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2014/02/05 16:20

 

ジャズ喫茶道入門な1冊が登場

 

シュート・アロー著『昭和・東京・ジャズ喫茶 昭和JAZZ文化考現学』(DU BOOKS)

ジャズ喫茶、そしてその周りにひろがっていた(いる)昭和のジャズ文化に関するガイド本『昭和・東京・ジャズ喫茶 昭和JAZZ文化考現学』が発売された。

本書はガイド本というよりも、著者のシュート・アロー(ペンネームで、実際は50代の日本人サラリーマン)によるさまざまなお店へと出向いた実体験を綴ったもので、ガイドというよりも、そのサブ・タイトル“昭和JAZZ文化考現学”とあるように、その軽妙洒脱な語り口も含めて、どちらかと言えば文章のフォーマットとしてはエッセイと言った方が良いかもしれない。

現存するジャズ喫茶やバーなど、ジャズ・スポットへの訪問記、その歴史、ジャズ喫茶のマッチ箱デザイン、ジャズに関する思い出(話は『笑っていいとも!』の観覧で目撃した八代亜紀の歌唱までにも及ぶ)、ジャズうんちくなどなど、さまざまな視点からジャズ喫茶という“文化圏”が語られている。それが、むしろ“ガイド”らしい“ガイド”より、それぞれの店の表情が手にとるようにわかる、そんな本となっている。

あまり、いわゆる音楽史的な解説本では描かれない、音楽とそれをとりまくカルチャーの記録はジャズ・ファンならずともおもしろい。

装丁は、あの和田誠が手がけている。その筆で、かつて原宿にあったジャズ喫茶ボロンテールが表紙に描かれているが、そのあたりの縁は読んでからのお楽しみといったところ。

解説には、実家がジャズ喫茶という清水ミチコが担当。

「行きつけのジャズ喫茶が…」なんて言ってみたいワードっすよね。
(河村)

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