
今年2月19日〜20日に新宿文化センター大ホールで行われた菊地成孔のダブル・コンサートの模様をDSD音源でお届け! 「同一の呪法による二つの儀式~菊地成孔と菊地成孔によるダブルコンサート」と名付けられた2DAYSの初日に登場したのは昨年、結成5周年を迎えた菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール。そして翌日には昨年の京都ボロフェスタでの復活第2弾のLIVE音源が好調な新生DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDENが登場。2日連続でホール中を熱狂の渦の中へ落とし込んだ濃密な時間をDSD音源で再現。まずは、DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDENの音源リリースが決定です。

『巨星ジークフェルド 2011.02.20 Part.1』
Track List :
1. MC / 2. Perfect Days For Jungle Cruise / 3. Play Mate At Hanoi
ファイル形式 :
1) DSD+mp3(約2.72GB)
2) HQD(24bit/48kHzのwav)(約1.05GB)
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『巨星ジークフェルド 2011.02.20 Part.2』
Track List :
1. Catch 22 / 2. NEW YORK GIRL / 3. CIRCLE/LINE〜HARD CORE PEACE / 4. Mirror Balls-Encore-
ファイル形式 :
1) DSD+mp3(約3.46GB)
2) HQD(24bit/48kHzのwav)(約1.2GB)
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【Member】
菊地成孔 / Naruyoshi Kikuchi (cond / CDJ / key)
大儀見元 / Gen Ogimi (perc)
坪口昌恭 / MasayasuTzboguchi (key)
丈青 / Josei (key)※
千住宗臣 / Muneomi Senjyu (ds)
田中教順 / Kyojun Tanaka (ds)
アリガス / Arigath(eb)
津上研太 / Kenta Tsugam (sax)
高井汐人 / ShiohitoTaka (sax)
類家心平 / Shinpei Ruike (tp)
大村孝佳 / Takayoshi Oomura(g)
※丈青 from SOIL&”PIMP”SESSIONS by the courtesy of Victor Entertainment, Inc.
Recorded & Mixed & Mastered by 高橋健太郎
Recorded at 新宿文化センター大ホール (2011.02.20)
Mixed & Mastered at DONIDONIStudio
All Photos by Sasaki Wataru
Naruyoshi Kikuchi Management : 長沼裕之(ewe Inc.)
Project Director : 高見一樹(ewe Inc.)
Produced by OTOTOY & ewe Inc.
昨年10月、約3年半ぶりに活動を再開したDATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN(以下、DCPRG)。土砂降りの日比谷野外音楽堂での復活ライヴは、彼らの復活に期待と不安を入り混ぜて待つオーディエンスの想いをよそに圧巻のパフォーマンスを魅せつけるものだった。降り続ける雨もろともグルーヴに変えて会場をダンス・フロアへと変貌させる姿に、今後の活動に期待せざるを得なかった。そして、京都の音楽フェスティバル・ボロフェスタでの復活第2弾ライヴでは、より強固になったバンドの姿を観ることができた。ボロフェスタでのライヴの模様を収めた音源『LIVE at BOROFESTA 2010』収録の「MIRROR BALLS」では、会場内のいたるところから歓声が聞こえてくる。その日の演奏が、空間が、どのようなものだったのかを表している声だ。バンドとオーディエンスの熱量のぶつかり合いが、とてつもない混沌と熱狂を生み出した一夜だった。
