苗場の感動をお届け!!ーーOTOTOYフジロック・対談レポート2016

Masanori Naruse

今年もフジロックはたくさんの感動を残しました! 開催20回目という記念すべき節目でもあり、例年以上に国内外豪華なラインナップで音楽好きにはたまらない3日間! そんな3日間の感動を毎年おなじみ、OTOTOYのフジロック・レポートでお届けします。今年はいつも安定のフジ・ロッカーなライター、渡辺裕也と、フジロックは2000年以来、16年ぶりの編集部河村が逆にフジ新人気分でレポート。対談形式でお届け!! 苗場に戻りたい… と余韻に浸っている方も行きたかったけど行けなかったという方も苗場のアツイ感動をこのレポートで振り返り、体感してください!

レポート対談 : 渡辺裕也 × 河村祐介
写真 : 雨宮透貴


FUJI ROCK FESTIVAL '16
2016年7月22日(金)、23日(土)、24日(日) @新潟県 湯沢町 苗場スキー場
開場 / 開演 9:00 / 11:00
出演 国内外約200アーティスト
詳細 http://www.fujirockfestival.com/ (オフィシャル・サイト)



1日目 : とにかくたくさん観てなんぼ

渡辺 : 珍しいですよね。そもそもフェスとか嫌いだったんじゃ?

河村 : いや、そういうわけでもなくて。しかも今年はほら連載しているD.A.N.も出るし、電気のクロージングとか、カマシとかみたいしさ、ほら… ブツブツ。

渡辺 : しかも、めちゃくちゃ楽しそうだったし。

河村 : はい、そりゃもう(満面の笑顔で)。3日間行って、多分、観てるものとか視点も違うと思うので今回はよろしくお願いします。わりとなべちゃんが、ロック方面、河村がクラブ周辺とジャズとかワールドとかフジならではの感じとかも含めてね。まずは1日目、到着時間の関係でボアダムスは残念だから見れなかったんだけど。まずはホワイトのKOHHでスタート。あれは確かに人気がでるのわかるっていうか。

KOHH

渡辺 : 僕はもう、ひたすらカルチャー・ショックうけてましたよ。出囃子がニルヴァーナの“Rape Me”だったり、3本線ジャージにジャケットを合わせるセンスだったり。

河村 : 日本語ラップに関しては門外漢だけど、いわゆるサグって感じよりももうちょっと情緒というか…、 エネルギーはあるんだけど、でももっと死の匂いがするっていうか。

渡辺 : うんうん。地元の友達をステージに引っ張りだしてきたときは笑っちゃいましたけど、同時に彼の活動はいま海外に向かってるわけで。ぶっ飛んでるようですべて理性的にやってる感じがまたかっこよかった。

河村 : でも、あの地元をひっぱりこむのがいいんですよ。で、この後、俺はホワイトでそのまま、最高の天気の下で俺はSuchmos観て、最高にビールうまい感じになってたんだけど。こうあの手のファンクの感じがインディ・ロック系のリスナーに受け入れられている感じとか素直に楽しいよね。

渡辺 : 僕はその頃にJAKE BUGG見てました。このひとまだ20歳そこそこなんですけど、もう貫禄たっぷりでしたね。気の利いたMCとかもなく、コンボ・スタイルでひたすら演奏していくのみっていう。あの無骨な感じがすごくよかった。

河村 : もともとキャラ的にも硬派な実力派つうかさ、そういうタイプのアーティストがゴリゴリでかいステージでやってるのいいよね。で、あとコートニー・バーネットもみたんでしょ?

