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2017/05/09 07:30

 

坂本龍一から返事が届く「コミュニケーション・ウォール」が話題ーーワタリウム美術館「async 設置音楽展」

 

ポストイットで坂本龍一と交流を図る「コミュニケーション・ウォール」が話題だ。

東京・青山のワタリウム美術館にて開催中の『坂本龍一 | 設置音楽展』。2017年4月28日にリリースされた坂本龍一の8年ぶりのソロ・アルバム『async』の5.1チャンネル高音質再生をメインに、複数の映像作家の『async』にまつわる映像作品など展示されている。

とりわけ人気を博しているのが、美術館1階受付横に設置された“コミュニケーション・ウォール”。ここでは、来場者がアルバム『async』や展示の感想、その他質問などをポストイットに書き込み、壁面に貼り付けていく。
それらの投稿すべてに目を通した坂本龍一が、回答できるものに回答していくという斬新な企画だ。用意されたスペースから隣接する壁にまでポストイットが侵食しつつある様子は圧巻。

坂本龍一自身は現在ニューヨークにいるため、所属レーベル“commmmons”の特設サイト内「返信」ページを通して回答を順次掲載中。

坂本龍一の「直接」のコミュニケーションといえば、1995年に行われた『D&L』を彷彿とさせる。マルチキャスト技術を活用したインターネット・コラボレーション・ライヴは当時最先端の試みとされ話題を呼んだ。しかし、22年後の2017年に企画されているプロジェクトではポストイットという物理的物質を媒体として用いている点が非常に興味深い。

SNSなどネット上でのテキスト・ベースでのやりとりが主になった現在のコミュニケーション状況の中で、ポストイットを介して来場者ひとりひとりの手書きメッセージ(イラストも)が持つ物理的な質感は坂本龍一本人のみならず、見る人すべてになにかしらの感慨を与えるだろう。坂本龍一への質問とその回答に対して、投稿者がまた返信のポストイットを貼るなど、まさにコミュニケーションの場が成立していたり、9歳の少年と坂本龍一とのやりとり、世界中からの外国語の投稿など、豊かでバラエティに富んだスペースになっている。

大量のポストイットが貼られた壁面の視覚的迫力とその意義から、「ひとつの現代アートの表現として成立している」との意見もあるこの“コミュニケーション・ウォール”は5月28日までワタリウム美術館『async 設置音楽展』にて展開されている。ぜひ足を運び、物質的なコミュニケーション・プラットフォームを目の当たりにしたい。(椿)

★オススメ記事
・坂本龍一『async』について語る──メール・インタヴュー
http://ototoy.jp/feature/20170417

■坂本龍一の作品はOTOTOYでハイレゾ配信中
http://ototoy.jp/_/default/a/34

■ワタリウム美術館 HP
http://www.watarium.co.jp/

■commmmons 特設サイト内「返信」ページ
http://www.skmtcommmons.com/quest/?tag=152

◼︎イベント詳細
『坂本龍一 | 設置音楽展』
2017年4月4日(火)〜5月28日(日)
会場 : ワタリウム美術館
開館時間 : OPEN / CLOSE : 11:00 / 19:00 (毎週水曜日は21:00まで延長)
入場料 : 大人 1,000円 / 学生 500円(25歳以下) / ペア券 1,600円(大人2人)

■アルバム情報
『async』
CD:RZCM-86314
3,780円(税込)/発売中

アナログ盤:RZJM-86312~3
7,020円(税込) /2017年5月17日発売

デジタル配信 : ANTCD-21915
3,100円(税込) / ハイレゾ配信中
http://ototoy.jp/_/default/p/73093

〈収録曲〉
01. andata アンダータ
02. disintegration ディスインテグレーション
03. solari ソラリ
04. ZURE ズレ
05. walker ウォーカー
06. stakra スタークラ
07. ubi ユビ
08. fullmoon フルムーン
09. async アシンク
10. tri トゥリ
11. Life, Life ライフ、ライフ
12. honj ホンジ
13. ff エフエフ
14. garden ガーデン

アナログ盤ボーナストラック
15. water state 2 ウォーター・ステート2


[ニュース] 坂本龍一, 坂本龍一、アルヴァ・ノト、ブライス・デスナー

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