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2020/02/28 18:00

 

【連載コラム】白波多カミンの『引き出しからこんにちは』第20回

 

第20回「レディヘはいつもそこにいる」

「レディオヘッドかっこい〜あ〜あ〜」

つい口から漏れそうになった。

仕事の帰り疲れ果てて、電車に乗って、iPhoneを持ち、なんとなくSpotifyを開いて目についたのをタッチ。聴こえてきたのは、レディオヘッドの『OK Computer』Let Downだった。ひさびさに聴いた。ぐはーーーかっこいい〜。なんだこれ〜〜。音のひとつひとつを耳の鼓膜で触れているような感覚に陥った。なんてこった。この曲、こんな音鳴ってたっけな?ってのがどの曲もずっと続いて、それはもう幸せな、素敵な時間だった。

レディオヘッドは一番初めに好きになった洋楽のバンドだ。

それまでは、くるりに衝撃を受け(雷を落とされたかんじ)、椎名林檎を崇拝し、ナンバーガールを夏休みに自転車漕ぎながら聴き(ほんとは危ないからしちゃだめだよ)、ゆらゆら帝国を聴いてぞくぞくしたり、スーパーカーをたまに聴いてオシャレな気持ちになってみたりしていた高校生だった。

大学に入ってからいろんな友だちができて、何人かで友だちん家でいるとき誰かが流して、「これだれ?!なんてバンド?!」っとなったのがレディオヘッドとの出会いだった。(『Kid A』の一曲目「Everything in Its Right Place」だった。)友だちたちが、「へ?レディオヘッドやで。(知らんのん?っというニュアンス)」と教えてくれた。

「へーーー!すげーー!すきやーー!このひとたち!暗い!」と思った。

それからシガーロスとかモグワイとか聴いた。暗いのが好きだった。暗いってことは光が見えるから。そういう音楽今でもすき。それからジュディ・シルとか、もういろいろ聴いたから挙げるのたいへんだし別の機会にしようかな。

話それちゃうけど、なんか、聴いてきた音楽で判断されたり、評価される基準になったりするの、たまに感じたりすることあるんだけど、あれされると面倒だな〜ってなる。わたし今ここに居るんですけどーこれがすべてなんですわー。ってなるんよね。

そんなことより、とにかく、わたしは疲れ果てて泥のような形状になって、ほとんど朦朧しているようなときにレディオヘッドを聴いて奇跡を感じて、人間のカタチに戻れた。レディオヘッドが、わたしを救ってくれたんだって話。

ほんと、まじで、大好き。ありがとう。

これ、モスバーガーの紙ナプキンに書きました。もう全部食べ終わってるのに、「もう1枚ください」と言いました。ごめんなさい。快く3枚もくださいました。ありがとうございました。

(次回掲載は3月13日)

文と絵:白波多カミン

白波多カミン オフィシャル・ウェブサイト
http://shirahatakamin.com/


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