そしてその4ヶ月後の2011年2月、彼らの3回目のライヴが行われた。今回開催されたのは、「同一の呪法による二つの儀式 —菊地成孔と菊地成孔によるダブルコンサート—」と題された菊地成孔による2日間に渡るライヴで、初日の2月19日に菊地成孔とぺぺ・トルメント・アスカラールが、翌日2月20日にDCPRGが出演した。会場は新宿文化センター大ホール。彼の住まいからもほど近いこの場所は、歌舞伎町の繁華街を抜けた所にある。ホール特有の絨毯が敷き詰められた床の上を歩き、会場のドアを開けると、真っ暗なステージに用意されている楽器や機材の数々が目に入った。これまでのライヴに比べて、幾分上品な雰囲気が漂う。客席も興奮を内に秘め、静かに開演を待っているようだった。

定刻にステージが照らされると共に菊地成孔がステージに登場し、「演奏を始める前にちょっとした昔話を聞いてもらいたい」と、説話「千夜一夜物語」における、船乗りシンドバードのエピソードを話し始めた。
「船乗りのシンドバードが賢者から受けたミッションは『突然暴れ出し手がつけられなくなってしまった猿達を、魔法の楽器でなだめること』だった。『魔法の楽器』と言われて想像するのは、笛やたて琴のようなものだろうか? 彼らが持っていったのはそんなエレガントなものじゃない。タムタム、そう、リズム楽器だ。彼らは猿の群れに飛び込んでいった。一緒に楽器を叩き、踊ることで猿達とひとつになる。いつの間にか猿達はなだめられていったわけだ。これが、グルーヴに関する一番古い記述だ。」
含みを持たせるかのような一瞬の間を置き、彼はこう続けた。
「今日は巨星ジークフェルドが近づく夜だから、魔法の楽器は用意してきた。暴れ者の猿くん達、われわれとひとつになる準備はいいかな? 」
キーボードの不協和音から始まる「Perfect Days For Jungle Cruise」の不穏な空気とそれを分断するダイナミックなブレイクで一気に惹き込まれ、開演から終演まで、トータルで3時間にも及ぶ演奏が続いた。「Catch 22」での千住宗臣と田中教順によるドラムの掛け合い、大村孝佳の"ど"メタルなギター・プレイ(異彩を放つメンバーの中でもこの日取り分け注視せずにいられなかったのは彼だった)。サックスやホーンは、ホール公演ならではの音の響きの良さに感嘆した。時に優雅に、時に凶暴に姿を変える彼らを観ていると、永遠に続くかのように思える音のループに、自分が組み込まれてしまったかのような錯覚に陥ってしまう。会場のヴォルテージは本編ラストの「CIRCLE/LINE〜HARD CORE PEACE」で最高潮へ達した。そして、アンコールでは格別の甘いもの、「Mirror Balls」を演奏し、鮮やかに幕を閉じた。全席指定だったホール公演は、始まってみれば、立ち上がって踊り狂っている人、座って静かにステージを見つめる人、ゆらゆらと体を動かす人、歓声を飛ばす人、様々だった。皆満足そうな面持ちで帰路へと向かっていった。
彼らは、DCPRGという略称はそのままに「デート・コース・ペンタゴン・ロイヤル・ガーデン」というバンド名を今年いっぱいで終了すると発表した。これは新体制でのDCPRGで動き出していくことへの高らかな宣言だ。現に、計算と瞬発が交差して生み出される混沌としたグルーヴは、復帰後の新体制での活動を経て進行形で更新されている。今年の夏はFUJI ROCK FESTIVALへの出演も決まっている彼ら。狂気の渦の中心で、何千、何万もの猿達がともに踊り、ひとつになるであろう様は是非とも目に焼き付けておきたい光景である。(text by 井上沙織)

LIVE SCHEDULE
菊地成孔
2011年7月9日(土)「HOT HOUSE」@日本橋三井ホール
DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN
2011年7月30日(土)「FUJI ROCK FESTIVAL'11」@新潟県・苗場スキー場
2011年9月2日(金)「TOKYO JAZZ FESTIVAL 2011」@東京国際フォーラム ホールA
