LOW HIGH WHO?の勢いが止まらない。2011年12月に満を持してリリースされたEeMuのトラック・アルバム『Nothings』から僅か2ヶ月で更に2枚のアルバムをリリース。その名もJinmenusagi(ジンメンウサギ)の『Self Ghost』とCOASARU(コアサル)の『分裂』だ。Jinmenusagiはインターネット上では既にその独特なラップ・スタイルで注目されていた存在。COASARUはLOW HIGH WHO?のレーベル・オーナーParanelのトラック・メイカー名義だ。

作品が完成すればすぐにインターネットで発表出来てしまう現在。だが、LOW HIGH WHO?のアーティストはただ発表するだけではなく、細部に渡るクオリティを保証する。Paranelが「CDをカルチャーとして発信し続けたい」ともらす言葉からはレーベルの本質が見えた!? インタビューでは、JinmenusagiとCOASARU、LOW HIGH WHO?に所属し楽曲にも参加しているkuroyagiとEeMuが現れた。

インタビュー&文 : 和田隆嗣

大注目! 異次元MC現れる

Jinmenusagi / Slef Ghost

不可思議/wonderboyやEeMu等、新進気鋭のアーティストを世に送り出すLOW HIGH WHO?の次なる刺客はインターネットの恩恵を受けた20歳のヒップ・ホップ・アーティストJinmenusagi(ジンメンウサギ)。自作のビートと言葉で紡ぐ別視点の新世代ラップ・アルバム。

【TRACK LIST】
01. Intro / 02. Self Ghost / 03. Jap Rap / 04. ひそひそ / 05. ぐちぐち / 06. Umms / 07. Dream / 08. Chicken feat. Momose / 09. Ezekiel / 10. Rotten Soy feat. Kuroyagi / 11. Paradoxxx / 12. Xyz / 13. Do It Big



狂気に満ちたCOASARUの2ndアルバム

COASARU / 分裂

ジャンルを超えてそのファンを増殖し続けているインディペンデント・レーベル「術ノ穴」からリリースされた『別人格コアサル』発売から1年足らず。自身が主宰し、現在最も注目を集めるレーベルLOW HIGH WHO?からセカンド・アルバムのリリース。

【参加アーティスト】
kuroyagi、EeMu、ELOQ、TOP SHELF、Jinmenusagi、Kousuke Iio、寛治、丸

人生に深みがないので、重いリリックが書けない(Jinmenusagi)

——2月8日にCOASARUの2ndアルバム『分裂』と、jinmenusagiの1stアルバム『Self Ghost』が同時にリリースされるわけですが、その経緯を教えてもらってもいいですか?

COASARU(以下、C) : 最初は、Jinmenusagiのリリースだけで進めていたんですね。COASARUは別の月にリリースしようと思っていたんですけど、流通のULTRA-VYBEさんが「一緒に出しましょうよ」って言ってくれて、一緒にリリースすることになったんです。音源は結構前から完成していたんですけど、制作のスピードも早かったよね?
Jinmenusagi(以下、J) : 実質2ヶ月ですね。

——早いですね! そもそもお二人の出会いはいつ頃なんですか?

COASARU : ある本屋でLOW HIGH WHO?のインストア・ライヴを行った時にお客さんでウサギ(Jinmenusagi)が来てくれてたんですよ。
Jinmenusagi : 前々からネルさん(COASARU)にはお世話になってたんです。
COASARU : 俺がTwitterで、「Jinmenusagiヤバい」ってよくつぶやいてたんです。気に入ったラッパーの名前を見つけるとすぐつぶやいちゃうんですよね(笑)。
Jinmenusagi : 『別人格コアサル』にも参加させてもらいました。2.5D(池尻大橋にある映像とリンクしたクラブ)のイベントにも呼んでもらっていました。

——それまで、Jinmenusagiさんは今迄はどこで活動していたんですか?

Jinmenusagi : インターネットにしか音源はあげていなくて、ライヴをやっても身内のイベントばっかりでしたね。

——その頃から次のステージに登っていきたいっていう気持ちはあった?

Jinmenusagi : ずっとありましたね。
COASARU : ウサギは自分で勝手にやっているイメージがあったので、特に誘うこともなかったんです。でもFragmentさんやYAMANE(LOW HIGH WHO?所属アーティスト)に、「JinmenusagiもLOW HIGH WHO?に入れちゃいなよ」って言われたこともあって、加入してもらうことにしたんです。特に注目されるようになったのは、MINTさんとやってからじゃない?
Jinmenusagi : 2011年の夏位ですかね。MINTさんと作った曲をYouTubeにあげてから注目されるようになりましたね。

Jinmenusagi

——YouTubeに楽曲をアップするのはもはやヒップ・ホップ・アーティストにとっては当然の手段になってきていますが、コメントの反応とかはチェックするんですか?

