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2013/10/03 00:23

 

ザ・たこさん、熟練ファンクで豪華ゲストと共に渋谷で祝祭――たまらん最速レポ

 

PHOTO : Tsuneo Koga

1993年に大阪で結成され、今年20周年を迎えたバンド、ザ・たこさん。関西のライヴ・シーンで絶大な人気を誇る彼らの結成20周年&ニュー・アルバム『タコスペース』発売記念ワンマン・ライヴが東京・渋谷クラブクアトロでおこなわれた。

日中は台風の影響で激しい雨風に見舞われた東京だが、夕方になり天気は回復。ザ・たこさんの雄姿を見届けに遠方から駆け付けたお客さんもいる様子で、時折関西弁が聴こえてくる。今日のライヴにはレーベル・メイトでもあるオーサカ=モノレールと、自称「ザ・たこさん私設応援団東京渋谷支部」を名乗ってしまうほどの “タコラー”渡辺祐がDJとして参加。さらに宮藤官九郎、グレート義太夫も出演と、20周年とレコ発に相応しい豪華絢爛な内容に期待が高まる。

開演前にはDJとして渡辺祐が次々とソウルフルなナンバーをスピン。俄然気分を盛り上げてくれる。さらにオープニングに登場したスーツ姿のオーサカ=モノレールがファンキーなライヴで一層盛り上げてから、いよいよ本日の主役の登場だ。

20時を過ぎてしばらくしてから、ジャイアント馬場の入場曲『王者の魂』が流れる中、ステージにギターの山口しんじ、ベースのオカウチ・ポテト、ドラムのマサ☆吉永 の3人が登場し、インスト・ナンバーでライヴはスタート。山口が「ありがとうございます!ザ・たこさんです!」と第一声を上げると大きな拍手が沸き起こる。3人は揃いのシャツにベスト姿だ。

PHOTO : Tsuneo Koga
演奏が終わると、ザ・たこさんの看板を掲げたMCが登場、観客を煽り、「ザ・たこさん、20周年、おめでとう~!」と持参したくす玉を割ると“20周年おめでとう”の垂れ幕が。観客と延々とボーカルの安藤を呼び込むコール&レスポンスを繰り返すと、ミル・マスカラス風マスクをかぶったマント姿の安藤が登場! マスクを脱ぐと、下にはルチャドール、ビジャノⅢのマスクが(笑)! 昭和プロレス・ファンとしては心をくすぐられずにはいられない。

マスクとマントを脱ぎ捨て、本格的にライヴがスタート。山口のギターがいきなりライトハンド奏法のソロを聴かせる。盛んにベルトを巻く仕草を見せる安藤。ベースのオカウチ・ポテトにその見せ場を奪われるや、「みなさん、もういいじゃないですか」と、日景忠男のモノマネ(笑!)をするなど、どう考えてもわかる人にしかわからない小ネタをしょっぱなからマイペースで披露しつつ、タイトなバンドの演奏に乗ってファンキーなシャウトを連呼。

PHOTO : Tsuneo Koga
と、いきなりスモーク・オン・ザ・ウォーターが演奏され、「本日1人目のゲストに登場頂きましょう! グレート義太夫!」との紹介でギターを片手にグレート義太夫登場。青いボディのストラトを自らアンプに繋ぐと、さすがのギター・テクニックを披露! そのまま曲は「サイレンが鳴った、アンパイヤ出動」へ。安藤のJBばりのボーカルに、歪んだ音色でオブリガードを入れていく義太夫。続くクールなファンク「ゴリラの息子」では山口とソロ競演も聴かせ、拍手を浴びてステージを降りた。

「(Make it)Funky TENGA」ではTENGAを両手に掲げ、シェイカーのように振りながらシャウト! 「あれなに!?」と不審な眼差しを向ける女性客への合法的セクハラである。

間奏では山口のギターが激しくドライヴ! 両手を上げて盛り上がる観客たち。続いてニュー・アルバムの冒頭を飾る「KAMINUMA」。まさに大阪を表したこの一曲。仁鶴師匠の声真似ボーカルで、NHKの番組「生活笑百科」を卒業した上沼恵美子相談員への感謝を述べる。

PHOTO : Tsuneo Koga
続いてバンドが「雨あがりの夜空に」を演奏すると、宮藤官九郎がステージに登場し、大喝采! ジーン・シモンズTシャツにキャップ姿の宮藤官九郎はSGを掻き鳴らし、曲は「『初期のRCサクセション』を聴きながら」。RCサクセションの曲ワードが満載のこの曲に笑顔でコーラスを取り、間奏ではギター・ソロを披露する宮藤官九郎を盛んに「宮藤せんせー!」と紹介する安藤も嬉しそうだ。

