Yossy little noise weaverの3年ぶりの新作『VOLCANO』は、まるでいい湯加減の温泉のような音楽が詰まっている。それは人間の複雑さを知っているクールさと、それでも人と関わっていくポジティヴさを混ぜ合わせた結果のちょうどいい温度で、2010年代に合った形でポップに昇華している。ニュー・ウェーブやエレクトロニカ通過後にそんなカラフルなサウンドが生み出された背景をYossyとIcchieに聞いてみた。
インタビュー&文 : 滝沢時朗

「SPINNING」(HQD)のフリー・ダウンロードはこちら(期間 : 3/4〜3/11)

※『VOLCANO』未収録のアウト・テイク音源。高音質のHQD(24bit/48KHzのWAVファイル)でダウンロードいただけます。

Yossy little noise weaver
キーボーディストYOSSY(ex. BUSH OF GHOSTS、DETERMINATIONS)が、トロンボーンicchie(ex. BUSH OF GHOSTS、DETERMINATIONS)と共に開始したユニット。2005年に1st.アルバム『PRECIOUS FEEL』、2007年にスパイラル・レコードfarloveより2枚目のアルバム『WOVEN』をリリース。様々な「今」を感じる音要素を組み合わせ、ドリーミーでダンサブルな音世界を描き出す。バンド編成でのライブでは、強力なメンバーによるダイナミズムが加わり、YOSSYもファニーに歌いまくり、HAPPYなサウンドを展開中!

アルバム購入特典 :
※『VOLCANO』を購入頂いた方に、特典としてオリジナル・ウェブ・ブックレットをプレゼントします。
アルバム購入後、こちらのリンクからダウンロードしてください。

人間とやることの良さが恋しくて、ジレンマを感じてたんですよね。

——アルバムのタイトルが『VOLCANO』ということで、前作の『WOVEN』というタイトルやその繊細な音のイメージと対照的な感じがしますが、どういう意図を込めているかを教えていただけますか?

Yossy(以下、Y) : 元々icchieとDETERMINATIONSっていうバンドをやっていたんですけど、解散した時点で自分のソロ・プロジェクトみたいな感じでYossy Little Noise Weaverを始めました。やりはじめた最初のきっかけは解散したからっていのうが大きかったので、バンド的な男っぽい世界から繊細で内向的なものを作りたいと思って、その衝動でファースト・アルバムを作ったんです。セカンド・アルバム『WOVEN』もその延長線上で作りましたね。でも、セカンドを作ったころから、つまらなさも感じ始めました。バンドで人間とやることの良さが恋しくなってきて、ジレンマを感じてたんですよね。なので、セカンドのレコ発でバンドを組んで、バンド用に曲をやり直して。やっぱり元々バンドをやってた人間なので、だんだん外向きで社会的な感じに戻ってきたんですよ。そういう内に溜まってたものを外に向かって出すって意味で『VOLCANO』っていうタイトルをつけました。

——そのバンド・メンバーは、どのように集めたのですか?

Y : もう、2年ぐらい一緒にやってるメンバーです。
Icchie(以下、I) : 『WOVEN』は大阪から東京に出てきてYossyのアルバムとしては最初に作ったんですよ。大阪は知り合い多いんですけど、出てきて1、2年だと東京のミュージシャンの知り合いはあまりいない。で、何人かは目星もあったんですけど、予算のこともあるのでやっぱり前と同じく打ち込みで最初は作って、ライブも打ち込みでやればええやんっていう感覚で。とりあえず気に入るような曲を作ろうやってことで、スタジオの中だけで作ったんですよね。1枚目の『PRECIOUS FEEL』の時はベースやストリングス、歌でゲストに入ってもらったんですけど、『WOVEN』は全然入れなくて。さっきも話に出た『WOVEN』のレコ発の時に、スパイラル・レコードのディレクターからライブをやる時に誰かゲストを入れて、生でやりませんかって言われたんですね。それがきっかけでバンド・メンバーを集めました。基本的にみんな元から知り合いで、前に大阪でやってたときから知ってたドラムの菅沼雄太くん、前から色んなとこで会ってたNIGHT JUNGLEっていうバンドのギターのThe Kちゃんですね。

——『VOLCANO』収録曲は、アルバム用に作ったんですか?

I : そうではないですね。レコ発の時からバンドやるってやっぱり面白いなと思って。でも、『WOVEN』の曲はバンドのことを考えずに打ち込みで曲を作ったから、それだとやっぱり難しいし、物足りない。じゃあ、もうちょっとバンド用の曲を書いたらおもろいんちゃうかってなって、そっからYossyがバンド用に曲を書いたんです。
Y : ライブをやるごとにバンドのメンバーを想定して新曲を増やしていって、それが2年ぐらいやってたまったんです。演奏も自然にバンドっぽくなってきてたので、じゃあレコーディングしようってなって。いつもライブでやってた曲が多かったから、一発録りで生々しくとろうっていう風になってたんですよ。

——レコーディングは、具体的にどのように行われましたか?

