流れと原爆階段の流れを融合させたという感じなんですね。でも4曲目で初音ミクがどこに入ってるのか、何度聴いてもわからないんです。これか? っていう叫びはあるんですけど。

JOJO : 「きゃぁーーー」って長く引っ張ってるのが2回くらい出てくるんです。そこだけですね。
高橋 : ”叫ばせる”というよりも一番高い音出した感じで。そうするとサイレンみたいになっちゃって、声じゃ無くなっちゃうんですよね。
JOJO : そこもお楽しみですよね。どこが初音ミクなんだろう? って。

――制作過程はどのようなものだったのでしょうか。

JOJO : 制作はボカロPの方に大体の楽曲部分を作ってもらって、そこに僕が持ってきたノイズをミックスするやり方です。トラック・ダウンも彼と一緒にやりました。ミーティングを重ねながら進めていきました。今回みたいに何か別のものとミックスする時は、非常階段の他のメンバーはノー・タッチで、基本的に僕が全部やるって形ですね。

――難しかった事はありますか?

JOJO : いや、初音ミクってものを理解して、一緒にやるって決まった時にはもう全体のイメージはすぐに出来ましたから、特に悩んだ部分はないですね。

時代の閉塞感の中でこういった物をやると、皆がわくわくするじゃないですか

――ところで、初音ミクって何故こんなに人気があるんだと思います?

JOJO : ボーカロイドがどういったものかというのは分かりましたけど、どこが面白くて、なぜボーカロイドが流行っているのか、僕は全然分からなかったです。第二作をやるとしたらもっとこういうことをやりたいということは当然あるんですけれども、何で今こんなに社会的に人気があるのかというのは、僕には分からないですね。それはアイドルも一緒です。BiSにしても、何でこんなに社会的にポピュラリティがあるのか、理解はできない。若い子が一生懸命やってて、応援したくなる気持ちってのはすごくよく分かるけれども、ではそれがなぜ何万人、何十万人もいるのかは分からないです。

――高橋さんはどう思いますか?

高橋 : 初音ミクは5年前に出来て、今ちょうど5周年なんですよね。初音ミクといったボーカロイドの人気が出た背景というのはニコニコ動画だと思うんですけど、そこでは皆が自由に発表出来ますよね。それが新しい発表の場になったという部分があって、二次創作という形で作っていったカルチャーだと思うんです。あとは、宅録をしていた人とか、ミュージシャンみたいな人たちが、自分で組んだバンドでは良いヴォーカルが入らないし、好きなようにはやってくれない。でも初音ミクを使えば同じ声だから、自分がどれだけ良い曲を作れるか、どうアレンジできるかで勝負が出来るという平等な世界が、ニコニコ動画の中にはあるんですよ。
JOJO : それは勿論分かるんだけど、何でこんなに大きなマーケットになったのかっていうのはやっぱり分からないな。
高橋 : でも今は世界的なイメージとして、アイドルやアニメ文化が台頭しつつありますよね。

――そうなんですよね。ただ、非常階段も含めて世界レベルで音楽をやっている人達が山ほどいるのに、ヴィジュアルとアイドルとアニメと芸者って言われているのもなあ、と思います。

JOJO : 結局中身が評価されてないですよね。
高橋 : そうですね。じゃあボーカロイドの何がいいかってなると、所謂ビジネスだからという所ですよね。iPodの中に入っているのが全てボーカロイドっていう若い子がざらにいるんですよ。でもそういう子から、初音階段のような面白いアイディアは出てこないんです。別に好きでもない僕らはビジネス・チャンスだって理解するので、面白い形に利用したいって考えるんですけどね。
JOJO : 僕は儲けるとかは考えてなくてね。アイドルって今一番売れる音楽産業で予算も貰えるから、ミュージシャンも楽曲作る人もエネルギーを注ぎ込める。だから楽曲が良いに決まってるし、それを若くて可愛い女の子が歌うんだからいいに決まってる。高橋さんが仰るようなビジネスとしてやっている音楽は、メルツバウ、非常階段、灰野敬二とは真逆の存在でしょう? ポピュラーな音楽に対して”僕達の世代の本物はノイズだ即興だサイケだ”って言っている、完全に閉じこもった世界ですよね。この2つをくっつけることが出来るという面白さ、ばかばかしさ、想像を超える物を感じた時に、これは起爆剤になるなって思ったんですよ。初音ミクが売れてるからとか、金の為にやってるんだとか嫌味言われますけど、全部無視しますね。時代の閉塞感の中でこういった物をやると、皆がわくわくするじゃないですか。僕は今、原発の問題にしても政治の問題にしても、皆何かこういったことを欲してるんじゃないかって思います。

