世武裕子の1年半ぶりの新作は歌心満載の暖かい楽曲たち

映画「だいじょうぶ3組」の音楽を手がけた世武裕子が、同映画のオリジナル・サウンドトラックと同時にリリースする1年半ぶりの新作『みらいのこども』。自身の音楽はポップスよりオルタナ寄りだと話す世武裕子だが、今までの彼女の作品とはひと味違う歌心溢れるポップな作品となっている。ミニ・アルバムのタイトル・トラックにもなっている「みらいのこども -始まりの鐘が鳴る-」の歌詞には世武裕子の人柄がにじみ出ていて、抜群のポップ・センスと柔らかく包み込むような歌声がこの季節にぴったりだ。シンガー・ソングライターであり、映像音楽作家でもある世武裕子に、この作品への思い、そしてこれからの世武裕子についてインタヴューを行った。そしてOTOTOYではミニ・アルバムをHQDの高音質配信でお届け。


世武裕子 / 映画「だいじょうぶ3組」オリジナル・サウンドトラック+みらいのこども

【価格】
mp3 単曲 200円 / アルバム 1,800円
wav 単曲 250円 / アルバム 2,000円

【Track List】
01. 一年の始まり / 02. 5年3組 / 03. 探し物 / 04. 運動会 / 05. レース! レース! / 06. 負けてくやしい / 07. 坊主! / 08. 動物園の思い出 / 09. 赤尾先生の手紙 / 10. ぼくらの嘆願書 / 11. 遠足へ行く / 12. みんなちがって、みんないい。 / 13. ぼくらの一年間 / 14. Hello Hello (2011 version) / 15. みらいのこども -始まりの鐘が鳴る- / 16. 恋をしようよ / 17. 私の愛したスパイ -ナチュラル・ボーン・プログレ- / 18. Stanley K / 19. November



世武裕子 / みらいのこども

【価格】
HQD(24bit/48kHz wav) 単曲 300円 / アルバム 1,200円

【Track List】
01. みらいのこども -始まりの鐘が鳴る- / 02. 恋をしようよ / 03. 私の愛したスパイ -ナチュラル・ボーン・プログレ- / 04. Stanley K / 05. November


INTERVIEW : 世武裕子

最近は映画からドラマ、あるいはCMと、映像音楽作家としての活躍が目覚ましい世武裕子が、前作『アデュー世界戦争』から1年を待たずして早くも新作を完成させた。しかもそれが映画「だいじょうぶ3組」のオリジナル・サウンドトラックと新作EP『みらいのこども』の2枚組という、かなりヴォリュームある作品で、そのワーカホリックぶりには改めて驚かされるばかりだ。

もともと映画音楽への想いが強い彼女だけに、サウンドトラックの方はまさに念願叶ったりと言ったところだが、気になるのはEPの方で、なんと全編が超キャッチーな歌モノ。しかもリリックにはちょっとした笑いまで散りばめられている。あれ、こういう方向性って前回リリース時にはなるべくやりたくないと言ってたことのような…。そこで世武裕子にどんな心境の変化があったのか伺ったところ、これがずいぶんと身の上話に花が咲いてしまいまして、気がつけば4時間もしゃべってしまいました(さすがにすべて掲載とはいきませんが)。あいかわらずの冴えわたるマシンガン・トークをお楽しみください。

インタビュー & 文 : 渡辺裕也

映画に貢献する上で、アーティストの世武裕子は関係ないんです

ーー現在はドラマの劇伴づくりで大変らしいですね。

そうなんです。もうすぐ完パケだから、今はホント大変で。あまりにカオティックな状況で、人にも会えず、友達を失いそうです(苦笑)。

ーー今回リリースされる「だいじょうぶ3組」のサントラは、まさに映画の世界観に徹したつくりで、世武さんのキャラクターがかなり抑制されていますよね。

それはもちろんですよ! 映画に貢献する上で、アーティストの世武裕子は関係なくて。自分のエゴを出そうという気持ちはゼロ。そこは映画音楽に対する自分の想いがあるから。映画のためだけにやらないと何の意味もないんです。私、脚本をかなり読むんですよ。で、いい脚本であればあるほどイマジネーションが沸いてくる。だから今回のサントラをつくれたのは脚本のおかげだし、今やっているドラマもまさにそんな感じ。ただ、映像音楽って、OKがもらえない限り何度もやり直さなければいけないから、すごく時間がかかるんですよね。それこそCM音楽なんてそう。それに今は自分でマネージメントもやってるから、ライヴの準備とかもあるし。

