2009/12/06 00:00

VOL.3

こんにちは。福島市のあやぽんごです。随分とご無沙汰しておりました。恒例になりつつある、福島市の近況報告から参りたいと思います。現在、福島はリンゴの収穫がピークを迎えております。更に、私の住む県北地域では『あんぽ柿』なる特産品の生産も佳境を迎えております。なんともユルい呼び名のあんぽ柿は、渋柿を硫黄で燻蒸した干し柿のことで、繁忙期になると、柿を干すための「柿ばせ」という蔵に、オレンジ色の綺麗な柿のカーテンが出来ます。一般に、大ぶりの実にうっすら糖分の雪化粧をしたものが売られており、中はゼリー状で羊羹のような控えめな甘みになっております。私も、幼少の頃より庭の柿の木の実を剥き、ビニール紐の間に蔕を挟み、物干し竿に吊すという「干し柿作業」を行って参りました。自分の家で作る干し柿は、小降りで、真っ白け、中身はカッチカチという代物でしたが、味はピカイチでした。皆さんも、是非やってみてくださいね。

突然ですが、皆さん。「釣り好きに悪い人は居ない」という慣用句を聞いたことが御座いますか。多分、「無い。」と答える方が殆どではないかと思います。何故なら、私が勝手に流布している造語だからです。そこには、そうあって欲しいという一釣りキチである私の願いが込められています。車上荒らし、ポイ捨て、他所への生体のリリース・・・ 釣り人の中にも悪い行いをする方は沢山います。その度に、私は「一部の人のせいで・・・ 」と胸を痛め、次第に貴重な釣り場が減っていくのを落胆しつつ傍観しておりました。似たようなあやぽんご慣用句で「ビオラ弾きに悪い人はいない」というものもあります。これはオーケストラをご覧になると分かると思います。

2009年に出会った数多くのミュージシャンの中で、どうしても声高にご紹介したい方がいらっしゃいます。先月、音楽活動10周年を迎えられた、SAX奏者の加藤雄一郎さんです。SAXなのに、何故釣りの話を振ったかと申しますと、単に私と加藤さんが楽器と同じくらい釣竿を愛す、ミュージシャン・アングラーだからです。現在、東京と福島を拠点に全国で活躍なさっている加藤雄一郎さんは、1973年、福島市でお生まれになりました。福島市のシンボルでもある、信夫山という山の懐に聳え立つ福島市立第四中学校でサックスに出会いました。これまでに共演したアーティストは数知れず、現在は、NATSUMEN、MEGALEVやL.E.D.のメンバーとして、また曽我部恵一さんやSuperfly等々、蒼々たるミュージシャンの方々と共演されております。

そんな加藤さんと私が共演させて頂く切欠になったのは、福島市大町にあるAS SOON ASのオーナーであられる安斎省吾さんの一言でした。「あやぽんに、是非紹介したい人(=釣りに連れて行ってもらいたい人)が居るんだよ! 」というわけで、ご紹介に預かった初日に意気投合し、100%釣り目的で連絡先を交換。以後、ライブ前日まで殆ど【1.誰と 2.どこで 3. 何を釣った 4.写真】というフォームのメールしかしませんでした。一番感動したのが、飯坂某所で釣り上げた綺麗な山女・・・ すみません、また脱線しました。

初めてライブをご一緒させて頂いたのが、2009年9月18日にAS SOON ASで行われた加藤雄一郎ソロ・ライブです。この日は私の24歳の誕生日&結婚4周年という、非常におめでたい日でしたが、我が夫は居酒屋店長のため不在。私は優れたDJ陣と素晴らしいサックス奏者と共に時を過ごすことができました。この日は私の最も好きな加藤コンポジションの一つ、「abukuma」という曲を演奏しました。福島には魚のよく釣れる阿武隈川があり、その名を冠したこの曲が、私はとっても好きです。(是非ご拝聴あれ!)

私がここまで熱を上げて加藤さんをリコメンドする理由は、彼の作曲能力の高さにあります。私のようなバイオリニストの端くれは、ベースになるバンド・メンバーと「あーでもない、こーでもない」とスタジオに入りながら曲を作れれば良い方で、正直、普段は出来上がった曲をアレンジしたりメロディを追加したりするのが精一杯です。しかし、加藤さんのMacintoshから紡ぎ出される楽曲の数々は、既に楽曲として完遂されたものがあります。勿論、自らが創ったlap top musicに、更に自らが掛け合わせるサックスを予想してのものなのでしょうが、私には土台だけでも十二分に感動に足るご馳走なのです。セルフ・リミックスとでもいいましょうか、とにかくエレクトロン×アナログ=Yuichiro Katoという式は、悦の極みなのです。

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