Jinmenusagi : しょっちゅう見ては、よく怒っていますね(笑)。

——と、いいますと?

Jinmenusagi : また同じ人が同じようなコメント付けてるよって(笑)。nice!!、dope.、age☆poyo... めっちゃありますよね。

——それが若いMC達の目標になっている部分もあると思うのですが、他のアーティストのYouTubeもチェックしますか?

COASARU : 僕はあんまり見てないですね。やっぱりアーティスト名に目がいっちゃって(笑)。アーティスト名からその人のボキャブラリーが感じられるんですよね。だから、どんなにbenzmafia(脚注1)さんがdopeと押していても、自分はラップの内容をあんまり聞かないですね。だからまず名前から入っていって、その後にラップを聞きますね。
Jinmenusagi : 後は、YouTubeの使い方が雑ですよね。曲名が見にくい状態のままアップしていたり。
COASARU : 怒られるわ(笑)。ラッパーがYouTubeに曲をアップするっていうのがルールにもなってきているよね。あれは良くないかも。
Jinmenusagi : あげればいいってもんじゃない気がするんですけどね。

——Jinmenusagiさんは今作が始めて全国流通にかかった作品だと思うのですが、どんな一枚になりましたか?

Jinmenusagi : やれば出来たなって。
COASARU : 強気だな〜。でも、ライヴの方がかっこいいですね。何を言っているか分からないスタイルなんだけど、皆が認めているっていうのはすごいなって思います。

——今迄影響されてきたMCっているんですか?

Jinmenusagi : (EeMuとkoroyagiを指差す。)
COASARU : うちらのなかで、最初に日本語を英語みたいに崩してラップをし始めたのはkoroyagiなんですよ。でも、元々はノイズのアーティストなんです。ギターを弾きながらラップをするんです。
Jinmenusagi : 日本語でラップしてても、人生に深みがないので重いリリックを書けないんです。なので、せめて耳に気持ちいいラップをしようと思っていて。でも、イメージはあってもなかなか上手くいかなかったんですよね。そしたらEeMuさんとヤギさん(kuroyagi)が先にそれをやっていたんです。

——聞いていて気持ちいいラップって、具体的にはどういうものでしょう?

Jinmenusagi : ラップが音になっている感じですね。
kuroyagi(以下、K) : 周りの音と同時多発的に起こるイメージですね。
Jinmenusagi : 昔は黒人のラップを日本語に譜割りして研究してたんです。でも、発音のことまでは考えきれていなかったんですよね。初めて「illyagi」(CAOSARU『分裂』)を聞いた時にぶっ飛ばされましたね。こんな方法があったのかっていう。

——今20歳のJinmenusagiさんの核となっているものっていうのはなんでしょう?

Jinmenusagi : 制作期間中に散々「90'sのサンプリングっぽい音は意識しなくていいから」って言われました。言われてから「そうだな」って気付く箇所もありましたし、サンプリングが好きなので抜けきれない部分もあったんですけど、色々と試すことも出来ました。
COASARU : 若い子が、90年代を語っている感じが嫌いなんですよね。なので、その感じでビートを持って来られたら嫌だなって思っていました。
Jinmenusagi : 最初、仮に作ったビートを持っていったら「ちょっと、これは... 」って言われました(笑)。

——全曲通して、COASARUさんの意見が入ったんですか?

COASARU : そうですね。でも完成したものを先輩に聞かせたら「これ『TAGS OF THE TIME』(脚注3)周辺かもね」って言われたりして、嬉しかったですね。かなりテコ入れしたよね。ラップに関しても口のかすれる音を意識して注意してましたね。サウンド重視なので、「気持ちいいね」って思える位まで作り込みました。

——ラップに関してはkuroyagiさんのラップが特に耳に残りました。LOW HIGH WHO?に入るまでの経緯を教えてもらってもいいですか?

kuroyagi : COASARUの『分裂』に3曲参加させてもらって、結構フィーチャーさせてもらいました。小学校の時にEMINEMを聞いてから高校2年位まではずっとヒップ・ホップを聞いてましたね。そこからNUMBER GIRLを聞いたり、大学で友人がバンド・サークルに入った影響で色々やり始めましたけど、僕の中には好きなことがモヤモヤとあったんです。結局、ラップもノイズもやりたかったんです。

——出会いは何だったんですか?