ーー作り手の個性は、サントラでは関係ないんだ。

東宝ミュージックさんとも話していたんですけど、あくまでも劇伴としての音楽を書けて、なおかつアーティスト活動の基盤もある人って、よくよく考えたらそんなにいないってことで。たとえば、坂本龍一さんの劇伴って、坂本さんらしさが活きてるんですよね。「この映画は坂本龍一が主題歌を手掛けているんだ! じゃあ観に行きたい」って思ったり。で、私はそれがすごく好きな一方で、自分がそうかというと、また違って。私はもっと単純にたくさんの劇伴をつくっていきたい。デスプラ的なポジションなんて言ったら、さすがにおこがましいけど(※フランスの映画音楽作曲家・アレクサンドロ・デスプラのこと)。私が目指したのはそういう映画音楽で。

ーーでも、こうして映像音楽の発注を受けていると、アーティスト世武裕子としての作品に取り掛かるのも大変じゃないですか。いっぱいいっぱいにならない?

そうなんですけど、私は欲張りなんですよね(笑)。映画音楽はもちろん、アーティスト活動だってやりたいし、そのモチヴェーションはどっちも変わらないんです。それを比べるのって「仕事と私、どっちが大事なの?」みたいな、めんどくさいカノジョの話みたいなもので(笑)。

ーーなるほど(笑)。

たとえばそれがデザイナーとミュージシャンみたいな話だったら考えるんだろうけど、私の場合は結局どちらも音楽だから。それに現実的な話、いまの時代にいまの私はアーティスト活動だけでは食べていけないし、むしろ自分が並行してふたつの音楽活動をやれることはすごくラッキーだと思ってます。映画音楽の作曲家になりたいって、ホントに小さな頃から言い続けてきたわけだし。

「世武裕子の曲はポップじゃないよ」とずっと言われてきた

ーーそこは世武さんの一貫しているところですけど、一方でつい先日ライヴを観たら、『アデュー世界戦争』の頃と内容が変わっててびっくりしましたよ。こういうことはやらないと言ってたことをさらっとやってて。

前回はどんなことを言ってましたっけ?

ーーわかりやすくギャグる音楽はやりたくないし、歌にもそこまで積極的ではないって。そうしたら、今のライヴはほぼすべて歌モノだし、歌詞にも笑いがあるから(笑)。

(笑)。実はCMや映画でいただいた話の9割は、声が欲しいという依頼で。あるいは曲なしの歌唱だけでお呼ばれするときもちょいちょいある。それって「わたし、そこは自信がないんですけど」ってずっと言ってたところなんですけど、そうしたら信頼している音楽プロデューサーさんから「いろいろ思うところもあるんだろうけど、歌はやった方がいい」と言われて。それで「歌っていいのかな」っていう気持ちに少しずつなってきたんです。それで最近になってカヴァーをやってみたりしたら、ちょっと目覚めたというか。

ーーこの前もゆらゆら帝国とYUKIをカヴァーしてましたね。そういうことを好んでやるタイプじゃないと思ってたから、びっくりした。’’

前は絶対にやりたくなかったんですよ(笑)。それこそ、矢野顕子さんくらいにやれるんならいいんだけど、そうでもない限り原曲に勝ることはないとずっと思ってきたから。それが、今回のツアー先でその出身アーティストのカヴァーをやってみたらどうかという話がでてきて。私も『アデュー世界戦争』の頃よりはもっとお客さんと音楽を共有したいっていう気持ちが強くなっているから、試しにやろうかな、と。特に今回は、ポップスみたいなことをやっているわけだし。

ーー「ポップスみたいな」って、そこをポップスだと言い切るのは抵抗があるんですか。

ポップスというよりオルタナですね(笑)。『アデュー』はともかく、今回みたいにちゃんとメッセージを込めた歌の作品を出して、それをお客さんと共有できないようなライヴになったら、それは私自身になにか問題があるってことだから。そこでなにかカヴァーによさそうな曲を探している時に聴いたゆらゆら帝国がものすごくよくて。それでためしに「夜行性の生き物三匹」を弾いてみて。YUKIちゃんの「JOY」とか、「ハミングが聞こえる」(カヒミ・カリィ)なんかもやってみたんです。それでびっくりしたのが、人の曲ってすごく歌いやすいってことで。

ーー自分の曲より?