I : ライブのリハーサルの時に、じゃあ今度こんなアレンジでやってみようかって面白くなるように詰めていきました。レコーディングのデモ作ってんのと同じようなことをライブの合間にやってたんですよ。それがスムーズにいったので一発録りもできました。あと、山口泰さんというレコーディング・エンジニアの方に今回はじめてお願いしたことも大きかったですね。俺がちょっと前にHAKASE-SANのレコーディングのときにたまたま会って、音がいいなと思っていたんですよ。今回のYossyバンドやったら自分らだけじゃ難しかったので、エンジニアをお願いしたんです。山口さんはありのままに録るっていうか、フレッシュな感じで録りたいっていうのをすごい思ってはって。普通は一発録りでもパーテーションを立てて、録音の時に音が被らないようにするのだけど、まったく同じ部屋で全員で録ることになったんです。
Y : 同じ部屋っていうのはなかなか珍しくて。失敗したらやり直しってことを想定して、普通は録音するんです。でも、それを想定せずに全部同じ部屋でマイクを立てて、当然いい演奏を一回するだけって感覚でやれて。すごい珍しいことで、今までこんなレコーディングは経験したことなかった。
I : あと、たぶんその音の被り方がすごいと思うねん。編集する余地もないぐらいマイクで色んな音が拾われてて、録ったまんまでやるしかないやんっていうような録り方やったんです。でも、その音の被り具合が、山口さんが音を整理すると空気が出て良くなって。山口さんとしては狙い通りみたいなんですけど。
Y : なんぼ練っても練っても、徹夜してあーでもないこーでもないって煮詰まったりしても、やっぱり気持ちよくみんながその場で集中して録るものにはかなわんかなって今回は思いました。山口さんが、その時に超楽しんでむっちゃええなあって盛り上がりながらやるしかないような流れを作ってるっていうか。

——レコーディングをした山口泰さんのスタジオはどんな環境だったんですか?

Y : あの人面白いねんなぁ。宇宙から来たんかなぁぐらいの。色んなとこにUFOの絵とか書いてて(笑)。
I : 変なエンジニアやなぁ。スタジオは全然機材とかもなくて、家に行ってもほんまコンピューターしかないみたいな世界でやってるんですけど。やっぱり、機材ももちろん大事かも知れんけど、そういうビジョンでやるとこういう音がでんねんなっていうことの方が大事。
Y : その場のその集まったことの意味とか、出会った時の感覚とかそういうことに注目してはって、なんかそれこそほんまに音楽やる意味ちゃうかなぐらいの感覚をうちらも受け取ったし。
I : まぁそこには、Pro Toolsを使えばあとで直るっていうのを知った上で、自由にさしてくれてるっていうのはある。
Y : そう。それがあんねん。ただ録ればいいってもんではない。スキルがすごくあるからそういうことができると思う。

やっぱり紆余曲折があって、それが音に出んねんなって。

——今まで伺った自然な流れに任せてアルバム制作をされたというところと、今回カバーされたPlasticsのような人工的で無機質な感覚の表現は、単純に考えると逆に感じます。Plasticsの「Peace」をカバーされた理由は?

Y : これは私がどんどん自然になっていってるので、どんどん初期衝動に帰ってきてるんですよ。スカとかやってた以前の、バンドやり始めた頃はニュー・ウェーブが好きで、そこでPlasticsをカバーしたいって普通に思ったんですよね。逆ということはなくて、自分としては同じ方向ですね。
I : 打ち込みでやると、同じことの単純な繰り返しなんですけど、ニュー・ウェーブみたいな同じパターンを繰り返す演奏を人間ががんばってやっても機械とは違ってずれてしまう。Pro Toolsだとその音の違いが昔より際立ってくるし、山口さんのような生々しい録り方やと、なおさらそれが出ると思うんですよ。人間が無機質にやってることのおもろさが今の時代もっかい出るんちゃうかなっていう。俺もニュー・ウェーブ結構好きやったんで、やっぱりそのころは無機質なものとか、打ち込みとかクールななものに憧れているんですよね。できるだけどうやったら無機質になんねんっていうことでやってました。今となってはそれがなんか笑えるっていうか(笑)。

——今もライブを通してどんどん新曲を作られてるんですか?

Y : ちょっと今バタバタしてて。新しい曲、まだ作ってないんです。
I : 今回は完全に自分らでアルバム制作やライブ以外のこともやってるんですよ。もう一回、自分たちで手作りでやれるとこまでやってみようかっていうことで。宣伝は手伝ってもらってますけど、それ以外は家で全部やってます。やっぱり一つ一つ大事にしたいので、すごい時間のかかる作業なんですよね。フライヤー作るにしても、マネージメントやるにしてもその専業じゃないので、どうしても合間合間でやることになるし。なんで、今はとりあえずこのリリースのことばっかりやってるんです。もうそろそろ大分フライヤーとかプレスの段取りとか色々やっと終わってきて、俺らがやることはある程度やったので、じゃあ『VOLCANO』のレコ発のライブをどうやろうかとか、バンドをもっとこういう風にしようかとか、今はそういうやり方なんですよ。

——音楽に直接的には関わらない部分も、自分たちでやられるようになったのはなぜですか?

