INTERVIEW : DEATHRO、BABAxYUSUKE

不屈の魂をメロディアスかつエネルギッシュなロックンロールに乗せた誓いの歌「魂の化石」。原子力発電所に対して強烈な”NO!”を突きつけながら、築くべき未来のために行動することの意義を示す「CRIME OF NUKES」。COSMIC NEUROSEが放つ、真摯なメッセージを込めたDouble A Side SingleについてDEATHRO(vo.)とBABAxYUSUKE(dr.)が語る。

インタビュー & 文 : タケウチミホ

バンド初の両A面シングルをLess than TVよりリリース

COSMIC NEUROSE / 魂の化石 / CRIME OF NUKES

【配信形式】 wav / mp3
【価格】 単曲 150円 / アルバム 700円

東京ハードコア・バンド"COSMIC NEUROSE"がバンド初の両A面シングルをドロップ! <この身体が消え去っても、魂は永遠に燃え続ける>と、アツいメッセージと共に放たれる 「魂の化石」。原子力発電所に対して真っ向から中指を突き立てたANTI NUCLEAR SONG「CRIME OF NUKES」の2曲を収録。

これから来る未来というのもすごく意識しました

——まさに今、歌うにふさわしいテーマを掲げた2曲がDouble A Side Singleという形でパッケージされています。こういうコンパクトでキャッチー、かつピンポイントな形態でのリリースは初めてですよね?

DEATHRO : はい。もともとはシングルを意識していたわけではなく、アルバムの制作に入るつもりで曲作りを始めたんです。その制作の最初の段階でまずできたのが、この「魂の化石」と「CRIME OF NUKES」だったんですよね。で、すごくインパクトがあるし、自分らのサウンドとしては比較的キャッチーだったので、この2曲をシングルとして発表することを決めたんです。ただ、「CRIME OF NUKES」は原発が一基、稼働していなかった時期(2012年5月-7月)に作ったので、10月のリリースはタイムリーなのかどうかも考えたんですけれど、早く聴いてもらうためには配信のほうがいいんじゃないか、と。

左から、BABAxYUSUKE、DEATHRO、MYQ、YAGISAWA

——原発に関しては問題が山積ですし、継続中ですから、タイムリーかどうかは気にならなかったですよ。個人的には“メッセージが刻み込まれている”ということで、盤になって良かったと感じています。

DEATHRO : 今回は特に歌詞もしっかり読んで欲しかったし、歌詞カードを手で触って読むっていうの大事にしたくて。実は7インチ(のアナログ盤)をリリースするアイデアもあったんですけど、それは時間と予算の関係もあって(苦笑)、叶わなかったんです。でも、“アルバムの中の2曲”ではなく、シングルというシンプルなフォーマットで発表できるのは良かったですね。「CRIME OF NUKES」は、おっしゃったようにこれからも続く原発問題がテーマですし。「魂の化石」は、俺が今までインスパイアされてきた音楽やバンドとはまた異なる、新しく出会った人たちからインスパイアされることが最近多くなっていて。その人たちに対して受けたものを還元することを表明したいという思いから書いた詞なので。

——タイムリーというか、普遍的なメッセージですし、シンプル。ですから、広い層の音楽ファンにも届くのではないかと思います。

DEATHRO : あ、それは意識としてあったかもしれないです。ここ1~2年で対バンのレンジも広くなったので。以前はパンク / ハードコアだけでしたけど。
BABAxYUSUKE : パンク / ハードコアの人たちだけに対象を絞ってメッセージを届けても… ということは思いますね。
DEATHRO : 俺らは音楽をやりたくてバンドを始めて、音楽と向き合って自分たちの納得のいくものを作るというのが一番のプライオリティにきているということを、ここ最近あらためて確認できたというか。
BABAxYUSUKE : 以前のほうが、いろんなことのバランスをとってやっていたような気がするんです。もともと僕らハードコアが好きで、言い方は悪いですけど、初期の頃っていろんなハードコア・バンドのいいトコ取りみたいなことをやっていたんですよね。でも最近は、そいうヘンなバランスを取ることはしなくなって、自分たちの好きなようにやっています。
DEATHRO : でも、納得するものを作るために考え過ぎちゃうと、ハマっちゃうときもあるんだよね(苦笑)。
BABAxYUSUKE : そう。ヘンな方向に行っちゃうこと、よくある(笑)。サウンド面とか… 途中から道がズレちゃって、ギター重ねすぎちゃったり。

——プリプロの段階で、ある程度アレンジの方向性は見えていいものですが…?

