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2020年07月25日22時30分

 
でかい未来をとらえた初ライヴ、PIGGS@渋谷O-nest!── OTOTOYライヴレポート
 

BiSの元リーダー、BILLIE IDLEの元メンバー、そしてYouTuberでもあるプー・ルイがプロデューサー兼メンバーをつとめるニュー・アイドル・プロジェクトPIGGSの初ライヴが、7月25日(土)@渋谷O-nestにて、新型コロナウィルスの感染防止対策のために、たった35名の前で行われた。

激戦のなか、チケットを購入できた幸運なお客さんは、全員着席という慣れない状況下のなかで、静かに彼女たちの登場を待つ。コロナ禍で生まれたアイドル・グループと言われるくらい、思い通りの活動はできず、それでも7月1日に『HALLO PIGGS』というアルバムをリリースし、なんとか今回のライヴに漕ぎ着けた彼女たち。何よりもライヴをやりたかった彼女たちと、なによりもライヴを見たかったお客さん。その熱い気持ちは、どんな化学反応を見せるのか!? そんな高まりまくった気持ちは、定刻13:30にアルバムの1曲目「KICKS」で幕を開けた。

「はじめましてPIGGSです!!〜東京編〜」@TSUTAYA O-nest
<セットリスト>
M01 KICKS
M02 ヴェルヴェット思想家
M03 Moonage Driver
M04 スーサイドマリー
M05 骨伝導massive
M06 Love Cats
M07 スナッチャー
M08 飛べない蛇
M09 エクスターミネーター
M10 PIPE FICTION
M11 とらえる
M12 PIGGS -モナ・リザ-

ライヴのMCは、BAN-BANの「はじめましてPIGGSですー」 のみ。一気にアルバムの12曲全てをやりきった。前半戦は、やはり緊張の色を隠せず、歌が安定しない部分が多かったように思うが、それを大きくカヴァーするダンスがとても印象的だった。カミヤサキがダンスに関わっていることが発表されたが、“ヴェルヴェット思想家”の変なヘッドバンキングや“エクスターミネーター”の変顔ダンスなどは、TikTokで見れるような人懐っこい大きくて変な動きが印象的だったし、UMIのソロが引き立つ“骨伝導massive”などはストーリー性が特に際立っており、彼女の指南の賜物だろう。他のメンバーに比べて背が高いSHELLMEは、特にそのダンスの中心的存在となっており、アイドルのダンスとは違ったPIGGS特有のものへ、そのダンスを引き上げていた。



一方歌は、やはりプー・ルイが群を抜いてうまい。特に、自分がプロデュースしRyan.Bが創るPIGGSの楽曲は、キーやリズムもとりやすいのか、過去のグループの中でも、特に自由に歌い上げていてとにかく気持ちいい。そのプー・ルイに匹敵する歌の存在感を見せたのはCHIYO-Pだった。ピッチが外れることもなく、小さな体からこれほどの声量が出るのかと驚いた。ただしこの2人が際立ってはいたが、UMI、BAN-BAN、SHELLMEもみんな歌がうまい。しかもそれぞれの声質がかなり違うので、楽曲に鮮やかな彩りを与えていた。特にプー・ルイやCHIYO-Pが歌い上げるスローテンポの“飛べない蛇”は本当に素晴らしかった。この曲を歌い上げることができるのは、メンバー皆の歌唱力が高いからで、1st albumでこのレベルの曲があるのは、PIGGSのとても強い武器だと思う。



ライヴ中に目を奪われたのは、UMIのパフォーマンスだった。個性の強いメンバーの中にいて、歌、踊り、そして表情までとても丁寧に表現し、彼女のその佇まいや姿勢がPIGGSをちゃんとアイドルとして成り立たせていたことにとても感銘を受けた。

メンバーの個性といえば、群を抜いていたのが東大生のBAN-BANだ。一緒に見に行っていたOTOTOYのアイドル担当が「なぜか目がBAN-BANを追ってしまいます」というほど、彼女はPIGGSに個性という大事な違和感を与え続けた。歌もダンスも初めてなので、まだまだこれからだと思うけど、彼女がこのまま違和感を持ちながら化けると、PIGGSは大変なことになってしまうんじゃないかと思う。



そして代表ソングでもあるラスト2曲の“とらえる”、“PIGGS -モナ・リザ-”はやはり最高だった。“とらえる”は、第1期BiSの“レリビ”のように、ラストにみんなで盛り上がる大名曲になるような気がするし、「息を潜めた時も 黒く塗られた時も 夢をとらえるさ いける」という歌詞も、コロナ禍でもやってやるという彼女たちの強い気持ちと、いまからの彼女たちの道程とその苦難を想像してしまい、激しく心が揺さぶられる。そしてラストは“PIGGS -モナ・リザ-”。幸運なお客さん35名がおもむろにペンライトを照らし、メンバーにサプライズする。それに応えるように、メンバーの声量や踊りも大きくなっていく。本当は、メンバーもお客さんもコール・アンド・レスポンスをしたかっただろうし、踊り狂いたかっただろうし、大声で笑いたかっただろう。それができなかった今回のライヴで、この暖かいお客さんのサプライズは、本当に嬉しかった。コールができなくても握手ができなくても、リアルならばアイデアひとつで繋がれるということを示したように思う。



1部が終わって感想をプー・ルイに投げると、「2部ではもっと狂ったライヴをしてやります!」というメッセージが届いた。もう課題が見えているらしい。

そして2部ではその言葉通り、ライヴは更に変貌を遂げていた。プー・ルイとSHELLMEが先陣を切りどんどんダンスが大きくなっていく。CHIYO-Pは目線を会場の後ろまで向けるようになり、UMIの表現はより豊かになり、BAN-BANのライヴが楽しいという気持ちは、体から溢れ出ていた。変なヘッドバンキングや変顔ダンスもより強烈になっていたし、お客さんの拍手も1部より格段に大きかったように思う。どんな話し合いが行われたのかはわからないけれど、たった3時間で更なる確変を起こしてしまったPIGGSに、過剰な期待をかけざるを得ない。横浜アリーナ、武道館... プー・ルイが叶えるべき夢を、ぜひこのメンバーでとらえて欲しい。絶対にいけると確信している。



文:飯田 仁一郎
写真 : 大橋 祐希
編集:西田 健

【PIGGS INFORMATION】
PIGGS HP : https://2952053.amebaownd.com/
YouTube channel : https://www.youtube.com/channel/UCJD9kdqH1hRyCOFpGxfyFjQ

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