配信限定!! EeMu連続企画第7弾が登場!
イチオシ・レーベルLOW HIGH WHO?に所属し、ビート・メイカーとして活動するEeMu。2011年12月にファースト・アルバム『Nothings』をリリースしたばかりの彼が、2012年2月から11ヶ月連続でEPをリリース。OTOTOYでは、その11ヶ月を、ヒップ・ホップ・ライターの遼とヒップ・ホップ担当和田隆嗣(僕です!)が追いかけます。そんな熱愛企画となる第7弾を公開いたします!!
EeMu Monthly Collection vol.7
EeMu / Repair
【価格】
mp3 : 単曲150円 / アルバム600円
wav : 単曲200円 / アルバム600円
第7弾EPとなる今作は、耳で聴いて治癒するナチュラル・メディテーション・ミュージック。ダメージを受けたDNAを正常に働かせることが可能であるとされる特殊な周波数を用いた科学とアートの融合的作品。
環境音を利用することで織り成す物語性
EeMuのシリーズ7作目。音楽たちをあえて大まかなジャンルの枠に閉じ込めてしまう無粋を許してもらうならば、本作はちょうど5作目のような、いわゆるアンビエント・ミュージックと言われる類の音になる。とはいっても、その意味する所は5作目とはいくらか異なる。
5作目でのアンビエント感を語る際、僕はその音楽を「インストものの静的魅力」と記した。ここでの「静的魅力を持った音楽」というのは、まさに「目立たない音楽」として息吹いた、本来的な意味でのアンビエント・ミュージックである。生活の中で行き過ぎた主張はせず、背景として堅実に役割を果たす環境音楽。その側面で見事に役割を果たしたのがシリーズ5作目だったわけだ。
この7作目ではそれに加えて、日本語訳での字義通り「環境音を配置したミュージック」という意味合いが大きく加わった。「No Meaning」での煙草を吸いこむ音、波のさざめきが「particle」では無機質な音の配置に変節し、それが「Repair」された後半からは、前半より更に有機的なビートに差し変わり、水流や叫び声などに紛れてつつも暗鬱な音を紡ぐ。そしてラストの「train」では、それまでの無機質さや陰鬱さを乗り越え、鳥のさえずりや歌声をバックに遂にオーガニックでポジティブなビートが完成するのだ。そこには、これまでのシリーズでしつこいくらいに言及してきた4曲で織り成される物語性が伝わってくる。更に言うならば、本作がシリーズでも(特に5作目と比して)新しいのは、アルバム構成で言及したように、環境音を利用することでより印象的に物語を描いてみせたことだ。
前作のレビューで述べた、「凡夫には思いつかない期待の斜め上」を見事に突き抜けた作品だろう。単曲で聴いても良いが、やはり本作もまたアルバム単位で聴くことで、より大きな意味が生れる作品に仕上がっている。(text by 遼)
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EeMu Monthly Collection シリーズ
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EeMu Profile
北海道出身。中学からヒップ・ホップに目覚め、高校の頃には音楽性を確立し、全国のEDWINショップの店内BGMのオファーも来るほど当時は周囲を驚かせていた。その後、自身の多名義によるプロジェクト、様々なアーティストへのトラック提供をはじめ、現在はWEBサイトやCM、ドラマなどテレビ音楽などにも提供している。ブラック・ミュージックからクラブ・ミュージック、環境音楽などにも幅広くセンスに取り込み、仲間からラッパーから、音楽家たちからも愛されるビート・メイカーとしてコンポーザーとしてレーベル「LOW HIGH WHO?」を支え続けている。
EeMu official HP
LOW HIGH WHO? official HP