そう。人の曲を歌ったあとに自分の曲にいくと、ものすごく歌いにくい(笑)。そこで気づいたんです。「これがわたしに足りないものだったのか!」って。それがきっかけでまた歌に挑戦したくなった。あと、カヴァーをやって嬉しかったのは、それを機に原曲を好きになる人が出てきてくれたこと。曲がちゃんと元の場所に帰っていくんです。こうやって自分の好きな曲をお客さんと共有できるのって、こんなに楽しいんだと思いました。私、音楽を人と共有するのがホントにヘタクソなんですよ(笑)。単純に方法がわからなかった。だから、いまカヴァーをやるとホントに得るものだらけで。

ーーちょっと気になったんですけど、さっきの「ポップスじゃなくてオルタナ」っていうのは、どういうニュアンスで言ってるんですか。

それは半分トラウマもあって(笑)。私がポップスだと言っても、「いや、世武さんの曲はポップじゃないよ」とずっと言われてきたから(笑)。

ーーでも、新しいEPはまさに世武さんのポップスって感じでしょ?

私は『アデュー』だってポップだと思ってますよ。だって私自身がすごいポップな人間だから。サブカル好きとかでもないし、根暗だけど基本的にポジティヴだし(笑)。でも、みんなからフォーカスされるのは、フランスに留学していたとか、そういうところばかりになっちゃう。だから、ジャンル的にポップスかそうじゃないかっていう話は、もう面倒くさくなっちゃって。

ーーじゃあ、そこでオルタナになるのは?

そこで私もポップスと名のつく音楽がどういうものかを知ろうと思って、iTunesでたくさん買って聴いてみることにしたんです(笑)。世の中でポップスと言われるものを自分が好きになれるかどうか試してみようと。そのなかで自分が気に入ったものを並べてみると、ジャンルが“サウンドトラック”か“オルタナティヴ・ロック”と書かれているものばっかりで。だから、オルタナの人には通じるものがあるんじゃないかなっていう気はしていて。

ーー世武さんの音楽に惹かれる人って、実際にそういう音楽を好んでいる人は多いと思いますよ。

わたしもそんな気がしてます。で、私も自分のナチュラルなところをそのまま認めてほしいから、いわゆるポップス論みたいなのはもういいやって。私、ここまでたくさん否定されてきたので、もう否定はたくさんです、疲れました、みたいな。肯定してほしい!

やっぱり教育って大事だなって

ーー(笑)。でも、今回はラジオのパワープレイがいくつか決まっているそうじゃないですか。地方のラジオ局でもかかるわけだから、それはポップスとして受け止められた証にもなるんじゃないですか。

私、流通はメディアファクトリーさんにお願いしてるんですけど、基本的にはすべてフリーでやってるから、宣伝もなにもできなくて。だから、私なりのメッセージを込めた「みらいのこども」が、それこそ福島のラジオ局でもパワー・プレイしてもらえるのはすごくうれしい。私、ものすごく歳の離れた弟がいて、彼の世話を焼きながら成長の過程を見てきた体験がすごく大きいんです。ついこの前もPVの撮影で保育園に行って、ものすごく楽しかった。でも、私って子供と同じ目線でしか仲良くなれないんですよ。「お姉ちゃん!」じゃなくて、「ひろこちゃん! ハナクソつけたる!」みたいな感じ(笑)。でも、やっぱり先生ってすごくて、友達じゃないんですよね。先生が指示すると、子供たちもそれを怖いと思っているから、ちゃんと言うことを聞く。そういうのを見ているといろいろ考えるんです。私、子供にとっては愛情と教育が最も大切なものだと思ってるから。「みらいのこども」はそういうテーマへの関心からできた曲でもあって。

ーーその関心がどういうものか、もう少し具体的に教えてほしいです。

日本の学校教育の在り方とか、そういうこと。もともと私は教育大学を受けたいと思ってたんです。さらっと親に反対されちゃったんですけど(笑)。でも、フランスに行ってからはそこの興味がさらに強くなって。もちろんこれは一長一短だけど、やっぱり教育の仕方が日本とはまったく違ってた。そこに順応するのは時間がかかりましたね。それで日本に帰ってきて、音楽活動をしていくなかで苦い経験もしてきて、やっぱり教育って大事だなって。

ーー日本とフランスではどんな違いがあるんですか。

たとえば日本って、がんばって勉強していても、途中でなんのために勉強しているのか、どこかで突っ込みたくなる環境だと思って。

ーー受験が終わったら、もうその先がなくなっちゃう、みたいなこと?

