徳久ウィリアムの「プロになるための“快楽”ボイストレーニング」〜喉をこわさない本当の声の出し方教えます

1月開講の新講座が好評につき、全6回の本格講座として装いも新たに登場!声の基礎力をあげる事を目的としたボイス・トレーニング。声を良くしたい、上手く喋りたいという方におすすめです。見学のみも受け付けます!

呼吸をすることの意味を体で感じてみる

2012年1月からはじまり、現在4月からの第二期開講中の「徳久ウィリアムのプロになるための“快楽”ボイストレーニング〜喉をこわさない本当の声の出し方教えます」。
ボイトレと言えば、音楽スタジオで先生のピアノを前に発生練習をするようなイメージをもたれる方も多いと思いますが、オトトイの学校の教室にはピアノはありません。本校のボイトレの特徴は、「声を出すということが、結局自分の体の仕組みや動きを知ることに直結している」ということを、文字通り体で理解することから始めます。なので、第一回、第二回は声を出す前にまず呼吸自体をしっかり行うことに焦点をあてています。そこでこのレポートでは、第一回の「呼吸」の授業、特に深呼吸と呼吸筋のストレッチについて、ほんのさわりだけですがお伝えしたいと思います。まだあまり知られていないこの特異な講座の雰囲気を、少しでも感じていただければ幸いです。

深呼吸をする、自然に

呼吸は普段毎日片時も休まずにやっているほぼ唯一のことと言えるのかもしれません。ここではその意識しないでできることをそのままに意識しないでやる。ただそれをいつもより深くゆっくりできるようになることに注力した深呼吸の方法についてお伝えしたいと思います。

まず息を吐き切ります。
そして少しづつゆっくり鼻から息を吸っていきます。細ーく長ーく…。
胸の中に風船をイメージして、その風船に息を入れていく感じです。その風船に息がたまり、自然と胸が開いていくようにイメージします。

息を吸う、自然に

息を吸いきったら息を止め、息の入った風船を胸からお腹におろしていきます。
その時、肛門括約筋をキュッとしめた状態にします。
風船をお腹におろしきった後、風船の栓を抜いて勝手に息が出ていくようなイメージで息をはいていきます。
息の出し入れはすべて鼻から行います。息を吸う時は、括約筋を緩めていただいて結構です。

無理に呼吸の姿勢をつくるのではなく、風船が勝手に姿勢をつくってくれるようなイメージ。
息を吸うのも吐くのもがんばってやるのではなく、息をはききったら自然と吸うように、全て自然と体がやってくれるような感覚でやれればよいのです。

体の働きに任せる、自然に

そもそも我々人間の体には、精緻で高度な機能が備わっているので、我々はただその体の赴くままに任せていけばよいと、ウィリアムさんは言います。しっかり肺という風船に息をいれると、風船と同様に肺も前後左右上下に膨らみます。その膨らみを充分に感じて呼吸をすることが大事なのです。もちろん体の状態によって膨らましにくいところ、コリみたいなものを感じるかもしれませんが、あまり気にせず、体の状態に任せていくことが重要なのだそうです。

呼吸筋のストレッチで、呼吸をより体感する

肺自体には自律的に動く筋肉がありません。そのため、肺を動かしている「呼吸筋群」をストレッチする事で呼吸機能を上げていくことになります。ここでは授業で取り上げられたストレッチの中からその一部をご紹介いたします。

まずは、手を前に組んで、胸骨を前から押されるような感じで深呼吸をします。すると、胸の方が押されるような感じで肩甲骨が開いていくように息が入ってきます。
この深呼吸を3回して休むというセットを4回繰り返します。

これで背中側の呼吸筋のストレッチが行われます。重要なのは、外側に開いていくように伸ばすことです。

前、左、右の呼吸筋も同様に伸ばすストレッチを行います。

肋骨の間のストレッチ

左右のストレッチは、片腕を上げ、肋骨と肋骨の間の肋間筋を広がるイメージで体を横にそらせて行います。肘から引っ張るようなイメージで行うとよいようです。

参加者全員が実践しているその時、受講生の中から「お、きた。」という言葉が…。
肋間筋がひらく状態を感じとれたのかもしれません。

自分の体の変化を自然と感じる瞬間〜それは、自分自身の変化を自覚できる貴重な時間ではないかと思いました。

授業は、この後、参加者各人の声や体の悩みや課題をお聞きし、その解決策を一緒に考えていきつつ、それぞれの参加者のパフォーマンスの披露もあり、和やかに時が過ぎていきました。

講座を終えて

今回、プロの舞踊家である小谷野哲郎さんとあらた真生さんにご参加いただきました。普段から体をつかった表現をされているお二人に、今回のワークショップはどのように映ったのでしょうか。体験後の感想をお聞きしました。

小谷野哲郎:
今回、呼吸筋のストレッチはためになりました。こうした毎回のストレッチの積み重ねをしていくことで自分の体がどのような成果を発揮してくれるのか楽しみです。

プロフィール:
東海大学音楽学課程在学中よりバリ島のサウンドスケープ研究の傍ら、バリ舞踊を始める。同大学院芸術学研究科修了後、1995年よりインドネシア政府給費留学生(ダルマシスワ)としてインドネシア国立芸術高等学院(STSI)デンパサール校舞踊専攻科に留学。学外でもA.A.グデ・オカ・ダラム氏、イ・マデ・ジマット氏、I.B.オカ・ワルジャナ氏、イ・マデ・シジャ氏ら、現代バリ舞踊界における人間国宝級の舞踊家達に師事し、舞踊技術の研鑽を積むと同時に精神的哲学的影響も強く受ける。バリ島各地のガムラングループと共に舞踊の奉納公演に多数参加。帰国後、日本では前例のない、プロの男性バリ舞踊家として活動を開始。現在までも唯一の男性プロバリ舞踊家であり、仮面舞踊を中心として、伝統の技術に裏付けされながらも現代的な、自由で幅広い活動を展開している。中でも半仮面を使って喋り、歌い踊るものは、そのキャラクターの多彩さ、濃さと相まって特に人気が高く、それのみでMCなどの要望が入ることも数多い。指導者としても、劇団四季やその他の劇団、個人などを多く指導している。

あらた真生:
普段ダンサーとして体を動かしているのですが、違う人から改めて違うアプローチで聞くことによって、体に新しい風を吹かせるとう楽しさを味わうことができました。呼吸筋群を意識しながら深呼吸をするということは、毎日できるし、人にも伝えたいなと思うことでした。ありがとうございました。

プロフィール:
元パパ・タラフマラ。ダンサー・振付家・モデル・武道家。世界各地を身体ひとつで歩き(踊り)渡る。ダンスと武道、身体の可能性を広げること、快適な睡眠への努力は惜しまず!ほかのことは 「まあまあ・適度に・良い加減で」

普段訓練を続けているお二人にとっても本講座は新鮮な体験となったようです。声を出すことから派生して、自分の体や表現方法を考えていくこの講座の奥深さを改めて感じた時間でした。(text by オトトイ事務局)

徳久ウィリアムの「プロになるための“快楽”ボイストレーニング」〜喉をこわさない本当の声の出し方教えます

1月開講の新講座が好評につき、全6回の本格講座として装いも新たに登場!声の基礎力をあげる事を目的としたボイス・トレーニング。声を良くしたい、上手く喋りたいという方におすすめです。見学のみも受け付けます!