kuroyagi : EeMuのめっちゃファンだったんです(笑)。
COASARU : LOW HIGH WHO?は皆ファンの繋がりなんですよ。俺のファンがEeMuYAMANEだから(笑)。
kuroyagi : ずっと「最高です」を言いたくて探してたんですよ(笑)。そしたらLOW HIGH WHO?に行き当たったんです。で、周りの人の音を聞いてたら、アンチコン(脚注4)以降始めて感心したんです。まだこんなことやってる人達いるんだって思って。そこから俺が勝手にmixiとかで音源を紹介してたら、俺の音源を聞いてくれたみたいで、会うことになったんです。

——アンチコン以前と以降で、具体的にどう違うんでしょうか?

kuroyagi : アンチコン以降、ヒップ・ホップにすごく保守性を感じてたんです。けど前衛ヒップ・ホップで、ここまでやっている人達が居るんだなって驚いたんです。
COASARU : 5、6年前からジャパニーズ・アンチコンって言われ始めて、嬉しかったんですね。僕があんまり黒人のヒップ・ホップを聞かなくて、EMINEMとかBeastie Boysとか、色々なものを混ぜてくるのが面白いんですよね。

——COASARUさんの今作のテーマってあります?

COASARU : LOW HIGH WHO?全体に言えるんですけど、カルチャーを大事にすることを心がけました。さっきの話に戻るとインターネットが普及して音楽だけが孤立してしまっているように感じるんです。僕が憧れていたヒップ・ホップっていうのは恵比寿MILKでやっていたHARVEST(脚注5)であったり、KAZE KAGAZINE(脚注6)、スケーターやBMXのカルチャーだったんですね。でも今は、音源をネットであげたりして終わっているのが、寂しいんですよね。それを踏まえて、カルチャーとしてCDを出したかった。MO'WAXっていうDJ KRUSHとかが居たレーベル(脚注7)を意識していたりしますね。

——同時期に制作に入っていたら、jinmenusagiさんとCOASARUさん同士でアドバイスをし合ったりしないんですか?

Jinmenusagi : ネルさんからはありますけど、俺からはないですよ(笑)。
COASARU : kuroyagi、EeMuからは来ますね。「ないわー」とか言ってきますからね。EeMuは最近ストイック過ぎて厳しいんですよ。
EeMu : ストイックにさせたのは、ネルさんですからね(笑)。グルーヴを大事にしてないとね... 音に対してスウィングしてないとか言いますね(笑)。
COASARU : この音と音が合ってないとか、このシンセの音は違うとか言いますよ。

Jinmenusagi MCバトル優勝『サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』@渋谷WWW

——音に対してどこまでも繊細なんですね。

COASARU : しかもEeMuは今後11ヶ月連続でリリースして行きますからね。全ジャンルを網羅して制作しています。何でも出来るぜっていうのを見せつけます(笑)。えげつないっす。

——こんな先輩達を見て来て、LOW HIGH WHO?の特徴を肌で感じることも多いんじゃないですか?

Jinmenusagi : LOW HIGH WHO?に入る迄、保守的な所にいたんですよね。いわゆる現場主義ってやつですね。そこで学ぶことも有るんですけど、結果として今の方が音楽的にも、メンタル的にも成長出来たので、 性に合ってますね。

——昔活動していたメンバーというのは、変わらないメンツで活動していたんですか?

Jinmenusagi : それそれで楽しいんですけどね... LOW HIGH WHO?に入ってもちゃんと言いたいことも書けてるし、やりたいことも出来てるんです。後はラップ以外にも学ぶことが多いですね。
COASARU : 今回ウサギを出したのは、若いMCに焦りを生む為でもあります。一気に駆け上がらせて、周りが「えっ! 」って思える環境を作りたかったんです。

——若いMCだとまずはCDを出すことが目標であったりしますよね?

Jinmenusagi : 何段階かありますよね。昔は俺も何歳までにCDを出すっていう目標があったので、今こうしてリリースするとすごく嬉しいんですよね。でも、逆にこれがまた始まりになりました。第二段階に入りましたね。

今年は尋常じゃないぐらい忙しくなる

——COASARUさんの環境はどうですか?

COASARU : 地元は藤沢なんですけど、かなりいいですよ。
Jinmenusagi : 神奈川県のヒップ・ホップって、すごく熱いですよね。
COASARU : そうだね。日本のトップ・レベルだと思ってますけどね。
Jinmenusagi : 男気がありますよね。BLARMYとか。DINARY DELTA FORCE(以下、DINARY)とか。
COASARU : もっと盛り上がってくれたら、嬉しいんですけどね。

——藤沢では、DINARYが10年以上前の高校生位だった頃からライヴをやっているじゃないですか? あの現場の叩き上げ感っていうのは、LOW HIGH WHO?がこれから目指すところではあるんですかね?

COASARU : いやーどうでしょう(笑)?

——MCもビート・メイカーも、どんどんライヴして行く予定はないんですか? 作品がいま先攻していますよね?

