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2019/09/20 00:00

 

欅坂46、東京ドーム2daysを平手友梨奈ソロ曲「角を曲がる」で締めくくる―OTOTOYライヴレポ

 

2019年9月19日(木)東京ドームにて、欅坂46がワンマン・ライヴを行い、ダブルアンコールを含めた21曲で全国ツアーを締めくくった。

この日のライヴは、〈夏の全国アリーナツアー2019〉ツアーファイナルの追加公演として、前日に行われた初の東京ドーム公演に続いて行われたもの。

開演前から、緑色のペンライトが客席を埋め尽くす中、定刻を少し過ぎた頃、菅井友香、上村莉菜、原田葵による影ナレが突然始まった。キャプテン・菅井の「最終日、行くぞー!」との煽りに、「うおぉぉぉ~!」と、怒号のような物凄いレスポンスがドーム内にこだました。暗転し、延々と流れていたエレクトロビートが途切れると、ゆっくりとステージが照らし出される。そこに立っていたのは、今回のドーム公演で復帰した平手友梨奈だ。アンビエントな音楽が流れる中、舞台袖から静かに歩を進めながら中央へ、そして階段を昇って上段へ。会場は先ほどまでの大声援とはうってかわり、水を打ったような静けさで、平手の姿を見守っている。その手がピアノに触れ一音が鳴ると、ステージ両側のビジョンにメンバーの名前がローマ字で映し出される「Overture」がスタート。炎が立ち昇る中、「ガラスを割れ!」からライヴが始まった。客席のペンライトは緑色から変わり真っ赤に染まっている。“OhOh~”のコーラスに始まり、サビの“Rock You!”で早くもグループと観客が一体となった。「Student Dance」では、メンバーがセンターステージから十字に伸びる花道へと移動。途中、センターステージから噴水が上がる中で踊る演出に会場がどよめいた。

ピアノの上に立ち、1人で踊る平手が鍵盤を踏みつけると、4つ打ちのEDMに乗せた「エキセントリック」がスタート。メインステージで激しく踊っていたはずのメンバーが、暗転した瞬間になんとセンターステージから登場するイリュージョンさながらの演出で驚かせた。序盤からの激しいダンスに、MCで「まさか千秋楽で東京ドームに立たせてもらえるとはビックリです。感謝の気持ちでいっぱいです」と語る菅井の息が切れている。MCを引き継いだ2期生の松田里奈、田村保乃、森田ひかる、山崎天がそれぞれの想いを語る。グループ加入前は欅坂46のファンだったという彼女たちも、お見立て会から数か月を経てグループの一員となり「今の方が欅が好き」という発言も。「青空が違う」では、菅井と渡辺梨加、守屋茜と渡邉理佐がそれぞれ気球で客席上空を浮遊してファンサービス。「二人セゾン」では、制服姿のメンバーたちがサブステージへと移動して爽やかな歌とダンスを披露する等して、ライヴ序盤のダンサブルなイメージとはまったく違う表情を見せた。曲の後半では、平手がサブステージに1人で残って歌う。随所に、ドーム公演でフル出演復帰となった平手の存在感が存分に発揮されていた。

MCを経てのライヴ後半戦に突入。会場に流れたのは、アコースティックギターの響き。デビュー曲「サイレントマジョリティー」だ。所謂“アイドルグループ”のデビュー曲には似つかわしくないシリアスな同曲を筆頭に、続く「避雷針」「アンビバレント」等、メッセージ性の高い楽曲が欅坂46の個性であることを今さらながら思い知らされる(ただし最新シングル曲「黒い羊」は前日に続きこの日も歌われなかった)。「アンビバレント」は、キレッキレのダンスと歌の世界から放出される独特の緊張感が流れる中、カラフルなバルーンが客席を飛びかっていたのが、文字通りアンビバレントな印象だった。ライヴ本編は「風に吹かれても」、センターステージに移動しての「危なっかしい計画」、「太陽は見上げる人を選ばない」で大盛り上がりの中終了となった。

アンコールに応えて始まった曲は、前日に披露されて大反響となった「不協和音」。イントロが鳴ると物凄い大歓声の中歌い出し、「僕は嫌だ!」のセリフと同時に特効の音玉が炸裂。緑と赤のペンライトで埋め尽くされ、会場はカオティックな空間と化した。メンバーはステージを降りたものの、客席からはコールが続く。やはり、今日はここで終わらなかった。しばらくしてセンターステージに平手が1人で姿を現すと、イントロと共に踊り出す。曲名がビジョンに映し出される。なんと、平手が主演映画『響 -HIBIKI-』の主題歌として歌ったソロ曲「角を曲がる」だ。CD化すらされていない曲のダブルアンコールでのライヴ初披露に、どよめく観客たち。東京ドームのド真ん中、大観衆の前に1人で立ち歌い踊った平手。歌い終わると、小さくもハッキリとした声で「ありがとうございました」と観客に感謝の言葉を告げるとステージから姿を消した。場内からはため息と共に無人のステージ向けて万雷の拍手が贈られていた。

オープニングからエンディングまで、“平手友梨奈こそ欅坂46”と言わんばかりの存在感を見せたこの日のライヴ。今冬発売となる9thシングル(タイトル・発売日未定)でグループ史上初の選抜制を実施したことも大きな反響を呼んでいる今、彼女がどんな形で今後の欅坂46を牽引していくのか注目したい。

取材・文:岡本貴之
撮影:上山陽介
※ライヴ写真は初日のものです

ライヴ情報
〈欅坂46 夏の全国アリーナツアー2019〉
2019年9月18日(水)19日(木)東京ドーム
〈19日セットリスト〉
Overture
1. ガラスを割れ!
2. 語るなら未来を…
3. Student Dance
4. エキセントリック
5. 世界には愛しかない
6. 青空が違う
7. バレエと少年
8. 制服と太陽
9. 二人セゾン
10. キミガイナイ
11. もう森へ帰ろうか?
12. 僕たちの戦争
13. 結局、じゃあねしか言えない
14. サイレントマジョリティー
15. 避雷針
16. アンビバレント
17. 風に吹かれても
18. 危なっかしい計画
19. 太陽は見上げる人を選ばない
EN.1.
不協和音
EN.2
角を曲がる


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