音楽のみならず、活動方法や存在自体も表現に変えるバンド

mothercoatというバンドをご存知だろうか? 彼らは埼玉県の深谷で共同生活を送りながら活動するバンドだ。「凡人ハウス」と名付けられた彼らの家にはスタジオやレコーディング設備が整えられていて、裏には小さいながら菜園まで作られている。今回、筆者はそんな凡人ハウスにお邪魔してインタビューを敢行したのだが、バンド活動と農家的な暮らしが自然に両立している様子には驚かされてしまった。ところが、mothercoatが特殊なのは、そのような生活を送りながらも、田舎発の音楽ということをまったく前面に出そうとしない点だ。例えば環境保全や反資本主義などといった主張を掲げて彼らは田舎での共同生活を選んだわけではない。じっくりと自分たちの音楽を突き詰めることを考えた時に、その場所が最適だったというだけなのだ。彼らが本当に作ろうとしているのは、好きなことを自由にやりながら生活していくためのスタイルなのかもしれない。インタビューは長時間に及び、凡人菜園で採れた野菜をふんだんに使った夕食までご馳走になってしまった。既に従来の仕組みが崩壊し、危機に立たされている音楽業界。このインタビューが、音楽と生活について改めて考える一助となれば幸いだ。

インタビュー&文 : アンドレ川島


mothercoat / Allergies

日本で自分たちでレコーディングした音を、N.Y.のエンジニア(Vampire Weekend, Paul McCartney, The Arctic Monkeysなど)Fernando Lodeiro氏(ex.Avatar Studios)によるミックス、Oscar Zambrano氏(Zampol productions)によるマスタリングを経て完成させるという、自分たちの音を他人に触らせないmothercoatとしては異例の作品。彼らの捻くれた感性や攻撃性はそのままに、ポップとユーモアが同居した、渾身のアルバム。通常は7曲入りのところ、OTOTOY限定で幻の8曲目「piano」を収録。

<価格>
mp3 : 単曲 100円 / アルバム 700円
WAV : 単曲 150円 / アルバム 1000円


とにかくまずは自分たちの音楽制作にとってベストな環境を整えることが先決

凡人ハウス

――早速なんですが、この深谷という場所で共同生活をしながら音楽を作ることになった経緯を教えてもらえますか?

ギガディラン(以下、ギガ) : 本当は海外にみんなで移住したかったんですよ。向こうのツアーまわったときの反応も全然違うし、英語圏でやった方がそもそも相手に出来る人数も違うし。たとえばウェブ・サイトにしたって、日本語のサイトなんて全体の一割しかないからね。
トキロック(以下、トキ) : 日本ですごくメジャーな音楽をやっているわけじゃないから、やっぱり海外を拠点に地道にやっていくっていうことがしたかったんですよね。
ギガ : だけど、これはメンバーが5人いるっていうことの難しさで、バンドをやるっていうことはメンバーそれぞれの彼女とか友達のことまで考えないといけないんですよね。
トキ : そういうメンバーみんなの幸せっていうことを考えると、今のところ海外はまだかなと。
ギガ : でも、それこそ海外では、アーティストがみんな大都市に出る必要なんかはまったくなくて、それぞれの地方から音楽を発信していくってことは常識なんですよね。とにかくまずは自分たちの音楽制作にとってベストな環境を整えることが先決なわけで。

新宿から約1.5時間。深谷駅から車で20分ほどの田園の中、彼らの生活する「凡人ハウス」はある。

――なるほど。それで共同生活をしながらの音楽作りに至ったと。深谷以外にも候補地はあったんですか?

ギガ : 惜しいところはいっぱいあったんですよ。伊豆にあるペンションみたいな家があって、そこは売り物件で80万くらいで買えたんですよね。でも実際に行ってみたら、正面から見ると普通なんだけど、裏側が全部壊れてたんだよね(笑)。
トキ : ハリボテのセットみたいだったよね(笑)。
ギガ : : 群馬の村の古民家も見にいったんだけど、周りに住んでる人が今井さんだらけで、この中には入っていけないなぁと思ってやめたりね(笑)。やっぱり元からある関係性のなかに入っていくのは難しいかなと。

――どうしても大きい音が出ちゃうし、隣近所とうまくやっていくのは大変そうですよね。その点、この深谷はどうなんですか?

