2020/10/30 18:00
第35回「K-POPと荒井由実と宇多田ヒカル」
カラオケによく行く。酔っ払うと尚更。
最近はK-POPにハマっていて、初めは全く歌えなかったハングルも、今では気持ち良く歌えるほどだ。私が掴んだK-POPを歌う時のコツは、リズムに乗ることだけに集中することだ。
まず、全身でリズムを掴む。モニターに映るハングル文字のカタカナのルビをきちんと目で追うよりも、雰囲気でやり過ごすのがコツだ。ずっと聴いていると、日本語と発音が違う部分が分かってくる。それを少し強調すると、より上手くいく気がする。
自粛期間中にYouTubeでK-POPを観てハマった。毎日部屋にいる生活の中で、自分の身体はほとんど動いていなかった。そんな時、アイドルの肉体は、彼ら彼女らの思い通りに動き、それが美しいダンスになる。観ているだけなのに、自分も踊ってる気持ちになった。自分の頭から運動神経を電気みたいなものが通るのが分かる。この電気信号が気持ちよくて中毒になった。
自分の周りでも、今までアイドルにハマってなかった友達が急にハマっていたりする。みんな身体を動かしたいのではないか?と仮説を立ててみる。まぁ、みんな順調に歳を取って、若い男の子や女の子を可愛がりたいというだけかもしれないけれど。
カラオケの話に戻る。この間、荒井由実の「ひこうき雲」をひさびさに歌った。
今までの自分はこの曲は得意な方で、ラクに歌えたのだが、身体が変わっていた…。メロディ、歌詞をきちんと真っ直ぐに歌わないとこの歌の良さが出ない。それは今の私にとってハードに感じた。リズムとノリでは乗り切れない凛としたものがそこにはあった。
うーん困った。楽しくないとカラオケではない。
カラオケルームに入ってから1時間くらい経って、K-POPを歌うのも飽きてきた…というときに、そうだ、宇多田ヒカルを歌ってみようと思った。今まで宇多田ヒカルは苦手だった。好きだけど、自分が歌えたのはバラード調の曲。「誰かの願いが叶うころ」とか、「First Love」とか。それでも彼女の曲はメロディの抑揚がすごくあるし、息継ぎが独特で難しい。
今まで歌ったことはあるけど、難しすぎると感じて歌わなかった「Addicted To You」を選曲してみた。歌ってみてびっくり。歌えるではないか…!やはり身体が変わっている…!この曲はリズムを掴んで、英語と日本語とダンスする感じだ。楽しい。カラオケは楽しいに限る。スポーツみたいに、できることが増えていく感覚だ。歌えなかった歌も歌えるようになって、身体や喉が上手く動くようになる。
いまの感じがこうなだけで、また変わっていくんだろう。いまの感じを存分に楽しむ所存だ。
歌が苦手だけど歌が好きで本当は歌いたいのに歌えないと思ってる人、すこしのコツで歌は楽しくなるよ。もし居たら、会ったときに相談してくれたら、あなたに合ったコツ教えるね。上手くなるかは分からないけど、楽しく歌えるコツは知ってるから。
文と絵:白波多カミン
・白波多カミン オフィシャル・ウェブサイト
http://shirahatakamin.com/
★【連載コラム】白波多カミンの『引き出しからこんにちは』アーカイブ
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