この奇妙なエネルギーは一体何?! 一度聴いたら頭から離れない、昆虫キッズの2ndアルバム『text』が完成しました。エンジニアに近藤祥昭(GOK SOUND)、マスタリングに中村宗一郎を迎えて制作された本作。THE NOVEMBERSの小林祐介、麓健一、スッパマイクロパンチョップなどがゲストで参加し、バンドに新たな彩りを加えています。シュールな歌詞や、中毒性のあるヴォーカル&アンサンブルを、持ち前のポップ・センスで昇華した全13曲!

1. nene / 2. いつだって / 3. サマータイマー / 4. FLY / 5. ミスターロンリー / 6. ハネムーン / 7. 花とエルボー / 8. アメリカ / 9. 魔王 / 10. アンネ / 11. S.O.R. / 12. ふれあい / 13. 太陽さん

「サマータイマー」のフリー・ダウンロードはこちら(期間 : 8/5〜8/12)

INTERVIEW

昆虫キッズの音楽には本当に色んなものが詰まっている。それは音楽として語ればキーボードやホーンが躍るカラフルなアレンジ、独特なメイン・ヴォーカルとかわいいコーラスのコンビネーションだ。そして、それらがひとつなっている曲を聞けば、身も蓋もなかったりロマンチックだったり、切実だったり上の空だったりするイメージが頭の中に浮かんで、聞こえる以上の何かを残していく。そんな昆虫キッズのギター、ボーカル高橋翔に話を聞いた。

インタビュー&文 : 滝沢時朗

思い付きから曲が広がる

——『text』はポップでアレンジも色々試されている面白いアルバムだと思います。アレンジはどうやってされているんですか?

ポップで王道なアレンジが好きっていうのはありますけど、基本的に曲単位でどういう風にするのが合うかを試して作ってます。アレンジは調子がいい時なら曲の原型を1時間ぐらいで作れちゃいます。早いほうだと思うんですけど、体質的にそっちのほうが合うんですよ。時間をかけて作ったから良くなるわけではないし、その逆にパッてできたものが悪いってことも絶対ないですね。それで、また色々アイディアを出して、足したり引いたり色々やっていくんです。それで、ライブで演奏を重ねるんですけど、単純にやっぱりみんな飽きてきます。そうするとアドリブが入ったりして、曲が変わっていくんですね。それを繰り返していると曲の性格が見えてきて、色んな方向に行けるっていうことがわかってくるので、やってて面白いです。ライブはライブで4人でできることも限られてますから、その中で遊んでちょっとずつ変えていくのが、バンドの体質に合ってますね。だから、今『text』に入ってる曲もライブではアレンジが変わってきている曲がありますよ。

——「アメリカ」は曲の途中でアメリカ国歌が入ったりと結構思い切ったアレンジですが、どうやって作られたんですか?

ほとんど思いつきなんですよ。単純にこれ入れたら面白いなと思って。でも、「アメリカ」はもう途中でアメリカ国歌のコーラスが入らないと決まらない曲になってしまっていて、思い付きから曲が広がるのは、やっぱりやっていて面白いです。「魔王」の魔王の台詞も「アメリカ」のアメリカ国歌と同じでノリでやってることなんですよ。そこでやっぱり聞いた人が色々想像したり、笑ってくれたりしたらそれでOKなんです。そこまで深い意味はなかったりするんで。とはいえ、真面目にやってる部分とふざけてやってる部分があるので、そのバランスを取ることは大事ですが。あんまり真面目すぎるとはぐらかしたくなるんですかね。照れ隠しっていうか。それは自分の性格からだと思うんですけど。そういうところが出てるのかなと思います。

——アルバムを作る際に最初からこうしようというような方向性を考えて作られてましたか?

