ハモニカクリームズの新作を配信開始

フランス在住のハモニカ奏者、清野美土の指揮によって繰り広げられるケルト×ブルースの世界。本場ヨーロッパの「”オルティゲイラ”国際ケルト音楽コンクール(2012年7月/スペイン)」で外国人初優勝を果たし、日本人の視点からケルト音楽の現代的あり方を提唱するハモニカクリームズ。彼らの新作『in+out=sea / インナウトシー』がフル試聴期間を終えて、遂に配信開始。今回は、清野美土とトシバウロンへのロング・インタビューを掲載!

日本人の視点からケルト音楽の現代的あり方を提唱する


【配信価格】
mp3 単曲 150円 / アルバム 1,650円
wav 単曲 200円 / アルバム 2,200円

【Track List】
01. 時間泥棒 / The Time Thief / 02. 新月に憶ふ / La Nouvelle Lune / 03. 八月の鯨 / The Whale Of August / 04. Chevere / 05. Halcyon / 06. Trip To Inadazutsumi / 07. 鎮魂の夕日 / 3 Requiem 11 / 08. Forget It For Get It / 09. 無数にあるうたのいち / My Song / 10. シュール・ヴィーヴル / Sur Vivre / 11. Garage De Rome


激しく疾走感溢れるナンバーから哀愁、優しさを感じるもの、暗く爆発しているものまで、混じりっけたっぷりのグルーヴが11曲。 本場ヨーロッパの「”オルティゲイラ”国際ケルト音楽コンクール(2012年7月/スペイン)」で外国人初優勝の実力派バンドが、新たな音楽性を切り開く。

INTERVIEW : ハモニカクリームズ

フランス在住の清野美土をリーダーに2009年結成された“ケルトブルース”バンド、ハモニカクリームズ。この夏にはスペインの国際ケルト音楽祭「オルティゲイラ」のコンクールに出演、見事日本人初優勝を飾り脂に乗っている彼らが、このたび待望の2ndアルバム『in+out=sea / インナウトシー』をリリースする。バンドのカラーが上手く出たという自信作を作り終えたばかりの清野、メンバーのトシバウロンに、このバンドに対する熱い想いを語ってもらった。

インタビュー & 文 : 小川 ワタル


清野美土へのインタビュー付きロング・トレーラー

4人の個性がうまく重なると、面白くなるバンド(美土)

——バンド結成のいきさつについて教えてください。

清野美土(キヨノ ヨシト/以下、美土) : 僕は普段フランスに住んでいて、何年か前に日本に戻った時、古い付き合いだったギタリストの長尾晃司に「実験的にライヴをやんない? 」と声をかけたんです。その時にもう1人誰か呼ぼうよって話になり、彼はずっとアイリッシュ・ミュージックをやっていたので、音楽仲間の大渕愛子(Fiddle.)を連れて来てくれて。僕はずっとブルース中心にハーモニカで演奏してきたので、完全にアイリッシュの人間、ブルースの人間、その中間のギタリストの3人で、どういう音楽を作れるかなということを考えました。最初はほんと単純な発想で、ブルースとアイリッシュを混ぜようと思って。それを実現するには、自分達で曲を作るしかないねという話になったんです。

——どうしてブルースとアイリッシュ・ミュージックを混ぜようと考えたのですか?

美土 : すごく単純な話、ブルースとアイリッシュ・ミュージックの両方が好きなんですね。ただ、僕はブルースの癖が強くて、アイリッシュについては一から学び直さなければいけないことも沢山ある。アイリッシュを吸収したい気持ちはありつつ、自分の最大の持ち味はインプロヴィゼーション(即興)なので、アドリブの要素をちゃんと確保できる音楽である必要があった。なので、自分で曲を作って演奏したかったんです。そこにはアイリッシュ・ミュージックの雰囲気や旋律に対してのオマージュやテーマがあって、しかも僕がブルースのテイストを持ったまま演奏できる旋律であること。それが実現できるのがハモニカクリームズのメンバーなんです。

清野美土

——トシバウロンさんとは、どのタイミングで出会ったのですか?

美土 : 一度目のライヴを終えフランスに戻って、その翌年また帰国した時に、今度は更にゲストを加えてライヴをやろうという話になって、そのときのゲストがトシバウロンだったんです。コード楽器と旋律2人だったので、バランスとして打楽器が欲しかったんです。その4人で何度かライヴをやっていくうちに、これは面白いバランスのメンバーじゃないかなと思うようになりました。

——実際、清野さんとトシさんが出会ったときのお互いの印象はどうでしたか?