COASARU : そうなんですよね。でもEeMuとかには現場志向で行ってほしいんですけどね。作品を重視したり、ライヴ志向でっていうのは、分けていこうかなって思ってます。僕はもう運営でいっぱいいっぱいなので、ライヴに行くことさえちょっと難しいんです。ウサギもライヴやらないとね。
Jinmenusagi : 作品型アーティストって、何で馬鹿にされるんでしょうね。
COASARU : そこはやっぱ認めてもらいたいよね。
Jinmenusagi : だから、俺もっとライヴ上手くなります。
COASARU : でも、どっちのアプローチもできるように作って行こうかなとは思っているよ。
Jinmenusagi : なんか過程だけ重視されている気がするんですよね。

——どうやって有名になったかっていう過程ですか?

Jinmenusagi : いや、「あそこでライヴをして来たんです」っていう感じですかね。それも大事だと思うんですけど、それだけじゃないと思うですよね。
COASARU : もうアウェーって無いと思うけどね。

——現場にですか?

COASARU : そうですね。わざわざ呼ばれてライヴする必要性が無い気がするんですよね。ホームでずっとやり続けて、そこのお客さんを育てて行くっていう方が、僕の中ではしっくりきますね。最近LOW HIGH WHO?で主催するイベントとかの方が気持ちいいんですよね。見に来てくれている訳だから、お客さんも喜んでくれるし。だからそこを突き詰めて行ってあげればいいのかなって。これから先ホーム・イベントがどんどん出来てくるんじゃないかなと思って。LOW HIGH WHO?のアーティストはLOW HIGH WHO?のイベントでしか見れないって言わせるくらいの、ものを作りたいですね。

——さっき言っていた作品型アーティストがすごく馬鹿にされるっていうのは、どんな場面で感じますか?

Jinmenusagi : 曲を作ることよりイベントに顔を出すこと。で、顔を覚えてもらうことが大事って教わったんです。でも続けたところで、何も出来ていなかったりしますからね。
COASARU : エッジがあるなあ(笑)。

COASARU『術ノ穴リリース・パティー』@渋谷PLUG

——EeMuさんは、作品を通して聞いてみてどうでした?

EeMu : 急にマスタリングを頼まれたんですけど、あれはめっちゃ困まりました(笑)。ほんと3時間くらいでマスタリングしたんですよね。『Self Ghost』なんですけど。
Jinmenusagi : まじで申し訳ないです。(笑)
COASARU : 僕が急に「すぐできる!? 」って、頼んだんですけどね。前に頼んでいたマスタリングが僕は気に入らなかったんです。それで頼んだんです。

——ラップに関しては、いかがでした?

EeMu : 俺、フローとかはすげー好きなんですよ。やりたいことも理解しているからだと思うんですけど。内容も若いなりの毒があるっていうか。俺は全然ありだと思います。
COASARU : 10年後に、ウサギに聞かせようと思ったら、「いややめて」って言いそうだよね(笑)。

——それどういうことですか(笑)?

COASARU : 10年後には歌詞の内容も若く感じるから、ちょっと恥ずかしがったりすると思う。
Jinmenusagi : これ発売する前に全然言いたくないんですけど… 今聞いた段階で「あー。これもっと上手く出来たのに! 」って、思ってます。「もっと詰めたりとか、ここもっとこういう風にのせればスムーズだった」って、今になって見つかってきてイライラしてます。でも、それは次に持っていくっていうことで。
COASARU : 見つかるの早すぎだろ。

——ラップで一番言いたいことが、このLOW HIGH WHO?の中では出来ているって言ってたじゃないですか? 特に強く言いたかったこととは何ですか?

Jinmenusagi : 「もっと日本人を見ろよ」っていうのを実はすごい言いたかった。そして、黒人に首を振ってほしい(笑)。でも、まだまだ… 。次は黒人向けに作りたいです。

——トラック・メイカーとしてのJinmenusagiは、COASARUさんからどう見えていますか?

COASARU : 元々知ってましたし、ELOQ(LOW HIGH WHO?所属アーティスト)のリミックスとかやってくれた時、上手いなって。コンポーザーだよね。耳がいいって言うんですかね。ミックスの具合だったり、音の選び方だったり、あと相対音感だったり、センスよりも突出してるんでよね。

——肉体的ってことですか?

COASARU : そうですね。エンジニア向きなんだと思います。音をちゃんと理解して、組み込む作業が20代ではずば抜けていいですね。才能じゃないですかね。だから、この曲にはこの音がいいだろうとか、ピック・アップが上手いなって。そのセンスを培ってくれば、もっと良い物が作れるだろうなって考えてますけどね。耳良いですよ。やっぱ。うさぎだけに。すいません(笑)。僕でも、EeMuよりも上だと思ってますよ。
Jinmenusagi : こわい。こわい。
COASARU : だから5、6年後のトラックは化けると思う。
EeMu : シンプルなのに、引き算出来てるよね。

——引き算?