作るにあたって、明確なコンセプトっていうのはなかったです。基本的に活動がライブ中心なので、ライブを繰り返していくうちに新曲がどんどんできて、ある程度の曲数が揃ったら、アルバムになるように曲を並べて組み立てるんです。そこでトータル・バランスを考えて、こういう曲が欲しいと思ったら作ります。なので、『text』はライブの流れでできたアルバムですね。曲を作っていいなと思ったらライブでやってみて、それから細かいところをスタジオで詰めていく作業をして、納得できるレベルまで持ち上げるって感じですかね。あと、今回は毎回ライブに来てくれている人がCDを聞いた時に全部知ってる曲だと面白味がないだろうなと思って、ライブでやってない曲を入れてます。

——アルバムの流れがはっきりしているので、アルバムをはじめから意識して曲を作られているのかと思いました。

アルバムとしての流れは欲しかったんですが、とりあえず考えて曲を並べていったら、それが最初からよくできた感じの曲順だったんです。なので、意図していたとも言えるし、意図していなかったとも言えるんですが、すごく自分でやっていて面白かったですね。こんなにきれいにはまるんだみたいな気持ちよさがありました。

——今回のアルバムでポップになったと同時にロック・バンドとして力強くなったとも感じました。豊田道倫 with 昆虫キッズ『ABCD』で切れ味のいいバンド・サウンドを出されていたので、その経験が今回反映されているのかと思ったんですが、いかがですか?

まず、基本的には普段のライブ活動の積み重ねがベースとしてあります。豊田さんとやったことに関しては、僕達はバック・バンドで参加していて自分たちが中心のアルバムではなかったわけですよ。そこで普段の意識と何が違うかって、やっぱり責任感だと思ったんです。もちろん真面目なんですけど、中心ではないってことで、そこまで緊張もしてないしそこまでリラックスもしてないフラットな状態でレコーディングできたんです。だから、あそこまで荒々しい演奏もできたし、いい意味で無責任にこっちはできました。人のバック・バンドでアルバム一枚作るって、今まで通りに活動してたらなかなか得がたい経験なので、バンドとして大きいものだったと思います。

——バック・バンドに徹することで客観的な視点が持てたんですか?

それもありますし、人と何か一緒にやることによって、メンバーの違う引き出しが出てきたり、昆虫キッズの中でやってたら出てこなかったアイディアも出てきたと思うので、その経験がみんな還元されて、バンドとして面白くなったのかなと思います。

——歌に関しても以前より解放的になったように思いますが、どうですか?

まず、前に出した『My Final Fantasy』は、歌入れは半分宅録だったんですよ。自宅で歌入れをしていたので、どうしても隣とかが気になっちゃって、しぼんだ歌い方になっていたところがあります。スタジオで使用してたマイクも結構影響があります。あと、今回は気持ちとしてはもっと声を遠くに届かせてってことはすごく意識しました。

——高橋さんのヴォーカルは、ポップなメロディをえぐ味のある歌い方で聞かせることに特徴があると思います。意識してそう歌われてるんですか?

極端な話、カラオケ的な歌い方でよかったら、もっとうまく歌えると思うんですよ。でも、そういうカラオケ的なうまさはいらないんです。それとは違う言葉とかメロディをもっとよく歌うための歌い方のイメージを僕は持っていますから。メロディをはっきり聞かせて、あと言葉・単語・歌詞をそのメロディの波にうまく乗せてあげられるっていうことが、カラオケっぽくうまく歌うっていうことより重要です。そっちの方が聞いてる人に届くし、頭の中に絵が浮かぶと思うんですよね。まだ、試行錯誤してる段階ですけど。

——歌い方で具体的な目標にしているアーティストなどいますか?

目標というか、すごく良いなと思っているのはスピッツの草野正宗さんです。あの雰囲気は単純に憧れます。すごく絵が浮かぶ感じがいいんですよね。でも、ああいうきれいに歌う人とは逆の、パンクの荒々しくがなり立てるような感じにもすごく影響を受けましたよ。きれいに歌いたいときもあるし、真逆にまくし立てるように叫ぶ時もあるので やっぱり、そういうふり幅があることが面白いと思うんです。

——昆虫キッズの歌詞は抽象的な表現と、ダルいやエグいといった日常的に使っている言葉やアニメ・ゲームからの引用が同居している点が特徴だと思います。その点は意識して作詞されいますか?

