ファースト・アルバムのレコーディングを機にバンド編成でのライヴ活動を本格化し、現在は総勢9名の大所帯バンドとして活動するoono yuuki。前作『stars in video game』同様、GOK SOUNDの近藤祥昭氏をエンジニアに迎え、2ndアルバムを完成させました!! トランペットやスチールパン、ユーフォニウムなどが新たに加わった今作は、数多くの楽器を大部屋で同時に録音することで、個々の音が混然一体となって一つの大きなうねりを感じさせるものに仕上がっています。「現代音楽からパンクに、ニューウェーブからちんどんに橋を架け、なおかつそれを甲子園のアルプススタンドで演奏する」 といった言葉が矛盾せずに同居した、若き才能たちによる感受性溢れるサウンドをぜひお楽しみください!!


oono yuuki / TEMPESTAS

「現代音楽からパンクに、ニューウェーブからちんどんに橋を架け、なおかつそれを甲子園のアルプススタンドで演奏する」 そんなイメージが形になったという、oono yuukiによる待望の2ndアルバム『TEMPESTAS』が完成!!

【価格】
単曲 : 200円 / まとめ購入 : 1,650円

1. lotus / 2. fuga / 3. 弓を放つ / 4. sahara / 5. 静かな朝 / 6. 夜の光 / 7. farewell / 8. 8bit parade / 9. 鳥と嵐

oono yuuki INTERVIEW

ソロでのフォーキーな弾き語りと、ユーフォニウムやチェロ、フルートといった楽器がハードコアなドラミングに乗るロック・グループという、二つの顔を併せ持ちつつも、どちらにも一貫した世界観を感じさせるoono yuuki。前作『stars in video game』から2年3ヶ月ぶりのニュー・アルバムは、mmmやAlfred Beach Sandal、MC.sirafuなど各々活躍するSSWやプレイヤーを多数迎えながらも、それらの個性は彼の元で一つの束となり、東京の地を遥かに離れたどこでもない国へ私たちを連れて行ってくれる。

今回のインタビューは新作の話題を中心に、曲の製作過程について、さらには彼がどのように音楽と向き合っているかまでを探るものとなった。決して多弁ではない彼の言葉の端々から、「縛られたくない」「抗いたい」という彼の軸となる精神と、音楽家としての純粋な探究心を感じてもらえればと思う。

インタビュー & 文 : 柳川春香

壊したいっていうか、抗いたいですね

——前作から2年3ヶ月空きましたが、その間にoono yuukiさん自身も、バンドのメンバーについても、それぞれ活動が増えたり知名度が上がったりなどの変化があったかと思います。そういうものがバンドに変化を与えたりはしましたか?

それは感じていないです。みんなライヴが増えて予定が合わないなって、単純にそれぐらいで。バンドとしては、ライヴが増えて、練習とか曲作りで時間を過ごすことが増えたから、お互い緊張は解けたというか。この人はこういう感じなのかというのがお互い分かって来たんじゃないですかね。

——現在の編成からは楽団のような印象を受けますが、大野さん自身はもともと楽団形式での演奏経験はあるのでしょうか。

まったくないです。クラシックのオーケストラはあんまり好きになったことがないですね。クラシック楽器で大所帯でやってるんだったら、現代音楽のほうが好きです。

——では、今編成に含まれるような楽器を取り入れようと思ったのは?

それはたまたまその人がその楽器をやってたっていうのが大きいですね。音色も好きなのと、両方です。全然大所帯バンドをやりたいとは思ってなかったですし、今でもあんまり思ってないかもしれないです。

——曲作りにおいて、大野さんの裁量はどれくらいなんでしょうか。

任せるところもありますし、そうじゃないっていうのも結構言いますし。絶対やりたくないことはやりたくないんで、やりたくない方向へ行かないように、ふんわりと誘導する感じですね。強制にならないように。自由度は高いと思います。高すぎてみんな難しい部分もあると思います。言った通りになっても面白くないので、伝えたときにそれが間違って伝わったりして、ちょっと変わった感じになっても、それがよければいいですし。

