Riow Araiのその表現の中心ともいえる「ビート」を最大限に生かしてまとめあげたギミックなしのストレートな作品。トータル11枚目のアルバムとなる『FREEDOWNBEAT』は初のビート・ソロ・アルバムだ。Riow Araiが立ち上げたセルフ・レーベルrarより第2弾のソロ・アルバムをリリース。

Riow Arai / FREEDOWNBEAT

【販売価格】
mp3 : 単曲 150円 / アルバム 1,500円
wav : 単曲 200円 / アルバム 1,500円

【TRACK LIST】
01. 86 / 02. 90 / 03. 94 / 04. 96 / 05. 99 / 06. 101 / 07. 105 / 08. 111 / 09. 120 / 10. 126 / 11. 56 / 12. SH-101 : A Space Odyssey

アルバム購入者には、40分を越えるボーナス・トラック「SH-101 : A Space Odyssey」が付いてきます!

驚愕の全編ビート・ソロとなった『FREEDOWNBEAT』を解剖する

1990年代から活動し、特徴的な太いビートを聞かせ続けるトラックメイカーRiow Arai。彼の11枚目のソロ・アルバムは『FREEDOWNBEAT』というなんとも含みのあるタイトルだ。そして、そこに詰まっているサウンドも一筋縄ではいかない。

FREEDOWNBEAT』は、まず、SP1200やASR-10というヒップホップでは定番のサンプラーで作られたほぼブレイクビーツのみのアルバムだ。ある程度のビートを繰り返した後、リズムパターンとキックやスネアの音色が変化し、新しいビートへと絶えず変化しながら次々と展開していく。基本的にはこれだけで曲が構成され、長い曲では8分以上ある。タイトルも「86」など全て数字で、BPMを表しているという。このアルバムはタイトルにFREEと入っている通り、聴いてすぐに言葉にできるような意味性や物語性を含んでいない。また、『FREED-OWNBEAT』と区切ると「解放された独自のビート」という意味にもなるという。つまり、本作のビートは何かのために鳴っているわけではないのだ。

まず、『FREEDOWNBEAT』はトラックメイカーとしてのスキルを示すためではないだろう。ヒップホップでは、MCバトルやサンプリング・スポーツなどしばしば音楽をスキルを競い合うゲームにすることがある。『FREEDOWNBEAT』はBPMをタイトルにするあたりそう受け取れそうであるし、Riow Araiのスキルなくしてはできないアルバムだ。だが、彼はバトルDJでもないし、今までの作品を振り返るとそうは考えにくい。次に踊らせるための音楽ではないだろう。もちろん、踊ることは可能だが、ダンス・ミュージックにしては展開が多いし、盛り上がるようなネタが入っているわけでもない。しかし、リスニングのための音楽というわけでもない。Riow Araiが次々に繰り出すビートの音色や質感は確かに聴き応えがあるが、エレクトロカのように音響をメインになにかを表現していると言うにも違和感がある。このように『FREEDOWNBEAT』のサウンドは定型的な楽しみからからは巧妙に距離をとっているように聞こえるのだ。

しかし、これは本作がどこにも満たないような作品であるという意味ではないし、バトルブレイクスのような音の素材であるという意味でもない。『FREEDOWNBEAT』では、前述のような自由なビートによって、サンプリングされた“単なる”音が、ひとつの音楽へと昇華されるという工程自体をむき出しにされているのだ。それは現代社会や個人の内面を写し取ったような表現ではない。そこに、ある音楽があり、そこから音がサンプリングされ、誰かの手によって再構成されてまた音楽になる、という一連の運動自体がなぜかとてもおもしろく、心をざわつかせるという事実だけがあるのだ。現代の音楽シーンは、フリーダウンロードを媒介にして無限に増殖するサンプリング・ミュージックによって形作られているが、そんな中でサンプリングの原初性そのもののような本作は異彩を放っている。サンプリング・ミュージックがあふれる環境に慣れた今のリスナーの身に、この『FREEDOWNBEAT』は突き刺さるだろう。(text by 滝沢時朗)

Riow Araiのレーベル「rar」の作品を配信開始!

アルバム購入者には、40分を越えるボーナス・トラック「SH-101 : A Space Odyssey」が付いてきます!

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>>>Riow Araiの特集はこちら

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PROFILE

Riow Arai

トラックメイカー / プロデューサー。アルバム『Again』('96)でデビュー。『Beat Bracelet』('01)や『Rough Machine』('04)等の作品でトレードマークと言える骨太なブレイクビーツと神業の如きエディット・スタイルを確立する。2003年には『Mind Edit』がUKのLeafよりライセンス・リリースされ、海外でも注目を集める。多数のコンピレーションへの参加やコラボレーション、リミックス等を手掛ける他、sonarsound tokyoやLOW END THEORY JAPAN等、幾多のイベントに出演。2011年、セルフ・レーベル『rar(アールエーアール)』を立ち上げ、 配信限定によるリイシュー・アルバム『bitter beats 2011』のリリースを経て、10枚目のソロ・アルバム『graphic graffiti』をリリース。2012年春、1枚のCDにMP3を300曲収録した『MP300』をオンライン・ストア限定でリリース。

>>>official HP

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筆者について
滝沢 時朗 (滝沢 時朗)

1982年東京生まれ。twitter ID:@sarigenaginger

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