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2019/09/12 10:00

 

高野寛 デビュー30周年記念アルバム『City Folklore』10/9発売 自伝的エッセイをnoteで連載中

 

高野寛が、デビュー30周年の締めくくりとして2019年10月9日にアルバム『City Folklore』をリリースする。

『City Folklore』は、5年振りとなる待望のオリジナル・アルバム。

今作はプロデューサーに冨田恵一(冨田ラボ)を迎えて制作されたもの。作詞作曲、ギター演奏以外を冨田にゆだね、レコーディング開始後は、歌うことに専念。新曲のほか、自身の代表曲でもある「ベステンダンク」の2019ver.や、ハース・マルティネスのカヴァー「Altogether alone」を含む9曲のほか、ボーナストラックとして、新曲のデモver.やライブver.など、7曲が収録されている。

また、ジャケットは忌野清志郎の長女で消しゴムハンコ作家の百世(ももよ)によるもの。高野と清志郎といえば、1992年に発表された楽曲「泡の魔術」で共演するなど交流が深かっただけに、ファンにとっては感慨深いコラボだ。

高野は、今作をリリースするにあたり、以下のような文章を寄せている。

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「City Folklore」について

2年ほど前からだったろうか、’70~’80年代の日本の「シティポップ」が欧米で静かなブームを呼んでいた。一過性の流行りかと思いきや、2019年夏になってもまだその熱は冷めやらぬようで、先日も米Rolling Stone誌の「日本のシティ・ポップは、なぜ世界中のリスナーを虜にしているのか?」と題されたWEB記事を読んだばかりだ。

記事には「シティ・ポップは究極的にはポジティブな音楽だった。そのユートピア的なムードは、より高性能の機械、より豊かな生活、そしてより優れた国を目指した人々が支えた経済成長による活気を反映していた。」と記されていた。海外の「シティポップ」ファンは、「もう戻らない時代、あの頃の未来」を当時の日本のポップスに見ているのだと知った。今「シティポップ」と呼ばれている曲たちは、CMなどを通じて当時小学生だった僕の元にも漏れ聞こえていた。当時のメインストリームだった歌謡曲やニューミュージックとは一味違う響き。洋楽と並べて聞いても遜色ないサウンドとオリジナリティ。YMOをきっかけに音楽とアートに目覚める以前から自分の耳に引っかかってきたそんなポップスの源流が、はっぴいえんど、ティン・パン・アレイ、シュガー・ベイブなどに遡れることに気づいたのは10代の終わり頃だった。

デビュー30周年記念の最後にリリースする新譜のサウンドは、そんな自分の源流にある「シティポップ」を意識しながら、「今」のサウンドを響かせたいとずっと思っていた。ストック曲やカヴァー曲を交えたアルバム全体の選曲は固まってきたが、アレンジのアイデアは今ひとつ広がらなかった。自分のイメージの予定調和を越える作品を作りたかった。

そこで今回は、音作りの全てを冨田ラボこと冨田恵一さんの手に委ねることにした。冨田さんの仕事ぶりは’90年代からよく知っていたし、冨田ラボの2ndアルバム「Shiplaunching」では「Prayer On The Air」に作詞で参加させてもらっていたけれど、演奏で共演する機会は今まで一度もなかった。

ラジオを聴いていて気になる曲があると調べる癖がある。サウンドが気になる曲のことを調べてみると冨田さんのプロデュース作品だった、ということがこの何年かで数回あって、サウンドプロデューサー候補を考えていた時に、そのことを思い出した。緻密で高解像度な冨田さんのサウンドが、新しい歌の景色を見せてくれるはずだと感じた。

今回の録音では、歌とギター以外の音の全てを冨田さんが一人で演奏・プログラミングし、ミックスまで手掛けていただいている(驚くべき集中力!)。僕はまな板の上の鯉。ちょうど30周年のツアーが終わりに差し掛かった頃だったので声は仕上がっていて、ぐっと歌入れに集中できた。

