GRAPEVINEデビュー15周年のタイミングでリリースされる『Beat of GRAPEVINE 1997~2012』。今回のアルバムに収録する曲を決定する為に、Web応募に加え、タワーレコード対象店舗にて行われている店頭投票を加味し、厳正なる選定の元、投票ランキング30位以内にランクインした曲のうち、22曲を収録! ランク圏外の楽曲からはデビュー・アルバム・タイトル「覚醒」やシングル楽曲「ナツノヒカリ」「FLY」が収録。長年GRAPEVINEを愛するファンの皆様と、スタッフの手で編まれた初のベスト・アルバム。最新ミニ・アルバム『MISOGI EP』に至るまでのGRAPEVINE15年を知るに十分な、まさにGRAPEVINEの“おいしい”部分が凝縮されたベスト盤が到着。

>>>活動15周年を迎えたGRAPEVINEの過去作レビューはこちら

GRAPEVINE / Best of GRAPEVINE 1997-2012

【DISC1】
1. 覚醒 / 2. 君を待つ間 / 3. 遠くの君へ / 4. 会いにいく / 5. ナツノヒカリ / 6. リトル・ガール・トリートメント / 7. OurSong / 8. 望みの彼方 / 9. here / 10. 白日 / 11. スロウ / 12. アナザーワールド / 13. 風待ち / 14. 光について / 15. Everyman,everywhere

【DISC2】
1. 真昼の子供たち / 2. Glare / 3. 放浪フリーク / 4. Darlin'fromhell / 5. RAKUEN / 6. 小宇宙 / 7. CORE / 8. GRAVEYARD / 9. 指先 / 10. Silverado / 11. エレウテリア / 12. 豚の皿 / 13. 超える / 14. 棘に毒 / 15. FLY

【配信形式】
mp3 : 単曲 250円 / アルバム1800円

15年をかけて育ててきた葡萄の木

あれは、1997年だった。NHK-FMで当時放送されていた「中村貴子のミュージック・スクエア」で、彼らのメジャー・デビュー・ミニ・アルバムのリード・トラック「覚醒」が流れた。2本のギターが空間を一瞬にして青紫色に変えるイントロ。武骨で乾いた音色の、生々しさ溢れる演奏。歌はAメロ・Bメロ・Cメロのメロディーそれぞれが静かに主張していて、敢えてどこがサビなのか分からなくしているようでもあった。突出して印象的なのがイントロのギターのメロディーだったりするし、全体を通して決して派手さは無く、キャッチーで絶対的なサビがあるわけでもない。しかし、何故かもう1回聴いてみたくなるような、後を引く味のある楽曲だった。それが、GRAPEVINEとの初めての出会いだった。

ミニ・アルバムのリリースでメジャー・デビューするという形は、今でこそ一般的になってきているものの、まずはシングルでデビューするのが当たり前だった当時としては、かなり異端であった。「覚醒」にしても、ヒット・チャート上位に昇り詰めるための定石となっているような、一発で耳に残るサビのメロディーありきの手法とは全く真逆を行くような作りの曲であり、GRAPEVINEというバンドはデビュー当時からかなりあまのじゃく的な思想を持っていたことが伺える。

あれから15年。そのミニ・アルバム『覚醒』の発売日からちょうど15年後の2012年9月19日に、彼らの初のベスト・アルバム『Best of GRAPEVINE 1997-2012』が発売となった。15年という月日は、短いようで長い。その長きに渡り、オリジナル・メンバーであった西原誠の脱退という事件が2002年にありながらも、それを乗り越えて地道にしかし着実に活動を続けてきたGRAPEVINE。最初は小さな新芽でしかなかった葡萄が、蔓(=GRAPEVINE)を伸ばし大きく生長し、数々の楽曲の果実を生み出してきた。『Best of GRAPEVINE 1997-2012』は、その葡萄の木の全体像を俯瞰しながら、美味しく熟れた果実を味わうにはもってこいのベスト・アルバムである。

このアルバムは、GRAPEVINEの過去楽曲のファン投票企画によって30位以内に入った楽曲の中から22曲を収録。ランキング上位の楽曲は、1位「光について」、2位「望みの彼方」、3位「Everyman,everywhere」、4位「スロウ」、5位「アナザーワールド」と、ファンにとってはおなじみの楽曲。1位から18位までの楽曲は全て収録されており、多くのファンの方々にとって納得の楽曲群となっているのではなかろうか。そしてランク圏外の楽曲からは、「覚醒」、「会いにいく」、「ナツノヒカリ」、「FLY」、「GRAVEYARD」、「小宇宙」、「Siverado」、「RAKUEN」を収録。

アルバムの幕開けを飾る「覚醒」に関しては、今までデビュー・ミニ・アルバム『覚醒』と、バンド10周年を記念してリリースされた『覚醒〜10th Anniversary Special Package〜』にしか収録されていなかった曲であり、今回のファン投票では残念ながらランキング圏外となっているが、メンバーにとって絶対に外すことのできない1曲だったと私は思うのだ。

アルバムを通して聴いた時に感じたのは、ランキング上位の「スロウ」や「光について」などの大名曲が、葡萄の一番美味しいところの詰まった果実だとすると、「覚醒」はそれらに比べると一見地味ではあるが、この葡萄の木のかけがえのない「根っこ」の存在であって、GRAPEVINEというバンドの根幹であり原点の楽曲なのである。「根っこ」である「覚醒」があったからこそ、GRAPEVINEという葡萄の蔓が伸びやかに生長して、多くの人の心を打つ楽曲が誕生することにつながり、ここまで沢山の果実が生る葡萄の木へと育ったのだ。

2枚組・全30曲のこのアルバムを最後まで聴いて、美味しい果実の数々を味わい尽くした後に、もう1回最初の「覚醒」を聴きたくなる衝動にかられた。個人的にGRAPEVINEで最も好きな楽曲であったわけであるが、その「覚醒」という楽曲の素晴らしさとバンドにおける重要性を、今回改めて再発見できた。

GRAPEVINEがメジャー・デビュー以降の15年をかけて育ててきた葡萄の木。さて、次の15年で、どんな成果物(青果物)を生み出していくのだろうか。今度は、20年物、30年物のワインのように熟成された楽曲・作品が世にリリースされていくような、そんな期待を抱いてしまう。きっと、それはさぞかし芳醇で味わい深いことだろう。恐らく、この葡萄の木は、まだまだ生長し続けていくことをやめない。(text by 阿部 彩人)

GRAPEVINE 15th ANNIVERSARY LIVE

2012年9月19日(水)@大阪・NHKホール
2012年9月26日(水)@渋谷・NHKホール

PROFILE

GRAPEVINE
1993年から大阪で活動を開始する。
結成メンバーは田中和将(Vo/Gt) 西川弘剛(Gt) 西原誠(Ba) 亀井亨(Dr) 。
Marvin Gayeの「I heard it through the grapevine」からバンド名を名づける。
セルフ・リリースのカセット・テープが話題となり、1997年にポニー・キャニオンと契約。
1997年9月、ミニ・アルバム『覚醒』でデビュー。
2002年に西原誠が脱退し、金戸覚(Ba)、高野勲(Key)がメンバーに加わる。
現在までに12枚のフル・アルバムをリリース。2011年には長田進氏をプロデューサーにむかえたアルバム『真昼のストレンジランド』をリリース。
2012年9月には、ベスト・アルバムを発売予定。

GRAPEVINE official HP

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レヴュー

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