渡辺 : 見ました見ました。これまた3ピース編成のシンプルなステージングでかっこよかったです。お客さんもレッド・マーキー後方までびっしりで、すっかり大人気でしたね、彼女。

Suchmos

河村 : で、俺はそのままSchmosの後、The Internetまでホワイト・ステージで、ひさびさに会う友だちと結構あってて。ちょうとで年齢的に子育ての一番大変な時期終わってきてる同世代(30代後半~40代前半)が結構来てた印象、会場的にもそうかな。その辺が中心だけど、でも老若男女あらゆる人がいたっていう印象。それにしても忍者のような移動だね、なべちゃんは。

渡辺 : フジロックに来たら、とにかくたくさん見てなんぼですから。ジ・インターネット、どうでした? あのバンドって、アルバムだとアンビエントなやわらかい音像なんだけど、ライヴはもう若さ全開というか、わりとラウドじゃないですか。そこをどう受け取るかで評価が分かれそうだなーとは思ったんだけど。

河村 : あ、そう? 俺はライヴっていう感じで割り切ってたからおもしろかった。これもまた基本的にR&Bというよりもファンクっていうかさ。キーボードのジャミール・ブルーナーのキャラ立ちのPファンク感とか結構好きだった。なんとなく、あのアンビエントな感じでライヴっていうのは逆にどうかなーっていう感じがあって。むしろ作品は線が細いからこそ、ライヴは楽しめた。この後は、ちょっと荷物の整理して、リー・ペリーとジェイムス・ブレイクで悩んで、ペリー御大は結構みているのでジェイムス・ブレイクへ。

The Internet

渡辺 : ジェイムス・ブレイクのライヴって、とにかく低音の出方がハンパないじゃないですか。それこそ室内の会場だと、ズボンの裾までビリビリくるような感じだから、果たしてあの音を野外でも体感できるかなーと思ってたんだけど、これがもうバッチリで。

河村 : グリーンの前、低音の海って感じだったよね。しかしアレだけの規模であの音響っていうのは本当フジすごいなって思うよね。ベース・ミュージック出身のジェームス・ブレイクのベースの出音って、いわゆるロック系の出音ともちょっと違うと思うんだけど、ものすごい出てた。一応、初来日から、2年ごとぐらいに見ているアーティストだけど、とにかく貫禄がすごくなった。サウンド的にはベース+シンガーっていう前人未踏の領域っていうか。しかも軸足はいま後者にあるでしょ。そこも含めてグリーンで聴き入らせる感じはすごいなと。でも初期の「CMYK」あたりのトラックメイカーとしての彼の才能も、作品もそうだけどライヴとかでもっとみたいなーと。

渡辺 : で、そのあとすぐホワイトに移動して、FLIGHT FACILITIES→DISCLOSURE。初日はここからクラブ・ミュージック的な音を楽しみつつ、そのまま深夜帯に突入っていう流れでした。

Sigur Rós

河村 : その裏のSIGUR RÓSを観た人は、みんな映像にやられたって言ってたね。そしてD.A.N.ですよ。はじめの曲とか、かなり緊張している感じが出てたけど(笑)。それでもレッドマーキーって5000人くらい入るらしくて、それで8割ぐらいは埋まってからね。すごいもんですよ。てか最近ライヴでやってる「SSW」って曲がすごく良くてさ。海外勢とならんで日本有数のステージでやっているという。

渡辺 : D.A.N.は僕もちょっと感動しちゃいましたね。ディスクロージャーを見た直後、しかもそのあとに控えていたのがMURA MASA→SOPHIEだったのもあって、現行のクラブ・ミュージックとの同時代性を改めてつよく感じたし、やっぱり世界標準のバンドだなと。

D.A.N.

河村 : 彼らが目指している部分、音楽性に関してもあのレッドマーキーの出演位置はばっちりだったしね。彼らは3日間、会場のいたるところで楽しんでいるところに遭遇しました。てか、ライヴがどんどん彼らよくなってる。で、このあと、ルーキーのヤイエルとかも見たかったんだけど、吸い寄せられるようにテクノおじさんは、Café de ParisのオールナイトフジでKEN ISHII、DJ NOBUを求めて黙々とボードウォークを歩いて…… ずっぽりテクノを浴びて…… というのが1日目。

渡辺 : おじさん、初日からすっかり満喫してますな。

2日目 : 国内インディ・ファンに見てもらいたいバンドがたくさん

河村 : 2日目は直前にきたアレックス・パターソンのインタヴューが午後の遅い時間に控えてて、しかも音が直前にきたもんだから、あんまり動けなかったんですよ。昼飯がてらにゲート外のエリアとかグリーン周辺とか、ぐるっと回って帰ってきただけって感じで。それにしてもさすがに16年ぶりに行くと、その規模に驚くばかりというか、すっかり浦島気分。

渡辺 : じつは現地でもちゃんと働いてたのか…。てことは、MARK ERNESTUS' NDAGGA RHYTHM FORCEは見てないんですね。河村さん的にはあれ、絶対に見逃しちゃいけないやつだったんでは?