DEATHRO : いや、実は俺らはレコーディングし始めてから見える。という感じなんです。リハーサル・スタジオでは爆音で、みんな自分の音しか聴こえていない状態なので。だから、レコーディングに入って初めてわかる。“あ、こんなことやってたんだ? ”って。
BABAxYUSUKE : 曲の中で自分が気持ちいいということを各々がやっている、という感じなんです。で、最低限“ここは突っ走りすぎじゃない? ”というところは止める。でも、そういう勢いがあるからこそいい部分もあったけれど、緻密なことをやろうとするとそのへんはやっぱり課題になってきますよね。まだまだ日々学ぶことは多いです。

——でも、今回ドラムの音、すごくいいですよね。

BABAxYUSUKE : あっ。そうですか!?
DEATHRO : 今回、エフェクトをかけなかったんです。プロトゥールスのエフェクトをかけた音って、ドラムの良さが損なわれちゃっている気がしていたので。そうしたら、プリミティヴな感じが出て。良かったと思います。

——あと、「魂の化石」では間奏を長めにとっているところも…。

DEATHRO : 長いですか(笑)? ギターに関しては、こういうプレイは唯一無二かな… と。エフェクトでいろいろ音色を変えるのが好きなんですけど、それがいい感じで活かせたと思います。わりとシンプルなバンド・サウンドだからこそ、ああいうちょっとアヴァンギャルドでエフェクティヴなギターが今まで以上に映えたかなって。

——バッキングはリフ主体ですから、すごくコントラストがあっていいですよね。

DEATHRO : ライヴでも見せ場になるかなと思います。あと、全体的にちょっと“引く”ことを覚えたかもしれない。前は出っぱなしでしたからね、全員が全員。俺は喚きっぱなし、ギターは吠えまくり、ベースは動きまくり、ドラムは走りまくりで。

——ライヴさながらの音源…。

BABAxYUSUKE : そうなんですよね。
DEATHRO : そこで引くことを覚えたので、コントラストが強くなった。引いたぶん、出てくる時のインパクトもあるし。

——そうすると、よりメロディも際立つから言葉もしっかり届きますし。

DEATHRO : メロディは今回、強く意識しました。やっぱり、伝えたいことが明確にありましたから。ヴォーカルも、以前だったら怒ってワー!! って喚いてるだけでしたけど、今回は歌詞カードを見なくても聴いて解るくらいにはしたかったんです。

——<Dear Future> (「魂の化石」)ってフレーズいいですよね。

DEATHRO : これはレコーディングの前日に書き直したんです。それまでは<I’ll be break down>だったけど、僕らより若い世代にも伝えていきたいと思いましたし。あと、この歌詞を書いている時に、大げさに言うと自分の人生で忘れられないことがいくつかあったので…。自分が居なくなった後っていうのと、これから来る未来、というのもすごく意識しましたね。

これ…(CRIME OF NUKES)ホントは歌わなくっていい曲のはずなんですよ

——そして「CRIME OF NUKES」は、まさに“NO NUKES / ANITI NUCLEAR”のメッセージがストレートに歌われています。

BABAxYUSUKE : 今年(2012)に入ってからですね、バンドとして本格的にこういうメッセージを明確に打ち出したのは。
DEATHRO : 原発の事故が起きてからしばらくは、どちらかというと被災地や被災された方たちの事を優先して考えていたので。
BABAxYUSUKE : 僕も去年は意思表示が全くできなかったんです。3.11以前は、デモなんかに対しても冷笑的な立場だったし。でも逆に、真っ直ぐに世の中を見ないで斜めから見ていたような僕らだからこそ表現できる。伝えられるメッセージもあるのかなと思って、今はそこをポジティヴに考えるようにしています。