そうそう。でもフランスは、まずなりたいものを探すために受験勉強が始まるから。まず自分がどうしたいか。そこが先にくるんです。今はどうかわからないけど、少なくとも自分の世代が受けてきたような教育だと、やっぱり社会にでてからが弱いんですよね。私もフランスで弱かったし。私自身はけっこう先生が言うことを鵜呑みにしないタイプだったんだけど、基本的にものすごく真面目な性格なので…。

ーーたしかに世武さんは真面目すぎると思いますよ。わざわざ疲れるようなことをしてるように見えるというか。

よくわかってますね(笑)。それはすごいコンプレックスなんです。それこそフランスに行ったばかりの頃は悲惨だった。その当時の挫折感ったらないですよ。私の沁みついた真面目さは、もはやナチュラル・ボーン・プログレどころじゃないんですよ。

ーーナチュラル・ボーン・真面目(笑)。

最近になって気づいたことが、本音で話そうという場でも、みんなが必ずしも本音で話すわけじゃないんだってことで。私、自分で「ホンマのこと言うと」って前置きしたときは、もう100パーセント本音ですべてしゃべっちゃうんですよ。で、それによって人間関係がうまくいなかくなることもあって。「だったら、本音で話そうなんてはじめから言わなきゃいいのに」って(笑)。

ーー本音と建て前ってやつですね。

そうそう。私にはそれがあまりなくて、なんでも額面通りに受け取っちゃう。あとになって「本音と建て前くらいはわかるでしょ」とか言われても、「ええ! じゃあ何でそう言ったんですか?」って。褒められてもディスられても、そのまんま受け取っちゃうから余計に疲れちゃうし、そんな私にまわりも疲れていると思う(笑)。

ーーヘラヘラするのが苦手?

それは波長の合う相手としかできないんですよね。なんか今日、人生相談みたいになってきたな(笑)。

ーーインタヴュアーとしては嬉しいですよ。なんでも正直に話してくれるんだから。ガードが固い人もけっこういるし。

でも、そういう人は自己防衛能力の強さが回りから見てもわかるから、あんまりディスられないんですよね。私みたいな突っ込みどころ満載の人間だとそうはいかない(笑)。自分の核の部分より外のことって、気持ちが移ろいで意見や夢が変わることって、私は当たり前だと思ってるんだけど、そういう理論って、あんまり通用しないんですよね。最初に言ったことが変わると、すぐに揚げ足を取られちゃう。

ーーなんかそれもさっきの教育の話と絡んでいきそうですね。その教育への関心と世武さんのつくる音楽って、結びついていくところもあるんですか。

そこまで直接的ではないけど、広い意味での問題提示は『リリー』の頃からやっているつもりです。実際、私の歌詞はそれで重くなりがちで。そこを気をつけようとしてできたのが「私の愛したスパイ –ナチュラル・ボーン・プログレ–」とかなんです。年がら年中「みらいのこども」みたいな曲ばかり書いていても、ねぇ。よくわかってるんです。これまでに出してきたアルバムがどれも重すぎるって(笑)。

自己プロデュース能力がめちゃくちゃ低いんですよ

ーー前回のインタヴューで世武さんは、『リリー』で無理したところを軌道修正したのが『アデュー世界戦争』だと話してて。つまり、『アデュー』こそ自分らしさが表れた作品だと。じゃあ、今回の作品はどういう位置づけになるんでしょう。

たしかに私の作品の変遷って、すごくわかりづらいですよね。でもそこはちゃんと順路があって。『アデュー世界戦争』は、「まさにこれがアーティスト世武裕子!」っていう作品なんです。で、今回はアーティストとしての私じゃなくて、素の人間としての私が、音楽に囚われずにつくった作品。『アデュー』を出してみて感じたのが、今の時代はアーティスト云々より、作り手がどういう人なのかを知りたいと思っている人の方が多いってことで。だったら、そういう作品を出せたら、もっとシェアしてもらえるんじゃないかなって。今回のEPを出して、すごく楽になれたような感覚もあるんです。これから変に構えなくてよくなった。私は自分をアーティストと名乗ることに抵抗はないんですけど、そこで揶揄されることもやっぱりあって。でも、今回のEPで恥ずかしいことがもうなくなったというか。

ーー『アデュー』の頃と今ではまったくモードが違うんだ?

これからどういうふうに活動していくかはわからないけど、やっぱり生きていくうちに『アデュー世界戦争』みたいな作品をもっとたくさん聴いてもらえるような世の中になったらいいなっていう気持ちはあります。

ーー単純に世武さんの知名度がもっと上がれば、『アデュー世界戦争』の評価はこれから確実に変わっていくと思いますよ。

そうですよね。同じことをやっても、そのときの立場が違うだけで受け手への説得力は変わっちゃう。それは人間である以上は仕方がないことだと思ってて。だから、私のことをもう少し認知してもらえたら、きっと『アデュー世界戦争』が面白い作品だと改めて思ってもらえるんじゃないかなって。そういう意味では有名になりたいっていう気持ちがすごく強いです。お金がほしいとか、ちやほやされたいとか、そういうことじゃなくて、自分が発信したことを人がちゃんと聞いてくれる状況にしていきたいんです。