Mark Ernestus’ NDAGGA RHYTHM FORCE / Bamba live at Global 2014

河村 : そう、でもそうなることわかってたら、3日目一発目のグリーンでっていうのはずっとあって。マークは、ダブ・テクノのオリジネイターだからね。モーリッツ・フォン・オズワルドの元右腕だし。3日目に見れると思ってここはぐっと我慢してたよ。友人によるとDAY DREAMINGでのDJ NOBUのハウス・セットがすばらしかったらしいんだけどそれも見逃して。あとは前夜祭で評判よかったコン・ブリオとか、ザ・ヘヴィーなんかも見れなかったけど、会場であった知り合いに良い噂を聴くよね。両方とも、ファンクとかR&Bのバンドものという感じなんだけど、そこに今年は風が吹いてたのかなぁと。ceroとかSuchmosのおかげでやっぱりその辺は聴かれ方が変わったのかなとも。

渡辺 : うん。国内インディをメインで聞いている人にこそ見てほしいバンドが、今年はたくさん出てましたよね。で、話はまた変わるんですけど。今年は開催前にちょっとした炎上騒動があったじゃないですか。あの「フジロックに政治を持ち込むな」ってやつ。で、なんだかなーとは思いつつ、やっぱり気がかりではあったんですよ。奥田愛基さんが出演する〈アトミック・カフェ・トーク〉。あのイヴェント自体は、以前から「反核・脱原発」をテーマに行われてきたもので、奥田さん達のトークもわりと和やかに進んでいったんですけど、途中で外野のひとが乱入しちゃって。さすがにそこは津田さんがうまく捌いてましたけど、一時ちょっと騒然としちゃってましたね。そういや、送迎バス乗り場のあたりで「音楽に政治を持ち込むのに賛成ですか」みたいなくだらないアンケートやってるおっさんもいたらしいし、今年はフジロックの場でもいろんなものが可視化された感じがして。

河村 : ああ、なんかSuchmosのときもだいぶ後ろの方だけど、ちらちら国旗掲げてる人がいて、それってそっち方面なのかな。海外のフェスだと結構側がいろいろたなびいてる印象もあるけど、なんかなぁと。違和感の方がでかかったつうか。

渡辺 : それ俺もみたわ。気をとりなおして。WILCO、すごかったです。未発表の新曲も含めてわりと最近の楽曲が多かったんで、もっと聴きたい曲たくさんあったなーとは思いつつ、大満足。あらためて、これはバンド・マジックの極みだなーと。

河村 : このぐらいの規模と知名度のバンド、もう日本ではなかなかフェスとかじゃないと見れないですよね。

BECK

渡辺 : そしてBECK。こっちはもう、オールタイム・ベストでしたね。インタールードの部分にシック“グッド・タイムス”、ボウイ“チャイナ・ガール”、クラフトワーク“ホーム・コンピュータ”、プリンス“1999”のカヴァーを挟み込んでいく“ホエア・イッツ・アット”にも感動したし。もう、いうことなしって感じ。

河村 : ドナ・サマーの“アイ・フィール・ラヴ”もちらっとやってた! 30代~40代とか1990年代初頭からBECK聴いている世代には懐かしい楽曲たくさんって感じだったね。途中でトータスに移動したけど。そういえば移動のときに思ったことがあって。16年もフェス行ってない人間がいうのもアレだけど、折りたたみ椅子がひどくなかった? いつもあんなのなの? うしろの方とか空いてるときはいいけどさ、グリーンのヘッドライナーとか例えばPAテントの後ろのラインとかでも、椅子ひろげてるのギリギリアウトだと思うんだけど、へたしたらPAテントの前ぐらいまで椅子があって、あれ危ないよね。特に夜だと足元よくみえない上にすし詰めだし。