トシバウロン(以下、トシ) : 僕が最初に抱いた印象はシンプルに、美土とこのバンドでやりたいなとすごく強く思いました。それで、是非メンバーでやらせてほしいと頼んだ記憶があります。
美土 : 頼まれた記憶もあります。
トシ : それで勿体つけて返事をもらったという(笑)。
美土 : だね、勿体つけました(笑)。
トシ : というのも、バンドを本格的に稼働していくことに対して最初、若干彼が慎重だったのを覚えています。一時的に日本に帰ってきている間に、ちょっと面白いことをしようというニュアンスで組んだものなので、そんなに本腰を入れてやろうというふうには考えていなかったようですね。
美土 : 考えてなかったですね。
トシ : でも、ある頃からこのバンドでやろうと肝が据わった時期があったんですね。多分、1stアルバムを制作するちょっと前ぐらいかな。
美土 : そうだね、それが良いきっかけでした。1枚目のアルバムを制作するにあたって、良い物を作ろうと思って考えていれば、必然的にバンドに対してこうありたいなというイメージが色々出てきて。
トシ : その時すごく記憶に残っているのが、このバンドのコンセプトはこうだ、というのを彼が示してくれたんですよ。

——そのコンセプトとはなんですか?

美土 : かなり大きな丸い球の上にメンバーが立ってたとして、それぞれ4人が背中合わせで、バラバラに向いているんです。そこから “せーのっ” で全員四方に、後ろは見ないでとにかく走るんですね。自分のペースを持って全力で走って、半周すると球体の反対側で誰かとすれ違うはずなんですね。その時に、もしブレないでそのまま真っ直ぐ来ていれば2人は “パン” と手を叩ける感じというか。それぞれ速さが違うんで4人が全く同じポイントで交差することは難しいんですけど、どこかでハイ・タッチしてる音は何度も繰り返されて響いてくる。それを聞きながら後ろは振り向かず、他の人を信じて全速力で走り続けていれば、4人が交差する時が来るはずなんです。その交差するポイントが醍醐味です。つまり、やっていることや演奏者としてのあり方は個性が強くバラバラにも見えるんですけど、無理に合わせず4人の個性がうまく重なると、面白くなるバンドだなと思ってやっています。
トシ : それを聞いた時に、バンドのコンセプトがはっきりしていると思ったし、4人のメンバーそれぞれに対してリスペクトがあると思ったんですね。それぞれの個性を最大限に活かせって感じだったので、そういう部分で気持ちが楽というか、バンドに対して自分はこうあるべきだ、というのがすごくはっきり見えました。多分、他のメンバーも同じように思っているんじゃないかな。

——実際に1stアルバム『触感の研究』を制作して、手応えはどうでしたか?

美土 : 発売後いろんな方から評価をいただいて、自分自身こうしたいという意志を明確に持って作ったものだったので、良い経験になったと感じています。
トシ : ただ、僕らが作品に込めているものに関しては、欲張った言い方をすればもっと評価をもらってもいいんじゃないかという自負もありました。もっと多くの人に聞いてもらいたいという気持ちも強かったので、そういう機会を求めて自分達のフィールドを広げたいという欲求が出てきたのも事実です。そして、1stアルバムを作った後の昨年の秋頃に、2012年はヨーロッパ・ツアーをしようと決めました。

——そして今夏スペインの国際ケルト音楽祭(オルティゲイラ)に出演、外国人初優勝という快挙を成し遂げましたね。

トシ : ヨーロッパのケルト音楽が盛んな地域のフェスティヴァルに参加できないかインターネットで地道に探したんです。そのなかで僕が以前から気になっていたフェスが一つあって、それがスペインの北西部にあるオルティゲイラという町で行われているフェスだったんです。歴史があって参加者も多いフェスで、サイトを調べていくうちに国際コンテストという枠を見つけて、1stアルバムから4曲と2011年の新録から時間泥棒を送ってみたんです。そしたら音源審査に通って、二次審査(審査員&インターネット投票)もクリアして、オルティゲイラでの決勝出場権を獲得したんです。そして決勝はスペインへ呼ばれて、音楽祭の最高責任者3人がフェスティヴァルでのライヴを観て、優勝者を協議して決めたとのことです。
美土 : これはスペインに到着してからずっと感じていたことですけど、すごく期待度が高くて。フェスの運営側からもお客さんからもどういうパフォーマンスを実際やってくれるんだろうという、そういうテンションで見守られていました。
トシ : 日本人が何をするんだろうっていう感じですよね。僕らも期待されているなという空気を感じながら決勝でパフォーマンスをしたんですね。そしてその結果を後日、主催者からの報告ではなくインターネットで知りました(笑)。
美土 : スペインの町を歩いていると、みんなに「おめでとう! 」みたいな感じで言われて。もしかしたらと思って携帯電話でオルティゲイラのサイトを調べたら、優勝していたんです(笑)。
トシ : 行った甲斐があったなと感じたと同時に、オルティゲイラは風光優美で綺麗な町なので、そういう町で素敵なフェスが行われていることを日本の人に伝えることができたのも嬉しかったですね。来年は招待枠の一つに入って、向こうで活躍している一線級のバンドと一緒にステージに上がります。

——日本のバンドが何をしているんだろうという興味もあるのでしょうけど、ケルト音楽と日本の音楽との親和性もあるんでしょうか?

