
アイルランドはベルファストから登場した3ピースのエレクトロ・バンド、Not Squaresのデビュー・アルバム。どれだけアドレナリンを放出できるかが勝負とでも言うような、ハイエナジーなポスト・パンクを繰り広げる、アイルランドはベルファスト出身の3ピース、Not Squares。
Adebisi ShankやEnemiesが所属するインディ・レーベル、Richter Collectiveからのリリースとなる本作では、レーベル・メイトのAdebishi ShankのVinnyがミックスを手がけている。Holy Fuckにも通じるようなヒリヒリとしたスピード感と凶暴なテンションによる、異型のダンス・ミュージック。絡み合うツイン・ベース、攻撃的なシンセ、どんどんつんのめっていく縦ノリのビート、打ち鳴らされるカウベル。ミニマルなフレーズと、直情的なシャウト。ミドル・テンポのクールなニュー・ウェイヴ・トラックはそれほどでもないが、ロッキン・エレクトロの「OJOS PARA VOLAR」や、「Asylum」「BI KAN NA」といったハイテンションでプリミティヴな高速ポスト・パンクには、無条件にアドレナリンが溢れ出るような攻撃性が宿っている。随所にアイデアを散りばめ、細かく展開や音色を変化させ、一本調子に陥らない確信犯的なアレンジも、そういう楽曲でこそ本領を発揮している。野蛮な知性とでも呼びたくなるようなNot Squaresのプリミティヴな人力ダンス・ミュージックは、どこかBoom Boom Satellitesやthe telephonesなど、日本のエレクトリックなバンドに通じるところがあるところも、興味深いところ。「YEAH! 」も、聴きようによっては和太鼓にも通じるリズムであるような気がするし、これは一体どうしたことか。何度か来日もしているAdebishi Shankの影響!? そんなわけないか。(text by 佐々木健治)

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Adebisi Shank / This is the second album of a band called Adebisi Shank
アイルランドはダブリン、オックスフォードから平均24歳の3ピース激烈インスト・マス・ロック・バンド。『Yeah Ok』ではメンバーのVinnyがミックスを手がけている。待望の2ndアルバムは、LITE井澤が主催するParabolica Recordsからのリリース。圧倒的なダイナミズムでフロアを揺らす。
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