——伝えるというのは具体的な音で? それともイメージを伝えるような感じなんですか。

イメージはあんまり言わないですね。具体的にこの音とか、どこを押さえるかとか、どこを叩くとか、そういう物理的なことです。

——曲を作る際も、表現したいイメージのようなものがあるというよりは、具体的に「こういう音にしたい」というものがあると。

イメージもありますけど、イメージとか言葉で進めていくと、おかしなことになっていくし、すごく危険だと思っていて。僕らがやることっていうと、いつどこを叩くとか、どこを押さえてとか、そういうことの積み重ねなんで。景色とかが見えたらロマンチックですけど、まったくそういうことはない。受け手の方がイメージを持ってくれるのは全然良いと思うんです。けど、どこを叩くかとかどういうコードを弾くとかどういうリズムにするかとか、そういう現場のことをちゃんとやらないと、弱いものができると思ってます。

——今作のタイトルの『TEMPESTAS』は、ラテン語で”嵐”という意味ですよね。

“天候”だったり、”大きい嵐”だったり。「天気」っていうと日本では、”天候”という意味と、晴れてる日のことも「天気」ですよね。ラテン語だと、”天候”と”嵐”が同じ単語というのが、おもしろいと思って。録り終わって2か月くらい経ってから付けました。

——前作を踏まえて、今作ではこういう風にしたいというのはありましたか。

小難しい、アンサンブルとかは敢えてあんまりやらずに、束になって、同じ旋律を全員でなぞって、どの楽器の音色かよくわかんないっていうものにしたかったです。どの楽器がどの音を出しているかというような、楽器と音色の関係も、壊れていいと思ってましたね。

——壊したいという思いがある?

壊したいっていうか、抗いたいですね。誰が決めたんだっていう。なんかもうちょっと疑問を持ってもいいんじゃないかと思います。限定されたりするのが、根がそういうのがすごく嫌なんですね。まっぴらって思っちゃう。

間違って何かが生まれても面白いと思います

——今作について、『架空の街の祭りで鳴らされる音楽』という表現をされているようですが。

架空の町っていうよりも、場所性とかそういうものを、連想させないほうがいいかなと。たとえば、ジャマイカの人しかレゲエができないだとか、この国ではこの音楽とか、そういうしきたりとかがあると思うんです。楽器も元々は特定の音楽を演奏するために作られたものであったり。そういう作法とかエチケットとかが多分音楽にあって、それに抗いたいんです。あとは、音楽がジャンルになっていく上で、余分な部分がいっぱい省かれちゃっていて、そこで無視されてるものが好きというか。だから、仕方なく架空って言ってるのかもしれないですね。これだって決めつけられたくない。ひねくれてるんです。

——歌のある曲とない曲と、両方が並列されているのも特徴的ですよね。

インストでも歌があってもどっちでもいいんです。インストの曲も歌のようなつもりで作っているし。単純に、インストだけだと疲れちゃいます、僕は。歌うのは好きですよ。

——では、好きな歌い手や、影響を受けた音楽は?

日本人の歌い手では、友部正人さんとか。あとはジャクソン・ブラウンとか好きですね。影響はいろいろ受けてると思いますけど、30年代、40年代のアメリカの、ジャイヴとか、ドゥワップとか、ジャンプとか、そういう音楽が好きです。

——音源とライヴとは別物という意識で、音作りなどはされていますか?

まあ、ライヴで同じことをやろうとしても、物理的に無理ですよね。ミキシングというのは嘘ですから、レベルもああいう感じにはならないですし。かといって、ライヴを観た後に音源を聴いて、静かな感じになるのも嫌だったので、その間ですかね。作り込んでいる音源と、ライヴでしか出来ない荒いものの、その間。どっちつかずな印象かもしれないですけど、そこにもう一個、可能性を探している感じです。

——前作はもっとおとなしい印象でしたもんね。

そう言われるんですが、僕はそれが本当に意外で。というのは、前のアルバムを自分では爆音で聴いてたんで。前作も、今作みたいな音のイメージでやってました。なので、やり方を間違えたというか、もっと極端にやらなきゃ伝わらないんだなと思いました。

——oonoさんの音楽は、いろいろなマナーやルールからは外れつつも、結果としてはすごく間口の広いものになっていると思いますが、意識してポップなものを作ろうとしているのでしょうか。