渡辺 : それ、僕も気になってました。開催側からも「危険ですので必ず折りたたんでください」みたいなアナウンスが何回かされてたし。なんか、ああいうモラルに欠けるひとは例年以上に多かった気がする。たぶんボランティア・スタッフが減ったことの影響とかもあるんだろうけど、それでも、ねぇ。みんないい大人ばっかりなんだし、フツーにたためばいいのに。

河村 : なるほど、毎年行ってる人も違和感だったのね。で、トータスはこれまたアンビエント・フュージョンって感じで心地よかった。さすがの手練れだよね。わりと新しい作品『The Catastrophist』とかは、バンド・アンサンブルって感じだったけど、そこを崩さず、もうちょっとビート感を増した感じ。

Tortoise

渡辺 : 私はベックが終わった時点ですっかりバテちゃってました。それでもスクエアプッシャーはちらっと覗いたんですけど、プロジェクション・マッピングすごかったですね。

河村 : スクエアプッシャーは、昨年出た『Damogen Furies』がかなりフェスというかライヴに的を絞った内容だったからなおさらだよね。映像っていうか光でやられるっていうかさ、トータスの、ナイスミドルなミュージシャンが入れ替わり立ち代り演奏しているだけっていう舞台風景と全く逆の表現というか。どっちもおもしろかったんだけど。で、このあとはテントサイトを超えて、アレックス・パターソンのアンビエント・セットのDJをみに。これが気持ちよかった、雑なんだけどさ(笑)。ああ、でもこのごった煮感オーブだなぁーと改めて。強いていえば、去年のアルバム『Moonbuilding 2703 AD 』に結構近い感覚があったかな。アンビエントとテクノと、ダビーなダウンテンポ。とちなみにトッド・テリーもハウス・クラシック連発系で最高だったそうです。

Squarepusher

3日目 : 普段はなかなか出会えない音楽に出会える場

河村 : 最高なアレックス・パターソンのDJでビールを飲みすぎたおじさんは最悪な二日酔いの朝を迎えます。

渡辺 : まさか朝イチのMARK ERNESTUS' NDAGGA RHYTHM FORCE、また見逃したってこと? 僕は前日のライヴがめっちゃよかったんで、この日のグリーンでもおかわりしてました。

河村 : いや、ちゃんと観たよ! もともとJeri-Jeriっていうセネガルのアフロビート・バンドのリズム隊というか、それをダブ・ミックスていう感じなんだけど、あのポリリズム感はやばいね。シンセドラムだったし、音は完全にテクノだし。ダンサーのおねえさんのヴゥードゥーな儀式感もやばかったし。あれをグリーンの音響で聴けたのはやばかった。どっかのクラブで夜通しみたい。

渡辺 : おなじく音響っていう点では、やっぱりDEAFHEAVENのシューゲイズ・メタルな爆音とホワイト・ステージの音響は相性抜群でした。ここまでぜんぜん雨が降ってないのもあって、モッシュピットの砂煙がすごいことになってた。

河村 : そう、天気よかったねー。3日目の夕方にほんの少し降っただけだよね。おじさんは、ひさびさに雨具とか新調しちゃって。防寒に若干着たぐらいで済んだ。

渡辺 : そのあとはヘヴンに移動して、はちみつぱい。鈴木慶一さんの「45年でついにヘブンにきた」には笑っちゃったけど、あのルーズなテンポでジャムっていくだるーい感じは、ぜんぜん40年越しの音じゃなくて、むしろ今ジャストな感じでしたね。で、その次のLEON BRIDGESがまた最高。サム・クックの再来とか言われてますけど、本人の佇まいはけっこうカジュアルな気取らない感じで、そこがまたよかったな。ちなみにこの時間帯、本当ならアヴァランチーズがやってるはずだったんですよね。


Robert Glasper / So Beautiful (Live At Capitol Studios)