ーー『アデュー』が正当な評価をされるかどうかは、まだまだこれからの活動次第ってことだ。それにしても、世武さん本人の実像と周囲からのイメージって、けっこうすれ違ってる部分もありそうですね。

そんな気はします(笑)。だから、今回の2枚組は映像音楽家でありシンガー・ソングライターでもある私の名刺代わりになればいいなって。これをどう受け止めてくれるのかはすごく興味があります。『アデュー世界戦争』は、お客さんに向ける作品としてはどうなのかわからないけど、一方であの作品を出してから映像作品の仕事は増えたから、そういう意味では成功なんですよ。セールス的にはまったくだけど。

ーーはっきり言うなぁ(笑)。

マジで(笑)。ただ、あれを出してから気をつけようと思ったのが、リスナーから「世武さんはメジャー路線でいくことを諦めたんですね」と言われたことで。自分の好きなようにやっていればそれでいいんだと思われて、それはまずいなって。私、プロデューサーもマネージャーもいないくせに、自己プロデュース能力がめちゃくちゃ低いんですよ。それで見え方が不透明になっているところもきっとあって。

ーー今後の方針を一緒に立ててくれるパートナーがほしい?

めっちゃ求めてますね(笑)。でも、あまりまわりからそう思われてなくて泣きそうですよ。

ーーこれはずっと疑問なんですけど、音楽へのスタンスはこんなに一貫しているのに、ヴィジュアルのイメージをいつもガラッと変えるのはなぜ?

それ。昨日も同じこと言われました(笑)。実はデビュー作の『おうちはどこ?』からずっとぶつかり続けている課題がそこで。イメージを打ち出すために自分の長所を活かしたいのに、私は自分の長所かわからない(笑)。今の時代は自己プロデュース能力がないとやっていけないって、けっこうみんな言うけど、実際に音楽を本気で突き詰めてやりながら自己プロデュースできている人なんて、ほとんどいないと思う(笑)。だから、そこを支えてくれるスタッフがいてくれたらなぁって。1人でやってるように見える人だって、うまくやってる人には有能なブレインが必ずいますからね。

ーー世武さんは親しみやすいキャラクターだし、変に色づけしなくてもいいと思うけど。

でも、嫌われたくないとか思っちゃってつい、ね(笑)。たとえばそれで大阪のおばちゃんみたいに思われたくなくてかっこつけすぎたら、なんか鼻につく感じになったり(笑)。究極の話、自分を売り出すために私は顔出ししない方がいいんじゃないかって。

ーーいや、世武さんはちゃんと前に出た方がいいですよ。せっかく今回の作品で素の姿をさらせたわけだし。

そういう意味ではやっとスタートラインにやっと立てたのかな(笑)。『アデュー』みたいな作品に時代性は関係ないと思ってるんです。でも、今はもっと時代に沿ったものをつくる必要もあるんだろうなって。よし、今日は最後に「プロデューサーを募集してます」って書いておいてくださいね(笑)。あるいはビヨンセにとってのJay-Zみたいな人。

ーーそれ、仕事じゃなくて結婚相手じゃないですか(笑)。

それもいいですね(笑)。しかし、子供好きで結婚って、私なんのインタヴューに答えてるんだろ(笑)。

RECOMMEND

カジヒデキ / Sweet Swedish Winter

これまで数多く作品をスウェーデンでレコーディングしてきた「カジヒデキ」が、寒くもスウィートでラブリーなスウェーデンの冬にスポットライトをあてた作品をリリース! ここ数年、日本でも密かに話題になり始めたスウェーデンの伝統菓子、semla(セムラ)のテーマ曲も収録された、「カジヒデキ」本領発揮の意欲作!

>>カジヒデキの特集ページはこちら

南壽あさ子 / Landscape

幼少の頃からピアノを、20歳の頃から作詞・作曲を始め、2010年より都内のライヴ・ハウスで弾き語りを始めた、南壽あさ子。2012年6月にリリースされたデビュー・シングル『フランネル』に続き、湯浅篤をプロデューサーに迎え制作された本作は、透き通るヴォーカルとメロディから季節感溢れる情景が浮かぶ作品となっています。本作には、サポート・ミュージシャンとして、斎藤ネコが「あの人を待つ」に、山口ともが「メープルシロップ」に参加。また、OTOTOYでは、唯一無二のシンガー・ソングライターの声を、高橋健太郎のマスタリングによる、HQD(24bit/48kHzのwav)でお届けいたします。

