遠藤友梨恵のソロ・ユニット、ユピトーク。これまでに3枚のDEMOをリリースし、世界各国のミュージシャンを集めたコンピレーションCDに参加してきた彼女が、待望のデビュー・アルバム『the pillow books of yupitalk』を8月19日にリリースする。これは、日々の暮らしの中で感じたことを記した"枕草紙"のような作品。今回はそのアルバムの中から「低空飛行船」が先行配信となった。

彼女が作るメロディには、女性ならではの柔らかさと、そばに寄り添うような居心地の良い温かさがある。一方で、エフェクトの利いたギター・リフを全面に打ち出すなど、ロックな一面も見せている。優しく軽やかにうたうヴォーカリスト。じわじわと染みるメロディを紡ぐポップ・ソング・ライター。多彩な顔を持つミュージシャンだ。彼女の考えるポップスについて、話を伺ってみようと思った。

インタビュー&文 : 井上沙織


INTERVIEW

—以前はバンドを組まれていたそうですね。

Lodgeというバンドでキーボードを弾いていました。その頃はバンド内に曲を作る人がいて、フレーズとかも指示通りに演奏するという感じでした。自分で曲を作りたいとは思っていたけれど、それを実現するところまでは考えていなかったですね。いろいろあってバンドを辞めたんですけど、そのときは「もう音楽なんて辞めてやる! 」とすら考えて、裏方にまわったり、企画イベントをやろうかなと思っていました。

ユピトークとして再びソロで音楽活動しようと思ったのは何故ですか?

「辞めてやる! 」 と思いながらも、やっぱり表現をしたいなという想いはあったんです。それでまずLodgeを辞めてから、ひとりで録音を始めました。でもアレンジとか録音って、技術が必要なんですよね。自分ではしっかり出来ないので、ジレンマがあったんです。そこで、たまたまそのときメンバー募集をしていたバンドに加入しました。何回かスタジオに入ったんですけど、やっぱり自分で好きなようにやりたいと思うようになっていって、それできちっとソロでの活動を始めました。

ユピトークでは、最初から歌がメインだったのでしょうか?

そうですね。メロディがある曲が好きなんです。今聴いても色褪せない曲って、やっぱりメロディがいい曲だと思うんですよね。そういう曲を書きたいと思っています。

—遠藤さんは、どんな音楽に影響を受けてきたのでしょうか?

中学生くらいのときからThe pillowsをよく聴いていました。音楽的に影響を受けているかはわからないですけど、すごく好きですね。

—今作『the pillow books of yupitalk』では、ミックスとマスタリングに高橋健太郎さんを迎えていますね。

2年前の夏にゆーきゃんのライヴを観に下北沢へ行ったとき、健太郎さんが対バンで出演していました。「すごいギター上手いけど、この人は何なんだ?! 」と思ったのが第一印象ですね(笑)。家に帰ってmixiとMySpace両方でメッセージを送ったら、その後に控えていた私のユピトークとしての初ライヴを観に来て下さったんです。そのときにきちんとご挨拶させていただいたんですが、話してみると共通の知り合いが多いことに気付きました。SPIROの中島君と3人でモナ・レコードでのアコースティック・イベントを企画したときは、健太郎さんが曲を作って、私が歌詞をのせるという共作もしました。そして、今のレーベルBabyBoom Records Japanと知り合って、CDリリースの話になったときに、ダメもとで健太郎さんに頼んでみたら受けてくれたんですよね。

—健太郎さんと録音することによって、デモにも収録されている曲に変化はありましたか?

基本は一緒なんですけど、健太郎さんのフィルターを通すことによって柔らかくて温かい仕上がりになったなあと思っています。

—『the pillow books of yupitalk』にテーマはありますか?

活動をはじめて2年位経つんですけど、その2年間の集大成になっています。バラバラすぎて曲順を決めるのが大変だったので、2枚目があればちゃんと考えて作ろうと思っています(笑)。

—いろんな音が入っていますが、全部自分で演奏したのですか?