河村 : そうだよ、そこ結構、そこのロス感でかい。アヴァランチーズは新しいアルバムもすごくよかったしね。

渡辺 : で、そのあとにロバート・グラスパーを覗きに行ったんですけど、これがもう、すっごい人だかりで。どうやらベビメタ待ちのひともたくさんいたみたいですね。

河村 : ああ、すごい人いっぱいいたよね。そういうことか。もともとちょっと観てフィールド・オブ・ヘヴンに移動する予定だったから。で、ある意味、結構渋めだけど、こっからがすごいみたかったアーティストが続いたというか、ジャマイカのスカ~レゲエの伝説的なギターリスト、アーネスト・ラングリン、しかもドラマーがトニー・アレン、その上駄目押しでコートニー・パインも参加。レゲエはもちろんなんだけど、アフロビート、トロピカル・ジャズ / ファンクみたいな感じとかやってて、これが最高だった。そういえばアーネストのとき、朝のアフロダンサーのおねえさんが踊ってた(笑)。続いて楽しみにしてたカマシ。

渡辺 : それ、見そびれたんですよー。ベビメタの混雑ぶりに怖気付いちゃって、移動せずレッチリに備えてたんですけど、こればかりはちょっと後悔…。最高だったらしいですね、カマシ。

河村 : いやー、すごかった。いわゆるジャズ的なソロもあるんだけど、もうちょっとコントロールされている感じもあって、あれは結構ロック・ファンとかおもしろがれるんじゃないかな。いわゆる散漫な感じもないしタイトで。渋すぎだけど、アーネスト~カマシの流れはヘッドライナー級のアーティスト除くと個人的にベストアクトかも。終わった後から、またカマシの『The Epic』を聴き直しまくる感じ。

Red Hot Chili Peppers

渡辺 : そんなわけで、俺はレッチリをかなり前方で見てたんですけど、正直ちょっと物足りなかったというか。新曲を中心に据えつつ、代表曲を押さえたセットリストはすごくよかったんですけど、なんかジョシュのギターが引き気味で、音のバランスもイマイチだったし。そのへんがアンソニーも気になったのか、アンコールでキレてマイクぶん投げてたし、本人達も今回は不完全燃焼だったんじゃないかな。

河村 : なるほどね。

渡辺 : そのあとはVIDEOTAPEMUSIC × ceroに駆け込んで。演奏は勿論、VJがホント壮観でした。双方の楽曲のイメージとシンクロしていくような映像演出が、後方からでも見応えバッチリ。で、いよいよ電気グルーヴですよ。最高。フジロック20周年のクロージングにあれほどふさわしいもんはないわー。

河村 : いや〜圧巻だよね。本当に唯一無二、いわゆるダンス系のアクトなんだけど、スタンスとしてアンダーワールドとかとも違うしさ。ライヴが最近どんどんすごくなってて、50歳目前に(笑)。ご存知の通り、瀧さんはいまやテレビでもおなじみ、そして卓球さんは、この前のdommneとか、ソロ・アルバム・リリースのいろんなインタヴュー読むとわかると思うけど、まんまああいう人なわけで。そういうある種センセーショナルなキャラクターっていうのはあるけど、それだけじゃなくて、ちゃんと音楽として人を惹きつけるものを作ってるし、ライヴもそうだしっていう。

電気グルーヴ

渡辺 : てなわけで、ここまでざっと振り返ってきましたけど、どうでした? 16年ぶりのフジロック。今年は3日間ほぼ雨なし。それどころか、ここ3年間ほとんど雨降ってないっていう。

河村 : やっぱり、当たり前だけどフジ特有の、あのちょっと“音楽教育もしっかり”みたいなところすごいよね。レゲエとかジャズ、ワールド系のアーティストの起用とかさ。いや、渋いものがえらいっていう話じゃなくて、いまの日本で、例えばインディ・ロックを聴いてて、音楽に触れてても、あのての音楽があれだけの環境で観れるっていうのはないからさ。それは洋楽系のロック・アーティスト、特に若手~中堅のアーティストにも言えることだと思うんだけど。

渡辺 : ですね。普段はなかなか触れる機会のない音楽に出会える場として、やっぱりフジロックは特別だなって思います。できればヘッドライナーの顔ぶれがもう少し若返ってほしいなーとは思うんですけど、ドメスティックな傾向がますます強まっている日本の状況を考えると、今は海外アーティストをメインとしたラインナップを組むのはホント大変だと思うし、そうしたなかで今年これだけの集客があったのは、すこしホッとしたというか。あとはさっきの椅子の話とかもそうですけど、お客さんのモラル面も含めて、いろいろ課題が出てきた感じもするので、来年以降はそのへんも改善されてくといいですね。てな感じで、今回はここまで。今年のフジロックも楽しかったです!