>>南壽あさ子の特集ページはこちら

田中茉裕 / 小さなリンジー

2010年、EMI Music Japan創立50周年記念オーディション「REVOLUTION ROCK」のファイナリストに選ばれ、審査員にあたった亀田誠治と箭内道彦に時間を延長してまで選考を悩ませた田中茉裕のデビュー作。ジョアンナ・ニューサム、ジュディ・シル、矢野顕子に例えられつつも、「そのどれとも違う」「特別変わったことをしてるわけじゃないのに、こんな音楽、聴いたことない」「聴きながら泣きながら帰った」など、数多くの反響を集めた記念碑的作品。

>>田中茉裕の特集ページはこちら

世武裕子 過去作はこちら

LIVE INFORMATION

アルバム発売記念 インストア・ライヴ
2013年3月21日(木)@大阪南堀江 FLAKE RECORDS
2013年4月12日(金)@TOWER RECORDS 渋谷店3F イベント・スペース

だいじょうぶ みらいのこどもツアー
2013年3月22日(金)@京都 UrBANGUILD w/LEO今井、ゆーきゃん&フェザー・リポート
2013年3月23日(土)@名古屋 K.D ハポン w/LEO今井
2013年3月29日(金)@吉祥寺 キチム w/古舘佑太郎(The SALOVERS) GUEST演奏者 : コトリンゴ
2013年4月5日(金)@福岡 STEREO SIDE-B w/洪申豪(透明雜誌)
2013年4月7日(日)@広島 音楽喫茶ヲルガン座 w/洪申豪(透明雜誌)
2013年4月13日(土)@札幌 CAFEサーハビー w/SiMoN
2013年4月20日(土)@岡山 城下公会堂 w/宮本菜津子
2013年4月21日(日)@梅田 MAMBO CAFE w/宮本菜津子
2013年5月19日(日)@東京 青山・CAY
2013年5月24日(金)@仙台 SENDAI KOFFEE w/次松大助
2013年5月25日(土)@南相馬 50's Spot SHOUT w/掘下さゆり

PROFILE

世武裕子

滋賀県出身、パリ・エコールノルマル音楽院映画音楽作曲科卒の作曲家/シンガー・ソングライター。「イングリッシュ・ペイシェント」「ベティー・ブルー」「善き人のためのソナタ」など多くの映画音楽を手がける作曲家ガブリエル・ヤレドに師事し、ジャン=リュック・ゴダール監督の『気狂いピエロ』等で知られる作曲家アントワーヌ・デュアメルからもその才能を賞賛され、同音楽院卒業制作では満場一致の首席にて卒業。帰国後は、くるり主宰Noise McCartney Recordsよりデビューし、Fuji Rock Festivalや京都音楽博覧会、COUNTDOWN JAPAN、KAIKOO POPWAVE FESTIVALなど、大型フェスへも次々出演を果たす傍ら、金髪ルックが印象的な自身出演のCM "Googleで、もっと。クロームでストリート・ライヴ"、Panasonic Beauty、ユニクロ、大阪ガス、Mitsubishi Motors Japan、KOSEなどのCM音楽、BeeTVドラマ「3枚目のボディーガード」、映画「家族X」、Studio 4℃×TOYOTA とのコラボレーション、最近では、3月からWOWOWで放映される廣木隆一監督によるドラマ「ソドムの林檎~ロトを殺した娘たち」の音楽も担当するなど、多方面でその才能を発揮している。そして2013年3月、『おうちはどこ? 』『アデュー世界戦争』では現代音楽の面白さを、『リリー』『Good Morning World! /Hello Hello』では、まるで景色を鳴らすような声で人々を魅了した彼女が、待望の新作「だいじょうぶ3組」 オリジナル・サウンドトラック+ミニ・アルバム『みらいのこども』の豪華2枚組作品をリリースする。サウンドトラックとEPを収録した本作は、まさに世武裕子のこれからを象徴するような一枚と言えるだろう。

>>世武裕子 Official HP
>>Twitter : @sebuhiroko

o

 
 