ほとんどそうです。ライヴでは編成をきちんと決めていません。弾き語りだったり、打ち込みのリズムを流してベースだけサポートに入ってもらったり、バンド編成のときもあります。自分の音楽をどういう編成で演奏するのが良いのかがわかるのにもう少し時間が必要だと思っているので、今はフレキシブルにやっていますね。

—以前、海外のラジオで楽曲がオン・エアーされたと伺いました。

MySapceをきっかけにレーベルのBabyBoom Recordsと知り合い、コンピレーションCDに参加させていただきました。BabyBoom Recordsはイギリスが母体で各国に支部があるレーベルで、そのコンピレーションCDもイギリス、アメリカ、フランスなどのポピュラー・ミュージックから、日本、カナダ、レバノンのバンドまで、地図にしたらぐるっと地球を一周できそうな、多岐にわたるミュージシャンが収録されていたんです。それがBBC Bristol(イギリス)やNetSounds(スコットランド)などのラジオでオン・エアーされて、いろんな国の人が聴いてくれたみたいです。インターネットでも聴けたので、自分の曲が紹介されているのを聴いてみたら、「ユッピトーク! 」って言われていました(笑)。外国の人は“yu”という発音の概念がないのか、言いづらいみたいなんですね。だから人によっては“ヤピトーク”という発音になったりするみたいです。

—遠藤さんは音楽活動をしていく上でインターネットを活用されていますね。そのスタンスは今後も変わらないのでしょうか?

音楽に接する方法はいろいろあっていいと思ってます。CDが売れなくなっている中で、ネットを通じた活動が選択肢のひとつとして受け取ってもらえればいいですね。


おすすめ歌ものポップス



BLIND MOON / SAKANA

2000年発表の日本が誇る名盤。ゆらゆら帝国の阪本慎太郎、クラムボンの原田郁子ほか、数多くの有名ミュージシャンからも賛辞を得た彼らの代表作。楽曲、音質、アルバムとしての流れや表現力、全てのクオリティが高いです。



PURPLE / Spangle call Lilli line

大学時代の友人で結成し、10周年を迎えた彼ら。メロウなサウンドと、静かでありながら芯のあるバンド・アンサンブルが混じりあい、心地よい浮遊感を生み出しています。



Yoi Toy / YOMOYA

人懐っこくもオルタナティヴ。日本語ロックのニュー・スタンダードとも言うべき、ゼロ年代型シティ・ポップの名盤。 2008年末、プロデューサー/エンジニアに、OGRE YOU ASSHOLEの出世作 『アルファベータ vs, ラムダ』やmooolsの名盤『モチーフ返し』を手がけた7e.p.の斉藤耕治と多田聖樹を迎え制作された2ndアルバムは、 常にライヴのクライ マックスを演出してきた11分強の大曲「雨あがりあと少し」をはじめ、 確実にバンドがネクスト・レヴェルに上ったこと、そして大きな舞台に羽ばたくであろうこ とを確信させる、溢れんばかりの魅力、パワーが宿った8曲+α。

LIVE SCHEDULE

  • 7月31日(金)@高円寺CONNECTION
“love’s getting out of fashion #1″
w : CAUCUS (solo set) / 石黒重久
DJ : Kato-chang Jr.(CAUCUS, bluestars night) / Chihiro(Babyboom Records Japan)
start 19:30 / charge FREE


LINK


PROFILE

ユピトーク

古都・金沢生まれ福島育ち東京在住、遠藤友梨恵によるソロ・ユニット「ユピトーク」。
ドリーミー歌ものバンドLodgeのキーボードとして活動後、2007年、インターネット・テクノロジーを駆使して活動開始。USインディー経由トーキョー発のフォーク・ポップ・ミュージック。日々想い、暮らすこと、夢見ること、大人であり子供であること。そんな音楽。


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インタヴュー

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