歌詞のことに関しては自分でもあんまり分析できていないので、なんでこういう風になるのか自分でもわかっていないんですけど、自分の中でこう小さいストーリーみたいなものがあるんですよ。場所であったり、時間であったり、季節であったり、歌の中に出てくる人物像であったり、イメージの中でその人たちとか場所が変化していく感じを考えていくんです。自分個人のメッセージとか言葉を紡いでるっていうよりは、自分の中で考えてるパラレルな世界の出来事を作ってる感じです。自分の中の普段の想像があって、それが曲を作ることによってどんどん話がそこに集まってできてくるっていうのかな。ダルいとかっていう単語を入れるのは、例えばなにかの歌を聞いていて、すごく現実的な言葉が急に出てくるとハッとする時があるんですよね。そういう驚きみたいな感じが好きなんですよ。なので、どこかで普段自分たちが友達としゃべってる時に出てくるような単語とか、歌詞にならないような、多分歌詞にしないだろうなって言葉を盛り込めた時はすごく自分で楽しいですね。こういう方向性もあって、形になるんだっていうことを知ったので、それは発見でしたね。

今こんなにかっこいいバンドがいるのに、なんで聞かないんだろう

——高橋さんのブログで般若やThe Style Council、Deerhunterを取上げられていて、昆虫キッズの音楽性と同様に面白い幅広さだと感じましたが、いかがでしょうか。

ゾンビ映画が好きだけどタイタニックみたいなピュアなラブ・ストーリーが好きって人もいると思うし、人間ってやっぱりふり幅があるから面白いと思うんですよね。般若が好きだからこのラッパーが好きじゃないといけないってことはないし、スタイル・カウンシルが好きだからUKのおしゃれな音楽が好きってことでもないと思うので。それは表と裏っていうか、自分のそういう部分もあるし、逆の部分もあるってことです。知り合いでも渋い戦前のジャズが好きだけど今ハードコア・パンクやってますみたいな人もいて。でも、それから若い時にハードなことをやってて、そのバンドを辞めた後にひとりできれいな弾き語りをやったりとか。そういう人が好きだし、増えてったら面白いなと思いますけどね。

——メンバーの間でもそういう感覚は共通なんですか?

それは多分共通じゃないと思いますね。メンバーはみんな好きなものとか音楽の趣味はバラバラです。昆虫キッズの世界観は自分の中のことだと思うんですよ。僕も完璧に理解して欲しいとは思ってないですけど、一緒にやってるってことは面白いと思ってくれてるんだと思います。他のメンバーは何を聞いてるかというと、ドラムの佐久間くんはオウテカとかテクノよりのものが好きで、冷牟田くんは昔の日本のアンダーグラウンドなロックが好き。ベースののもとさんはメロコアとかHawaiian 6とか好きだったかな。こんなにバラバラなんですけど、でもそのほうが面白いんですよ。バラバラな人間が集まった時にすごくマジックが起こるんです。同じような趣味の人間でバンドやるっていうのももちろんいいことなんですけど、やっぱりそれって想像を越えられないんじゃないかなって思うんですよ。バラバラな人間同士でいると、一見合わないようでもパシッと決まった時の爆発力やエネルギーがすごいと思うんですよね。普段交じり合わないものが交じり合った時に発生する感じっていうのが、曲を作ってるときとかみんなで合わせてる時とか、たまに感じるんですよ。それは多分メンバーもわかってると思います。マジックを感じられた時はすごく自信にもつながるし、バンドとして大きいですね。

——高橋さんはどのように音楽を聞かれていたんですか?

最初はとにかくお小遣いもらったら、レンタル屋さん行って8cmのシングルの適当にチャートに入ってるやつとか借りて、テープ買ってきてそれを全部ダビングするってことをしてました。でも、中学生ぐらいの時にすごく違和感を覚えることがあったんです。僕はL⇔Rがすごい好きだったんですけど、その時はGLAY聞いてる人ばっかりだったんですよ。なんでL⇔Rはこんなにいいのに、みんなGLAY聞くんだってすごく思いました。自分がいいと思ったものって、そんなにみんないいと思わないんだって。