EeMu : いらない音は使わないから、余分な音が無いんですよね。
COASARU : やっぱクラブの爆音で聞くといいんですよ。

——Jinmenusagiさんの地元には、音楽をやる仲間がいたんですか?

Jinmenusagi : いや地元には一切いなかったです。インターネットでLOW HIGH WHO?の人達以外にも知り合った人達がいたんですけど、本当に少数だけどラップの価値観が合う人たちもいて、その人達と集まって曲を作ったりしてました。色んなラップを聞くことによって、引き出しはすごく増えました。そのヘッズな人が知り合いに多かったので、聞かせてもらう曲がコアな曲だったりしたんです。いわば、おいしいとこ取り的に、色んなものを吸収したっていう。でも、メタルも好きなんですよね。

——メタル?

Jinmenusagi : 重い音が実はすげー好きなんですよ。だからギターのディストーションで、「ギャー」っていう以外の重たい音を作れねーかなっていうのは、今回アルバムのビートでちょっと考えました。

——なるほど。昔知り合ってたヘッズ的な人達って、サイファー(道中で始まるフリー・スタイル・ラップのセッション)していつでもラップしていく人達だったんですか?

Jinmenusagi : いや、ネット人間でした(笑)。ネット上の動画から、この人のラップかっこいいなって見つけて、実際に会って「いやー、俺もやってるんです」ってね。その後だんだん仲良くなって、今でも週一くらい遊んでます(笑)。

——では、LOW HIGH WHO?の2012年展望、何かありますか?

COASARU : 2012年がリリース・ラッシュで本当に忙しいです。7月に不可思議/Wonderboyのセカンド・アルバム、8月にYAMANEのセカンド、で、9月にSUNNOVA君っていうビート・メイカーをリリースしようとしています。それプラスEeMuの11ヶ月連続があって、その最後に某レーベルと企画を立ててやろうかなと思っています。今年は尋常じゃないくらい忙しくなるのではないかなと。後、レーベルがやる自主メディアっていうのをLOW HIGH WHO?で立ち上げようかなっと思ってます。独自に音楽に携わるクリエイターさんを取材していこうかなと。1つのコンテンツというよりマーケットとして動いていこうかなと思っています。

脚注1 : JPRAP.COM主宰。YouTubeで「dope」のコメントを残すことで有名。HPはこちら
脚注2 : HAIIRO DE ROSSIが渋谷PLUGで行ったビート・バトル大会。
脚注3 : 『TAGS OF THE TIMES』のコンピレーション・アルバムは、日本のヒップ・ホップ・レーベルであるメリー・ジョイ・レコーディングスにより、「タグス化計画」としてリリースされたアルバム群。良質なアンダーグラウンド・ヒップ・ホップを集めて作品を作り、世に輩出しようという「タグス化計画」。
脚注4 : ANTICONは、アメリカのヒップ・ホップ集団。ヒップ・ホップを主体にしながらも、トラックに異様にこりまくり追求し、エレクトロニカやポスト・ロックにも精通する集団。
脚注5 : 今はなき恵比寿MILKで、2000年初期に行われていたヒップ・ホップ・パーティー。蒼々たるメンツが揃っていた。
脚注6 : 不定期に発行されていたグラフィティISSUE。
脚注7 : UKのヒップ・ホップ、トリップ・ホップ、ブレイク・ビーツなどを主にリリースしているレーベル。DJ Shadow、DJ Krushなどを輩出、Ninja Tuneと共に、90'sのクラブ・カルチャーに絶大な影響を与えた。

LOW HIGH WHO? RECOMMEND

不可思議/wonderboy / ラブリー・ラビリンス

言わずと知れたstillichimiyaのビート・メイカーYoung-Gがスピリチャルかつ力強いビートで「タマトギ」を、神門のプロデュースで知られる観音クリエイションが淡く切ないピアノで「Pellicule」を、Shing02のリミックスや、haiiro de rossi、さらにはTBSドラマ「SPEC」など多彩なサウンド・プロデュースで知られるEeMuが「風よ吹け」プロデュース。

EeMu / Nothings

環ROY、HAIIRO DE ROSSI等、新進気鋭のMCへのビート提供、また話題を呼んだSFサスペンス・ドラマ「SPEC」への楽曲提供などヒップ・ホップを軸にジワジワとその知名度を高めるEeMuのファースト・アルバム『Nothings』がLOW HIGH WHO?からリリース。