"hqd"の最新アーカイヴ

tomzuin hの新作『Ring』を高音質音源で配信開始&インタビュー! 2週間限定フリー音源有り!
[HQD]・2013年05月16日・ 作編曲家、キーボーディスト、シンセサイザー・プログラマー、音楽プロデューサーと多彩な顔を持つ、エレクトロニック・アーティスト、TOMZUIN H。彼が1stアルバム『bird people』から実に9年振りに、長い沈黙を破っての新作『Ring』をリリースした。コンセプトは“長い音”。OTOTOYでは、24bit/48kHzの高音質音源で配信を開始するとともに、過去作の『bird people』を2週間限定で、全曲フリー配信! 繋がる長い音にこめられた壮大な物語と宇宙を楽曲として描き出した作品集をぜひお聴き下さい! >>>1st album『bird people』のフリーダウンロードはこちらから(〜5/30まで) 9年振りの新作を高音質で!TOMZUIN H / Ring'【価格】mp3 単曲 200円 / まとめ購入 1,000円HQD 単曲 250円 / まとめ購入 1,300円【Track List】1. Helium Leak / 2. At An Angle Of 120 Degrees / 3. Invisible Rays / 4. Silver / 5. Visible Rays / 6
by 純三
HALFBY AND HIS MYSTIC ARCHESTRAのライヴ音源を配信開始!
[HQD]・2011年11月06日・ HALFBY AND HIS MYSTIC ARKESTRAのライヴ音源を配信開始! 高橋孝博のソロ・ユニット・DJとして始動し、活動10周年を迎えたHALFBYが、10月22日、代官山UNITで開催したニュー・アルバム『LEADERS OF THE NEW SCHOOL』のプレ・リリース・パーティーでのライヴ音源を最高音質のDSDで配信スタート。HALFBY AND HIS MYSTIC ARKESTRAというバンド・セット名義で、ソロよりも一段とアグレッシブに進化したパーティ・サウンドを聞いてください。また、11月16日に発売する通算4枚目のニュー・アルバム『LEADERS OF THE NEW SCHOOL』は、DIPLOやA-TRAKが提示する最新ダンス・ミュージックとリンクした、キャリア最高級の完成度。ご期待ください! HALFBY AND HIS MYSTIC ARKESTRA / 『LIVE at UNIT 2011.10.22 -HALFBY 10th ANNIVERSARY-』【配信形態】1)DSD+mp3(320kbps)※約1.4GB2)HQD(24bit / 48kHz)※約6
by 坂本 哲哉
no.9『the history of the day』をHQDで配信スタート
[HQD]・2013年07月05日・ エレクトロニカにさまざまな要素を織り込み、日常の情景をやさしく表現するno.9が新作『The History of the Day』をリリース。15曲入りというヴォリュームたっぷりの1枚ですが、no.9の楽曲はリスナーを疲れさせることなど知らない、木漏れ日のようなやすらぎの音楽です。OTOTOYではHQD(24bit/48kHzのwav)で全曲を配信。是非とも高音質でお楽しみください。※本ページ上で、HQD(24bit/96kHzのwav)との表記がありましたが、正しくは、HQD(24bit/48kHzのwav)です。掲載情報に誤りがあったことを深くお詫び申し上げます。 no.9 / The History of the Day'【価格】※まとめ購入のみ mp3 / wav 1,800円【Track List】''1.inside outside / 2.The History of the day / 3.whisper of rain / 4.there / 5.small promise / 6.fairground spring #02 / 7.balance / 8.flat point /
ホテルニュートーキョーが、4年振りの3rd アルバム『yes?』リリース&インタヴュー
[HQD]・2013年06月12日・ 新作のスタジオ・アルバムを1週間先行で、高音質配信開始!今谷忠弘を中心としたユニット“ホテルニュートーキョー”が、4年振りのアルバムをリリース。今作は、toeの柏倉隆史をはじめ、中村圭作(kowloon、stim、toe、木村カエラ)や後関好宏(在日ファンク、stim、WUJA BIN BIN)など、第一線で活躍するミュージシャンらが集結。互いの個性をぶつけ合いながら、緻密に練り込まれたバンド・アンサンブルを披露。ホテルニュートーキョーの集大成とも言うべく傑作アルバムがここに完成した。もちろんリリースは曽我部恵一のROSE Recordsから。OTOTOYでは1週間先行で、24bit/48kHzの高音質WAV音源での配信がスタート! 1週間先行で配信スタート!ホテルニュートーキョー / yes?'【価格】mp3 単曲 200円 / まとめ購入 1,500円HQD(24bit/48kHzのwav) 単曲 230円 / まとめ購入 1,800円【Track List】''01. カルトヒーロー / 02. Good design makes me happy / 03. Succession / 04.
