世界の洋楽作品を東京・中目黒から発信し続けるレーベル、ホステス・エンターテインメントが、創立から10年の時を経て遂に初のレーベル・コンピレーションをリリースする。ドミノ・レコーディングス、PIASエンタテインメント・グループ、ベガーズ・グループ(XLレコーディングス、ラフ・トレード、4AD、マタドールを含む)等、長きに渡りパートナーシップを結んできた海外人気レーベルの所属アーティスト総勢30組のキラー・チューンばかりが集められた今作。これから夏フェスが始まらんとする、今! 『Hostess presents No Shit!』を聴いて夏フェス巡りの参考にするもよし、夏フェス気分を味わうもよし。良い洋楽に出会いたい人はホステスに注目せよ!
Hostess presents No Shit!
ヤバイ! (≒ No Way)
全曲間違いなし! (クソ曲なし!! )
正々堂々小細工なし! (= No Bullshit)
Arctic Monkeys、The Chemical Brothers、Mogwai等のビッグ・アーティストから、FRIENDLY FIRES、Deerhunter、The Horrors、WU LYFまで、旬な洋楽アーティストをコンパイル!!
【配信形態/価格】MP3、WAV共に単曲150円、アルバム購入1200円
【参加ミュージシャン】
Mogwai / Arctic Monkeys / Queens Of The Stone Age / British Sea Power / WU LYF / Best Coast / Ra Ra Riot / Gruff Rhys / Juana Molina / Beach House / Warpaint / The Kills / Kaiser Chiefs / The xx / SBTRKT / Four Tet / The Chemical Brothers / FRIENDLY FIRES / Toro Y Moi / These New Puritans / mum / Esben and the Witch / Deerhunter / The Morning Benders / Black Mountain / Little Barrie / Smith Westerns / The Horrors / Vitalic / Simian Mobile Disco
時代の潮流の真ん中で、一歩先を見つめる
海の向こうから届けられる音楽を熱心に追い続けている人は、「このバンドもHostessが出しているのか」と気づく機会がここ数年急増したことだろう。Hostess創立11年目にして初のレーベル・コンピレーションとなる今作だが、収録されているアーティストのラインナップを見るだけでも、この中目黒に拠点を置くスタッフ13名のレーベルがどれだけ的確に時代の潮流を捉えているか分かるはずだ。
僕自身、冒頭に書いたようなことが何度もあり、気がつけば、聴いたことがない新人であっても、Hostessなら間違いないという安心感を覚えるようになった。ジャンルや有名無名に関わらず、良質な音楽、自分達が良いと思う音楽を発信しながらも、ニッチには陥らない。それどころか時代の潮流のど真ん中にいる。これは、Hostessがリスナーと同じ耳と、常にアンテナを張りながら一歩先を見る視点を持って進んできたからこそできたことだろう。
夏フェスではHostess所属アーティストが約30組近く来日するが、収録バンドはもちろんこのタイミングを意識した内容。Arctic Monkeys、Friendly Fires、Deerhunter、The Horrorsといった時代を牽引するバンドから、The Chemical Brothers、Queens Of The Stone Ageといった大御所。そして、マンチェスターのマスク集団WU LYF、The XX(Jamie xxのリミックスというフェスへの目配せも嬉しい)に、ESBEN AND THE WITCH、注目のトラックメイカーSBTRKT(These New Puritans「I Want War」の原曲とは全く違うダンサンブルなリミックスも)、Warpaint、Smith Westerns、Toro Y MoiといったUSインディー勢と、個性溢れる新人、若手のピックアップも素晴らしい。Little BarrieやBritish Sea Powerといった質実剛健なロック・バンドもしっかりと入っている上に、アルゼンチン音響派の才女、Juana Molinaまで入っている隙のなさ。
セレクトされている楽曲も、レーベル・サンプラー的なコンピにありがちな、「この曲か… 」なんて出し惜しみ感もなく、曲順にも気配りがされていて、30曲というヴォリュームも苦にならずに聴くことができる。だって、夏フェス・シーズンにMogwaiが一曲目というところからして、何だか気分が盛り上がるでしょ。Hostessという良質なレーベルの入門編というだけでなく、今、次に何を買おうか、夏フェスで何を観ようか悩んでいるあなたの為の絶好のガイドとなるはずだ。(text by 佐々木 健治)
Hostess Entertainment DISCOGRAPHY