——この曲、事実だけを歌っているじゃないですか。扇動しようとか啓蒙しようとかいう意図がない。そこがすごくいいなと思いましたし、だからこそ信頼できるといいますか。

DEATHRO : 事実を冷静に淡々と書く、ということはしたかったことなんです。あまり扇動的にはなりたくなかったし。ただ事実があって、それに対して“自分はこうだ”という意志を歌っています。

——でも、これだけ具体的な事象を織り込んであると、聴いた人は対峙せざるをえないでしょうね。どう感じるかは別として。

BABAxYUSUKE : たしかにド真ん中ですよね。
DEATHRO : でも、わりと自然に出てきたんです。以前は自分個人のアティチュードばかりを表現していたんですけど、今は原子力発電所に対して“いらない。即時廃炉にすべきだ”というのが自分のアティチュードになっていますから。
BABAxYUSUKE : だから、“よりポリティカルなことを歌おう”と構えたりもしていなくて、自分の思っていることを歌う。そこはDEATHROはブレていないんですよね、ずっと。
DEATHRO : “こんなことがあるよ。どうする?”じゃなくって“こんなことがある。だから俺はこうありたい”ということを書かないと気が済まないので。投げっぱなしで逃げるのは、あまり好きじゃない。特にこの1年くらいで、シニカルなものとかニヒルな視点にホントに抵抗を感じるようになりました。

——<廃炉!!!! >というそのものズバリのフレーズも、コール的なコーラスで入っていて。

DEATHRO : これも、もともと別の言葉を考えていたんですけど、覚えやすくてインパクトがあるのはやっぱり“廃炉”だなと思いまして。タイトルも最初「ATOMIC ISLAND」だったんですが、それだと茶化している感じにも見える気がして変更したんです。
BABAxYUSUKE : 手を加えた結果、どちらの曲もストレートになりましたね。さっきの話にもありましたけど、すごく狭いところをターゲットにしているよりは、聴いてくれて“いいな”と思ってくれる人がいろんな所にいてくれたらいいな、と思って作っているので。
DEATHRO : 全体的にキャッチー。サウンドも言っていることもフォーマットも… 図らずともですけど。

——巻き添えくらうのは子供達と未来というのも、原発に反対する最も大きな理由ですからね。

DEATHRO : そうですね。俺もプライベートの関係で子供と接する機会が多いし、そいつらが今の自分と同じ年頃になるのが2030年代なんです。だからやっぱり無くしたいですよね、そのときのために。こんな思いをさせたくないですよ、次の世代には。これ…(CRIME OF NUKES)ホントは歌わなくっていい曲のはずなんですよ。歌わないのが一番。

——生まれてはいけなかった曲、本来なら。

DEATHRO : そう、確かに。で、もしかしたらこの曲を出すことで“人の不幸を表現のために利用している”と言われることもあるかもしれない。それでもいいから“反原発”であることを表明したかったと思ってますから。
BABAxYUSUKE : 僕はCOSMIC NEUROSEと、もうひとつやってるSCREWITHINと両方で福島(南相馬・いわき)にいったんですけど、そこで福島のパンクスとも仲良くなって、いろいろ話をしたんです。で、彼らの話だと”ライヴに全国からバンドを呼びたくっても、放射能の問題で拒否反応を示されることも少なくない。だからなかなか呼べない、ということなんです。そのどちらが悪いということではなく、決定的にバラバラにされちゃっているなというのをすごく感じて。もちろん一人ひとり考え方が違うのは尊重しなくてはいけないんだけど、それ以前のもっと根本的な部分でバラバラにされちゃっている。そういう意味でも、原発というのは本当に罪深いと思います。だからこそ、僕らはやっぱり音楽で表明していきたい。それは更に強くなりましたね。
DEATHRO : 俺に関してはデモや抗議に行くほうがライヴ・ハウスに行くより多くなってしまって(苦笑)。でも、何度そういう場に行っても、“ここは俺のいる場所じゃない”と思いますから。
BABAxYUSUKE : だからこういうふうに音楽として、CDとして形にできたのは良かった。何を考えているかをつたない言葉かもしれないけど曲にできたことは。