録音が佳境に差し掛かってアルバムの全容が見えてきた頃、歌詞を読み直していると「これはいわゆる『シティポップ』じゃないな」と感じた。20世紀の豊かな時代に明るい未来を描いた当時のシティポップとは違って、今回のアルバムに向けて選んだ歌には、時に憂いや陰りが見え隠れしていた。生活の中でゆっくり紡がれ、東京オリンピック前の暑い夏の東京でコツコツと作られた音楽は、まるで21世紀の都市生活者の民芸のようだと感じた。

そう、きっとこれは「City Folklore」なのだ。

高野寛

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11月15日(金) 大阪・桜ノ宮公会堂を皮切りに、リリース記念ツアー「City Folklore」season 1.が開始され、12月21日(土)恵比寿The Garden Hallでは、アルバム発売記念スペシャルライブ「TOKYO City Folklore」が開催される。また、高野がデビューからの30年を振り返る自伝的エッセイ「ずっと、音だけを追いかけてきた」がnoteにて連載中。この機会に、常に第一線で音楽活動を続けてきた高野の世界に足を踏み入れてみては?(岡)

リリース情報
高野寛
『City Folklore』
2019年10月9日(水) 発売
品番:SBST-009
定価:定価3,000円(本体価格)+税
発売元:Sunburst Inc.
販売元:ultra-Vybe,inc.
収録曲:
1. 魔法のメロディ
2. もういいかい
3. Wanna be
4. Altogether Alone
5. ピエールとマリの光
6. はれるや
7. Tokyo Sky Blue
8. 停留所まで
9. ベステンダンク(2019 ver.)
Bonus Tracks
10. 魔法のメロディ (Demo 2018)
11. もういいかい (Live 2019)
12. Wanna be (Demo 2019)
13. ピエールとマリの光 (Demo 2016)
14. はれるや (Demo 2014)
15. TOKYO SKY BLUE (Demo 2016)
16. 停留所まで (Demo 1999)

Produced, Arrangement, Instruments, Guitars(M7),
Treatments Recorded & Mixed by Keiichi Tomita @ Tomita Lab Studio
Vocal & Guitars by Hiroshi Takano
All songs written by Hiroshi Takano
except ‘Altogether alone’ written by Hirth Martinez

ライヴ情報
高野寛アルバム発売記念スペシャルライブ「TOKYO City Folklore」
2019年12月21日(土)
恵比寿The Garden Hall
https://www.red-hot.ne.jp/bacio/
Band member:坂田学 (dr) / 鈴木正人 (bass) / 斉藤哲也 (key) / 田中拡邦 from MAMARAID RAG (gui & cho)
開場16:00/開演17:00
前売料金:指定席¥6,700(ドリンク代別・税込)
     プレミアムシート(限定27席)¥11,000(1ドリンク&1タパス付)
当日料金:指定席¥7,200(ドリンク代別・税込)
[未就学児童入場不可]
問合せ:ホットスタッフ・プロモーション 03-5720-9999 (平日12:00〜18:00) http://www.red-hot.ne.jp/

ツアー情報
高野寛アルバム発売記念ツアー「City Folklore」season 1.
https://www.cowandmouse.info/takanohiroshi
11月15日(金) 大阪・桜ノ宮公会堂
11月16日(土) 岡山・蔭凉寺
11月22日(金) 京都・京都文化博物館 別館
11月23日(土) 名古屋・三楽座
11月24日(日) 浜松・天王山 福嚴寺
11月29日(金) 広島・LOG
11月30日(土) 愛媛・愛媛教育会館 講堂
12月1日(日) 高松・umie
料金:前売 4,200円 / 当日 4,700円
予約&問合せ:
cowandmouse489@gmail.com / 080-3136-2673 (カウアンドマウス)

・高野寛オフィシャル・ウェブサイト
https://www.haas.jp/

・エッセイ「ずっと、音だけを追いかけてきた」(note)
https://note.mu/takano_hiroshi/m/mc84b61d33fb1

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