I : やっぱり、人とやったときに自分らだけでやってるのと比べて、なかなかやりたいことが伝わらなくてもどかしい部分もあるんです。その部分に関しては今は自分らでコントロールできるので、時間はかかるんですけど、伝わる部分は今までより大きいところがあるっていうメリットも感じてます。大変だし、一回ちょっと音楽を後回しにしないといけない時間になるんですけど、その作業を通して自分らのことを思い出したりとかわかったりして、結構面白い。
Y : ジャケットも普通は誰かに頼むんだけど、うちらは今回ジャケットを描いてもらってるミイダくんに直接家に来て会ってもらって、まず一緒に色々しゃべりました。絵の話じゃない話から入って、世間話もして、っていう予備作業をすごくして。それはすごいめんどくさいし、その間音楽とか作れないけど、そういうやり方で作ったほうがいいんちゃうかなって。自分らが思ってるもんと違うもんをミイダくんが出してきたりするけど、それもいいなあって思えて、発展させる作業も楽しいですし。
I : 世間話からデザインにつながるところもあるんですよ。もともと大阪にいたときはみんな近くていつも遊びに行って同じとこにおって、とりとめない話をして、そこから音楽ができてるっていう実感があったんです。でも、東京に来てちょっとそれが希薄になったなって感じてたんですよ。ミイダくんは近くに住んでるけど、今までたまにしか会わなかったんです。けど、このアルバムのジャケットを作る段階になってしょっちゅう会って色んな話もできるようになって。やっぱりアルバム作るって言っても、アルバム作るためだけに生きてるわけじゃないから。
Y : それをきっかけに色んな人とやり取りすることのほうが大事。お互いにいいところを出し合って、ええなあって一緒になんか作ってる感じや気持ちが大事やったりとか。毎回落ち込んだりも多いですけど。それもひとつの人生のあれやなってぐらいに思って。音楽自体そういうもんかなってだんだん思ってきて、そういう風なコミュニケーションのためにやってるだけで、音楽だけが特別なわけじゃないんちゃうかなあ。
I : やっぱり紆余曲折があって、それが音に出んねんなって最近ごっついわかってきて。そういうのをやっぱり隠さずに、生々しく出したほうがいいんやろうなって最近わかるようになりましたね。ミュージシャンが色々な人と様々な事をして、その中から音楽が生まれるっていうことを、感じて想像して欲しいし。ちょっとそういう風に流れが見えたかもなあ。

やさしいサウンド、ポップな歌声、春の訪れ!

ジョアンナ・ニューサムをよりポップに、より透明にしたかのようなオリジナリティ、デス・キャブ・フォー・キューティにも通じるキャッチーなメロディに、プロデューサーのアダム・ピアース=マイス・パレードのシューゲイズ・テイストを散りばめたキラキラ・サウンド!!グレゴリー・アンド・ザ・ホークことメレディス・ゴドルー、ムーム等でおなじみのUKのファットキャットから衝撃のデビュー!!ウィスパー系女性ヴォーカル・ファン必聴!!

洋邦問わず幅広く支持を得ている歌い手、二階堂和美。彼女の新作は全曲カヴァーでありながら、しっかりと”二階堂和美色”に染められている。小さい頃に合唱で歌った、TVやラジオで流れていた、そんな馴染み深い選曲と、優しく伸びやかで時にアグレッシヴなヴォーカルは、日本の季節や情景、また個人の記憶を連想させる。涙腺を刺激する温かいうたは、聴く人を選ばないだろう。力みや計算とは縁のない、自然体で輝きのある音楽。自然に出てくるものだからこそ、惹きつけられ、揺さぶられるのだと思います。お洒落にアレンジされたカヴァー・アルバムが溢れる昨今だからこそ、是非聴いて欲しい一枚です。

Kレコーズの本拠地であるワシントン州オリンピアにて05年夏に結成されたレイク。現在でもそれぞれソロや別ユニットでも活躍するメンバー達がレイクとして活動するきっかけを作ったのは、現在のKを支える才人カール・ブラウ。カールのバックバンドを務めたのを契機に彼のプライベート・レーベルKELPからアルバムを発表。アーキテクチャー・イン・ヘルシンキ、ノー・キッズ/P:ano、フリー・デザインらを引き合いに出されて評価された3rdアルバム『ザ・プレイシズ・ウィ・ウィル・ゴー』。

LIVE SCHEDULE

  • 2010/04/03(土) JOY Vol.4 @青山 EATS and MEETS Cay
    w/ Plasticsex / GABBY & LOPEZ / エマーソン&北村ソロ / Tommy Returntables(Returntables) / 鶴谷聡平(NEWPORT)
    OPEN 18:00 / START 19:00
    adv 3.000 yen / Door 3.500 yen
  • 2010/04/29(木) JOY Vol.5 @梅田 club NOON
    w/ みにまむす / 外池満広 / BABEE FUNK(HawaiiRecord) / DJ BOYFRIEND(HawaiiRecord) / YOHEI YAMAMOTO(ELELEL / HOBO)
    OPEN 18:00 / START 19:00
    adv 2.000 yen(+1 Drink) / Door 2.500 yen(+1 Drink)
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