——もちろんサウンドから入って、そこから歌詞に込められた思いを感じるのもいいでしょうし。

DEATHRO : 若い子達にはぜひ聴いて欲しいですね。これからティーンエイジャーになる子供たちは、自分がものごころついたときから原子力発電所が爆発した国に住んでいるわけですから。未来のことも思いながら。

——そして、このシングルのリリース・ツアー“THE MISSING PEACE”も決定していますけれど。

BABAxYUSUKE : 怒涛のライヴ月間が(苦笑)。
DEATHRO : ツアー先の対バンのアーティストや遊びにきた人たちともコミュニケーションをとって、伝えるべきことは、しっかり伝えていきたいです。でも、早く来るといいすよね。“もう今日からこの曲(「CRIME OF NUKES」)は歌わなくっていいぜ”っていえる日が。そうなったら、このCDの在庫も全て叩き割ってやりたいです。

LIVE SCHEDULE

COSMIC NEUROSE TOUR-THE MISSING PEACE

2012年10月21日(日)@新大久保EARTHDOM
2012年10月27日(土)@渋谷WOMB
2012年11月3日(土)@静岡・磐田FM STAGE
2012年11月4日(日)@名古屋・今池HUCK-FINN
2012年11月10日(土)@新大久保EARTHDOM
2012年11月17日(土)@西荻窪FLAT
2012年11月24日(土)@大塚MEETS
2012年12月1日(土)@三重・四日市VORTEX
2012年12月2日(日)@名古屋・今池HUCK-FINN
2012年12月9日(日)@小岩BUSH BASH
2012年12月15日(土)@宮城・仙台BIRD LAND

2013年1月19日(土)@京都・丸太町METRO
2013年1月20日(日)@大阪・鰻谷CONPASS
2013年2月2日(土)@岡山CRAZY MAMA2

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PROFILE

COSMIC NEUROSE

ANGEL O.D. / DREADEYE / ABRAHAM CROSS / EVIL SCHOOL / UNARM / SCREWITHIN / TOLSUX etc… のキャリアを持ったメンバーにより06年より活動を開始。自らのサウンド・ステージングを"HARDEST ZOO CORE"と名乗りライヴ活動を繰り広げ、08年メンバーの自主レーベルRoyal Shadowより1st ALBUM『4LIONS STANDING IN WILDERNESS』リリース。翌年09年11月にはLessThanTVより2nd ALBUM 『IMAGE DAMN』をリリース。凄まじいノイズと絶叫にまみれたLIVEをそのまま真空パックしたかのような轟音サウンドで話題を呼ぶ。11年9月再びRoyal Shadowより3rd ALBUM『BRAND NEW WILD』をリリース。従来のHARD CORE PUNKに加え、GARAGE、HARD ROCK、NEW WAVE、ALTERNATIVE ROCK、J-ROCK etc… とメンバーの音楽的趣向が色濃く反映された問題作となった。このリリースに伴い初の全国ツアーTOUR2011-12"SOUL SWING"決行。全国7都市(津山-大阪-名古屋-京都-仙台-札幌-東京)を駆け巡り2012年3月10日新大久保EARTHDOMにおいてツアー・ファイナルを飾った。その後バンドは4か月の活動休止に入り今作を完成させ、去る7月27日、福島県南相馬市・銘醸館の「いちばん星GIG」、8月5日「METEO NIGHT2012」においてLIVE活動を再開。

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