- 岡村詩野音楽ライター講座
-
講師: 岡村 詩野
岡村詩野音楽ライター講座は、2011年1月よりオトトイの学校講座第一弾として開始しました。
歴史と伝統の岡村詩野講座
岡村詩野音楽ライター講座」は、東急セミナーBEで行っていた頃から数え、はや10年になります。本講座の卒業生の多くが、すでに様々なメディアで活躍しています。実は、OTOTOYで活動するライターの皆さんの本講座の卒業生率、結構高いです。和気あいあいとしたアットホームな雰囲気を保ちつつも、現場の即戦力育成にも効力を発揮する、実績と定評のある講座なのです。そんな岡村詩野音楽ライター講座ですが、これまであまり実際の講座内容を紹介したり公開したりする機会はありませんでした。そこで、今回はほんの少しですが、その内容と実際の様子について、お伝えしたいと思います。
音楽ライターが辿る道
そもそも音楽ライターってどんな仕事なんでしょう。どうすればなれるんでしょう。ある日ふと音楽ライターになりたいと思ったとき、人はどうすればいいのでしょう。たぶん、そんなことを考えるまでに、その人はいろんな音楽を聞き、いろんな人と会い、いろんなメディアを見聞きし、いろんな文章を読んでいるんだと思います。そして、ふと音楽ライターという職業を考えることになるのかもしれません。そんな人もそうじゃない人も、いろんな人が隔週の金曜の夜に集い、音楽ライター講座は開かれ続けています。
現場主義、実践主義
岡村詩野さんの講座の特徴は、なんと言ってもその実践主義にあります。新譜のレビュー1,000字、ライブレポート2,000字等々、受講生各人が実際に音を聞き、現場を体験した上で文章を考えていきます。毎回の課題に最初は自分自身の立ち位置に迷いながらも、回数を経て、推敲を重ねていくいうちに、各人が独自の視点と表現の方法論を培っていくのです。
ライターという仕事は、知らない誰かへのラブレターをひたすら書き続ける、そんな仕事なのかもしれないと、ライター講座の様子を傍らで見続けた身としてふと思いました。それは、単なる小手先のテクニックだけでどうなるものでもなく、多くの読み手に確実に伝わるように、自分の体で体得したものを惜しげもなく披露し続けなければならない過酷な職業のようにも感じられるのです。
恐怖の(!?)読み合わせ
実際の講座では、受講生各人の原稿を岡村詩野さんはじめ受講生全員で読み、文章表現等のテクニカルな部分から文章そのもののメッセージ力、吸引力にいたるまで、それぞれの視点からの鋭い指摘が次々に降り注ぎます。文章を書く人間からすれば、こんなありがたい読者は他にいないと言えるのかもしれません。一番の読者がこんなに固まってそばにいてくれることの幸福がここにある、と密かに思う瞬間でもあります。
フリーペーパー はじめました
そしてもう一つ、本年4月期から始まったのが、フリーペーパーの制作、発行です。タイトルや記事内容決定といった企画段階から実際の取材、執筆はもちろん、デザイン、構成等の誌面づくりから印刷後の配布まで、すべての作業を受講生の方々が主体となって進めていきます。ライターとは、自分自身がコンテンツであり、メディアであると言えます。そんな自分達の本領を発揮する実践の場として、フリーペーパーの制作機会は功を奏し、今後の岡村詩野講座の大きな柱となりそうな予感です。
フリーペーパーのタイトルは「asatte」。今日をはさんでOTOTOYと反対の場所に位置する名前です。記念すべき第一号のテーマは、「テクノロジーとローカリズム」。すべて受講生による執筆で、第一号は修了日に無事完成、都内のいろんな場所に配布させていただきました。すでにどこかで皆様の目にとまっているかもしれません。フリーペーパーは、毎期3ヶ月ごとに発行予定ですので、今後もご注目ください。
さて、ほんのさわりだけの紹介になってしまいましたが、こんな感じで、岡村詩野音楽ライター講座はこれからも続けていく予定です。“音楽ライター”講座ではありますが、音楽、ライティング、編集への興味の他にも、エンターテイメントに関わる様々な興味の延長線上にこの講座があり、多くのみなさんの興味のアンテナに引っかかってこの講座の輪がさらに広がってくれることを願ってやみません。