カール・ハイドがオーガニックかつ、壮大な音楽作品をリリース!
アンダーワールドのイメージを変える一枚
KARL HYDE / Edgeland
アンダーワールドのカール・ハイドが、ソロ・デビュー・アルバム『エッジランド』をリリース。ダンス・ミュージックの枠から解き放たれることで、より鮮明になったカール・ハイドのアート性と詩の世界、そしてなにより「強く感情に突き刺さってくるままに歌った」というヴォーカルが前面に押し出された傑作であり、カール・ハイドのソロ作品でありながら、誰もが知る“アンダーワールドの知られざる魅力=隠れたアンダーワールドの姿”を明らかにする重要作品となっている。
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mp3 : 単曲 200円 / アルバム 1,500円
WAV : 単曲 250円 / アルバム 2,000円
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Underworld / Live from The Roundhouse
2011年9月に発売されたアルバム『バーキング』は、オリコン洋楽アルバム・チャートで2週連続1位を記録。本作はアルバム発売前にロンドンで行われたiTunes Festivalの模様を収録したライヴ盤。「オールウェイズ・ラヴド・ア・フィルム」、「ボーン・スリッピー」など全6曲、現在ベストの内容といえる収録曲です。
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mp3 : 単曲 200円 / アルバム 900円
まるで一つの小説を読んでるかのよう
90年代以降、「Rez」「Born Slippy(Nuxx)」といったクラヴ・アンセムを世に放ち、世界のダンス・ミュージック・シーンを率引してきたアンダーワールド。そのフロントマンであるカール・ハイドが、キャリア初となるソロ・デビュー作『Edgeland』をリリースした。彼のイメージを覆す、全く新しい表現方法で作り上げた本作は、アンビエントとロックが融合した、繊細で美しく、壮大なスケールの音世界だった。ブライアン・イーノとの即興ライヴ・プロジェクト「Pure Scenius」がきっかけとなり、そこで出会った、ギタリストのレオ・アブラハムスと共に制作された本作だが、聴いてみて、まず誰もが驚かされるのが、その音楽性の変化だろう。息をのむような、ピアノの美しい旋律とアンビエント・タッチなリズムから始まる1曲目「The Night Slip us Smiling Underneath it's Dress」。カール・ハイドの物鬱げな歌と共に、序所に大きくなるスケール、まるで一つの小説を読んでるかのような感動的な一曲だ。
アンダーワールドのアップ・テンポなダンス・トラックとは全く対極な、コールドプレイやシガーロスを思わせる、穏やかなアンビエント的なサウンドに、賛美歌にも似た、壮大な歌をメインにしたヴォーカル・アルバムとなっている。アンダーワールドでもヴォーカルを担っていたカール・ハイドだが、今回のそれは全く別物。時に優しく語りかけるように、時にエモーショナルに声を高げて、伸び伸びと歌う彼の声は、我々の耳を奪い、深く心に突き刺さる。ダンス・ミュージックという枠から抜け出し、リズム主体の音楽からヴォーカルにフォーカスを当てることにより、彼のアーティスティックな面や世界観がより一層引き出されている。情景が浮かぶような壮大なスケールのトラックは、映画音楽、ロンドン五輪開会式の音楽監督など、音風景の音楽制作をやってきた経験が活かされているのだろう。
デビューして25年、ついに自らの内に秘められた感情を曝け出した、カール・ハイド。長い年月をかけて、積み上げてきたものを破壊し、新しいことに挑戦することはとてつもないエネルギーが必要なのだ。アンダーワールドとして巨大な成功している彼にとって、それは普通の人と比べられないものだっただろう。それをやってのけた今作はまさに賞賛に値する。そして何より、今作を通じて、これからの活動にさらなる期待を持たせてくれた。アンダーワールド=カール・ハイドに注目するのはまさに今!! (Text by 吉野敬一郎)
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PROFILE
Karl Hyde
アンダーワールドの主要メンバーであることはもちろん、アート集団TOMATOの創設メンバーとしても知られ、ブライアン・イーノ主導で進められた『Pure Scenius』プロジェクトにも参加。さらに2010年にラフォーレ・ミュージアム原宿で個展を開くなど画家としても知られ、写真家や文筆家、セッション・ギタリストとしての一面を持つ。彼自身初となるソロ・アルバム『エッジランド』は、レオ・アブラハムスとの共同プロデュースという形で、ここ一年に渡り制作・レコーディングされた。本作品は、デラックス・エディション(CD/DVD)、通常盤CD、LP、デジタルのフォーマットでリリースされ、国内盤の通常盤にはボーナス・トラック2曲、デラックス・エディションにはさらに4曲が追加収録され、約50分の映像作品(日本語字幕付き)を収めたDVDが付属される。ブライアン・イーノ主導で進められた『Pure Scenius』プロジェクトを通し、レオ・アブラハムスと仕事を共にしたカール・ハイドは、本作『Edgeland』で再びレオとコラボレートし、アンダーワールド作品に比べ、よりオーガニックで、壮大な音楽作品を完成させた。このアルバムの歌詞とコンセプトは、都市の奥地や隠れた街角にインスパイアされているという。「20年以上もの間に、都市の風景に対する僕の興味はどんどん大きくなっていった」とカール・ハイドは説明する。「減衰していくことの美しさ、タイヤの痕、雑に描かれたグラフィティ、工場の喧噪、漏れ聞こえる会話、流行するカフェ、眠らないドライバーが運転する車の後部座席に身を沈め街を走る夜。『Edgelands』とは、田舎と街が交差する場所であり、みすぼらしいポニーが人工的に増殖された草原の草を食べ、空気が汚染された場所... 僕の旅を形作ってくれた人々のストーリーと彼らの個性を祝福するものだ」。