――なるほど。非常階段の今の活発な動きっていうのは、時代の流れとも深く関係しているんですね。

JOJO : 今は音楽で良い物はすごくいっぱいあるけど、大きなムーヴメントになりそうな気配が一向にない状況だと思うんです。でもそこで何か一つの切れ目を求めているから、そのきっかけになればいいなって。これが政治であるとか日常の生活に繋がっていければいいんじゃないかな。坂本龍一さんが最近反原発活動をやっていて、もし彼が政党を立ち上げて若いミュージシャン達が政治家として立候補したら、今まで投票しなかった若い子達も投票しますよね。ビートたけしとかダウンタウンが立候補したら、世間はちょっと変わりますよね。そういった今まで想像もしなかった物を飛び越える時期に来ていて、本当に原発は止まるかもしれないし、政治が変わるかもしれない。もしかしたら僕達の生活自体も変わるかもしれないという期待感に繋がっていけばいいなと思っていますね。もう音楽とかカルチャーとか、そんなのオタク文化じゃない、ノイズ文化じゃないとか言ってる時代じゃなくて、もっとミックスしてもいいんじゃないかって。だから最近は紅白でるぞとか言ってるんですよ。何年か後にはね。
高橋 : いいな、紅白でノイズ。
JOJO : 出来ないことないんじゃないかと思うんですよね。そうするとまた一つ壁を越える気がするんです。

――この間の選挙では、僕の周りの人間は選挙に行って反原発・反自民で投票していたけど、結果は自民党の圧勝だった。僕達が普通だと思っていた考えは普通じゃなかったのかっていう事に失望したんですよね。JOJOさんがさっきおっしゃったことは、僕らよりも全然沢山いるであろう、初音ミクとかアイドルの世界以上に想像がつかない世界の人たちを、巻き込んでいくことだって思ったんです。

JOJO : そうです。それもこれも、その一つなんです。都知事選でも猪瀬直樹が380万票、二番目の宇都宮さんが80万票で、300万票の差があるから話にならないよってのは分かる。でも僕は全然捨てたもんじゃないって思うわけですよ。その下のマック赤坂やドクター中松が17万票取ってる。17万ってすごい数じゃないか。CD1人1枚買ったら17万枚売れるんだよ。あり得ないよね。フリー・ドミューンのステージでも言ったんですけど、反原連(首都圏反原発連合)の野間易通さんが国会議事堂前に20万人集めた。20万人集めたのはすごいけど、100万人集めて国会が無視できないところまで持っていかないと駄目じゃないですか。だから反原発でも反TPPでも何でも構わないんだけども、僕らが選挙で自信喪失させられても、もう一辺言いたい感じがある。僕たちは全然捨てたもんじゃないから大丈夫だよ、って言いたいんですよね。

――それは、自分達の立場を分かった上で攻めていく、という考えでしょうか。

JOJO : そうそう。僕らは何十年もかけてこういった物を作ってきて、完全にバック・ボーンがある訳で、崩れる事は無いですから。逆にこの非常階段とかノイズとかアヴァンギャルドとかいった物をもっと使っていって、アンダーグラウンドの中で終わらせないようにしていきたいと思っています。まして、今みたいな時代で面白がって下さる方がいて、いろいろな方が是非一緒にやって下さいよって言ってくれる。例えばテイチクさん(テイチクエンタテイメント)で非常階段の『蔵六の奇病』が出たことって凄いことだと思うんです。30年前に出したこのアルバム、1曲目ゲロ吐いてるだけでしょ? それ以降もウアーッとかいって暴れてるだけですよ。その音源がメジャーから出て全国で発売、配信もやりましょうって、凄いことですよ。ゲロの音も配信で150円くらいだして買う訳ですね。世の中そんな風になってきてるんだなってひしひしと感じる訳です。じゃあ僕らはもっとそれ以上に面白い事しようよ、もっと破天荒な事しちゃって常識ひっくり返そうよってなるんですね。