トキ : ここはびっくりするくらいご近所付き合いが最高ですね。私たちはツアーとかがあるので、村の定期的なイベントとかに出られないんですけど、それでも本当に仲良くさせてもらってます。ご飯を一緒に食べたり、野菜もいっぱいいただけるし、隣の人なんかは、むしろ私たちの音を聞いて楽しんでいてくれたり。凄く理解がある人たちで、ご近所さんには恵まれてます。

――音に寛容なのは有難いですね。

トキ : この辺はカラオケ文化が根付いているらしくて、家にカラオケの機械がある人も多いみたいなんですよね。だから音には寛容なのかもしれません。

――埼玉って演歌がすごく盛んだから、それとカラオケが結びついているのかもしれません。

ギガ : 最大の防音は近所付き合いだって言いますからね。東京のライヴ・ハウスですら揉めるでしょ。あれだけちゃんと防音してても。

――そうですよね。ここって家賃はいくらくらいなんですか?

ギガ : ここは一階が2万で二階が6万ですね。最初は両方あわせて6万円で交渉したんだけど、さすがに無理でしたね。でも自治会長さんにそれを言ったらびっくりされちゃって、全部で2万くらいじゃないの? とか言われちゃいました(笑)。

――あわせて8万円でも充分安いと思いますけどね。

ギガ : それをここに住んでる3人とほかのメンバーで割ってるからね。

――普段はどういう生活を送っているんですか?

ギガ : 僕は今のところ週3、4回は東京に仕事に出かけてますね。でも徐々に根本的な生活費くらいはバンドと畑でまかなえるようになりそうなので、段々、東京での仕事は減らしていく方向にシフトしてますね。

――作った野菜を売ったりもしてるんですか?

ギガ : まだそれはこれからですね。将来的には出来によるんだけど、ジャガイモとかカボチャをライヴ・ハウスの物販で売ったりしたいですね。それがメインになることはないけど、まあTシャツを売るのと変わらないですからね。

凡人菜園

「毛虫が増えてきたね」「無添加だからね」

凡人菜園では、ネギやアスパラガス、カボチャなど様々な野菜を栽培している。

――トキロックさんはどんな一日を過ごしてるんですか?

トキ : 私とドラマーは東京の仕事を辞めてこっちに来てるんですよね。だから今はほとんど畑仕事と家事をやってます。それとウェブの管理を私がやっているので、そういうことをやっているともういい時間になってますね。あとは近所の人から電話がかかってきて、「野菜あるから取りに来ない?」とか言われると、行ってお喋りしたりしてますね(笑)。

――なるほど。ほんとに田舎の暮らしですね。ただ今回のアルバムもそうなんですけど、とても田舎で野菜を作りながら出来た音楽には聞こえないんですよね。むしろ都会的というか。もっとオーガニック色が強くなったりしそうなものですが。

ギガ : あ、まあ今回のアルバムまでは和光(埼玉県)で録っているので、まだ深谷では何も録ってないんですけど、でも今後もそういう方向にはいかないように気を付けてますね。こういう環境になるとどうしてもオーガニックっぽくなってトゲがなくなっちゃうんじゃないかと思うので。そもそもここに来たのは深く音楽と向き合える環境を得るためであって、金銭的なことを考えると、それがたまたま田舎だったというだけなんですよね。

――田舎発の音楽ですよ! というのを前面に出したりはしないってことですね。

ギガ : それはないですね。でも、この辺も盛り上げたいなって気持ちはありますよ。ツアーの中継地点として色んなバンドを呼んであげたり、そういう環境が作れたらなとは思いますね。

猫の案内で1階にあるスタジオへ。手作りながら、PAブースも完備。

――今回のアルバムでは初めて海外のエンジニアを起用したということですが。

トキ : うちはすでにエンジニアがメンバーとしているので、海外のエンジニアから声がかかったときは正直かなり揉めましたね。
ギガ : お金もかかる話だし、コミュニケーションも難しいからね。でも、これまでに作ってきた作品の中で、自分たちの力量の至らない点が多くあるのも分かっていて。そういうことを考えていた時に、丁度、ニューヨークからメールが来たんですよ。彼はビョークとかポール・マッカートニーとかも録っているような超一流スタジオのエンジニアなんだけど、やりたいって言ってくれて。どんな音になるんだろうという興味もありましたね。

――実際にやってみてどうでしたか?