>>>EeMu『Nothings』インタビュー特集はこちら

COASARU / 別人格コアサル

LOW HIGH WHO?代表Paranelのビート・メイカー名義COASARUが環ROY、bleubird、tofubeatsなど国内外からいま最も勢いのあるアーティストを集結させヒップ・ホップ・ダンス・ミュージックの新しい形を提示。CREATE&DELIVERYシリーズの最後を締めくくるのに相応しいどこにも属さない音世界。

Monk is my absolute / COLORS

LOW HIGH WHO?の若きジャズ・ピアニストによるMonk is my absoluteプロジェクトが放つ、グランド・ピアノをダイレクト・レコーディングで完成させたアルバム『COLORS』。レーベルECMを彷彿させるかのように柔らかく透明でノスタルジックなブルーが染みてくる。15歳の頃、セロニアス・モンクに影響を受け、モダンジャズに傾倒し独学で始めたピアノ。人間性が音色に投影され彼のピアノにはその優しさに包まれている。不可思議/wonderboyに贈った楽曲「Heaven」、YAMANEとParanelによる「陽と背中」のピアノ・セッションも収録。

PROFILE

Jinmenusagi / Ghost Cheek

1991年11月4日生まれ。東京都千代田区出身。 2007年ごろからミクスチャー・バンドにてMCとしての活動を開始。ラッパー名義「Jinmenusagi」ビート・メイカー名義「Ghost cheek」を使い分けフリー・ダウンロードにてWeb上に数々の作品をリリース。その若さからは感じられない成熟した作品性は多くのフォロワーを頷かせた。2011年、COASARUアルバム『別人格コアサル』に客演参加。 同年にMINT a.k.a. minchanbabyとユニット「バニーボーイズ」を結成、フリー・ダウンロード曲「ギャルボトムス」を発表。その後、LOW HIGH WHO?に正式加入。1stアルバム『Self Ghost』をリリース。

COASARU

静岡在住、LOW HIGH WHO?を主宰するParanelの別名儀COASARU。2009年に環ROYとのコラボEP(itunes store限定)「fighting!!」をリリース。2010年5月に術ノ穴から1stアルバム『別人格コアサル』をリリース。無尽蔵に広がるアイデアと境界線を作らないヒップ・ホップ、逸脱したミュージック・スタイルに多重人格者と錯覚してしまう。