こまごまとした細工は施してますけど、小難しくはなりたくないというのがすごくありますね。高尚なことを考えて難しいことをやっても、言葉で説明されないと聴き手は分からないですし。あんまり聴き手を差別したくないですね。あとは、少し話が逸れますが、自分の考えをあまり信用していないというか。自分の考えていることがあまねく受け入れられるものではないと思いますし、善悪とか白黒とかそういう二個だけというのがすごく嫌いなんです。

——音楽をやっている人には、それで食べていこうとする人や、自分の作りたいものを作ることにこだわる人など、いろんな目的があると思うんですが、大野さんが音楽をやっているモチベーションというのはどんなところにあるんですか?

そのどっちか、というよりは、その間に無数にあると思うんです。やる以上、お金は稼がないと続かないですし、全員がそれで食っていくとなると、何百万も稼がなきゃならない。かといって、週末に仲間内で、誰にも聴かれなくても音楽を続けられればいいや、っていうのでもないですし。ビッグになりたいというのはないですが、海外の人にも聴いてもらいたい。中途半端に取られると思うんですけど、その間にも絶対に何かしら選択肢はあると思うんですよ。そういう人がこれからどんどん増えていくと思います。

——では、音楽を作り続ける創作意欲はどこから来るのでしょうか。

単純に、楽器を触って弦を押さえてっていう、弾く行為が快感なんだと思います。それをいろんな人とやって、予期しないことがその場で起きるのが、すごく好きなんです、きっと。だからアルバムが一つできちゃうと、それは形として見えちゃって、大体こういうものかって自分で見えちゃうので。まだよくわからないものができる瞬間がある限り、続けていくと思います。エラーでもなんでもいいんで。間違って何かが生まれても、面白いと思います。

LIVE SUCHEDULE

2012年7月15日(日)@つくばロックフェス GFB'12

oono yuuki TEMPESTAS TOUR 2012
2012年8月10日(金)@渋谷O-nest
開場/開演:19:00/20:00
料金:前売り 2,000円/当日 2,500円(ドリンク別)
※oono yuuki ワンマン・ライヴ

2012年9月15日(土)@名古屋 Vio
2012年9月16日(日)@京都 UrBANGUILD
2012年9月17日(月・祝)@難波 BEARS
2012年11月3日(土)@仙台 TBA

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Alfred Beach Sandal / One Day Calypso

カリブ海のキャプテン・ビーフハート? 「Alfred Beach Sandal」=北里彰久のソロ・プロジェクト。ライヴ会場と一部店舗限定の発売ながら好セールスを記録した自主音源『Alfred Beach Sandal』に続くファースト・アルバム。ガットギターでつま弾かれるブルージーなポップソング集。ファンク、ソウル、アフリカ、カリブ、ラテンなど“肌の色の濃いめの音楽”へのフェティッシュな愛情と、歌ものと朗読の合間を自由に行き来するポエジーなボーカル、そして、日本、アメリカ、メキシコ、エトセトラ……異国の、実在する、誰かの生活を俯瞰したかのような、大胆なストーリーテリングで綴られた全10曲を収録している。

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PROFILE

oono yuuki

高知県宿毛生まれの大野悠紀のアーティスト名であり、同時に大野を中心とするバンド編成ロック・グループ。にせんねんもんだいが主宰する”美人レコード”よりリリースしていた諸CD-R作品はoono yuuki名義だが、ソロでの宅録作品が中心となっている。2010年4月にリリースした初のCDアルバム作品『stars in video game』のレコーディングを機に、徐々にバンド体制での活動を本格化。数回のメンバー・チェンジを経て現在はトータル9名の大所帯バンドとして活動している。2012年7月現在のメンバーはoono yuuki(Gt,Vo)、たかはしようせい(Drums)、フジワラサトシ(Gt)、mmm(Flute)、ナガヤマタカオ(Cello)、 Alfred Beach Sandal(Key)、新間功人(Bass)、アシダユウト(Euphonium)、MC. sirafu(Steelpan,Trumpet,Mandolin)。これまでに、nest festival、つくばロック・フェス、TOIRO TOIROCK FES、スキマアワー、プチ・ロック・フェスティバル等のフェスイべントにも出演している。

>>oono yuuki official HP

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