by 渡辺 裕也
LITE 4th Album『Installation』リリース&インタビュー
[HQD]・2013年06月05日・ 日本のインスト・ロック界の雄、LITEの新作が届きました!! 隙間を生かした繊細な音の積み重ね、1曲1曲がそれぞれ映像作品のように鮮やかで、ダイナミック。ポスト・ロック、エレクトロ二カ、ダブステップなど、あらゆるジャンルを越えて作品ごとに色を変え変化していくLITEのサウンドは、ひらめきが詰め込まれ、独自性を確立しています。OTOTOYではHQD音源も同時リリース!! LITEの音の広がりを、幅広いレンジでカヴァーしたハイレゾ音源の決定版です。ギタリスト、インスト好きは必読の、楽曲制作の裏側を覗いたインタヴューとともにお楽しみください。 LITE / Installation【価格】mp3 単曲 200円 / まとめ購入 2,000円HQD(24bit/48kHzのwav) 単曲 220円 / まとめ購入 2,200円【Track List】1. Starry Morning / 2. Echolocation / 3. Hunger / 4. Alter Ego / 5. Between Us / 6. Bond / 7. Fog Up / 8. Starry Night / 9. Subaru /
sukida dramas、OTOTOY presents お腹が痛い vol.4で収録されたライヴ音源をリリース!!!
[CLOSEUP]・2013年05月30日・ 2013年5月6日、ゴールデンウィーク最終日を熱気120%のなかで締めくくった、OTOTOY presents「お腹が痛い vol.4」@渋谷O-nest! 出演した5組のなかで、若さ溢れるパフォーマンスと、ポップな楽曲で盛り上げたsukida dramas from NAGOYA CITY!! 実は、ライヴの模様をDSD録音していました!! ということで、OTOTOYでのフリー・ダウンロードが話題となった「ゴリラ」を含む4曲のライヴ音源をOTOTOY独占リリース!! じめじめした季節をすっ飛ばしてくれる、爽やかな音源をお楽しみください!! sukida dramas / LIVE at お腹が痛い vol.4'【配信形態】DSD 5.6MHz+mp3 ver. まとめ購入のみ 800円HQD (24bit/48kHzのwav) ver. 単曲 200円 / まとめ 700円mp3 ver. 単曲 150円 / まとめ 600円【Track List】1. Teddy Boy / 2. Randoselu / 3. カーニバルがやってくる / 4. ゴリラ※ダウンロードしたファイルに不備や不明点がありま
『世武裕子 DSD recording sessions vol.2 JOY』リリース
[CLOSEUP]・2013年05月25日・ 東京でのワンマン・ライヴも含め、全国8カ所を巡る〈だいじょうぶ みらいのこどもツアー〉を終えたシンガー・ソングライターの世武裕子。映像音楽作家としても、楽曲提供という形で新たな活躍を見せる彼女のピアノ弾き語りを、DSDのネイティヴ録音、ネイティヴ・ミックスによって、生々しい音源に収めた『世武裕子 DSD recording sessions』の第二弾がついにリリースされる。 福生にあるピアノ・スタジオ「アルト・ノイ・アーティストサービス」で、Fazioli concert grand pianoとYAMAHA C3Bの2種類のピアノを使い、録音された。さらに、録音には世界に3台しかないDSDレコーダー「Clarity」を使用し、エンジニアには奥田泰次(studio MSR)を迎えて、DSDネイティヴ録音、ネイティヴ・ミックスを行っている。 4月2日(火)に配信開始され、好評を博している第一弾『世武裕子 DSD recording sessions vol.1 やもり』では、新曲「やもり」を2台のピアノで弾き比べた音源と、ゆらゆら帝国の「夜行性の生き物3匹」のカヴァーが収録されたが、第二弾となる今回、聴き
クラムボン『LOVER ALBUM 2』をDigital EditionとHQDで配信スタート
[CLOSEUP]・2013年05月23日・ 3年ぶりとなる、クラムボンの新作は、2006年に発表されロング・ヒットを記録した珠玉のカヴァー企画『LOVER ALBUM』の第2弾。前作から引き続き、洋邦問わないクラムボンならではの選曲と彼らならではのアレンジで、それぞれの楽曲が違った色で輝いています。カヴァーなのに、いや、カヴァーだからこそ見えてくる、クラムボンらしさが詰まった14曲を配信でリリース。さらに、その中から中森明菜のカヴァーである「DESIRE-情熱-」、Esbjörn Svensson Trioの「GOLDWRAP」など4曲をHQD(24bit/96kHzのwav)で配信いたします。みずみずしいサウンドをご堪能ください。 高音質HQD(24bit/96kHzのwav) Editionクラムボン / LOVER ALBUM 2(24bit/96kHz)'【価格】HQD(24bit/96kHzのwav) 単曲 400円 / まとめ購入 1,600円【Track List】''1. 呼び声 (24bit/96kHz) / 空気公団2. GOLDWRAP(24bit/96kHz) / e.s.t. (Esbjörn Svensson Trio