美土 : あると思いますね。何故アイリッシュやケルト音楽をテーマに自分の音楽を広げたいと思ったかというと、知らないものに惹きつけられていったというよりは、それを聴いていると心地好かったり、自然とエキサイトするんですよね。あと、外国の音楽をやる以上生まれてくる問題で、ネイティヴのニュアンスになれるかという点はできるだけ重要視しないようにしています。自分やメンバーの持っているアイデンティティーを大切に曲作りしたいと思っていて。今回のアルバムでも、そういう部分を活かそうと思いました。逆に海外で聴かれたときに、これが向こうには全くない音楽として存在できるなと思っています。つまり僕らの土地で育ったケルト音楽やブルースが有り得るよって話で。

——そして、いよいよ2mdアルバム『in+out=sea / インナウトシー』が発売されますね。1stアルバム制作中から構想があったと先ほどありましたが、具体的にその構想とはどんなものだったのですか?

美土 : メンバーに構想をちゃんと話したのは、1stアルバムを作った1年後の帰国した時でした。
トシ : アルバム・タイトルが先にあったよね。

——たしかにアルバム・タイトルの由来が気になります。どういった意味なのですか?

美土 : 音楽にしろ何にしろ音を聴いた時、耳の奥にその情報が入ってきますよね。その音を“インプット”して解析すると同時に、私達は何かを必ず想像してしまいますよね。例えば、音から全く違う思い出を考えたりだとか、いろんなストーリーを想起する。これは自分の想像力やイメージが“アウト”していっている状態なんですね。耳の奥には蝸牛管という渦巻きがあるんですけど、そこでぐるぐると“インプット”と“アウト”とが同時に起こっている状態をイメージしたんです。面白い音楽を聞いて感動する時、音のうねりやグルーヴと耳の渦とが螺旋状につながって、魔法みたいなことが起きているんじゃないかと思うんです。例えば「貝に耳をあてると海の音が聞こえる」っていうのは、貝殻が海の音を出しているんじゃなくて、貝殻の渦と耳の渦の想像力とがつながって、“海の音”が発生しているんじゃないかなと。そんな想像の方程式を考えて『in+out=sea』にしたんです。

——素敵な物語ですね! そのコンセプトがどのように具現化されていったのでしょう?

美土 : 曲が揃ってきたなかで、耳でぐるぐるしている音楽たり得るかというのが一番大きかったです。そう感じたか感じないかを基準に作りました。

——制作は清野さんがジャッジメントして進んでいくんですか?

美土 : そうですね。メンバーにアイデアは出してもらうんですけど、最終的に決める立場を取らせてもらってます。

全力で走り続けられる様に新しい分野にトライしていく(トシ)

——実際のレコーディングはいつ頃されたんですか?

トシ : 今年の10月です。8月にヨーロッパ・ツアーから帰って来て、少し間を空けてレコーディングを始めました。アルバムのうち半分の曲は去年もう作っていて、一度録音もしました。残りの半分はヨーロッパ・ツアーの最中に完成させました。ただ、去年一度録音した曲も、今年録音し直しています。「時間泥棒」という曲だけ、去年録音したものが収められています。
美土 : ヨーロッパ・ツアーのなかで、今なら確実にもっと良いものが録れるイメージが湧いたんです。「ヨーロッパ・ツアーをしている間に試したいことをどんどん試させてほしい」とメンバーに告げ、向こうでライヴをやっている間アルバムを常に意識して、曲の形を作っていきました。

——レコーディングの実作業はどうやって進められるのですか?

トシ : 今回11曲あるうち3人がそれぞれ曲を持ち寄っているので、まず持ち寄った人のイメージが尊重されて作られています。全体の監督を美土がやっています。
美土 : 最終的にアルバム全体の中でその曲がどういうポジションになるかを考えてます。曲順も最終的に僕が決めました。

トシバウロン

——となると、オルティゲイラの審査に通った「時間泥棒」が1曲目というのも意識的にしたことですか?