——L⇔Rもポップだけど、ちゃんと聞くと変なところのあるバンドですよね。

そうなんですよ。L⇔Rは今聞くと独特だなと思うんですけど。それで、高校に入ると音楽にはっきりはまるようになったんです。高校では軽音楽部に入ってて、僕はNumber Girlがすごく好きだったので、バンドでコピーしてました。でも、Hi-STANDARDとかMONGOL800がめちゃくちゃ売れてた時期で、みんなそれとかGLAYをやったり、先輩はまだXとかLUNA SEAをやってたりしてて。信じられなかったんですよ。なんでそんな昔のバンドのコピーを今やってるのかなって、ずっと疑問でした。今こんなにかっこいいバンドがいるのに、なんで逆に聞かないんだろうって。それで、同じようなこと思ってる仲間もいなかったから、なんとか同級生にお願いしてドラムやってベースやってって頼んで、交換条件としてお前はソフィアのコピーやる時ベース弾けって言われたり。自意識的だったと思いますけど、疎外感がすごくあって。でも、高校卒業して一応音楽の専門学校に行ったんですけど、やっぱり、そういうとこ来る連中って同じことを感じてるんですよね。そういう人に出会うのはすごくでかかったです。単純に自分以外に日本にいないと思ってたんですよ。Number Girlそれなりに売れてたのに。そういうのがあってひねくれたんだと思います。

——じゃあ、今はそういう疎外感はあんまりないんですか?

今考えると高校の軽音楽部はHi-STANDARDとかGLAYで全然いいんですよ。それで間違ってないんです。やっぱり、めちゃくちゃ売れてたなりの理由がありますから、それは高校生がコピーしたくなるよなって思います。だから、 疎外されてるみたいなのはないけど、違う形で何かの違和感はあります。でも、それってみんな持ってるものだとも思いますけどね。

——そういう違和感が音楽を作る動機になったりしますか?

動機かどうかはわからないです。全然普通に楽しく毎日過ごしてて、家で音楽を普通に聞いたりしてる中でも、すごい暗い曲ができたりするし、逆にいやなことがあったりして落ち込んでる時に明るい曲ができたりもするんです。それが何でかわからないんですよね。誰かに説明してもらえるものでもないし、自分でも説明できることじゃない。だから、曲を作りたいんだと思います。

頭の中をぐるぐる回るポップネス

ハイファイ新書 / 相対性理論
Perfume以降の新世代ポップ・シーンを牽引するバンド、相対性理論。萌え文化とリンクしながらアンダーグラウンドとも直結。淡々としているけど、突き刺さってくる言葉の群。『00年代後半のうた姫? 』センスが逸脱しております。ネクスト・ジェネレーションのナンバー・ガール的存在!

はしけ / シャムキャッツ
泪と笑いのズッコケROCK4人組(全員長男)登場! ココロにするりと入り込むポケット・サイズのポップ・ミュージック。くるり/はっぴいえんど/サニーデイ・サービス/ユニコーンなど、邦楽史に名を刻むポップ・ミュージックを背景にした秀逸なメロディー・センスと、トーキング・ヘッズやXTC、近年ならばクラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤーをも匂わすひねくれたサウンドとのコンビネーションは、聴く者の記憶にストーカーのようにまとわりついて離れない。たよりないのに愛しい、クセもの過ぎるヤング・ジェネレーション。

ドアたち / オワリカラ
今、話題のバンド最新型ポップ・サイケデリア「オワリカラ」が早くも登場!! 唯一無二なアンサンブルと強靭な音圧のサイケデリック・サウンドが「新しい世界」へ導いてくれる事間違いなし! 2010年型ROCKの始まりは「オワリカラ」。

PROFILE

高橋翔(Vo,G)、佐久間裕太(Dr)、冷牟田敬(G,Key)、のもとなつよ(B)

2007年、高橋翔と佐久間裕太の2人で自主CDR『ユウとユウコのために』を発表後、冷牟田敬、のもとなつよを迎え、シングルCDR『アンネ/恋人たち』ほか自主作を立て続けに発売。09年、フル・アルバム『My Final Fantasy』を全国発売し注目を集め、同年、豊田道倫のアルバム『ABCD』に豊田道倫 with 昆虫キッズとして全面参加、さらなる話題を呼ぶ。本年5月、吉祥寺GOKサウンド・スタジオにて名エンジニア近藤祥昭により5日間の録音、3日間のトラック・ダウン、さらにピースミュージック中村宗一郎のマスタリングが施され、2ndアルバム『text』が完成した。

