2010/10/14 00:00

オロロトリヒロのソロ活動が始まった!

まほうビン、みんたぼん等をへてオロロトリヒロ名義でのソロ活動を開始し、今回ファースト・アルバム『指先の魔法』をリリースしたオロロトリヒロ。OTOTOYでは今作のリリースに合わせて収録曲でもある「バカじゃないよ」のフリー・ダウンロードを開始! オロロトリヒロの世界を、リラックスし肩の力を抜いて聞いてみて下さい。更にアルバム購入者にはデジタル・ブックレットと、「雨のちはれるよ」のスタジオ録音時の映像が特典で付いてきます。聞き終えた後にはオロロトリヒロがきっと愛おしく思えるはずです!

バカじゃないよ」のフリー・ダウンロードはこちら(期間 : 10/14〜10/21)


オロロトリヒロ / 指先の魔法
【Track List】1.バカじゃないよ / 2.ラクダの涙 / 3.コモレビノダンス / 4.窓辺のメロディ / 5.猫とあじさい / 6.ペンキ塗りブルース / 7.アルセーヌ・ルパンみたい / 8.遠くの森 / 9.雨のちはれるよ / 10.カレーが食べたい

【特典】アルバム購入者には、デジタル・ブックレットと「雨のちはれるよ」のスタジオ録音映像が付いてきます!!

作りたい音楽を、一緒に作りたい人達と

ある日、OTOTOYにオロロトリヒロの音源が届いた。名前を聞いて「ん? 」と思い、写真を見て「なんじゃ? 」と思った。彼(鳥?)は、まほうビン、みんたぼん等を経て2009年からオロロトリヒロ名義でソロ活動を開始。それと平行してcoinnというバンドのメンバーとして活動している(coinnでは人間の姿をしているようだ)。

今回オロロトリヒロ名義では初となる『指先の魔法』をリリースした訳だが、一聴し何とも爽快なアルバムである。というのは、しがらみ等全くの皆無であり、「作りたい音楽を一緒に作りたい人達とただ作ったのだ」と言わんばかりに伸び伸びとした音が詰め込まれている。レコーディングの風景まで目に浮かぶ様な作品だが、それもそのはず、主にオロロトリヒロが所属するcoinnのメンバーである白岩萬里、齋藤紘良、小田晃生が参加しているからだ。coinnは主に幼稚園等で演奏する事が多く、それぞれが独立した活動を展開しているバンドでもある。白岩はbanri shiraiwaという名義でライブ活動や作曲家活動を、齋藤紘良はイベント・オーガナイザーとして、またSaturday Evening Postや、歌い手の野々歩(ショピン)と、yo-hoというユニットで活動、小田晃生はCM楽曲、音楽を通した教育指導、ソロ活動等をしている。オロロトリヒロ☆すてきロックバンドのメンバーもそれぞれが精力的に活動している。森元智子はSaturday Evening Postをはじめ、ヒネモス(サポート)や小田晃生のサポート等多方面で活躍し、千国敬道はnicoというバンドで主に活動していた。その他サポートには画家でガムラン奏者の川村亘平等も参加。こう名前を挙げてみると狭い中でのつながりなのだが、実にそれぞれが多方面の活動をしながらも、どこか同じベクトルを持ったメンバーがオロロトリヒロの周りにいる事が分かる。

ミュージシャンといえば、ライブ・ハウスやホール等でライブ展開をするイメージだが、このオロロトリヒロ含め周辺のメンバーは、幼稚園等のかなり特異な場所で演奏し、場所等に左右されず、音楽を通した人との対話を経て、そこから生まれるものを自分の表現へ昇華させることができる。一見地味に見えるが、彼等はその場にあるもので(楽器じゃなくても)音楽を産む事ができる。