トキ : さすがだなって思う部分と、センスの違いを痛感する部分とありましたね。
ギガ : やっぱり彼はメジャー・サウンドの人なんですよね。一回、自分たちが「ここはソニックユースみたいな音にしたい」って頼んだら、「僕はソニックユースが一番嫌いなんだ。あのローファイな音に耐え切れない」って言われて(笑)。僕らはちょっと危うい音にドキドキするんだけど、彼からしたらもっときれいな音でやらせてくれよってことだったんだと思う。しかもそういうやり取りをメールでしなくちゃいけなかったので大変でしたね。
トキ : 何回言っても直らないところとかありましたからね(笑)。それは本当にセンスの違いなんだと思います。

――でもそれが良い刺激になったということですよね。

ギガ : それは間違いないですね。うちのエンジニアなんかはもうメラメラと闘志を燃やしてます(笑)。今回OTOTOYで配信する曲の中には、海外のエンジニアと出来なかった曲(「piano」)もあるんだけど、それを聞きくらべるのも面白いと思う。

練習の様子。防音などは一切していないが、隣の家まで200mほど離れているため、常に爆音。

音楽で生活していく一つのかたちを僕たちが作れれば

―――今回こういう形で配信とインタビューをさせていただくわけですが、出稿というものについてはどう思いますか?

ギガ : 子供の頃、まさか自分の好きなアーティストがお金を払ってインタビューされてるなんて思いませんでしたよね。むしろお金をもらってインタビューされていると思っていたから。それは自分がやる側になって初めて分かったことだけど、会社としての運営とかを考えたら当然のことだなって思います。でもその反面、なぜ会社はアーティストからお金を取らずに利益をあげる方向に向かわないのかなとは思いますね。友達の載った雑誌とかを見ていると、本当にこれで人に伝わるか? っていうレベルの記事もあるし。

――自分が納得のいくものであれば、お金を払って記事にしてもらうというのも理解できるということですか。

ギガ : そうですね。これからはウェブの記事が主流になっていくだろうから、余計なコストが減って色々変わっていけばいいと思います。

――音楽で生計を立てていくことに関してはどのように考えてるんですか?

ギガ : 音楽で言えば、世界に3000人のコア・ファンがいれば食べていけるんですよね。3000人のコアがいればそのまわりに浮動層もいるわけだし。3000人っていうとすごく多く聞こえるけど、世界を視野に入れれば可能性があると僕は思っているんですよ。実際、わけのわからない国のiTunesで売れてたり、急にオランダの人からCDが欲しいっていうメールが来て、全作品送ったりってことがありますからね。音楽で生活していく一つのかたちを僕たちが作れれば、若いアーティストにとってもこんなやり方があるんだっていう指針になると思う。

――そうですよね。

ギガ : 何でうちが現状でもやっていけるかというと、全部自分たちでやっているからなんですよね。要はレコーディング費用もかからないし、プレス代だけあればCDが出せるんですよ。しかもこれが配信になったらプレス代もかからないから、僕たちのようなバンドにとっては希望ですよね。とはいえ、日本はまだCDが売れてるほうですけどね。

練習に煮詰まったら、隣のミーティング・スペースで休憩。

――mothercoatは以前、まったく同じ内容のCDを二枚入りで発売するという試みも行ってましたよね。

ギガ : あれはちょっとしたジョークと、どうせコピーするんでしょ? という皮肉もこめての試みでした。ちょうど配信が出始めた頃で、時代の境目だったんですよね。
トキ : そうですね。ユーザーにも考えて欲しいという思いはありました。あとは宣伝広告費がなかったので、1枚売れれば2人に聞いてもらえるという発想でしたね。

――なるほど。mothercoatのライヴでの収益はどのくらいなんですか?

ギガ : 一応、東京はギャラ2万円で、地方はそれにプラス交通費っていうかたちでやってます。あと最近は物販で6万くらい売れる時もあるかな。ただ自分たちの一番のネックは知名度と動員数だと思っていて、演奏とパフォーマンスに関しては2万円っていうお金をもらうだけの自信があるけど、これに更に動員がプラス出来れば、もっとギャラを上げる資格があるはずなんだよね。そうなれば物販とあわせてそこそこの収益になると思います。

――物販で6万売れるってのは、なかなか凄いですね。

ギガ : 物販買ってください! ってやるのが最初は恥ずかしくて嫌だったんだけど、もうこの道を選んだ以上はめっちゃ売りますね(笑)。
トキ : MCで一言触れるだけで売れ方が変わるのも面白いしね。今はもう商人のように売ってます(笑)。
ギガ : CDが売れなくなってきてるって言われてますけど、ライヴ会場で直接売るCDに関しては僕は残ると思っていて。やっぱりライヴの魔法がかかるんですよ。修学旅行で何でこんなの買っちゃったんだろうっていう木刀と同じで、何かモノとしてその瞬間を持って帰りたいっていう気持ちはみんなあると思うんだよね。木刀よりは僕らのCDの方が価値がありますけどね(笑)。

猫の案内で2階の居住スペースへ。

今回のインタビューは、居間で行われた。

――突然ですが、例えば今、メジャーのレコード会社とかプロダクションから、月20万の給料出すから契約しない? って言われたらどうします?