宮藤官九郎がステージを降りると、「長いですか?」と気を遣いながらもジャイアント馬場のモノマネで延々とMCをしつつ、次なる曲は「BLUE MOUNTAIN BLUES」。「ババショーヘイヘイ!」と偉大なるプロレスラーの本名を使ってのファンクに突入。こんな曲ザ・たこさんでしかありえない。昭和プロレスへの愛が溢れた「やっぱコーヒーはブルマンだよな」の馬場真似に昇天だ。

ライヴも終盤、「突撃! となりの女風呂(On A Blow)」の内容に笑いながらも怒涛のファンキー・チューンに揺れるフロア。「悲しき怪人! 安藤八主博!」とコールされながらのマントショーでは、ステージから姿を消すとフロアに登場! ビール片手にステージに戻ると「みなさん、かんぱ~い!」と一気飲みする安藤に大喝采。メンバー紹介を経てライヴはいったん終了。

PHOTO : Tsuneo Koga
「安藤! 安藤!」とのアンコールを促す声に楽器陣がすぐさまステージに戻ると、アンコール1曲目「ビューティフル・サンデー」のカバーにはなんと、歌手の田中星児ご本人が花束を手に登場! 67歳という年齢が信じられない程、全盛期と変わらぬルックスで喋り続ける田中に感謝しつつ、「いいから早く歌ってくださいよ(笑)!」とのツッコミで曲がスタート。オーサカ=モノレールのメンバーも参加して、観客も手振り身振りで大合唱だ。続く「ケンタッキーの東」では義太夫、宮藤官九郎も再び加わり、お祝いムードは最高潮に! 1人ずつソロをまわし、義太夫、宮藤官九郎もそれぞれの個性が光るギターソロを聴かせた。

「きっといい事はある! 明日からもがんばるぞ~!」と叫ぶ安藤。再びのアンコールに応え、「我が人生、最良の日」でライヴは終了。20年という歳月で培った余裕のステージングと、関西のバンドならではのノリと小ネタも満載したライヴは、確かな演奏力に支えられたR&B、ファンクといった音楽への愛情を強く感じさせる素晴らしい内容だった。“怪人バンド”なんて書いてごめんなさい。結成20周年、おめでとう!!
(岡本貴之)

PHOTO : Tsuneo Koga

〈ザ・たこさん 結成20周年&ニュー・アルバム『タコスペース』発売記念ライブ 〉
10月2日(水)渋谷クラブクアトロ
OPEN 18:30 / START 19:30
出演 : ザ・たこさん
ゲスト : オーサカ=モノレール / 宮藤 官九郎 / グレート義太夫 / DJ・渡辺 祐
シークレットゲスト : 田中星児

〈ザ・たこさん セットリスト〉
1. Soundpit(インスト)
2. ロクシマのテーマ
3. ナイスミドルのテーマ
4. ザ・たこさんのテーマ
5. ジ・オールドマン・アップ・ザ・ロード
6. (ジングル)
7. グレート義太夫 呼び込み(スモークオンザウォーター)
8. サイレンが鳴った、アンパイヤ出動
9. ゴリラの息子
10. (ジングル)
11. (Make it)FUNKY TENGA
12. KAMINUMA
13. 宮藤官九郎 呼び込み(雨あがりの夜空に)
14.『初期のRCサクセション』を聴きながら
15. レバー・フォー・レバー
16. (ジングル)
17. BLUE MOUNTAIN BLUES
18. 突撃!となりの女風呂(On A Blow)
19. 5月の鯖Pt.2
アンコール
AN1. ビューティフル・サンデー
AN2. ケンタッキーの東
AN3. 我が人生、最良の日

●毎年恒例、年末のワンマンライブ!今年は東京編も開催!
〈ザ・たこさんワンマンライブ「元祖!ザ・タコサンアワー」東京編〉
日程 : 2013年12月27日(金)
会場 : 下北沢・mona records
価格 : 前売2000円、当日2300円(共にドリンク代別途)
時間 : 開場19:00、開演19:30
11月10日よりmona recordsにて予約受付開始
http://www.mona-records.com/

〈ザ・たこさんワンマンライブ「元祖!ザ・タコサンアワー」大阪編〉
日程 : 2013年12月28日(土)
会場 : 十三・CLUB WATER
価格 : 投げ銭
時間 : 未定
http://www4.ocn.ne.jp/~c.water/

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