LOW HIGH WHO? official HP

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@yagi1990http://t.co/LfbduZ8K 先日僕も同席したOtotoyによるコアサル、ジンメンウサギのインタビュー。僕も発言してます。やや伝わりきらなかった部分もあるのですが是非!(因みに「同時多発の~」みたいな発言は僕じゃないです)
2012/02/21 19:02:06
@yo0911http://t.co/WG2Q4su3
2012/02/21 15:11:11
@davidaggaiありがとうございます!!! RT @tm3crz: わくわくするインタビューだなあ。 / Jinmenusagi&CAOSARU Wリリース&Wインタビュー #ototoy http://t.co/Byjxj4ct @ototoy_jpさんから
2012/02/20 22:48:21
@tm3crzわくわくするインタビューだなあ。 / Jinmenusagi&CAOSARU Wリリース&Wインタビュー #ototoy http://t.co/0TYCDT3N @ototoy_jpさんから
2012/02/20 22:40:09
@penny_kidネットの人という伝え聞きで勝手に構築してたイメージよりも、ヒップホップに敏感な感性やばい!フロウ重視なの好きな人是非。Jinmenusagi&CAOSARU Wリリース&Wインタビュー #ototoy http://t.co/K3uhnUOb @ototoy_jpさんから
2012/02/15 15:24:07
@tototeruruお!アルバムが配信されてます!わーい。よろしくお願いします。 RT @Paranel: LHW?特集に伴い、OTOTOYさんにてtototeruru & Monk is my absoluteアルバム配信開始!! http://t.co/V45ngoKy #ototoy
2012/02/11 11:23:51
@yuto_com_tm修正キタw あとは「niceの!!」と「dopeの.」→ QT @samurai_tick また怒られちゃいました。汗 QT @yuto_com_tm あげぽよじゃなくてage☆poyoって書けよ→QT「nice、dope、あげぽよ」の件 http://t.co/9JiNCGEm
2012/02/10 23:48:09
@samurai_tickまた怒られちゃいました。汗 RT @yuto_com_tm: あげぽよじゃなくてage☆poyoって書けよ→ QT @keybo080: 「nice、dope、あげぽよ」の件ウケル。RT http://t.co/7HDm40yJ
2012/02/10 19:47:55
@genboy_[ototoy] 特集: Jinmenusagi『Self Ghost』&COASARU『分裂』Wリリース&Wインタビュー: http://t.co/AyRRbFzC #miteru
2012/02/10 18:51:23
@keybo080「nice、dope、あげぽよ..」の件ウケル。RT @penny_kid ベンさんの事触れられている!@davidaggai: 新進気鋭LOW HIGH WHO?からWリリース! そして、jinmenusagiとCOASARU http://t.co/1h7QFTTE
2012/02/10 18:41:52
@jpMusicRankingJinmenusagi&CAOSARU Wリリース&Wインタビュー: [closeup] LOW HIGH WHO?の勢いが止まらない。2011年12月に満を持してリリースされたEeMuのトラック・アルバム『Nothin... http://t.co/EV3UQEe2
2012/02/10 18:19:58
@hiroyao_sunnovaインタビュー面白い。 RT @ototoy_info 新進気鋭LOW HIGH WHO?からWリリース! そして、jinmenusagiとCOASARUのWインタビューを公開!! http://t.co/yATyrlhe #ototoy
2012/02/10 18:19:37
@ParanelLHW?特集に伴い、OTOTOYさんにてtototeruru & Monk is my absoluteアルバム配信開始!! RT @ototoy_info jinmenusagiとCOASARUのWインタビューを公開!! http://t.co/cRHUgfVB #ototoy
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by 渡辺 裕也
REVIVE JAPAN WITH MUSIC
[CLOSEUP]・2012年05月02日・ 2011年3月11日以降、OTOTOYでは『REVIVE JAPAN WITH MUSIC』と題し、音楽やカルチャーに関わるもの達が、原発に対してどのような考えを持ち、どうやって復興を目指しているのかをインタビューで紹介してきた。 そして今回、自身のバンド、ASIAN KUNG-FU GENERATIONだけでなく、音楽フェス「NANO-MUGEN FES.」を主催、レーベル&音楽ウェブ・サイト「only in dreams」を運営、そして新聞「FUTURE TIMES」を敢行し、震災後、最も発言が注目されるミュージシャン後藤正文に遂にインタビューをすることができた。 僕自身も、バンドLimited Express (has gone?)や音楽フェス「BOROFESTA」、レーベル「JUNK Lab Records」、そしてwebメディア「OTOTOY」を行っていることもあって、彼は同志であり、彼の活動は、指標であった。特にTheFutureTimesは、2011年夏に創刊準備号、そして冬に創刊号が発行され、切り口が未来のエネルギー施策や未来への生活の提案等、批評や否定だけになっておらず、それこそ本企画『
by JJ
Drakskip『それでも舵を取る –Steering Through The Storm-』配信開始&メンバー・インタビュー