ギガ : (笑)。多分、契約内容をよく確認すると思います。自分たちがどれだけ口を出せるのかっていうことを。
トキ : 音源とか歌詞とか、そういう制作の内容について触れられるのはダメですね。

――自分たちが納得してやりたいことがやれるなら契約もありえると。

ギガ : そうですね。

僕らはライヴ中に勃つことってないですけど、彼女は濡れるんですよ

――なるほど。いずれにせよ、音楽で食べていくっていうのはけっこうシビアなことですよね。

ギガ : 僕たちもメンバーがどんどん辞めていったのってだいたい30歳前後くらいで、やっぱりみんな考えはじめる時期なんだよね。だけど好きなことをやって、それで生活をしていくやり方を見つけだせたら、それは素晴らしいことですよね。幸せの尺度が一つじゃない時代になっているんだから、みんなそれぞれの楽しみを見つけて生活していけたらいいとは思います。

――お二人は自分たちの幸せとして、なぜ音楽を選んだんですか?

ギガ : 僕はもう中学から歌いたかったし、作品を作りたかったんですよね。フォーク少年だったから、ボブ・ディランとか拓郎さんとか岡林さんとか聞いてましたね。だから元々はソロでやるつもりで東京に出てきたんだけど、ライヴを見てバンドに魅せられたというか、バンドでやりたいなぁって思いました。

――いつ頃からバンドをやっていたんですか?

ギガ : 僕は、mothercoatが初めてのバンドなんですよ。だから22か23くらいからだったかな。もう11年目になりますね。

――それだけ続けるっていうのは凄いですね。

トキ : 辞めちゃった人も多いですけどね。いちばん少ない時はステージに2人とPAが1人で3人でしたね。
ギガ : でもそういうメンバーが足りない時期があったからこそ、「この曲には絶対にベースが必要だ」とかっていう固定観念がなくなったのは良かったと思いますね。今となってはですけど。

ギガ・ディラン(vo.?)

――それでもバンドという形態にはこだわりたいんですか?

ギガ : うん。バンドっていうのは違和感の集大成だと思ってるんですよね。人と一緒にやってると最初はけっこうムカついたりするんですよ。「なんでそんなフレーズを弾くんだ」と(笑)。でも考えられないものがミックスされるってことは新しいものが生まれる可能性でもあるんですよね。だから僕が一人でやれば僕の思い通りにはできるんだけど、それはきっとそんなに面白くないと思う。

――なるほど。トキロックさんはなぜ音楽を選んだんでしょう。

トキ : 私は実はあまり音楽を選んでなくて、バンドを始めたのも遅いんですよ。26歳のときに初めてベースを買ったくらいで。それまで沖縄の三線をやってたんですけど、ベースなら弦が1本増えるだけなんでいけるかなと(笑)。
ギガ : 彼女はもともとmothercoatのお客さんだったんですけど、何かおかしかったんですよ。ちょっと変な客いるぞって話題になってて(笑)。でも、打ち上げで喋った他のメンバーが「すごく感性が優れている」と。楽器とかやったことないんだけど入れてみようって話になって。何も弾かなくていいから、とりあえずベース持っておけみたいな(笑)。
トキ : 本当は当時のメンバーは、ちゃんと弾けるようにならないとダメだよって思ってたみたいなんですけど、ギガだけが唯一、弾けなくてもステージに立てばいいって言ってくれて。だからこそ今までずっと一緒にやれているのかなぁと私は思ってるんですよね。
ギガ : まあ今だったら絶対そんなこと言わないけどね(笑)。当時は若かったんで。

――はじめは一人の観客にすぎなかったのに、今ではコア・メンバーになってしまっているなんて不思議なものですね。

トキ : 私はすごくmothercoatの音楽が好きだったので、この音楽をライフ・ワークとしてやりたいと思ったんですよ。あとは何よりライヴがすごく気持ちいいんですよね。
ギガ : 彼女は本当に凄くて、例えば僕らはライヴ中に勃つことってないですけど、彼女は濡れるんですよ(笑)。
トキ : もう、びしゃびしゃになりましたね(笑)。

トキロック(?.vo)

――へー! 僕もバンドをやっているんですが、ステージ上で性的に興奮するっていうのはちょっと考えられないですね(笑)。

トキ : イったこともありますよ(笑)。

――えー! それは凄い!