菊地成孔 DUB SEXTET
2011年8月23日(火)@モーション・ブルー・ヨコハマ
2011年8月24日(水)@名古屋ブルーノート
2011年8月25日(木)@ビルボードライヴ大阪
菊地成孔 WORKS -LIVE REC-
DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN
『LIVE at BOROFESTA 2010 (HQD ver.) 』
2007年4月に活動を終了してから約3年半の時を経て、昨年10月に再始動したDATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN (以下DCPRG)。復活第2弾LIVEとなった昨年の京都BOROFESTAでのステージを完全収録して、高音質のHQD(24bit / 48KHz WAV)音源でOTOTOYから独占配信! メンバーを一新した新生DCPRGによる混沌とした怒濤のグルーヴが、強烈なダンス衝動を呼び覚ます。
【Track List】
01. Perfect Days For Jungle Cruise (23:42) / 02. Play Mate At Hanoi (24:05) / 03. Catch 22 (25:07) / 04. CIRCLE/LINE〜HARD CORE PEACE (19:32) / 06. Mirror Balls (11:02)
アーティストの意向により、当初配信していたMC部分「encore MC」は、配信停止となりました。ご了承ください。
※アルバム全曲でファイル・サイズが1.7GB以上となります。
【Member】
菊地成孔 (cond / CDJ / key)、 大儀見元 (perc)、坪口昌恭 (key)、丈青 (key)、千住宗臣 (ds)、田中教順 (ds)、アリガス (eb)、津上研太 (sax)、高井汐人 (sax) / TAKUYA (g)
Recorded & Mixed & Mastered by 高橋健太郎
Recorded at KBSホール (2010.10.22)
Mixed& Mastered at DONIDONIStudio
All Photos by goto yoshitaka
菊地成孔とぺぺ・トルメント・アスカラール
『LIVE at Liquid Room 2010.06.09』
〜結成5周年記念ツアー「1000年後の南米のエリザベス・テイラー」〜
結成5周年を記念し、2010年6月9日、恵比寿Liquid Roomでおこわれた菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラールのLIVEを完全収録し、24bit/48kHzの高音質音源(HQD)でOTOTOY独占配信中です。2時間以上にわたって繰り広げられ、高揚感に包まれたLIVEをまるごと収録したアンコール2曲を含む全14曲をお届けします。アルバムでダウンロードされた方には、ボーナス・トラックとして菊地成孔のMCをプレゼント。
【Track List】
01. 導引 / 02. はなればなれに—映画『アルファビル』〜悲しきワルツ—映画『バターフィールド8』〜バターフィールド8のテーマ / 03. 京マチ子の夜 / 04. パリのエリザベス・テーラー(存在しない) / 05. アリア 私が土の下に横たわる時〜オペラ『ディドとエネアス』より / 06. 行列 / 07. 大天使のように / 08. 嵐が丘 / 09. キリング・タイム / 10. 儀式〜組曲『キャバレー・タンガフリーク』より / 11. ルペ・ペレスの葬儀 / 12. 映画『8 1/2』〜それから...(ワルツ)より / 13. MC&メンバー紹介(アルバム購入用bonus track)〈アンコール〉14. メウ・アミーゴ・トム・ジョビン / 15. 時さえ忘れて
※Track13は、アルバム購入用Bonus Trackです。
※アルバム全曲ではファイル・サイズが2G以上となります。
【Member】
菊地成孔(Sax/Vocal/Conduct)、早川純(Bandneon)、林正樹(Piano)、大儀見元(Percussion)、田中倫明(Percussion)、堀米綾(Harp)、鳥越啓介(Bass)、吉田翔平(1st Vln)、楢村海香(2nd Vln)、菊地幹代(Vla)、徳澤青弦(Vlc)