LIVE SCHEDULE

『昆虫キッズレコ発ツアー☆テキストとシャンソン☆』

  • 2010/08/06(金)@下北沢440
w / 麓健一 / シャムキャッツ / 竹内道宏
※『text』持参もしくは当日購入でチケット千円オフ 終演後、サイン会あり
  • 2010/08/07(土)@新宿LOFT
  • 2010/08/14(土)@静岡Freaky Show
  • 2010/08/22(日)@新宿Motion
  • 2010/08/22(日)@渋谷HOME
  • 2010/08/28(土)@名古屋KDハポン
  • 2010/08/29(日)@大阪ハードレイン
  • 2010/09/11(土)@宇都宮KENT
  • 2010/09/18(土)@新代田FEVER

o

 
 

"freedl"の最新アーカイヴ

【新曲追加】演者と観客がひとつのバンドになった「街」で起こる大合唱『清 竜人 TOWN』
[FREEDL]・2016年12月05日・演者と観客がひとつのバンドになった「街」で起こる大合唱『清 竜人 TOWN』 2016年12月5日に発表された、清 竜人の新プロジェクト『TOWN』。演者と観客との境界線をなくし、ひとつのバンド『TOWN』として一緒に歌い、演奏し、作品を残すことをコンセプトに発表された曲はOTOTOYからフリー・ダウンロードが可能です。 『TOWN』楽曲 ※ダウンロードはOTOTOYの無料会員登録が必要です。※ダウンロードはPCからのみです。※PCからのダウンロードには歌詞pdfが同梱、OTOTOYアプリでお聴きの場合は、プレゼントボックスのアイコンをクリックすると歌詞が表示されます。(一部歌詞なし楽曲もあります)>>OTOTOYアプリとは 5月22日『清 竜人 TOWN Vol.5』PHOTO 4月10日『清 竜人 TOWN Vol.4』PHOTO 3月13日『清 竜人 TOWN Vol.3』PHOTO 2月20日『清 竜人 TOWN Vol.2』PHOTO 2月2日『清 竜人 TOWN Vol.1』REPORT 今まで見たこともないようなエンターテインメントが現れた。その名は「清 竜人 TOWN」
大阪から届いた強烈な宅録プロジェクト、音に敏感!! 8作一斉配信&1曲フリーDL
[FREEDL]・2014年01月16日・大阪から届いた強烈な宅録プロジェクト、音に敏感!! 8作一斉配信&1曲フリーDL まわりの意見に流されることなく、自分のやりたいことをダイレクトに楽曲に活かし、「さあ、どうだ!!」と迫ってくるアーティストに出会う機会が減った気がする。もちろん名前のあるミュージシャンや、ベテラン・ミュージシャンなどでそういう人はいるけれど、まだ無名ながら前のめりな勢いでやってくる人は多くない。少なくとも、2年近くOTOTOYに来る個人からの配信希望の担当をしている身としては、そう感じることが増えた。 そんななか、「これが自分のすべてなんだ!!」という強い主張を感じるアーティストが久しぶりにやってきた。それが西中島きなこによるソロ・プロジェクト、音に敏感だ。本来なら1月中旬にシングルとミニ・アルバム2作品を配信するはずだったのだが、年末にかけて音源が大量に届き、あれよあれよと8作品ものタイトルが配信スタート。大晦日、そして正月から配信スタートしてほしいと、一刻も早く自分の作品を公表したいという強い想いが伝わってきた。そんな音に敏感の楽曲は、西中島一人の手によって宅録で打ち込み主体で制作されている。訊けば、彼が作る楽曲、そして
by 西澤 裕郎
LOOLOWNINGEN & THE FAR EAST IDIOTSが生み出す唯一無二のオルタナティヴ・ブルーズ、1stアルバム配信&1曲フリーダウンロード