トキ : その時にライヴって凄いなと思いましたよ。でもそこまでになるには時間がかかるらしくて、新しい曲ではまだ経験してないですけどね。
ギガ : やっぱり演奏のことに頭がいっちゃうとダメなんだろうね。
トキ : うん。頭で思い出しながらとかじゃなくて、勝手に身体が動くくらいの曲じゃないとそういう状態にはならないですね。
ギガ : あとね、彼女は一回アンコールの大盛り上がりのときに、ベースの線が抜けて音が全然出てなかったんだけど、ずっとベースが聞こえてたらしいんだよね。僕らが終わったあとに「最後ベース鳴ってなかったね」って言ったら、「え?」とか言われちゃって(笑)。
トキ : 鳴ってると思ったんですけどね(笑)。

――(笑)。

トキ : まあ話は戻りますけど、音楽で食べるってことは並大抵のことではないので、それをやれてるっていうのを見せたいですね。

――やりたいことをやって生きてるのってカッコイイですもんね。でも、例えば、子供を作って幸せな家庭を築きたいとか、そういう願望はないんですか?

ギガ : あ、それはないわけじゃないですよ。だた、自分が自信を持ってなにかをやれてないと、子供に何も言えないんじゃないかっていうか。別に子供を育てることを自分の生きがいにしたいわけじゃないから。
トキ : 「子供いるからちょっとツアー出られない」みたいに、子供がいることを言い訳にしちゃうようになったら、それは不幸な親子関係になると思うんですよ。まあ今は高齢出産の方とかも増えているから、まだ諦めてはいないですけどね。

深谷の夜は早い。居心地の良さに、つい長居してしまった。

自分の好きなものを否定する覚悟は常にありますよ

――mothercoatの楽曲はどうやって出来ているのでしょうか。

ギガ : うちは必ず全員で作りますね。ギターのリフから入るときもあるし、ビートだけが先に決まってる時もあるし、僕の弾き語りから広げていく時もあるし、色々なパターンがあるんだけど、最終的にはみんなで作ります。
トキ : でもあまりにそれぞれ好きなようにやっちゃうと、どうしても手癖とかで同じパターンの曲になっちゃうことが多いから、そうならないようにとは思ってます。
ギガ : 自分の好きな音楽をそのままやっちゃうと、結局自分の好きなアーティストには敵わないんですよね。だから自分の好きなものを否定する覚悟は常にありますよ。あえて違和感を持ち込むっていうか。これだけ音楽がやり尽されたと言われているなかでも、まだなにか新しいものがあるんじゃないかとは思ってますからね。

――自分だったらそうはしないという違和感がメンバーから持ち込まれることで、その手があったか! っていう斬新なアレンジが生まれたりすると。

ギガ : そう。あとはビートを作る時に言葉のリズムとかを参考にしたりしますね。例えばメンバーに「バタフライ泳法を口で表現するとどんな感じ?」って聞いてみて、そこからビートを作ったりっていうことをしたり。

――それは面白いですね。

ギガ : やっぱり、一旦、楽器を持っちゃうと、どうしても手癖に引っ張られちゃって同じパターンに陥りがちなんですよ。だから楽器を持たずに作るっていうのも大事ですよね。

取材に来ておいて、夕食までいただくことに。

凡人菜園で採れた野菜中心の料理。新鮮で、凄く美味しかった。ご馳走様でした。

――最後になりますが、今後の活動のヴィジョンなどあれば教えてください。

ギガ : ひとつはやっぱり海外ですね。来年は向こうをまわろうと思ってて。まえにサウス・バイ・サウス・ウエストっていうイベントに出たんですけど、もう一回出ようかなと思ってます。ただ、あのイベントは盛り上がるんだけど、出るのにあまりにもお金がかかるんですよね。あれは日本のメジャー・バンドが海外でライヴしました! っていうハクをつけるために出ることも多くて、その分には広告費と考えればいいわけだけど、僕たちにとっては実際に海外で活動していくための足がかりとしても、ものすごい金額だったから。でも助成金が出るかもしれないっていう話もあるので、それも考慮したうえで出演出来ればと思っています。