――JOJOさんは面白くなる方法を模索していながら、そこでアンダーグラウンドであることに留まらないという点が見事ですね。

JOJO : アンダーグラウンドの事は30年もやってきたので、いつでも出来るんですよ。少々の物が出てきたってそうそう敵わないでしょってとこまで突き詰めている訳で、ある意味最強ですよね。他の人が辿り着けないレヴェルの物までやっている。ただ王様になったって何の意味もないので、元気満々な若い奴らと、君らが考えもつかない事と僕が考え付かない事、一緒にやる事によってもっと面白い物になるよねって事ですよ。ミックスしていくんです。初音ミクしか知らなかった奴がノイズに興味を持って、逆にノイズ側の人達も、初音ミクに興味を持つとか。全員じゃ無くたっていいんですけど、1000人聴いてそのうちの何人かがそう思ってくれればいい。そうするとその先が変わってくるんですよね。
高橋 : 確かにこれをきっかけに、色んな人たちにミクとかボーカロイドっていう物を理解してもらえたら面白いですよね。
JOJO : 僕は灰野さんに、あの髪を緑に染めて頂いて「初音敬二」っていうのやって頂きたい。
一同 : (笑)
高橋 : 初音敬二、やりたいですねえ。
JOJO : やりたいよねえ。もしそこまでやったら、俺は「灰野さんさすがや」ってもう一遍見直す(笑)。まあこれはちょっとした夢ですけど。

JOJO広重の公開ノイズ講座開催決定!

ミューズ音楽院×オトトイの学校 JOJO広重のノイズ大学代々木分校 ~正しいノイズの鳴らし方~
日本初のノイズ・バンド非常階段と初音ミクのコラボ盤『初音階段』のリリースを記念し、そのリーダーであり、発起人でもあるJOJO広重が、「初音階段」のミックス&マスタリングが行われたミューズ音楽院にて、「初音階段」完成の行程、そして「ノイズ」という音楽表現についてのトークと実演を行い、その魅力と正しいノイズの鳴らし方を伝授する公開講座「ノイズ大学代々木分校」(本校は大阪なんばベアーズ! )。ノイズ・バンドは、どのようにして始まったのか? 初音ミクとの奇跡のコラボは、どのようにして起こったのか? 正しいノイズはあるのか? 無料で聞ける奇跡の90分を見逃すな!

日時 : 2013年2月1日(金)19:00開場 / 19:30開演
会場 : ミューズ音楽院(東京都渋谷区千駄ヶ谷5-19-9)
受講料 : 無料
出演 : JOJO広重、美川俊治、飯田仁一郎(オトトイの学校長)
>>申し込みはこちらから

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Ryo Hamamoto、3rdソロ・アルバムをハイレゾ配信&インタヴュー
[CLOSEUP]・2016年07月13日・"ロックンロール"という様式美の最先端──Ryo Hamamotoの3rdアルバム、ハイレゾ配信 moools(モールス)やハリネコにて卓越したギタープレイで魅せてきた浜本亮が、バンド名義の前作から4年、ソロ名義"Ryo Hamamoto"としては9年ぶりとなる、3枚目のアルバムを完成させた。 今作に収録されたのは声、ギター、ベース、ドラムという最もシンプルなロック・ミュージックのフォーマットで描かれた全9曲。先行7インチ・シングルに収録された「Last Train Home」、「カリブに配属」が異なるミックスにて、さらに濱田岳主演のショート・フィルム『Miss Fortune』のエンディング・テーマとなった「The Photographer」が新録にて収められた。プロデューサー兼ドラムには盟友、神谷洵平(赤い靴、大橋トリオ、Predawn等)が、ベースにはガリバー鈴木(Predawn等)、ミックスおよびマスタリングは原真人(細野晴臣、大森靖子、ザ・なつやすみバンド等)が参加。高純度で紡がれた楽曲をOTOTOYではハイレゾ配信する。 さらに特集では4年ぶりにインタヴューを敢行。ここから彼を知るという方には是
by 渡辺 裕也