2020/05/01 18:00
第24回「贅沢」
ひさびさに外に出た。
扉を開けて出た瞬間、太陽ってこんなに光強かったか?となる。
自転車を漕ぐ。背負ったリュックサックには読みたい本と炭酸水と財布とiPhoneが入っている。
河川敷に着いて、とりあえず土手に寝転がる。
風が吹いて気持ちいい。お日さまがめちゃめちゃあったかい。
うれしさのあまり、自撮りをする。それをInstagramにUPする。だれかに報告したい気持ちのときに便利。
本なんか読む気持ちになんかならねえ。いまは情報いらねえ。と思う。
川が流れる音がする。鳥がピーヒョロピーヒョロ言ってる。飛行機が飛んでる。小さく電車が見える。
気づいたけど、ひさびさに履いたジーパンが硬い、硬すぎる。ごっわごわ。あと、スニーカーも、なんかヘン。足と靴底の間に違和感がある。なんかゴムゴムする。なんか笑える。
ごろごろして、土手にボサボサしてる芝生の感触を味わう。草の緑っぽい匂いがする。
やべえ。最高じゃないか。
あったかいのしあわせだなぁ。ぽかぽかってこういう感じのこと言うんだなぁ。
空、広いなぁ。
一瞬一瞬に感覚を集中させると、どんなときでもやり過ごせるし、乗り越えられる。
リュックサックを枕にして、この文章を書いている。
あとすこしこのままでいようっと。
(次回掲載は5月15日)
文と絵:白波多カミン
・白波多カミン オフィシャル・ウェブサイト
http://shirahatakamin.com/
★【連載コラム】白波多カミンの『引き出しからこんにちは』アーカイブ
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