――是非、行って欲しいです。

ギガ : あとはUKがどうしても好きなんで、ヨーロッパでツアーとかも組みたいですよね。かといって日本もおざなりにするわけじゃなくて、今年は大阪と札幌でしかワンマンは出来ないんだけど、もっと東京以外の都市でのワンマンを増やしていきたいって思ってます。

さよなら凡人ハウス

mothercoatは転がり続ける、狂ったように。

2012年9月16日 心斎橋 Pangea “凡人次第 vol.4”
2012年11月25日 札幌 SOUND CRUE “ワンマン”
2012年12月2日 心斎橋 Pangea “ワンマン”

2012年8月23日 新潟 Live Hall GOLDENPIGS BLACK STAGE
2012年8月24日 仙台 PARK SQUARE
2012年8月25日 福井 響のホール
2012年8月26日 長野 LIVE HOUSE J
2012年9月1日 京都 GROWLY
2012年9月2日 神戸 Event-hall RAT
2012年9月9日 新栄 CLUB ROCK'N'ROLL
2012年9月12日 渋谷 O-nest
2012年9月18日 神戸 Event-hall RAT
2012年9月20日 天王寺 fireloop
2012年9月22日 新宿 Motion
2012年9月26日 下北沢 THREE
2012年10月2日 新宿 JAM
2012年10月6日 新宿 MARZ
2012年10月9日 新宿 Motion
2012年10月10日 福島 LIVE SQUARE 2nd LINE
2012年10月11日 神戸 Event-hall RAT
2012年10月16日 新宿 Motion
2012年10月21日 水戸 SONIC
2012年10月24日 京都 nano
2012年10月26日 薬院 Utero
2012年10月27日 大分 立命館アジア太平洋大学
2012年10月28日 新潟 CLUB RIVERST
2012年10月29日 新宿 JAM
2012年11月2日 新宿 Motion
2012年11月3日 北堀江 club vijon
2012年11月8日 新栄 CLUB ROCK'N'ROLL
2012年11月10日 京都 VOXhall
2012年11月18日 仙台 BIRDLAND
2012年11月21日 札幌 Sound Lab mole
2012年11月22日 札幌 HALL SPIRITUAL LOUNGE
2012年11月23日 札幌 cube garden
2012年11月30日 岡山 PEPPER LAND

PROFILE

あなたの退屈はすべてmothercoatの責任と捉えています。

ギガディラン(vo.?)トキロック(?.vo)ニノミヤソウ(gt)イリマジリジュン(dr)スギハラジュンペイ(sounder)からなる音楽を軸に右往左往する知的風ロック・バンド。そのワガママな活動に魅了される人が後を絶たない反面呆れて離れて行く人も数知れず。責任とは期待に応えることではなくその瞬間にある姿を偽らないことである。

OFFICIAL HP

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インタヴュー

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by 西澤 裕郎
暗闇を照らす、温かみのあるひかり──Nozomi Nobodyが「歌」にこだわった新作をハイレゾ配信
[CLOSEUP]・2017年09月13日・暗闇を照らす、温かみのあるひかり──Nozomi Nobodyが「歌」にこだわった新作をハイレゾ配信 透明な歌声と、ループステーションを巧みに用いたコーラス・ワーク、そして様々な情景が浮かぶ楽曲が魅力のシンガー・ソングライター、Nozomi Nobody。昨年アレンジ、演奏、録音、ミックスまでを自身で手がけ、細部までこだわり抜いたセルフ・プロデュース作品『We Are Always a Bit Lonely』をつくりだした。全国流通盤としては第2弾のリリースとなる今作は、レコーディング、ミックスにGEZANや柴田聡子を手がける君島結が、そしてマスタリングにU2やザ・ローリングストーンズなどを手がけるピート・マーハーが参加。前作よりもアレンジ面での幅が広がり、彼女の歌声がより際立って耳に入ってくるように思う。OTOTOYでは本作『Everything Goes Back to You』のハイレゾ配信をスタートするとともに1ヶ月の期間限定で全曲フル視聴を実施。ぜひ楽曲を聴きながらテキストをおたのしみください。 新作をハイレゾ配信&期間限定全曲フル視聴 【配信形態】ALAC、FLAC、WAV(24bit/44
by 鈴木 雄希