[FREEDL]・2016年11月02日・これは「バトルス × ダーティー・プロジェクターズ meets 坂本慎太郎」?──LOOLOWNINGEN & THE FAR EAST IDIOTS初アルバム配信 マヒルノ、MUSIC FROM THE MARS、school food punishmentの元メンバーというツワモノどもが集まったトリオ、LOOLOWNINGEN & THE FAR EAST IDIOTS(ルロウニンゲン・アンド・ザ・ファー・イースト・イディオッツ)の1stアルバムがリリースされた。「水墨画のような」「一筆書きのような」と形容される楽曲を、休符や空耳まで駆使したアンサンブルで鳴らす、唯一無二のオルタナティヴ・ブルーズ。東京アンダーグラウンド・シーンの未踏峰へ辿り着いたと言える作品を、OTOTOYではハイレゾ配信! さらに1曲、「バグとデバッグ(Bug And Debug)」を期間限定無料配信でお届けする。 期間限定フリーダウンロード「バグとデバッグ(Bug And Debug)」 LOOLOWNINGEN & THE FAR EAST IDIOTS / CREOLES'【Track List】01. 未踏峰(We Cl
京都のスーパーノアのギター&ヴォーカル、井戸健人のソロ・プロジェクト「イツキライカ」より1stフル・アルバム配信
[FREEDL]・2016年11月01日・関西の音楽家たちと紡いだまばゆいフォーキー・サウンド──イツキライカ、初フル・アルバム配信 スーパーノアのギター/ヴォーカルとしても活動する井戸健人によるソロ・ユニット、イツキライカ。2012年のミニ・アルバム『ピンホール透過光』以降、4年ぶりとなる本作は、自身のバンド、スーパーノアのメンバーをはじめ、LLamaやBaa Baa Blacksheeps、白黒ミドリ、サルバ通りなど同じく関西を拠点とするメンバーを迎えて、まばゆいばかりのギター・アンサンブルと歌声のハーモニーで街の情景を描いた11編の楽曲を収録。アルバム配信と共に、そのなかから2曲目の「Kind of Lou」を期間限定フリーダウンロードでお届けする。 スーパーノアがポスト・ロック的なアプローチで刹那さを感じさせる音楽であるのに対し、イツキライカはコラージュでつくりあげたような音像であり牧歌的だ。イツキライカとして音楽を生み出すこと、その意識の違いや制作過程について井戸健人に話を聞いた。期間限定フリーダウンロード「Kind of Lou」 イツキライカ / Kind of Blue'【Track List】01. おきざりの庭で02. Ki
【期間限定6曲フリーDL】8度目のアメリカ・ツアーに渡ったELEKIBASS、約2年半ぶりの新作先行配信&インタヴュー
[FREEDL]・2016年10月25日・音楽と純粋に向き合うとはどういうことか──ELEKIBASS、新アルバム先行&6曲フリーDL サカモトヨウイチとカメダジュンペイ”JP”によるポップ・デュオ、ELEKIBASSが11月9日にリリースするニュー・アルバム『Theme of Melancholic Matilda』の先行配信をスタートした。かねてから強い海外志向を持ち、オブ・モントリオールとの交流も深く2015年までに7度のアメリカ・ツアーを重ねてきた彼らであるが、今年2016年の8月に再びアメリカへ。ジョージア州アセンズで開催されたインディポップ・ミュージックのフェスティバル〈Athens Popfest〉にディアフーフやエルフ・パワー、ダニエル・ジョンストンらとともに出演してきたのである。 そのアメリカへ提げていくために作られたのが今回のアルバムだというが、なんとおもしろいことに収録楽曲は幕間の楽曲を除きすべて2012年にレコーディングを終えていたらしい。なぜこの4年間楽曲を眠らせ、そしていまアルバムのリリースに至ったのか。そこにはごく簡単で、しかしELEKIBASSの核ともいえる理由が眠っていた。OTOTOYではアルバムのなかから計6曲
【期間限定フリーDL】スウェーデンのポップ職人デュオ、MARCHING BANDより3年ぶりの新アルバム、ハイレゾ配信