フジロック2016に聴くべき、OTOTOY配信中3枚

ライター・渡辺裕也セレクト

Beck / Wow(24bit/96kHz)

ほぼ全キャリアを網羅したセットリストで、もうホントいうことなしのヘッドライナー役をつとめてくれた今回のベック。でも、あえて贅沢をいっちゃうと、“Dreams”以外の新曲も聴きたかったんだよなー。近い将来にリリースされるであろうニュー・アルバムも、いよいよ待ちきれなくなってきた。恐らくそちらにも収録されるであろうこの曲で、今から期待を高めておきましょう。

James Blake / CMYK EP

襟元がダレたルコックの長袖Tシャツ姿のジェイムス、かわいかったなー。あのナード感まるだしなところがまた、彼の愛おしいところですよね。で、そんなジェイムスの新作はがっつりヴォーカル・アルバムって感じで超よかったんだけど、やっぱりこのEPが出たときのインパクトはいまだに忘れられません。今後、彼がこういうベース・ミュージック的な方向性を音源で打ち出していく可能性は低そうだけど、ライヴではたまにやってほしいなー。

Deafheaven / Sunbather

デフヘヴンのライヴ中にすっかり興奮して「炎天下で漆黒のシューゲイズメタル! 今すぐ死にたい!!」とツイートしたら、某OTOTOYの編集長から「原稿出してからにしてねw」という悪魔のようなリプライが飛んできて、一瞬マジで死にたくなったライターがこちら。にしても、最高だったわー。バトルスやベビメタを見に来た人たちにも、きっとかなりのインパクトを与えたんではないかと。見そびれたひとはすぐにこのアルバム聴いて後悔してくれ!

編集部・河村祐介セレクト

D.A.N. / D.A.N.(24bit/88.2kHz)

昨年のルーキー・ア・ゴーゴー枠から、今年は一気に深夜帯一発目のレッド・マーキーに。テクノやベース・ミュージック、R&Bなどを飲み込んだそのグルーヴ感で4000人ほど集まったレッド・マーキーをロックした。さらに進化を続けていて、会場で披露された新曲、ライヴ全体の演奏も含めてグイグイ成長しまくり。2016年のマスターピースすでに間違いないっつう話なんで。OTOTOYでは独占のハイレゾ&CDと同様のブックレット付き。連載もよろすく。

Ernest Ranglin / Mod Mod Ranglin

1950年代からジャマイカやロンドンのジャズ・シーンなどで活躍、1960年代の以降のスカの黎明期からレゲエにいたるまで活躍し続けるギターリスト。本作は1966年の作品でロックステディへと移行する直前のおだやかなスカ・サウンドが中心。カリプソやメント、アイランド・ジャズな本作の雰囲気は、当日、コートニー・パインやトニー・アレンを従えて演奏した、トロピカルなジャズ、アフロ・ファンク、カリプソ的なムードにもちょっと近い。まぁ、この時期最高なわけです。

KAMASI WASHINGTON / The Epic(24bit/44.1kHz)

圧巻のライヴを披露したカマシ・ワシントンによる、昨年の超大作。ライヴでは、パワフルなホーン隊のブロウと、ツイン・ドラムが圧倒的な物量で迫ってくる感じ。スピリッチュアル・ジャズ的な側面よりも、ライヴではタイトな楽曲再現の方が優先されていたような。そのあたりにジャズ門外漢でも楽しめる音楽性というか。ともかく、圧巻という言葉しか浮かばないライヴでした。アルバムを聴き返して反芻中。

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