[CLOSEUP]・2012年05月01日・ 京都発インスト・バンドDrakskipの、3rd Albumが登場!北欧の民俗音楽を軸に、独自のアレンジを凝らした伝統曲やオリジナル・ソングを奏でるインストゥルメンタル・バンド、Drakskip(ドレイクスキップ)。この取材の話を受けて彼らのことを調べる中、2011年4月に表参道の路地裏で突如始まったストリート・ライヴのことを思い出していた。と思ったら、まさかの本人たちだった。なぜ1年前に一度見たきりの彼らのことを鮮明に憶えていたかというと、まずは鍵盤とバイオリンが合体したような謎の楽器だったり、12弦のギターだったり、ドラム・セットに見たことのない打楽器がたくさん付いていたりと、とにかく楽器が変わっていたから。また、老若男女問わず多くの人が路上で鳴る音楽に足を止める光景を、それまであまり見たことがなかったから。そして、人が多く忙しない表参道を、異国情緒ある街並みへと瞬く間に変えたから。 そんなDrakskipだが海外での演奏経験はまだなく、来たる7月にスウェーデンで行われる音楽フェス「Eileens Folkfest 2012」への出演が初となる。「ターニング・ポイントになる可能性が高い」と早くも予想す
by bobbiiiiie
JUN SKY WALKER(S)『LOST&FOUND』配信開始&インタビュー
[CLOSEUP]・2012年04月28日・ 宮田和弥、森純太、寺岡呼人、小林雅之の4人が戻ってきた。そう書くと語弊があるかもしれない。なぜなら彼らは4人とも音楽を続けており、だからこそ今回の完全復活があったのだ。JUN SKY WALKER(S)は1997年に解散し、バンドに一度幕をおろしている。そして、2007年に期間限定の再結成を果たし、今回完全復活を遂げた。その裏には、東日本大震災という大きな天災と、それに伴う東北/北関東のツアーの影響があったという。 4人が集まり、JUN SKY WALKER(S)として各地のリスナーの前で演奏をした2011年。どれだけ自分たちが必要とされているのかを実感し、その役割を引き受けることを彼らは選んだ。そうした覚悟を持って、復活後に初めて作り上げられたオリジナル・アルバム、それが『LOST&FOUND』である。テーマになっているのは、原点回帰とも言えるロック。それは解散を経て、年齢を重ねたことによってしか出来ないロックだった。2012年のJUN SKY WALKER(S)が鳴らすロックについて、宮田和弥と森純太に話を伺った。 インタビュー & 文 : 西澤 裕郎 ジュンスカ完全復活! 待望のオリジナルアルバ
by 西澤 裕郎
MAYA『Bluesy Maya in Hi-Fi』インタビュー
[CLOSEUP]・2012年04月25日・ 期待のシンガーMAYA、ついにOTOTOYに現る! まずは彼女の声に耳を傾けるところから始めてみてはいかがだろうか。詳しくは以下に掲載した本人の発言に譲るとして、このMAYAというアーティスト、ジャズ・シンガーとしての経歴も異色なら、その人となりからも実に濃厚なものを感じさせるのだ。この度リリースされる彼女の新作『Bluesy MAYA in Hi-Fi』もまた、そのタイトルの通りのブルースをテーマにして、彼女の内に秘めたキャラクターのひとつを少しずつ炙り出していくような生々しさを持った作品だ。ジャズという世界にどことなくアカデミックなイメージを抱いている方にこそ、ぜひ彼女のうたに触れていただきたい。 インタビュー&文 : 渡辺裕也 MAYA / Bluesy Maya in Hi-FiJAZZを基本にジャンル、言語スタイルにとらわれないオリジナリティーあふれる世界観が各方面で高く評価されているヴォーカリスト、MAYAの新作。女性の複雑な内面性をテーマに、ブルージーな曲を主体にノリのよいニューオリンズ・サウンドまでを収録した内容。オーディオ・プロデュースを評論家の林正儀氏が担当。収録は定評のあるランド
by 渡辺 裕也
Anrietta『Memoraphonica』1曲先行フリー・ダウンロード開始&インタビュー
[CLOSEUP]・2012年04月24日・ Anrietta from Novel Sounds INTERVIEW荘厳なアンサンブルの中にフレッシュな感性を持ち込む新世代がまたひとつ登場した。彼らの名はアンリエッタ。エレクトロニクスも取り入れたアンサンブルによる、シガー・ロスの『Takk…』あたりを思わせる重厚な音作りと、女性ヴォーカルがじっくりと歌い上げていく様は、ヨーロッパ及び日本のポスト・ロックからの素直な反響を感じさせるものだが、それをたとえばアニメなどの視覚的なメディアを意識して鳴らそうとする感覚は、まさに今の世代ならではのものだろうし、実際に彼らのデビュー作『Memoraphonica』は明確な情景描写を備えた作品に仕上がっている。今回はこの気鋭のバンドからリーダーの板谷元気とヴォーカルのkokkoをお招きし、話を聞いてみた。 インタビュー&文 : 渡辺裕也 >>>「Grassky」のフリー・ダウンロードはこちらから(4/26〜5/2迄) デビュー・アルバムの発売に先駆けて1曲先行フリー・ダウンロード!Anrietta / Memoraphonica透き通った歌声と幾重にも重なる音ので、美しい光景を浮かび上がらせる楽曲が特徴のAnr
by 渡辺 裕也
SA.RI.NA『光-HIKARI-』インタビュー
[CLOSEUP]・2012年04月24日・ SA.RI.NA INTERVIEW 母親への想いを綴った「シングルマザー」が、2010年の有線放送でJ-POP年間リクエストの1位を獲得した女性シンガー、SA.RI.NA。自身も一児の母親である彼女は、地元横浜で自然と音楽に目覚め、レゲエをベースにしつつも、R&B、ソウル、ジャズなどを織り交ぜた楽曲で、様々な心の結びつきを歌い続けてきた。新作『光 –HIKARI-』からのリード・トラック「赤い糸 feat.ハジ→」も、すでにレコチョクの「クラブうたチャート」で1位を獲得し、女性を中心とした高い人気を実証している。 とはいえ、着うたや有線などとの接点が少ないリスナーにとって、まだまだ彼女の認知度は十分とは言えないかもしれない。僕自身、彼女のようなタイプのアーティストの取材をするのは初めてで、その内容は非常に新鮮なものだった。印象的だったのは、母親であるためライヴの回数が少なく、アーティスト写真を全面に出すタイプでもない彼女は、だからこそ自分自身に偽りのない音楽を作ることで、リスナーとの絆を作り上げてきたということ。また、取材中に“勉強”という言葉を何度も繰り返し、自身がプロの作家であるという意識が非常に高
by 金子 厚武