[FREEDL]・2016年10月07日・MARCHING BAND祝来日! ゆーきゃんが案内する傑作4thアルバム『So Much Imagine』 MARCHING BANDの前作『So Much Imagine』は、2人だけで制作された全21曲、70分超の濃厚なポップ・アルバムだった。みんなが口をそろえて言った「魔法がかったメロディー、繊細なアレンジ、果てしない多幸感」。そして2014年の奇跡的な来日公演は、とにかく“from Sweden, via US-INDIE, to everywhere”。夢の国で生まれたような彼らのサウンドを聴いた者は、決まって恋に落ちたのだ。 そんな彼らの新作は「温かく迎えてくれた日本のファンへの恩返しでもあり、12年にも及ぶ彼らの音楽活動の、集大成とも言える作品」でもあるらしい。 これまでにカーディガンズやクラウドベリー・ジャムなどの作品を生んだスウェディッシュ・ポップの聖地である〈タンバリン・スタジオ〉でレコーディングされ、曲ごとに異なる7人のミキサー(驚くべきことに、そこにはWATER WATER CAMELの田辺玄も名を連ねている)を起用したというこの『Heart Jewel』は、一聴して『So Mu
伊豆のバンド、ヤングの『ニューパーク』配信開始! 歌いだす楽曲で全国のフロアをステップさせる!!
[FREEDL]・2013年08月29日・ 豊かな自然と海、そしてちょっとヘンテコな博物館が多い静岡県・伊豆。そんな伊豆で生まれ、「かわいい女の子スタジオ」というこれまたちょっと不思議な名前のスタジオを拠点とするロック・バンドがいる。その名はヤング。昨年まで乍東十四雄(さとうとしお)という名で活動していた5人組ロック・バンドである。SEBASTIAN X、フジロッ久(仮)、シャム・キャッツらと肩を並べ、ライブ・ハウス「南池袋ミュージック・オルグ」などを中心とする東京インディ・シーンの中で活躍してきた。2008年にはフジロックの新人ステージ「ルーキー・ア・ゴーゴー」への出演も果たしている。そして今回、ヤング改名後初となるアルバム『ニューパーク』をリリース! >>「ももいろダンス」のフリー・ダウンロードはこちら ヤング / ニューパーク'【配信価格】WAV、mp3ともに 単曲 200円 / アルバム購入 1,600円【Track List】''01. ももいろダンス / 02. やってみようよ / 03. Day to Day / 04. レストラン / 05. タイム / 06. ムーンのライト / 07. 国語と天丼 / 08. パーク ヤングのサ
by 梶原 綾乃
JariBu Afrobeat Arkestra『AfroSoundSystem』text by 渡辺裕也
[FREEDL]・2009年07月31日・ フェラ・クティの魂はここにもある フェラ・クティが自身の作り上げた音楽を「アフロビート」と名付けてから40年以上、そのフェラが亡くなって10年以上の月日が経った今でもなお、アフロビートは世界中で支持され、受け継がれてきている。 先日のフジ・ロック・フェスティバルでは、フェラの実子シェウン・クティが父のバンドであるエジプト80を率いて来日公演を果たした。そしてフェラと並ぶアフロビートの第一人者トニー・アレンも今年新作を発表したばかりだ。彼らのようなフェラと直接的な関係で結ばれた者がアフロビートを現在まで引率しているのは確かな一方で、この音楽に魅了される若い世代のミュージシャンは、欧米そして日本でも後を絶たない。アフロビートのルーツを辿ると、どうしてもポリティカルな側面を避ける事は出来ないし、そこには苦い歴史も少なからずあるのだが、それ以上にこの音楽には他にはない享楽性、自由度の高さがある。フェラの意志はそのサウンドに宿る事で未だ求心力を保っているのだ。ジャリブ・アフロビート・アーケストラが演奏するのも、その名に冠している通りアフロビートだが、彼らはこのハイブリット・ミュージックを方法論として用いるのではなく
by 渡辺 裕也
筆者について
滝沢 時朗 (滝沢 時朗)

1982年東京生まれ。twitter ID:@sarigenaginger

同じ筆者による他の記事