美土 : そうですね。「時間泥棒」に関しては、去年録音していたことも大きいです。これは絶対使えると思っていたのと、一番先に録られていたのでどうしてもアルバムの軸になりました。「時間泥棒」から他の曲も位置付けられていきましたね。「時間泥棒」は最初に僕が大渕愛子にテーマを伝えて、彼女がメロディーを作って、アレンジをメンバーみんなで考えました。バンドのカラーが出た、ひとつ鍵になった曲だと思ってます。

——7曲目「鎮魂の夕日」(清野、大渕のデュエット)は歌詞から想像するに、東日本大震災後に作られたものなんでしょうか?

トシ : そうですね。歌を1曲作ってみないかという提案が美土からありました。英題は「3 Requiem 11」なんですけど、長尾さんが作った曲に僕が歌詞を乗せました。ちょうど震災の後だったので、被災した人に寄り添うような詞を作ろうと思って書きました。
美土 : 楽器を演奏する人の声という意味で聴いてもらえたら良いですね。曲の内容をシンプルに伝えられたら良いなと思ってます。
トシ : 2人に歌のイメージを伝えて、それに合わせて歌ってもらいました。普段のライヴでは感情を発露して広がっていく感じなのですが、この歌の録音に関しては内側にエネルギーを閉じ込めていくようなニュアンスを出したいなと。

——それぞれが曲を持ち寄ったり共作が増えたりと、幅が広がりましたね。

美土 : そうですね。1枚目のアルバムの時は、ライヴとは対照的に自分の作った曲の本質だけを置きたかったんですね。そのことでシンプルに聴こえたかもしれません。実際は細かい所までこだわってるんですけど。そのシンプルだったものに対して2枚目のアルバムでは、若干ライヴ感を持ち込もうと思いました。基本的な姿勢は前作と同じ「ライヴとスタジオ録音は違う」というふうにしたんですけど、もう少し暴れてくれと。というのは、メンバーそれぞれバンドに対する自覚が芽生えてきたことや、バンドのカラーが見えてきたのもあります。この4人でできている音楽だ、ということを前に出すべき時期だと思いました。

——1stアルバムが出たときには既に2ndアルバムの構想が立っていましたが、現時点でもう次のことを考えていますか?

美土 : 考えています。まだメンバーには話していないんですけど。どの段階で言おうかなと思ってるところです。
トシ : でも僕なんとなく聞いていますけどね(笑)。バンドに対して僕個人としては、全力で走り続けられる様に新しい分野にトライしていけば、次のハイタッチできるタイミングでより強く手を叩けるんじゃないかなと思っています。
美土 : ハイタッチっていうのはさっきのバンドのコンセプト、球体の喩えのことですね。

——オルティゲイラへの招待もありますし、来年も楽しみですね。

トシ : はい。来年は今年以上に広く活動できて、多くの人に知ってもらえるように頑張りたいと思います。

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John John Festival / 歌とチューン

イギリスの隣の小さな島国、アイルランドの音楽を演奏する3人組、John John Festivalの2作目となるアルバム作品。フィドル(バイオリン)とギター、アイルランドの太鼓バウロンを使って奏でる音楽は、どこか懐かしく牧歌的。今作には、前作になかった「歌」が10曲中4曲収められており、色彩豊かな作品となっています。

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tricolor / B&B

3人のアイルランド音楽演奏家と7つの楽器で彩られるフォーク・ミュージック of アイルランド。 小さいときに聴いたアイルランドの躍る音と空気を忘れられず、いまでもそれを心に持ちながら音楽を弾いている、フィドル&コンサーティーナ担当中藤有花。 アイルランド好きが過熱しすぎアイルランドでセッション生活をしてきた、ギター&マンドリン&バンジョー担当長尾晃司。 今まで出会ったすきな音楽や楽器や人を大切にしていたら、いつのまにかいろんな楽器でアイリッシュを演奏するようになっていた、アコーディオン&ブズーキ担当中村大史。

Modern Irish Project / 3 films

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LIVE SCHEDULE

2012年12月18日(火)@野毛Le Temps Perdu
Open 18:00 / Start 20:00(3ステージ)
料金 : 投げ銭 (当日券のみの販売となります。当日直接お店にお越し下さい)

PROFILE

ハモニカクリームズ

日本発の新たな民族音楽、“ケルト・ブルース”バンド。シンプルな組み合わせのハモニカ、フィドル、ギター、アイルランドの打楽器バウロン。珍しい楽器に電気エフェクトの混じった楽曲は“アコースティック” というイメージとは異なるバンド・サウンドを提示。4人各々が楽器を通して自由に会話するスタイルは右へ、左へと、繊細で強烈な螺旋グルーヴを巻き起こす。リーダーでありフランス・パリ在住のハモニカ奏者 / 清野美土の独特な視点により、調和と混沌の美が溶け合っている。

>>ハモニカクリームズ official website

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