今作に参加している齋藤紘良が企画した「ロマンスの大往生際祭」というのが、先日町田のお寺簗田寺で行われた。その際見たオロロトリヒロはcoinnのメンバーとして参加していたが、会場を包込む様な柔らかい音楽と、まるで幼稚園児が鼻水を垂らしながら駆け回るようなやんちゃなパフォーマンスを見せていたのが印象的である。今作も、その雰囲気は持ちつつ、よりオロロトリヒロのパーソナリティが音となり、ある意味乱暴にどこか不器用に私達に主張してくる。coinnの音楽はもてなしの手料理、オロロトリヒロは、オロロトリヒロという素材そのままという感じである(鳥料理にするか)。しかし作品としては、ポンッと肩を叩かれるような、どこか温かい、懐かしさと愛おしさを感じることが出来る。それはミュージシャン自らの伝えたい事、表現したい事が明確になくてはならないし、聞いた人に音楽の楽しさをただ純粋に伝えたい気持ちがなくてはそうならない。この作品には、オロロトリヒロ自らの人間性が、しっかりとにじみ出ているのだ。

日本の音楽業界が「元気がない」とざわざわして大分経ったが、実はそうでもない。というよりか、皆があまりにも音楽業界の同じ一点を見すぎてしまって、方向感覚を失っているように思う。結局の所、子供から老人まで音楽を求めている人は沢山いるのである。しかも、暗い出来事が多い今だからこそ、その求める気持ちは強いのではないだろうか。自分のできる音楽で楽しいものを人に伝えたいという気持ちと、それを感じたいというシンプル関係は昔から変わらずある。オロロトリヒロはその活動をし続け、自分の歩幅で歩くのである。日本の音楽は業界本意な意向でそのシンプルな形を忘れ、あまりに乱暴な場所へ皆集まり過ぎてやしないか? と思わずにいられない。音楽業界の事だけではないが、様々な事柄の進むスピードが早く、それを「楽しむ」どころか「周りについていかなくては」という事で手一杯になっているように思うのだ。そんな時にポンッと肩を叩いて、「まぁそう片意地張らずに」と、この作品は言ってくれる様な気がする。

(Text by 内田武留)

Live infromation

オロロトリヒロ企画「指先の魔法☆ぷちレコ発」

10/20(水)@西荻窪w.jaz
OPEN 19:00 / START 19:30
CHARGE : 2.000yen(1D)
オロロトリヒロ☆すてきロックバンド、川村コーヘー、dodo

オロロトリヒロ × banri shiraiwa企画「ロマンチック音楽室 vol.4」

11/19(金)@西荻窪w.jaz
OPEN 19:00 / START 19:30
CHARGE : 2,000yen(1D)
オロロトリヒロ、banri shiraiwa、中村むつお(テングインベーダーズ)

心の拠り所ミュージック

奇妙礼太郎 / トラベルスイング楽団

大根! 人参! ロックンロール! くよくよしようぜ! シナトラ気取りのフリークスとガラスのハートにワサビを塗りすぎた総勢10数名のキンキー・ミュージシャンズが春の入学&ファースト・キース・シーズン、微熱なフォーエバーヤングスに贈る、ソフト問題児×ハード迷子な栄光のオープンチャック・集団ダンス・ミュージック! 南コロンビアのチョコな路地裏から聴こえる薫り高いトランペット&ボーンにニューハンプシャーのファットな高級マンションからこぼれるスウィンギーな鍵盤をシェイクした千客万来のビック・ダッチ&モブサウンズ! つかめグラミー賞4部門! 100万光年のファンタスティックな夜、ありあまる情熱は太陽のわすれもの!

ふくろうず / ごめんね

既にライヴでも披露している人気曲「マシュマロ」、そして「ごめんね」をリード・トラックとした全9曲を収録。前作同様、スーパーカーやクラムボン、キセル等を手掛けた益子樹氏をレコーディング&マスタリング・エンジニアに迎え、さらにレンジを広げたポップセンスを堪能できる快作!

[レヴュー] オロロトリヒロ

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