2010年6月9日(水)@恵比寿Liquid Room
Recorded : 高橋健太郎 / 溝口紘美
Mixed & Masterd : 高橋健太郎
菊地成孔 WORKS
DATE COURCE PENTAGON ROYAL GARDEN
菊地成孔とぺぺ・トルメント・アスカラール
『ニューヨーク・ヘルソニック・バレエ』
1. キリング・タイム / 2.ニューヨーク・ヘルソニック・バレエ / 3.アリア 私が土の下に横たわる時〜オペラ「ディドとエネアス」より / 4.行列 / 5.儀式〜組曲「キャバレー・タンガフリーク」より / 6.時さえ忘れて / 7.導引 / 8.嵐が丘 / 9.暗くなるまで待って
『記憶喪失学』
1.映画「バターフィールド8」 〜 バターフィールド8のテーマ / 2.メウ・アミーゴ・トム・ジョビン / 3.クイズ番組のTVCMの悪夢 / 4.映画「アルファビル」 〜 悲しきワルツ / 5.チューインガムのTVCMの悪夢 / 6.バイレ・エクゾシズモ / 7.航空会社のTVCMの悪夢 / 8.ソニア・ブラガ事件 / 9.大天使のように / 10.恋とは何か貴女は知らない / 11.映画「8 1/2」 〜 それから‥‥(ワルツ)より / 12.エアコンディショナーのTVCMの悪夢
菊地成孔の『ナイト・ダイアローグ・ウィズ』シリーズ
菊地成孔が各ジャンルのクリエーターと対話するイベント『ナイト・ダイアローグ・ウィズ(NIGHT DIALOGUE WITH)』シリーズも配信中。このイベントは毎回ゲストを招いて、互いの作品や活動について、最近気になることなどリラックスしながら縦横無尽に語るトーク・ショー。OTOTOYでは下記を配信中です。
『菊地成孔のナイト・ダイアローグ・ウィズ vol.4』
2010/04/27(火)@東京・Hakuju Hall
HOST : 菊地成孔
GUEST : 沖野修也 / 平戸祐介
1. PART.1(28分22秒)
2. PART.2(27分32秒)
3. PART.3(31分18秒)
4. Elizabeth Taylor Fast(LIVE)(菊地成孔未発売音源)
『菊地成孔のナイト・ダイアローグ・ウィズ vol.6』
2010/09/30(木)@東京・尚美バリオホール
HOST : 菊地成孔
GUEST : 佐々木敦 / 川勝正幸
1. PART.1
2. PART.2
3. PART.3
※購入者特典として、「闘争のエチカ」(特別予告編)をプレゼント。
『菊地成孔のナイト・ダイアローグ・ウィズ vol.7』
2010年11月27日(土)@東京・尚美バリオホール
HOST : 菊地成孔
GUEST : 川勝正幸 / 湯山玲子
1. PART.1
2. PART.2
3. PART.3
PROFILE
1999年結成。2001年、恐怖と衝撃と快楽を大量装備した1ST ALBUM『アイアンマウンテン報告』を発表。主幹、菊地成孔のクラスター・オルガンとコンダクツの下、16人編成によって繰り出されるマルチBPM(全員が無関係な別のテンポをキープする)、あらゆるアフロ・ポリリズムの発展構造を持つ異形のダンス・ビート、泣きのR&Bチューン等々、重爆撃的かつ潰乱的、そして浄化的なサウンド / リズム属性。3時間のランニング・タイムがトランス / 儀式 / 戦場 / ダンスホールを結晶させる強烈無比なライヴ・アクトは、クラブ・カルチャーに於けるエレクトリック・ジャズ復権という枠を超え、00年代前半のカルチャー・エッジとなり、多くのグルーヴァーを生んだ。2nd ALBUM『構造と力』を経て、LAST ALBUM『フランツカフカのアメリカ』まで、多数のタイトルを発表し、2007年4月に活動終了。2009年、マイケル・ヘンダーソン率いる「エレクトリック・マイルス・リユニオンバンド」の来日公演のダブルビルとしてのオファーを受け、一夜限りの活動再開を決定するが、マイケル・ヘンダーソンのプロジェクト自体が頓挫し、単独ギグを行う事となり、併せて活動を本格的に再開する事になった。2010年10月、メンバーを一新した新生DCPRGが東京と京都の2カ所で再始動LIVEを披露。